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企業において、人は宝。THECOOでは創業以来、時間と手数をかけて一人ひとりと真摯に向き合いながら、仲間を増やしてきました。自社で活躍できるビジネスパーソンとはどんな人材なのか、そしてTHECOOの採用方針とは?代表取締役CEOの平良 真人と、取締役人事本部長の野澤 俊通が語ります。
「楽しそう」に引き寄せられ、知的好奇心旺盛な人が集う組織でありたい
複数社でさまざまなメンバーと共に働き、面接官としても多くの人材を見てきた平良と野澤。現代において活躍するビジネスパーソンの共通項について、次のように話します。
平良 「まずは、心身ともに元気なことですよね。シンプルですが、決して当たり前なことではないと思っています。自己管理できていることが大前提ですね。ひと口に“元気”と言っても、いろいろあると思っていて。黙々と作業に熱中し続けられる人も、僕には活力が満ちていて元気なように映ります」
もうひとつの共通項として、平良は“知的好奇心が旺盛であること”を挙げます。
平良「子どもは、いろいろなことに興味を持って『なぜ?』って知りたがるじゃないですか。そんな気持ちを大人になっても持ち続けていて、知りたいことがあったら自分で本を読んだり、会いたい人に会いに行ったり。そうやって、身の回りにあることに興味を持てる人のほうが、話していておもしろいと思えますね」
一方、野澤は「ポジションによって求められる能力や資質は異なるので、共通項を述べるのは難しい」と前置きした上で、どのポジションであれ、活躍するために欠かせない心掛けはあると話します。
野澤 「与えられた状況の中でフルに自分の力を発揮して、経験がないことにもチャレンジしたり、環境にアジャストして新しいものを作ろうとする。そんなマインドとやり切る力があれば、場所を選ばず活躍できると思っています」
平良のいう“知的好奇心旺盛”という条件に共感し、こうも続けます。
野澤 「ただ『できることをやる』だけでは物足りない。知的好奇心や探求心を持って行動したり、もう一歩先へ行こうと努力したりする力がなければ、与えられた環境で結果を出すことはできないと思います」
そんな資質を持つビジネスパーソンに就職・転職先として選んでもらうために、企業側にはどのような姿勢が求められるのでしょうか。平良の答えは、きわめてシンプルでした。
平良 「代表取締役の僕が、一番楽しそうにしていることが何より大事ではないでしょうか。もちろん、人を惹きつけるミッションやビジョンも重要ですが、本当はもっとシンプルで、『おもしろそう』『楽しそう』と思ってもらえることがすべてなのではと思います」
野澤 「平良には誰より破天荒であってほしいし、仕事を楽しんでいてほしい。実際、彼の姿を見て『入社したい』と加わったメンバーがたくさんいますから。採用責任者としての視点から言えば、いい会社を作るだけでなく、会社をどんどん世の中に露出させていくことも必要。『THECOOは楽しい会社だよ』『平良がこんなに楽しそうに仕事をしているよ』ということを、どれだけ外にアピールできるかが重要でしょうね」
採用広報を管轄する立場から、さまざまな取り組みをしている野澤。制作したコンテンツを社員に積極的に活用してほしいといいます。
野澤 「リファラル採用に勝るものはないと思っているんです。社員が自らの言葉で、『今すごく楽しく働けているから、皆もうちにおいでよ』と自信を持っていえる会社が、理想的な姿だと考えています」
出会う人、すべてが学ぶ相手。思いがけない遭遇が、新たな経験の起点に
さまざまな人と出会い、教えを乞ったり、自分と異なる考えに触れたりする中で、スキルや知識は磨かれていくもの。平良や野澤もまた、人から学ぶことの大切さを身をもって感じてきました。
20代のころ、先輩諸氏に学びながら成長を重ね、思い描いたことを自分の力で少しずつ実現できるようになっていったという平良。30歳になって海外へ赴任した際、思わぬ壁にぶつかります。
平良 「台湾でEコマースの事業展開を担当することになりました。当時の中華圏のECサイトは、ネオンのようにチカチカしていて、しかも文字がぎっしり詰まったデザインが主流。これでは見づらいし買い物もしづらいと考え、『シンプルなUIに変えようよ』と指示を出したんです。現地スタッフ全員から、『あなたはこの国のことを全然理解していない』と言われましたが、反対を押し切ってリニューアルを強行しました」
結果、売上は激減。日本での感覚やセオリーが、海外でそのまま活かせるわけではないことを思い知ったといいます。
平良 「そうやって海外で試行錯誤を繰り返していたあるとき、家族から『最近、人に優しくなったよね』と言われて。自分でも気づかないうちに、『自分が正しい』という思い込みを捨て、バックグラウンドが違う人たちの意見に耳を傾けようとしていたんだと思います。“人に聞いたり教えてもらったりしないとわからないことがある”と、改めて気づいた出来事でした」
野澤もまた、「関わった人全員に助けてもらって、ここまで来ることができた」と、これまで出会った人への感謝の念を語ります。
野澤 「僕をインターネットの世界に引き込むきっかけを作ってくれた人がいたり、グローバルレベルのマネジメントと仕事の楽しみ方を教えてくれた人がいたり、たくさんの人たちが僕のことを気に掛け、見てくれていた。そうやってここまで育ててもらったと思っています」
そんな野澤にとって、人に対する考え方が大きく変わるきっかけとなった出来事がGoogle時代にありました。
野澤 「当時の僕は、海外や別組織の人材に厳しく接しては、相手を威圧するような態度を取っていたんです。自分でも理由を理解できていなかったんですが、Google時代に出会ったコーチングの先生と話して気づいたことがありました。
曰く、『彼・彼女らは、あなたの能力を学びたいと思っているにすぎない。自分の立場が脅かされるという恐怖心を捨て、出る杭を打つという姿勢をやめてみてはどうか』と。このことがきっかけになって、人との接し方の根底にあるものが少しずつ変わっていきました」
たくさんの人と触れ合い、働く中で、自分を見つめ直す機会を逃さなかったふたり。人の言葉に耳を傾け、自分を更新していくマインドがあったからこそ、今の彼らとTHECOOがあるのでしょう。
知りたいのは、思考の癖。楽しみながら強い組織を作り上げていく仲間の条件
さまざまな経験を経て再び合流し、今は共にTHECOOを導き、支える立場にあるふたり。一緒に働く仲間、ジョインしてほしい人材に対して、明確なイメージを持っています。
野澤 「『僕のポジションを早く誰かどかしてくれ』と思っています。自分がずっと今のポジションに居続ける気持ちはさらさらなくて、早く僕の代わりを担って欲しいと。高い目標を掲げ、高いレベルを要求するのは、自分の場所を譲れる人を本気で探しているからなんです。
保身に走ることにはまるで意味がないだけでなく、自分自身に限界を作り、それがやがて組織の限界になってしまう。むしろ、後継者にポジションを譲って、自分が別のポジションに行って、そこでまた結果を出す。誰もがそんな心持ちで働いて、あらゆるところで同じ循環が起きるようになれば、組織の層がどんどん厚みを増し、強くなっていくと思っています」
一方の平良は、自分にも社員にも“楽しいかどうか”と問い続けます。
平良 「シンプルに『これ楽しくない?一緒にやろうよ』と、社員に呼びかけている感覚なんです。子どもが『公園に行こう!』と遊びに誘うのと大して変わらなくて、社員が仕事を楽しめていないと思うときは、『こうすれば、もっと楽しくなるんじゃない?』と声を掛けたり。
とはいえ、いつも楽しいかというと、決してそうじゃない。楽しいところに向かって常に走り続けている状態がいちばんいいと考えているから、結果として、目的地にたどり着かなくてもいいと思っているんです」
仕事を楽しみながら、強い組織を作り上げていく──そのための仲間を探すにあたり、ふたりはどのような視点を持っているのでしょうか。
平良 「僕が考える“才能”の定義は、その人が何かを決断するときの思考の癖です。それが尖っていればいるほど、その人に興味を持ち、好きになりますね。逆に、スキルセットや知識は見ないようにしています。そんなのは、時間とやる気さえあれば、反復学習していつでも身につくものだから」
実際の採用面接では、印象的な過去の経験について聞きながら、思考の癖=判断基準を探るという平良。
平良 「その人にとって重要な決断や行動の背景を掘り下げていくと、『そんな考え方があるのか』と発見があって、『この人と働いたらおもしろいかもしれない』と思うんです。
反対に、決断や行動の軸が、誰かからの借り物だとわかると『物足りない』と思ってしまいますね。たとえば、『なんでこの大学を受験したんですか?』と聞いたときに、『頭が良く見られたいから』で終わってしまうのではなく、そう思うに至った原体験まで話してくれたらおもしろいですよね」
野澤もまた、面接では意思決定の背後を探る質問を投げかけるといいます。
野澤 「『なぜ、自分がその道を選択してきたのか』をちゃんと考えていて、言語化できるかどうかは見ています。その上で、僕はあえて『違った視点に立てば、その決断は失敗だったのでは?』と問いかけてみるんです。
そこで思考を止めてしまう人もいれば、うまく取り繕おうとする人もいる。問いかけに同意してもしなくてもいいけれど、そこからさらに深掘りして自分のコアに近づこうとできる人は、どこに行っても活躍できると思っています」
ここは、失敗を恐れず挑戦できる場所。“逆三角形”の組織作りを目指して
2021年12月に東京証券取引所マザーズ市場(現グロース市場)への上場を果たしたTHECOO。急成長を遂げる中、今の事業ステージにおける社員の育成のあり方について、野澤は次のように持論を語ります。
野澤 「『私はこれしかできません』、『この仕事を極めたいです』といったスタンスの人は、今のTHECOOにはフィットしません。何事も変化の速いスタートアップでは、事業内容が突然大きく変わったり、部署が急になくなって別の仕事を担当してもらったりするケースが少なくないからです。むしろそこにおもしろ味を感じ、楽しんでもらいたいと思っています。
目指しているのは、トップが下から社員を支えるような逆三角形の組織作り。命を取られるわけじゃないんだから、自分の判断で好きにやりなさいと、社員に言ってあげることが大切だと思っています。指示を出しすぎるのではいけない。判断した数だけ成長の機会がある。それが僕の考える育成です」
平良もまた、挑戦する機会を提供できる組織でありたいと強調します。
平良 「失敗しても大丈夫だからと常に言い続けてはいるものの、失敗を恐れる人はいるので、いかに背中を押してあげられるかが大事だと思っています。実際、自分もそうしてもらって成長してきましたから」
また、目指す組織像について、次のように続けます。
平良 「THECOOは、特定の社会課題を解決するために集まった組織ではありません。それゆえ、コア事業はありながらも、さまざまなことにチャレンジしやすい会社でありたいと思っています。挑戦する機会があり、背中を押す仲間がいる。THECOOには、失敗を恐れずチャレンジできる場があることを知ってもらえるとうれしいですね」
野澤 「人間力を持った社員が集まる組織にしたいと思っています。そのためには、自分を含む社員の一人ひとりが、自分の内なるものを積極的に表現し、また相手を理解する力も養っていかなくてはなりません。そんな人材が集まれば、自ずと新しいチャレンジが生まれるのではないかと思います」
THECOOを、“人と組織にフォーカスした会社”と表現する平良。その言葉の裏には、「誇れる仲間が集まる組織なら、どんなことだってできる」。そんな想いが垣間見えます。
おもしろそう、というシンプルかつ確固たる価値観のもとに集う、好奇心旺盛なメンバーと共に、THECOOはこれからも「できっこない」に挑み続けます。