車載カメラ画像共有サービスのプロダクトマネージメント
スマートループ アイ(車載カメラ画像共有サービス)の企画開発リード 運転が上手なドライバーは、頭の中で前方の状況を俯瞰的に捉えて常に予備的な運転行動を取っています。時には視界が届かない遠くの状況を頭のなかで想像していることもあると思います。例えば目的地の駐車場の入口の景色はこんな感じだったよな、などと思い浮かべて、実際にその場所に近づいたときに手前の道路の混雑状況を見て、第1駐車場は混んでいそうだから、第2駐車場の方へ回ってみようとか、目前の車列を駐車場の入場待ちの列なのか、単なる信号待ちの列なのかを見極めるといったことです。誰もがこのようなスマートなドライバーになれるわけではないので、頭に描くイメージの代わりに、見たい場所の画像をみることができたら?という発想で企画したのがスマートループ アイです。2013年モデルのサイバーナビにはDCM(データコミュニケーションモジュール)とナビ本体と連携する車載カメラユニットが採用されており、車載カメラで撮影した画像データをサーバーへアップロードすることができました。ただ撮影した画像をすべてアップロードしてしまうと通信コストが膨大になって商品化することはできなかったので、アップロードの対象となる場所を限定して現実的な通信量に収まるようにする工夫をしました。対象の場所をトリガーポイントと呼びますが、トリガーポイントの例は、高速道路のIC/JCT、店舗の駐車場の入口等です。トリガーポイントのバリエーションは将来的に増やしていく構想でしたが、市販ナビの市況が芳しくなく構想通りにはいかなかったことは残念でした。スマートループアイのコンセプト自体は現在でも有効だと考えているので、パイオニアを含めて誰かがもっと良いものを作ってくれることを願っています。もちろん自分がそこに関わることができれば幸せです。