今回は2020年の3月から新たにウェブ開発グループのマネージャーに就任された村上さんに色々と聞いてみました。真面目な中にもいじり甲斐を秘めている方だと勝手に思っているので、そこが少しでも伝わるといいなと思っています。
村上 正敏
株式会社ココナラ ウェブ開発グループ マネージャー
1982年7月 福岡県生まれ
2007年3月 大阪府立大学大学院修了
2007年4月 株式会社日立製作所 システム開発研究所入社
2014年5月 株式会社リブセンス入社。エンジニアリーダー
2015年10月 ザワット株式会社入社。エンジニアリーダー
2016年9月 エベリスト株式会社入社。CTO就任
2019年6月 株式会社ココナラ入社
ーー まずは村上さんのココナラ入社前日譚を聞かせていただけませんか?
村上:分かりました。では、大学時代くらいからでいいですかね。大学・大学院では情報工学を専攻していて、プログラミングのことしか考えてませんでした。ある意味中毒ですね(笑)。その後、インターンシップでお世話になった会社にそのままジョインすることになり、大学研究の延長でソフトウェア開発の研究者として仕事をスタートしました。
研究者からWeb開発エンジニアへの転身
ーープログラミングのことしか考えてないとかすごいですね!社会に出てからはどういった研究をされていたんですか?
村上:電力、鉄道、金融といった社会インフラ系システムを対象としたソフトウェア開発手法の研究に取り組んできました。半年スパンで研究し、論文・特許執筆を繰り返すのですが、非常に脳を酷使する業務なので、時々頭がパンクしていましたね。それでも、なんとか結果としてファーストオーサーの国際特許取得までこぎつけたのはいい経験になりました。
ーー分からなすぎて思わず「ファーストオーサー」をググってしまったのですが、国際特許取得の筆頭者が村上さんだったみたいなことですかね?
村上:そうですそうです。ただ、システムの特性上、研究から適用まで10年以上かかることも当たり前の世界で、最後まで見届けることができない状況もあって、それがもどかしくも感じていました。そんな中、テック系の記事などからWeb業界のことを知り、短いスパンでどんどんPDCAを回していけるところに徐々に興味をもち始めました。未経験で不安もありましたが、思い切ってWeb業界に飛び込んでみることにしました。
ーーこれはなかなかの環境の変化ですね。
村上:ええ。結果的にこれまでと180度違う経験をしていくことになりましたが、この時思い切って業界を変える選択をして本当に良かったなと感じています。
Web業界大企業→スタートアップ時代
ーーいよいよWeb業界編ですね。
村上:はい。Web業界に飛び込んでからは、主にバックエンドエンジニアとしてキャリアを歩み始めました。最初は、スクラム開発を実践し、週単位のPDCAフローに感動しつつも、エンジニアとしてのスキル不足も痛感し、めちゃくちゃキャッチアップを頑張りました。このときはいつかクビになるのではないかとひやひやしていましたね。
ーー落ち着き払った普段の村上さんからはとても想像できないですね。このときに培った気合みたいなのがいまの自転車に対するストイックさにつながっていそう。
村上:(自転車の話は真顔でスルー)
そうしているうちに、徐々にメイン業務としてのサービス機能改善がこなせるようになり、CI/CD環境の改善やパフォーマンス・チューニングもやり始めるようになりました。また、その後はエンジニアリーダーとして、仕様策定〜設計・実装までAndroidアプリ開発も経験してきました。日に日にできることが増えていくのでゲームでどんどんレベルアップしているような感覚があり、楽しく過ごしていました。
ーーおー、充実した日々をおくっていたんですね。例えもゲームを使っててわかりやすいっす。さすがゲーマー!
村上:(ゲームの話は真顔でスルー)
そんなときに転機が訪れました。業務終了後にとあるスタートアップ主催の勉強会に参加した際、交流会でその会社の役員の人から手伝ってくれないかという話をもらいました。たまたまオフィスが近かったということもあって、定時後ならまぁいっかということで、そのスタートアップに業務委託としてヘルプに入ることになりました。
当時Androidアプリ開発をやり始めたところだったので、学んだ知識を実践する機会ができてラッキーくらいに考えてました。ただその後、その会社が資金調達を行ない、半年くらい経ったところで正式にオファーをいただきました。スタートアップにもともと興味をもっていたこともあって正式にジョインすることになりました。
ーースタートアップッ!!
村上:正直なところ、10人以下のスタートアップは良くも悪くも本当に大変でした。週単位でも遅いくらいのスピード感で高速に業務をこなす必要があり、かつ、その上で会社を存続させるためにエンジニアリング以外のことにも多く気を配る必要がありました。この時のなんでもやった経験は今の自分の総合力の糧になっているように思います。
スタートアップの経営をしつつフリーランスとして活動
村上:その後、残念ながら勤めていた会社は縮退となり、次どうしようかなと考えていたところ、独立しようとしていた同僚がわたしに自身の夢を語ってくれました。その方はこれまでの自分とは全く異なる経験を持っていて、ブランド品・中古品業界の営業のプロの方でした。B2B、B2Cの中古品市場は、まだまだアナログで整備が行き届いていない状況で、そこにテクノロジーを応用してメスを入れていきたいといった熱い想いをもっていて、その中で私に協力してほしいという話をいただきました。
ーー職種が異なる方から誘われるということは、仲間として信頼されていたんですね。
村上:なんども会話を重ねていくうちに、会社やその社長に将来性を感じ、私自身役員として経営に参画することにしました。当たり前ですが、この会社は前職以上に小さなスタートアップで、1Rの部屋を借りて手元資金のみで細々と運営している状況でした。当然自分自身に対する生活費すら十分には払えない状況だったので、フリーランスを掛け持ちしながらのスタートとなりました。
ーーここまで話を聞いてきて、村上さんの覚悟を決めて飛び込む力のすごさに驚いています。どうぞ続けてください。
村上:業務としては、Webサービスの計画策定〜開発・運用、投資家向けプレゼン資料準備や資金繰り計画、CS業務や配送・倉庫管理業務、広告運用などなど、必要なものを全方位的になんでもやりました。もう自分の職種はなんだったのかわからなくなってましたね。会社経営に携わりつつ、フリーランスとして何社か経験していく中で、自分の中でも爆速で成長していくのが実感できました。この間ほぼ休みなく働いていたので当然ではありますが、非常にモチベーションが高い状態で取り組めていたというのも大きかったように思います。
そして、泉谷さんもご存知のとおり、その時のフリーランス業務先の一つがココナラでした。
ーー2016年〜2017年でしたよね?ココナラ初の新規事業である「ココナラ法律相談」の立ち上げ期を最前線でゴリゴリに引っ張っていただきました!
ココナラに戻ることを決めた理由(わけ)
村上:最終的には事業売却することになり、会社としても業務縮退させることになったので、そのタイミングで会社を離れることにしました。それに伴い、次の職場を検討していたのですが、ココナラ社長の南さんから個人的にFacebookで連絡をいただき(!)、話を聞いてみることにしました。
いろんな会社の話を伺っている最中でしたし、フリーランスという選択肢もある中での決断は非常に悩みましたが、総合的に判断した上でココナラを選びました。
ーーまさにその連絡の瞬間、南とMTGしていたのでめちゃめちゃ覚えてます。そして、南がみんなに褒められてましたよ(笑)。話を戻しまして、総合的な判断でココナラを選択したということなのですが、具体的にはどのへんが良かったんですかココナラ社?
村上:大きくは4つありました。
・ビジョンやサービス内容への共感
・エンジニアとしての魅力
・経営陣の経験豊富さと実行力
・自分への信頼
ーー(通常は3つというパターンが定石な中で、漏れのないように4つにするところが村上さんらしいな)
村上:1つ目の「ビジョンやサービス内容への共感」については、私は地方の田舎都市出身なのですが、実家に帰るたびに都会とのギャップを感じていて、なんとか都会と田舎のギャップを無くしていけないかといつも考えています。「場所や時間などの制限を受けずに、一人ひとりが自分のもつスキルを生かして自分らしく働きそして生きていく」ココナラではこういった場を提供していくことが可能なのではないかと感じました。「好きなことだけで生きていく」と表現されることもありますが、あらゆる方面でこれを実現していくことが自分がやっていきたいことの一つです。
ーーわたしも片田舎の出身なので、帰省するたびに都会と田舎のギャップはすごく感じています。
村上:2つ目の「エンジニアとしての魅力」という部分ですが、一度ココナラで働いていたこともあり、そういう点ではスキル向上の余地が少ないかなと考えていたのですが、違いました。以前フリーランスで働いていたときと比べて随分技術的に進歩しており、使っている技術やツールなどが大きく進化していました。事業的にも技術的にも進化し続けていましたし、成長し続けている限りスキル向上の機会は十分にあります。また、さまざまな事業フェーズを段階的に経ることで、1社ではなかなか得難い知識・ノウハウを獲得できそうだという点が魅力的に感じました。
3つ目の理由としては、「経営陣の経験豊富さと実行力」がありました。これまでスタートアップを経験してきた身として、大層な理想はあったとしても現実問題として資金をショートさせずに成長を持続させていくことの難しさを感じています。現経営陣は非常に老獪で(笑)結果を残せる人たちばかりなので、エンジニアとして余計なことに振り回されることなく、サービス開発・運営に集中していくことができそうだとも感じました。
ーー4つ目、自分への信頼。言葉の響き的にめちゃめちゃ気になっています(笑)。
村上:はい(笑)。最後の理由としては、「私自信を信頼していただけた」ことになります。自分のことを知ってくれた上でまた一緒に働こうと言っていただけるのはエンジニアとして腕を認められたということでもあり、そういう嬉しさも理由の1つでした。
個々人の長所を爆発させたい
ーーありがとうございます。村上さんがココナラを選んだ理由がよくわかりました。そんな村上さんが今後していきたいことってどんなことになりますか?
村上:長所を爆発させたいです!
ーーあれ?ん??といいますと???(声のトーンが変わったけど、急にどうした)
村上:自分の長所が認識され、そして評価されることは誰しも嬉しいものです。私は、社員一人ひとりが自分らしく活躍していけるようにするためには、それぞれの長所を伸ばし、それを有用な武器として強化していくことが大事だと考えています。
会社としても、まだまだ安定期ではなく成長過渡期なので、個々人が長所を爆発させて会社全体に勢いをつけつつ、短所は組織全体でカバーしていくのがいいんじゃないかと考えています。
私としてはそういった状況に一歩でも近づけるため、密なコミュニケーションや技術的・組織的問題があればその改善などに取り組んでいくことで、陰ながらサポートしていきたいと考えています。
ーーなるほどですね!めちゃくちゃ同意です。ストイックに励んでらっしゃる趣味の自転車の話とかも聞きたかったんですが、色々と伺ってちょっと長くなってしまったので、また次回とさせていただきます。ありがとうございましたー!
現場からは以上です。
<オマケ>