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ホームステイ、スタディツアーに代わる21世紀型海外教育プログラムのスタンダードを目指す! 普通の高校生が “70日間”でグローバル人材になる「MoG」とは?

授業を聞く受動的な学習から自ら能動的に動いて学ぶ学習へーー近年注目を集めているアクティブラーニング。very50が運営するMoGでは、普通の高校生を社会課題の"当事者"として新興国へ送り出しています。どうしてそのようなことが可能なのでしょうか....? そして、参加した高校生にもたらした変化とは....?

日本初のグローバル・ティーチャー賞TOP10、高橋先生との出会い

very50は「自立した優しい挑戦者を育てる」ことをミッションに9年前に設立されたNPO法人。主要事業であるMoG(モグ:Missio on the Groundの略)では、学生や社会人をアジア新興国の社会を変えようとする現地起業家の元に送り込み、共に悩み、行動しながら、課題解決力とチャレンジマインドを学んでもらっています。

MoGの開始から8年間は、学生といっても大学3,4年生の参加が主でした。しかし参加した大学生の多くが「もっと早くから英語を勉強しておけばよかった……」「キャリアの考え方が変わった!」と帰国しても、すぐに就職活動の時期がやってきてしまう……。学びを活かせないまま日常に戻ってしまうことに団体としては憤りを感じていたのです。

「もっと早い段階、たとえば高校生のうちに世界で真剣勝負する経験を持てば、大学4年間をどう使うか考えるための充分な時間を持てるのでは……」と考えていたところ、very50のイベントに長年通ってくださっていた、工学院の高橋先生がその想いに共感してくださり、初参加の高校生に向けたMoGの実現に至りました。

そのあと高橋先生は、MoG実施を含むさまざまな素晴らしい功績を評価され、日本人発のグローバル・ティーチャー賞TOP10を授賞。ドバイで実施されたTOP10の授賞会場では、高橋先生の紹介動画のなかで、MoGの様子も世界に向けて紹介されました。

高橋先生「高校生MoGを導入しようと思ったきっかけは3つあります。ひとつは、学校の授業内容と現実社会の問題を結びつけたいと思ったこと。次に、高校生の段階から『思考のフレームワーク』を身につけさせたいと思ったこと。学校では教科内容を教えますが、方法論や考え方を教える機会がないと感じていました。そして最後に、ビジネスを通じて社会貢献できる人を育てたいと思ったことです」

自らの頭で考え、議論し、実行する

そうして実現が決まった高校生MoG第1弾の場として選ばれたのは、インドネシアの女性起業家・ニーナの活動でした。 人口が爆発的に増加しているインドネシアではごみ問題が深刻化しています。その中で彼女はGreenna(グリーナ)を起ち上げ、ゴミの排出をゼロにする循環型の村を作ろうとしています。

コンポストの創設や価値に変わるゴミの収集、イベントの開催をミッションとしたGreenaには、5名の高校生が参加することになりました。

とはいえ実施が決まってすぐに現地へ派遣されるわけではありません。まずは3Cや4Pといったマーケティング理論からビジョンやミッション、ロジカルシンキング……といったビジネスには欠かせないスキルやフレームワークを学ぶ、30時間にもおよぶ充実した事前トレーニングが実施されます。社会人には当たり前のことでも、高校生にとっては初めて触れることばかり。

参加者・日原くん「マーケティング理論を学んだことにより、日常生活でも『この商品の魅力はなんだろう』など、考える幅が広がりました」

そうして思考訓練を積み、現地に到着するといよいよ課題解決の本番です。very50のコーチから指導を受けながら"自らで考え、仲間と議論を重ね、解決策を提案する"ことを徹底的に求められます。

very50コーチ・谷弘「はじめは英語を話す以前に音を発することさえ躊躇していた高校生たちも、数日経つとブロークンでもどんどん会話していくようになります。また事前学習では『ロジカルシンキングってなに?』という状態だった子たちも、プロジェクトの渦中に入ると当たり前のようにフレームワークを使って議論しており、大人とは圧倒的に違う吸収力の高さと成長の早さを実感しましたね」

友達が参加するからという軽い気持ちで参加した子も、現地で起きていることの話を聞き、その解決策を本気で考えているうちに「絶対にこの問題を解決したい」と思うようになっていきます。

そうしてきちんと当事者としての責任感が芽生えてきた結果、現地プロジェクトの舞台であるインドネシアの農村部でゴミ拾いのイベントを企画。現地の人々を30名以上集客することに成功しました。

参加者・伊藤くん「空港に降り立ったときの空気、日本ではありえないほどの渋滞、現地の水道事情や食生活など……すべてが刺激的でした。日本で考えていた問題解決方法はものの見事に挫折し、愕然したのを良く覚えています。それからはひたすら仲間と考え抜き、ときには真夜中まで議論を重ねて問題解決に奮闘しました。活動が終わりに近づくにつれて徐々に、次に何をすべきか、何が必要かが瞬時に分かるようになったんです。そうして仲間たちと作り上げた案が、現地の起業家や人々に認めてもらい、実践してもらえたときの達成感は素晴らしいものでした」

日本で最もアクティブな、アクティブ・ラーニング

近年注目されているアクティブ・ラーニングは「生徒が能動的に何かを学ぶこと」だとされていますが、MoGの特徴は社会課題の現場の中心という、"能動的にならざるを得ない"環境に身を置けることです。これは課題や環境を先生が用意し、教室で実施されるアクティブラーニングとは異なり、参加した高校生に多くの変化にもたらしました。

高橋先生「自分が何のために勉強しているのか、そしてそれをどのように人のために役に立てる事ができるのか、そんな事に生徒たちは気づいたかもしれませんね」

臼井君のご両親「MoGから帰ってきてからの子どもは、『とにかく動かなければ、はじまらない』と、口癖のように言っています」

またMoGへの参加は、彼らのキャリアや将来への考え方にも大きなインパクトを与えました。参加以前は、大学の話といえば「どうやって試験に合格するか」が中心でしたが、MoGから帰ってからは、大学生に入学したら4年間でどんな活動をするかという話ばかりをするようになったといいます。

臼井君のご両親「大学受験をゴールではなく、他の(海外で活動するという)大きな目的のための手段として考えてくれていています。勉強へのモチベーションも上がっており、親としては本当に嬉しい変化でした」

さらに副次的な変化として、それまでに比べると参加者の英語へのモチベーションが驚くほど高まりました。現地で一緒に活動したインドネシア人の高校生たちが、自由自在に英語を操っていたことに強い刺激を受けたのか、プログラム終了にはずっと合格できていなかった英検2級に合格した生徒もいるのです。

英語はあくまで目的を達成するためのツールであることは間違いありませんが、これも"机上で教わる学習"と、"自らが学びたいと思って行う学習"との圧倒的な違いを示す、ひとつの例と言えるかもしれません。

敵国に親友がいたら冷徹な大統領でも攻撃をためらう


臼井君のご両親「子どもたちが社会課題解決に挑む、ということを事前に聞いていたわけですが、はっきり言って実際には何もできないだろうと思っていました。あくまで子どもたちを煽るためだと。しかし、毎日のブログや帰ってきてからの先生からの報告を聞くと、現地のゴミ問題解決に今回のメンバーがしっかりと貢献できたということを知り、本当に驚いています」

高校生MoGが"実践"や"現場"にこだわるのは、実際に使ってみることではじめて学んだことが本当の力になるからです。英語力の向上を目的とした欧米への短期留学が人気ですが、言語だけ身につけても、グローバル人材とは言えないでしょう

一方で「これからはアジアの時代だ!」という文脈で、環境や地域社会を無視し、ビジネス的成功だけを目的に事業を展開する人も「グローバル人材」とは程遠いと私たちは考えています。グローバル人材とは、"グローバルに出ていく人"ではなく、"グローバルで求められる人"であり、世界に溢れる社会課題を自分事として捉え、持続可能性や地域社会への配慮を忘れずに、解決に向けて自ら動ける人を指すのではないでしょうか。

very50代表・菅谷「10代の高校生が、社会問題の渦中に身をおき、現地の人たちと平等な立場で活動する経験を持つことは世界にとって大きなインパクトがあると考えています。親友がいる国の悲しいニュースはもはや他人事ではなくなります。"自立" "挑戦" だけではなく、"優しい" という力も持つバランスのとれた人材が、世界に求められている真のグローバル人材ではないでしょうか。高校生MoGは今、この時代だからこそ求められているグローバル人材へと70日間で変わっていくプログラムです。ホームステイに取って代わるような新たな21世紀型の人材を輩出する、海外滞在型国際教育のスタンダードになりたいと思っています」

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