CEOの秋田です!年末にタンザニアから日本に戻ってきました!
2021年もよろしくお願いします。
新年1発目として、いろいろと書き散らかします。
初心忘れるべからず
WASSHAとして、9期目の事業年度が始まります。
先日、投資家の方と話をしていて「秋田さんって、どんな経緯でこの会社を創業するに至ったの?」という質問を頂いて、こんな回答をしました。
- もともとアフリカに関心持ったのは1998年高校生2年生の時。投資家には話してないですが、当時、彼女の浮気を知って傷心し、テスト勉強に手がつかず、市立図書館でぶらぶらしていて手に取った雑誌?写真集?で、ルワンダ大虐殺について知って、世の中の不条理に深く傷つき、途上国問題に関心を持つ。
- 大学で開発経済学を専攻し、将来は国連職員を希望していた2002年、大学2年生の冬に、初めてお金をためてアフリカの一国、タンザニアへ。現地で同年代のタンザニア人と将来について語る中で、彼から「国際援助は、お金をもらう側・あげる側に分かれてしまうからフェアな関係が築けない。君がそれでも援助の世界で働きたいなら否定はしないけど、自分は起業家になりたい、ビジネスは学歴も国籍も関係ない、お客さんに必要とされるプロダクトをつくった人が勝つ世界。ビジネスを通じて貧困問題や色んな課題が解決できる。お前もこっち側の方があってるんじゃない?」と言われて、ビジネスに関心を持つ。
- 大学院に進学し、BOPビジネスの黎明期に論文を書いていた。(日本でBOPビジネスが注目されるのは2008年。僕が大学院進学した2004年当時はアメリカでBOPビジネスの研究が注目されはじめた時期で、それ以降、今まで文献・事例などをずっとフォローしている。)
- 2006-2011年までIBM(コンサル)で6年間働いて多国籍企業のマネジメントを学ぶ。でもやっぱりアフリカでビジネスがしたくて会社を辞めて、起業準備。最初の起業はうまくいかず、途上国ビジネスのコンサルに。
- 途上国ビジネス・コンサルのクライアントだった東京大学の教授とたまたま調査プロジェクトがうまくいって、事業化のために2013年にWASSHAの前身になるDigital Grid Solutionsを創業。代表取締役CEOに就任。VC、政府機関、事業会社など多方面の支援を得て事業拡大し今に至る。
- 会社を作ろうと言い出したのは東大教授。でも、このビジネスへのこだわり、執着は誰より強い。
思い返すと、17歳当時から関心を持ちはじめて、20歳の頃からやりたいと思っていた「アフリカで、現地の課題をビジネスを通じて解決する、慈善事業でなく営利事業にすることで、自分もお客さんも豊かになる」を実現できているわけで、これまでに起きたあらゆる幸運に改めて感謝せねばと思いました。
創業当初、一番最初に作った事業紹介資料にも、ジョン・レノンの曲名から拝借した「Power to the people」が表紙に大きく記載してあり、創業当初から変わらない使命感を今も持ち続けて、大事にするチームが出来たことを嬉しく思ってます。
2021年も、「Power to the people」を軸に、ブレずに、日々の仕事を進めていきます。
2020年に挑んだこと(ハイライト)
沢山あるので手短に。総じて、COVID19の制限ある中で、多くの成果を出した1年だったと思います。
① 12,000km離れた日本・東アフリカ間で多国籍チームのリモートワーク体制に
3月末に日本からタンザニア・ウガンダへの駐在メンバー全員の日本帰国を決定。現地赴任予定の新規参画メンバーも渡航延期。オンラインコミュニケーションのみで250名超をマネジメントする体制に変更することを余儀なくされました。でも、副産物として「日本メンバーの不在」によって現地リーダー層が急成長。自分がWASSHAを支えているという自信がついて、よりオーナーシップが強いチームに成長しました。結果的に、売上も前年比2倍に。
② EaaS事業のGlobal Expansion、ウガンダ・モザンビーク2か国に子会社設立
宿願だったタンザニア以外の国への進出が決定。PoC開始済みのウガンダの法人設立に加えて、モザンビークにも法人を設立しました。ただし、モザンビークはCOVID19の影響で渡航できず、事業開始は2021年にずれ込んでしまいました。
③ EaaS以外の新規事業を推進する子会社、WASSHA Plusの設立
EaaSの次の事業の柱を作るため、タンザニアに新規事業のPoCを推進する新会社としてWASSHA Plusを設立しました。タンザニアではPoCであっても事業実施・売上計上するにはビジネス・ライセンスなど厳格な法的要件をすべてクリアしなければならず、これまでの体制では難しかったんですが、WASSHA Plusが出来たことで、本格的なPoCを開始できるようになりました。現在、複数案件が動いていて、これから電力以外のPower to the peopleを追求していきます!
④ ダイキン工業さんと世界初のエアコン・サブスク事業を行うJVとして、Baridi Baridi株式会社を設立
2019年にPoC開始した事業を推進するためにJV設立しました。ダイキン工業チームから選りすぐりのメンバーがBaridi Baridi株式会社の経営チームにアサインされて、喧々諤々しながら一緒に事業作りを進めています。
ダイキン工業のインド法人にハードウェア開発してもらったり、ソフトウェア開発を一緒にやったりして、Daikin wayを色々勉強させてもらいました。2021年からのPoCフェーズ2開始が楽しみです。
(関連リンク)
エアコンのサブスク事業に関するダイキン工業との合弁会社の設立について(2020/06/16)
⑤ ノーベル平和賞を受賞した国連WFPとの協業開始
タンザニアの一部地域で、WASSHAのEaaS事業を通じてWFPが支援する農民の所得向上、栄養改善などを図るプロジェクトが開始しています。成果が見えてくるのはもう少し後ですが、これもタンザニアの現地リーダーがしっかりマネジメントしてくれていて頼もしい。
(関連リンク)
国連WFPタンザニアとの栄養改善プロジェクトにおける協業について(2020/05/28)
⑥ 社内で数年来ずっと懸案だった在庫管理システムを自社開発で刷新
ソフトウェア開発チームの尽力で、自社開発の在庫管理システムをリリースしました。これによってLEDランタンをシリアルナンバーで全数個体管理する精緻な固定資産管理が実現します。すごい。
⑦ ハードウェアの新製品開発を中国メーカーと開始、プロトタイプ完成
EaaS事業で1店舗当たりの初期投資額を約30%削減できて、業務プロセスも今までより更に簡略化できる新しいプロダクトの開発が始まっています。プロトタイプが完成し現地で試験運用開始済み。これから量産フェーズに入っていきます。これがうまくいったら2021年の3月頃にはお披露目できるはずです。
⑧ IPO準備
東証マザーズでのIPO準備も進んでいます。海外売上(特にアフリカ地域での売上)がほぼ100%のビジネスで、事業の成長性や、ガバナンス体制が確立されている事をどう説明していくか、監査法人・証券会社との協議を通じてやるべきことの範囲・難易度が具体化し、対応策の検討が大きく進んだ1年でした。
他にもまだまだあるのですが、今回はここまで。
2021年に挑もうとしている事
今年、特に前半のフォーカスは大きく以下の3つです。
① Global Expansionの推進
モザンビークでのPoC開始に加えて、さらに複数か国への展開検討に人材・モノ・資金を投下します。
世界の未電化人口の70%(5.5億人)がアフリカ大陸に点在しているので、僕たちが進出するべきマーケットはたくさんある。どこに進出し、どうマーケットを開拓していくかを具体的に掘り下げていきます。
(関連する募集ポジション)
アフリカで課題解決プラットフォームを創る!海外進出担当マネージャー募集!
② 新規事業開発の推進
まだオープンには出来ないPoC案件も多くあり、事業化の検証を進めて、新しいかたちでの「Power to the people」の実現を目指します。また、日本/海外の企業/スタートアップとの連携も模索していきます。先日発表したGoogle for Startups Acceleratorの3回目バッチへの参加もこの一環です。
(関連する募集ポジション)
アフリカで新しいビジネスをつくる!新規事業開発担当マネジャー募集! (募集終了 2021/1/21)
③ コーポレート機能の強化
展開国が増え、事業の多角化が進む組織を管理面から支えるコーポレート機能の強化が急務です。
IPO準備の観点からも実績・経験のあるメンバーを採用させて頂き、一緒にグローバル・スタートアップの管理体制を作っていきたいと思っています。
(関連する募集ポジション)
IPOを目指すグローバルスタートアップ!財務経理リーダーWANTED!
アフリカの成長を支える、法務・コンプライアンスマネージャー募集!!
(他多数募集中)
長文になってしまいました。
最後まで読んでいただいた方、ありがとうございます!
改めて、2021年もよろしくお願い致します。Power to the people!
WASSHA株式会社 代表取締役CEO 秋田智司