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日鉄興和不動産株式会社/新築マンション販売業務の顧客データプラットフォームの策定支援〜システムリリース

日鉄興和不動産株式会社が運用する「Livico(リビコ)」は、同社が販売する新築マンションに関する業務データを一元管理するための顧客データプラットフォームです。今回、日鉄興和不動産様とアルサーガパートナーズが共同で推進した本プロジェクトについて、担当者の方々へお話を伺いました。

お話を伺った方

日鉄興和不動産株式会社
住宅事業本部:青木様、近藤様
企画本部 イノベーション創出部:須藤様

(写真左より 須藤様、青木様、近藤様、弊社畠山、前田、新實 )

経営/事業における課題

・複数のサービスをバラバラに利用しており、広告費及びシステムのランニングコストが高い状態が続いていた
・複数のDBにデータが散在しており、データを横断的に活用した効率的な顧客分析や営業・マーケティングへの活用ができなかった
・顧客との過去の接点が把握できず、ロイヤルティ向上施策が実施できなかった

課題に対するアルサーガパートナーズの対応

・企画・構想の具体化及び実現方法の策定
・データ要件の整理及び業務・システム要件の整理
・設計・開発に向けたプロジェクトマネジメント(要件整理~テスト)
・社内外のステークホルダーへの説明及び業務移行・データ移行のサポート

創出効果

・顧客属性や興味のある物件傾向を踏まえ、より適切な提案が可能になった
・情報管理の一元化により、分析業務の効率化及びコスト削減を実現した
・必要な顧客データをタイムリーに取得できることで、精度の高い顧客分析・マーケティングが可能となった
・接触情報を活用することで、顧客ロイヤルティ向上のための施策が実施できるようになった


マンション販売における新たな顧客体験への挑戦

――今回ご支援させていただいた、新築マンション販売業務における顧客データプラットフォーム「Livico」の自社開発プロジェクトが始まった背景を教えてください。

日鉄興和不動産 須藤様:

これまで住宅事業本部では、さまざまなサービスやプロダクトを活用しつつ業務を進めてきました。しかし、サービスの利用コストや作業時間に対する課題も多かったため、自社でのサービス開発に取り組むことにしました。

――本取り組みを行う前に感じていた課題は何ですか?

日鉄興和不動産 青木様:

さまざまなチャネルでお客様と接点があるにも関わらず、得られた情報が一元管理できていない点です。販売を他社に委託するケースもあったため、販売を担当する会社や物件ごとにバラバラになっていた情報を一元化することからこのプロジェクトは始まりました。

――アルサーガパートナーズが本プロジェクトをご支援することになった背景を教えてください。

日鉄興和不動産 須藤様:

開発に向けた素案や構想は自社で持っていたのですが、実際にアイデアを形にしていく段階で、誰に何を相談しどう進めるべきか明確でないという課題に直面しました。そこで相談をしたのがアルサーガさんです。

これまで住宅事業本部では、アルサーガさんとさまざまなプロジェクトに取り組んでいました。当時の担当者からも「信頼のおける会社」と聞いており、特に今回は現場と事業部の連携を深めていく段階でもあったことから、実績と信頼のあるアルサーガさんへ依頼することにしました。


事業部が推進したからこそ生まれた「ビジネス現場で使われるプロダクト」 

――事業部主体でプロジェクトを進めるにあたり、皆様が難しさを覚えたのはどのような点でしたか?

日鉄興和不動産 須藤様:

データが多岐にわたるため、どのように統合していくかは非常に難しい点でした。また、統合したデータをどのように活用していくかも大きな課題でした。

日鉄興和不動産 近藤様:

事業部内に、どのサービスでどのようなお客様情報を管理しているのかを把握している人がいなかったため、そこから確認する必要がありました。さらに販売会社ごとに管理方法が異なるため、 全体像を一度に把握するのも困難な状況でした。また、次に何に着手できたら開発が円滑に進み、私たちが目指すことを実現できるのかが社内で明確になっていなかったのも難しさを覚えた点です。

日鉄興和不動産 近藤様:

当初は何も分からない状態で進めていたため、「スモールスタートで最小限のデータを集め、今後の進め方は徐々に考えていけば良い」という認識で緩やかに進行していました。アルサーガさんが現実的なスケジュールおよび進め方を整理し、具体的な行動計画を示してくれたことで、スピード感を持って進められるようになりました。

また、第三者の視点で進捗や方向性を確認するチェックゲートの役割も果たしてくれたことで、開発全体が底上げされたと思います。

――本プロジェクト中、最も印象に残った出来事を教えてください。

日鉄興和不動産 須藤様:

プロジェクトの終盤に行ったデータ移行とその各種調整は大変でしたが、社内外の皆さんに「Livico」をご利用いただける状況にまでたどり着けたのは嬉しい限りです。

アルサーガパートナーズ 前田: 

ユーザ受け入れテストの際の皆様の協力的な姿勢が印象的でした。前向きに協力いただいたことで、今までにないほど雰囲気の良いテストとなりました。また、日鉄興和不動産様の社風として意見が伝えやすく、風通しの良い環境が整っているのもプロジェクトの成功を後押ししたと思います。離れたエリアの住宅事業本部の方へのご説明に同席した際、「Livico」を抵抗なく受け入れてくださった姿が印象的だったからです。こうした社内環境とメンバーの皆様の頑張りがあり、リリースまで無事に進められたのだと思います。

日鉄興和不動産 須藤様:

アルサーガの皆さんのキャッチアップ力も非常に大きかったと思います。実際に現場メンバーからも「しっかりと事業を理解してもらい、かつ自社にマッチするような形で社外の方にプロジェクトを推進してもらえたのは初めて」という声が寄せられました。

アルサーガパートナーズ 畠山:

今回は現場主導で進められたことで、要件が明確になりました。また青木様や近藤様をはじめ、住宅事業の現場で活躍する皆様が「これを実現したい」という強い思いを持って取り組まれたからこそ、社内外で「Livico」が受け入れられているのだと感じています。

システム開発において、私たちはサポートさせていただく立場にありますが、ビジネス現場で実際にご活用いただけるプロダクトを作るためには、社内で意志のある方が中心となりプロジェクトを進めることが重要です。IT部門主導やトップダウンのシステム構築プロジェクトも多い中、事業部主体で取り組まれたことで、皆様の熱意が反映された使いやすいシステムが実現できたのだと考えています。

プラットフォーム導入により生まれた新たな価値

――「Livico」の導入により、皆様の業務はどのように変わりましたか?

日鉄興和不動産 青木様:

お客様が来店された際、過去に当社の物件と何かしらの接点があれば、その情報を即座に把握できるようになりました。どの物件をご覧いただいたのか、どのようなお客様の属性なのかを踏まえた上で対応できるようになった点は、業務効率の向上・接客の高度化に大きく寄与しています。

さらに、別の物件をご検討中のお客様にも、その情報を活用した適切な提案ができるようになりました。ご興味をお持ちの物件の種類など、お客様の嗜好を事前に把握することで、ニーズを理解した上での接客が可能となり、これまでにない大きな改善につながりました。

――今後、本プロジェクトはどのように進められる予定でしょうか?

日鉄興和不動産 青木様:

導入当初のフェーズ1から現在はフェーズ3まで進み、年度内には新たな取り組みとして、データ分析を週報形式で定期的に取り込む体制を整え始めています。

「Livico」は当社のマンションブランド「Livio」に「connect(つなぐ)」という言葉をかけた造語ですが、Livicoの名前の通り、今後は他部署との連携も一層強化し、契約後の管理やアフターサービス部門との連携、お客様から接客の評価をいただくプロセスの追加など、本プラットフォームを軸とし、お客様とのつながりを強めていくことに貢献していきたいと思っています。

――最後に、「Livico」の展望についてお聞かせください。

日鉄興和不動産 須藤様:

今後取り組んでいきたいのはAIによるデータ分析です。会社にとって非常に重要な課題である一方、現時点では十分に整備されていません。本プロジェクトをきっかけに、データ分析が可能な体制を整備していくことが、会社全体における重要なテーマになっていくと考えています。

AIを活用したデータ分析の重要性は年々高まっており、その意識も広がってきています。まさに今回開発したデータプラットフォームは、お客様とのコミュニケーションを支えるデータ基盤として、非常に重要な役割を果たすはずです。

データ基盤を整え、活用できる状態にあることは、それ自体が大きなレバレッジにつながります。データを効果的に活用することで、お客様との接点を深め、より質の高いコミュニケーションが図れるようになるだけでなく、そこから生まれる新たな価値創出への可能性も広がっていくでしょう。今後も、このデータ基盤を軸に、さらなる価値提供を目指してまいります。

アルサーガパートナーズは、「Livico」のような社内外で利用されるプラットフォーム開発においても、開発戦略〜実装支援までをワンストップで対応できます。実際の対応事例も含めお伝えさせていただきますので、少しでもご興味を持たれましたらこちらhttps://www.arsaga.jp/contact/ からお問い合わせいただけますと幸いです。

(取材・編集=広報室 宮崎、文=スギモトアイ)

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