Teruyuki Tsuchiyaのプロフィール - Wantedly
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さくら事務所では全員が広報意識をもって活動しています。
創業者である長嶋の発信を見たことがきっかけで、さくら事務所に入社した土屋。
まず広報・PRとは何かを知るところから始まり、土屋自身情報発信を通じ、広報PRが会社そして自分自身のジブンゴトになっていく中で起こった変化とは?
また土屋自身、メディアなどに出演するなかで起こった身の回りの反応や変化とは?
ご自身の経験に即して語っていただきました。
土屋輝之
不動産売買及び 運用コンサルティングなどを幅広く長年にわたって経験後、さくら事務所に参画。不動産、建築関連資格も数多く保持し、深い知識と経験を持つ不動産とマンション管理のスペシャリスト。さくら事務所執行役員。社内の隠れた愛称「ヨーダ」
土屋本人に関するインタビューはこちらをご覧ください。土屋インタビュー
長嶋さんがさくら事務所を始めてまだ飯が食えないときは、インターネット黎明期でした。まだホームページが世の中にたくさんない中で、さくら事務所はホームページで告知する手法が走りだった。
自分がさくら事務所を知ったのも、そもそもさくら事務所のホームページだった。もしホームページの存在やインターネットがなかったら、そもそも自分とさくら事務所の出会いがなかったと考えると、今日のテーマはしっくりきます。そんな当時は情報発信の大切さを考えたこともなかった。
自分が仕事で何ができるかというと不動産を買おうとしてる人に対して、セオリー通りに調査ができているか、危険な取引の契約内容になっていないかのチェックだから、そういう専門性を持った人は今も昔もたくさんいます。
でも以前はそれを知らせる術が新聞・テレビ・雑誌ぐらいしかなかった。しかもメディアという発表する場は、残念ながら簡単には得られないので、正しい情報を発信したい人は、当時もたくさんいたはずなんですが、発信する方法が今よりもなかった。
その中で長嶋さんがいち早くホームページで情報発信をやり始めたのが、全ての始まりです。
自分がさくら事務所に出会ったのも、それが始まりです。ただし最初は自分が情報発信をすることになるとは思いませんでした。情報発信は「さくら事務所の誰かがやってくれる」という意識でした。
長嶋さんが情報発信していたことに対して、「この指止まれ」みたいな形で、 次々に志が同じメンバーが集まってくるようになりました。それでも、まだ自分が情報発信する側になるとは誰も思ってなかった。さくら事務所に入ると1つだけ義務のようにやらなければいけないことがありました。いま考えると、これは情報発信そのものだったんですが、ホームページにさくら事務所所員の日記があったんです。
自分もさくら事務所のホームページを見ていたので、これを見ている人がたくさんいることは知ってました。その日記ですが、自分がさくら事務所に参画してすぐに、自分も日記を書く側に回ったことが「土屋の情報発信の始まり」です。振り返るとスタッフ全員が広報のように情報発信をしている会社、そんな会社はないですよね。
昔から取材があるにはありましたが、今のような頻度では当然なかった。当時はスタッフの1人1人全員が、まめな人は毎日、少ない人でも週に3日は日記を書いて情報発信していました。仕事のあり方が不動産のプロだったら、不動産取引のことしかしないし、建物のプロだったら、建物のプロとしての仕事しかしないのが、それまでの一般的な概念でした。
でもさくら事務所はそうではなくて、自分がやってることや知っていること、感じていることをインターネットで世の中に知らせることがルーティーンになっていました。振り返ると今でもそんな会社はあまりないですよね。
さくら事務所が、その後会社が小さいのにすごくメジャーな存在に育っていく過程として、何がエポックメイキングだったかというと、これは大西さんの加入です。
大西さんがさくら事務所のマーケティング・コミュニケーション部のスタッフとして動き始めて、まず「Yahoo!」の中にスペースをいただいたんですよ。「Yahoo!」は日本のインターネットではモンスターみたいな存在じゃないですか。これは日記みたいにポツポツ書くものではなく、締め切りがありました。「いついつまでにこれだけのコンテンツを出して欲しい」とぶん投げられて、みんな文章なんて書いたことがない面々ばかりだったので途方に暮れました。
私もマンションの内覧会のことなどいくつかテーマを割り当てられました。中にはギブアップしちゃって泣き出すスタッフもいたんですよ。 でも「Yahoo!」との約束を反故するわけにも行かず、泣きそうになりながら作りました。
ただそのコンテンツが出来て、その閲覧数を見た時はびっくりしました。当時は新潟や秋田、札幌みたいに地方の内覧会も本部から行ってました。実際に内覧会に行くと相手は自分のことを知ってるんですよ。 さくら事務所のホームページは見ているし、もちろん日記も見てるし。あと「Yahoo!」の内覧会のコンテンツをプリントアウトして持ってきてくださる方もいました。
印象に残っているのは、札幌での内覧会の立ち会いに行ったときです。依頼者が当時「Yahoo!」にあったさくら事務所のコンテンツをプリントして持ってきてくれて。依頼者が「今日さくらさんの内覧会の手順をコピーして持ってきました。これ念のために持ってきましたけど、お渡ししなくて大丈夫ですよね?」と言われたんですね。
私は「大丈夫ですよ。それ書いたの私ですから」と伝えると、「え? そうなんですか?」という感じで、最後を見たら担当コンサルタントさくら事務所土屋輝之と書いてあるわけです。それ以前だと会ったこともない人が自分のことを知っているってことはなかった。
情報を得ることが難しい一般の方や情報弱者にとって、お金を払わなくても専門家の意見や考え方に触れることができる。これもコンサルタントとして実は声をかけられると嬉しいことはなくて。実際にそれがビジネスに結びついて、さくら事務所の収益につながるという部分もありますが、大半は収益に繋がらないわけですよね。
でも例えばマンション管理組合の運営で、積み立て金が足りない・修繕工事・長期修繕計画はどう考えればいいのか、みたいなことをマーケティング・コミュニケーション部と協力して自分たちが動画を作ってYouTubeなどで情報発信すると、それがすごく役に立ちましたとコメント欄にお礼を書いてくださる方がいる。そんなことはさくら事務所で情報発信を大切にする仕事の進め方に出会わなかったら絶対なかった。
ごく個人的な話ですが、マーケティング・コミュニケーション部からの依頼で取材を受けると、読売・毎日・日経など日本を代表する大手の新聞にときどき自分の名前が出ますね。父も母も一昨年亡くなりましたが、母親が近所のよく新聞を見ている人から「息子さん、日本経済新聞の一面に出てたよ」と声をかけられるんです。そうすると母親がその新聞を買ってきて記念に取っていたり、私がテレビに出ると周りの方がやっぱり見てるので、自分がテレビに出ると両親が喜ぶんだってことがわかって。
両親に「いついつにテレビに出るから」と知らせておくとすごく喜んでくれました。振り返ってみると大して親孝行らしいことが何もできなかったんですが、よく知ってる方や昔お世話になった方にお目にかかると、両親もすごく喜んでいたことを知り、自慢してたよって話を聞きました。
そういう意味でさくら事務所に入ったことは、自分の人生にすごくエポックメイキングな出来事だったし、それが結果的に、両親の生きている間にはなかなか実感できなかったんですが、いま亡くなって振り返ってみると、両親が喜んでたことがわかり、本当にありがたかった。
あと娘が1人いて、孫もいるんですが、娘がいまテレビ番組をビデオで全録しているので、いつテレビに出たと伝えると子どもたちに出た番組を見せるわけです。それが娘としては嬉しいし、孫である子どもたちに、自分たちのおじいちゃんがこういう仕事してると見せたり、YouTubeでも見せたりできるので、そういう意味では「誇らしい」と子どもたちや孫も言ってくれる点で、極めて個人的な世界の狭い話ですが、さくら事務所という会社に縁があって、親孝行や家族サービスもできました。
両親に親孝行できたり、子どもや孫たちが自分の仕事をテレビで見て喜んでくれたり、誇らしく感じてくれる。自分の仕事を家族として誇らしく感じてもらえることは嬉しいし、ありがたいことで、願ってもなかなか叶わないことです。
そういう意味ではいいポジションで仕事をすることを経験させてもらっています。最近テレビにちょくちょく出演するのも、マーケティング・コミュニケーション部の堤くんが頑張っていろんなメディアの皆さんに日夜情報発信に努めていただいてるおかげです。僕自身も仕事は決して手早い方ではないんですが、マーケティング・コミュニケーション部からの依頼だけは期日は絶対守ります。最優先で仕事をこなしています。
今回のテーマで行くと、マーケティング・コミュニケーション部の人たちは情報発信することが仕事だし、情報発信をした結果、もう1歩踏み込んだことを伝えようとすると、今度はさくら事務所のスタッフ、それも特定のメンバーだけでなく、いろいろな人たちがテーマに応じて1歩踏み込んだ情報発信をすることができる体制の組織なので、先日のアワード授賞でいくと、まさにそのことが授賞の1つの原因だったと思います。でも全ては情報発信、長嶋さんのホームページから始まったのが今思うと面白いです。
私がテレビに出るのは、事故やトラブルに関することで出演することが多い。そのため油断してはいけないことや、これからも落ち着くことはないだろうだったり、ますます厳しい方向に向かっていくだろうという予測を申し上げますが、まずさくら事務所として情報発信していくことが、本当に何も知らない情報に疎いマンションの居住者もしくはこれからマンションの所有者になろうとしてる人たちにテレビだと届けられるわけです。そういう意味ではストライクゾーンに問題を提起できます。
世の中的には僕がテレビに出ない方が幸せなんですが、自分としては機会があればこれからも出演して、情報発信の一旦を担うことができればと思います。さくら事務所は決して情報発信が仕事の会社ではないんですが、さくら事務所の情報発信が世の中の役に立っていることが、創立から約25年経って、ようやく肌感覚で役に立ったと思えることがいくつかありました。
その1つは新築マンションの内覧会です。先日友人のタワーマンションの内覧会に一緒に行ったんですが、僕が内覧会の立ち会いを始めた2003年から、ちょうど20年経った2023年に、友人に一緒に行ってほしいと頼まれて行きました。この内覧会の時点におけるマンションの専有部分の出来栄えの進歩、これには目を見張るものがありました。ある意味、出来不出来を見るだけだったら、そろそろ内覧会の立ち会というサービス自体の目的を明らかに変えてもいい時期が来てるかもしれないと思いました。
昔の内覧会は、排水管が繋がっているかとか、窓がちゃんと開くのかとか、住戸が最低限住める状態まで出来上がっているかを確認しに行ってました。でも、今はちゃんと部屋が出来ているかどうかももちろん見るんですが、疑いの目で見るのではなくて、確認をするだけって感じに変わってきています。
どちらかといえば入居した後にどうやったら部屋の機能を上手く活かせるか、言ってみるとトリセツ代わりにさくら事務所を呼んでもらうようなスタンスに近いうちに変えてもいいのかなと思います。
僕らが内覧会の立ち会いを行う理由が以前と明らかに変わってきました。以前の内覧会だと部屋がちゃんとできていないかもしれないから怖かったのですが、今は違います。引き渡しを受けるか悩むほどひどい物件はほとんどない。引き渡し後は対応してもらえない事象もあるし、荷物を入れてからあれこれ問題があっても厄介で、ものによってはまた入れた荷物を運び出さなきゃいけなくなってもいけないので、しっかりチェックしておきましょうというレベルに上がってきています。
そういう意味では丁寧に設計されている現場で利害関係のないさくら事務所がトリセツをして、客観的に見たクオリティを説明する。内覧会へ行くと分譲会社も分譲会社側のスタンスで、購入された方にお部屋を案内するアテンダントを付けます。でもその人たちは全く専門性を持ってないので何も分からないから、希望する方には専門家のアテンダントをつけるようなことも考えられます。
僕らは買う方の気持ちと目線で仕事をしているので、分譲側の内覧会時点での商品説明を、さくら事務所のスタッフが直にするのでもいいし、そういうアテンダントを育てるような仕事をすることもいい。仕上がりの状態を確認したり、施工上で気をつけた方がいいポイントをアドバイスしたり、どんどん仕事領域の向きを変えて、よりユーザーが安心してマンションが買えるような方向に持っていく情報発信をしていきたい。
10年以上前、大西さんにマンション管理のコンサルティングは価値のあることなので、あなたなら日本一のマンション管理のコンサルタントになれるからと言われたことがあって。当時マンション管理に関することがメディアに登場することが多くなり始めた時期で、どう考えてもマンション管理については専門家と思えない人たちが出演していることが多かったんで、「あの人たちを見てどう思います」と大西さんが言うから「本当に伝えるべきことを話せていませんね」と伝えました。
大西さんは「でもプロとしてあの人たちは情報を得られて仕事してるんですよね。だったら、あの人たちなんかを遥かに凌ぐ日本一のマンション管理コンサルタント、私がしてあげるから」と言われ、当時は「上手いこと、おだてられた」と思いました。
でも今、結果的には、大西さんはじめマーケティング・コミュニケーション部の皆さんのちからもあって、そうとも思えるようなポジションまで持ち上げていただきました。
これからもマーケティング・コミュニケーション部と協力しながら、さくら事務所の理念である人と不動産のより幸せな関係を追求し、豊かで美しい社会を次世代に手渡すことを実現するべく情報発信を続けていきます。