VISITS Technologies 株式会社で、データサイエンティストとして同社の技術をリードしている村尾一真さん。アメリカでのインターン経験から、スタートアップで働く姿をキャリアの一つの目標とし、現職に勤めています。大手IT企業でのスケールの大きな経験、そして現職でデータサイエンティストとしての経験を通してその信念に迫りました。
スタートアップはキャリアの自然な到達点ー貪欲に学び続けた、そのプロセスとは
ー これまでのキャリアを教えてください。
学生時代、大学院まで理系の道で学ぶ中、アメリカのボストンに本拠地を構えるスタートアップ企業でインターンを経験しました。MITの出身者が作ったスタートアップでの新サービス開発の中で、自分は音楽関連のデータ分析を担当。東海岸ではありますがFacebook(現Meta)も排出しているボストンで、「エンジニアリングで巨大な価値を創造する」という空気を肌で感じました。これが、現在のキャリアを選んだ原点で「スタートアップ企業で働く」という志への原体験となっています。
スタートアップで活躍したいというキャリア感が生まれたものの、当時の自分がいきなり挑戦するにはスキルセットが十分ではないと自己分析し、一社目は大手IT企業に入社。優秀なメンバーが多く在籍する大きな組織で働きながら実力をつけることを目指しました。
新卒入社した2012年はスマホを持っている人がようやく増えてきたという頃で、配属された部門で7年ほど携わった「データサイエンス」「機械学習」「自然言語処理」といったワードもまだまだ一般に浸透していないような時代でした。そんな中で、現在も月間アクティブユーザーで日本最大級となるシステムを新規開発するという全社的なプロジェクトに抜擢され、機械学習アルゴリズムの設計開発をリードするなどの経験を積みました。
ー 現職への入社のきっかけは?
スタートアップでのキャリアを考えていた頃に、知人が転職した会社として現職のVISITS Technologiesと出会いました。創業メンバーと話している中で、彼らが「誰も見たことがないサービスを通して価値を届ける」ことを目指していている点に、他社との違いと興味を感じました。
日本市場だけでなく世界を驚かせたいと考えている、その企業の成長に自分の経験や能力が役立てられると思い、入社を決めました。大企業からのスタートアップへのチャレンジという非連続的な環境変化を実現できる場所であったことも決め手です。
新たな価値を提供したいー広い視野を持つデータサイエンティストとして
ー 現在、どのような仕事をされていますか?
データサイエンティストである自分のミッションは、CI(※)技術を世の中に普及させていくこと。そのために、データ分析の専門家としてサービスの分析や、CI技術自体の改善・検証を行っています。具体的には、CI技術を構成するアルゴリズムを発展させる研究開発、またCI技術をコアなエンジンとして持つ「デザイン思考テスト」や「VISITS forms」といったサービスへのテクノロジーの適用、そしてこのサービスを利用するクライアントに対して、分析結果を提供することです。いずれも、会社が掲げるミッションを具体化する仕事であると感じています。
(※)コンセンサス・インテリジェンス(CI)…これまで定量化できなかった「知見の信頼度」を客観的に数値化できる特許技術。多数決ではなく目利き力に応じて一票を重み付けし、スコアを算出する
ー ここで指す「分析」では、どのようなことに取り組んでいるのでしょうか?
CI技術を使用したサービス、例えば「デザイン思考テスト」利用者の結果について、既にサービス内で実現されているような自動化された有用な分析結果の提供を超えて、クライアントから受検者の年次や部門などの情報を組み合わせた分析結果が知りたいとリクエストをいただくような場合があります。
そのような場合に、クライアントのニーズに沿ってよりカスタマイズした分析結果を提供したり、ケースによってはより細かいデータに立ち入って、定量だけでなく定性的なところまでを含む、深い考察を実施するようなことがあります。
DSチームはVISITSの全プロダクトを横断的に担当しているため、エンジニアやPM、ビジネスサイドやクライアントとコミュニケーションを取りつつ、ミッションとゴールから逆算して、どのような分析や研究開発が会社の飛躍に繋がるかを全体最適から考えながら取り組んでいます。
ビジネスを俯瞰し、プロダクトの価値を最大化させるために
ー スタートアップに来てスキルやマインドセットにどんな変化がありましたか?
スタートアップで経営に近いところで仕事をすることで、ビジネス視点で物事を考える機会が増えたという実感があります。これまではデータサイエンティストとしてサイエンス視点、エンドユーザー視点でものを見ることが多かったのに対して、クライアントの立場に立ち「どのようなことに価値を感じてくれるか」を、実際のビジネス現場で感じる機会が増えたと感じています。
スタートアップにいることならではの部分ではないでしょうか。前談の「誰も見たことがないサービスを通して価値を届ける」については、まだ発展途上ながら入社時から大きく進歩している部分もあり、社内外のメンバーから「こういうところから価値を感じてもらえている」という話を聞くと特にやりがいを感じています。
ー 今後、企業として、また個人としてどんな未来を作っていきたいですか?
ひとつは、CI(※前述)技術の普及です。CI技術には言葉や言語に制約がないので、海外展開などを含め人々の体験をアップデートしていきたいと思っています。またデータサイエンティスト個人としては、多様な視点の持ち方やバランス感覚など実践的なスキルを持ったデータサイエンティストが増えるようにチャレンジしたいと考えています。
個人の経験として、サイエンス視点、ユーザー視点、ビジネス視点を組み合わせることで、様々なステークホルダーが関わるプロジェクトでもバランス感のある解法を見出すことができる実感を得てきたので、そのような感覚を手触り感のある経験としてシェアしていければと思います。
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