地味でも真に役に立つ機能を提供
「この信号を左です♪」 カーナビのルート案内で聞いたことがあるかもしれません。業界で初めてパイオニアのカーナビが採用した案内の方法です。 当初、この機能を社内で提案した際にはネガティブな反応が多くありました。反対者曰く「信号の位置データが間違っていたらマズイ」「曲がる場所の目の前で案内されて意味があるの?」等々。 信号データの鮮度や精度に関しては地図会社に確認して99.9%は問題ないことを確認し、0.1%のネガはこの機能の有用性を覆すものではないと判断しました。 交差点目前での案内の有用性については、助手席に土地勘がある人が乗っているときに「ここを左だよ!」と言ってもらえる安心感は誰もが実感しているはずで、これをカーナビで再現できれば多くの人に実感してもらえるはず、という確信がありました。 この機能を採用する以前は交差点の100m手前が案内の最終地点でしたが、100m手前では交差点名の看板の文字は小さくて読めません。また渋滞していると実際に曲がるのは数十秒~数分後になることもあり、100m手前の案内の内容は意識のなかから薄れてしまいます。さらに交差点のすぐ近くに脇道があると「どちらを曲がるの?」と戸惑うこともあります。これらの課題を解決する案内の仕方を決めるために実走テストを繰り返し、交差点の30m手前で「この信号を左です♪」または「左です♪」と案内することにしました。手前に紛らわしい脇道がある場合は、その道を越えてから案内する仕様になっています。 この機能はジャスト案内と呼ばれており、パイオニア以外の多くのメーカーが採用する機能になりました。