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【特別取材】コロナをチャンスに変えたplayground代表が語る、エンタメDX構想【前編】

「エンタメ業界はこれからどうなるの?」
「よく耳にするけど、結局『DX』って何?」
「playgroundは今、何を目指してるの?」

昨今の新型コロナウィルス感染拡大の影響を受け、エンタメの興行開催に対する考え方は大きく変化しました。今回は、スポーツ・エンタメの DX を推進してきた弊社代表の伊藤が語るエンタメ業界における現在の課題と今後の展望を、前編・後編に渡ってお送りします!

playground設立の背景

ーまず簡単に、伊藤さんとplaygroundについてご紹介いただけますか。

キャリアでいうと、最初IBMという会社でコンサル業をやったあと、店舗のDX(当時はオムニチャネル)に特化した会社を始めました。

そこから、純粋に昔からスポーツエンタメが大好きだったことと、スポーツエンタメ系の会社の方々からデジタルに関する相談を受ける機会が増えてきて、デジタル観点なら自分もエンタメ業界に付加価値を出せるかな、と思って始めたのがplaygroundです。

当初はざっくりと「デジタルでエンタメをUpdateする」的なことを考えていたんですが、途中で今のミッションである「夢を与える仕事を、夢の職業にする。」に変えました。

きっかけは「スポーツエンタメって儲からないな」と思ったことでした。

例えばプロ野球球団のTop Tierであっても売り上げ300億とか、サッカーチームだと30億とか、中小企業だなって思って。

そのレベルが普通かと思いきや、欧米のスポーツチームの人たちとお話しているなかでスポーツビジネスが外資金融にも劣らないほど、かなり高給のドリームジョブであるのを知って、デジタル化とかよりも、そもそもやりたいことはこっちかもって思ったんです。

「人に夢を与える」というとても素敵で社会的価値が高い仕事が、職業としても「めっちゃ儲かるよね、憧れるよね」っていうくらいになって欲しい。

それを実現するために自分ができることとして、自分が得意としているテクノロジーというアプローチを取っているのがplaygroundという会社です。

ー海外と大きく差があるのは、やはりデジタルの道理の違いだったんですか?
それとも、何かもっと大きな構造の違いがあったんでしょうか。

デジタルはもちろんのこととして、もっと根本的に「やってるゲームが違う」っていう感じですね。
この業界に入って理解したのは、アメリカがスポーツを“ビジネス”としてプレーしてるのに対して、日本は“体育”として捉えているという違いです。

例えば、日本のスポーツって、少しでもチャラいファンサービスとか競技以外のことをやると批判される傾向にありますよね。
本田圭佑さんとかに対して「サッカー選手がサッカー以外やってんじゃねえ」って批判が出たり。そういうことの積み重ねというか。
ファンも運営側も選手も、みんなが「競技レベルをあげよう」っていう「体育」的な観点でスポーツをしてるわけですよ。

結果として収益性は桁違いです。ざっくり言うと、GDP差を考慮しても10倍。同じような観客数、同じようなファン数であっても10倍収益性が違っているわけです。
よくよく考えたら当たり前といえば当たり前ですよね。お金儲けを目指してないわけですから、大谷翔平は輩出できるけど、Dallas Cowboysは出てこないわけですよ。


本田圭佑さんとの出会い、出資の経緯

ーplaygroundにはプロサッカー選手の本田圭佑さんが出資をしていますよね。即決されたと伺いましたが、その経緯を聞かせてください。

本田さんとは知り合いに紹介を受けたのがきっかけで出会いました。
以来、何度かオンラインでお話させてもらっていたんですが、彼が日本で久々にプレーするタイミングがあって、試合後のホテルで会うことになりました。

そこで、「条件どうしよう。○○円で○%だったら、僕はもう即決するから決めて」って言われて、「ああ、まぁじゃあそれで行きましょうか」っていう感じで決まりました(笑)

ー何か共鳴する部分があったんでしょうか?

大前提として、先ほどお話した内容にめちゃめちゃ共感してくださいました。

それこそ彼はアスリートとして業界と接するなかで、彼なりに思うところがあったんだと思います。
そこを思いっきり変えてくれるようなプレイヤーが欲しいとずっと前から感じていたみたいです。

例えばでいうと、非常に細かい話ですが、彼はよく試合の招待券を渡すそうなんですが、国際郵便するのは面倒だし、スタジアムで練習中に渡すわけにもいかないというので、毎回めちゃくちゃ大変らしくて。

そういう原体験をベースに、業界を改革していかないとねっていう話は聞いていました。


競合は “ アナログマインド ”

ーデジタルを使ってスポーツエンタメ界を変えていくというplaygroundの事業内容が分かったところで、やはり気になるのは新型コロナウィルスの影響ですよね。
興行ビジネスに大打撃を与えた印象が強いですが、playgroundのビジネスとしてはいかがでしたか?

確かにエンタメ市場全体としてはとても大きな打撃を受けたというのは事実ですが、エンタメのDXという意味では10年に一度の変革を起こせるきっかけにはなったなと思っています。

弊社ビジネスとしても大きな躍進が出来るチャンスだったとも言えます。

ーチャンス?なるほど。その理由は?

短期的には弊社も2020年4月〜5月の緊急事態宣言で弊社のMOALA Ticketが導入されている興行がほぼ全て開催中止となって売り上げがほぼなくなりました。

当時は電子チケットがメインだったので、リアルのイベントがなくなった瞬間ほぼゼロとか、月500円とか?そんな感じでした(笑)

ーすごい桁ですね!?

創業した瞬間以来じゃないですかね。あんな数字見たの。
その時は「今その数字を見たところで何の価値もない」と思ってそっと閉じて、精神衛生を保つことを優先しましたね(笑)

でも実は「コロナが来始めたぞ」っていうこの時期に社内でディスカッションしてたのは、「もうこんなチャンスないよね」っていうことだったんですよ。

結局playgroundがやろうとしてることの“敵”って、デジタルを「悪者」として見ようとする人たちのマインドセットなんですよね。
「競合どこ」ってよく聞かれるんですが「アナログマインドです」って答えてます。

例えば、埼玉西武ライオンズさんはうちが創業した翌月から導入して下さったんですけど、当時電子チケットに切り替わったのって5%とかなんですよ。導入しても、ほぼ誰も使ってくれなかったっていうのがリアルな話で。
そもそも認知が低かった点も含めて、最初の数日間は3万人のうち利用者10人とかでした(笑)
その後も頑張っていろいろやったんですけど、やっぱり30%ぐらいで止まっちゃうんですよ。

実際に使ってくださってる方の声という意味では、Twitterで「マジ最高!」みたいな反応がめちゃくちゃあって、当時から満足度は非常に高かったんですよ。

それなのに、30%。2019年でなんとか40%くらいに上がった感じで、伸び悩み感はすごいありました。

「何が足りないんだろう」って思ってヒアリングで「なんで紙なんですか?」と聞いてみても、「いやなんか紙ですね…」っていう曖昧な答えしか返ってこないっていう。

そこから、これは細かい機能や利点とかじゃなく結局はマインドセットの問題だなと思って、ずっと悩んでました。

ここで、コロナの影響です。
何が起きたかっていうと、接触回避のために「紙のチケットだめ」ってなったんですよ。

本当2020年2月3月ぐらいの時に、「あーこれはきた!」と思いました。
間違いなくうちがやってるビジネスにおいてはスーパーチャンスになると。
業界問わず、僕らみたいにDXでやろうとしているプレイヤーみんなにとって追い風になる。

んじゃ誰が一番この波をとらえられるかのレースだな!ってことで、経営の腕がそのまま問われるフェーズだと思いました。
誰のせいにもできないタイミングだったんで、すごい胃が痛かったです(笑)

少なくとも向こう10年はこんなビジネスチャンスはないし、これ乗れなかったら経営の才能ないから辞めよう、と思って。
それぐらいのチャンスと感じました。


DX ≠ デジタル化

ー伊藤さんのおっしゃるデジタルトランスフォーメーション(DX)は、30%や40%の電子化では達成にならないんでしょうか。

全くもう定義からしてならないと思います。

ーそこの違いというのは?

“デジタル化”と“デジタルトランスフォーメーション”って、全く違うものだと思っていて。最近はこれを意識的に使い分けています。

デジタル化を英語で言うと、デジタライゼーションですよね。
この“ライゼーション(-lization)”シリーズって、“変化”なんですよ。
何かに置き換えるみたいな。

一方でトランスフォーメーションは“変革”
やり方を変えるんじゃなくてやること自体を変える。

その違いってなんぞやっていうと、石炭で走ってた蒸気機関車を電車に置き換えましたて話じゃなくて、もう蒸気機関車の一切を排除し、そして完全に電車に変えるっていう話だと捉えています。インフラごと。

単純に「電車って便利だよね」とか「エネルギー効率いいよね」「うるさくないよね」「公害ないよね」とか言うのが普通の“ライゼーション”。

そうじゃなくて、石炭を採掘するために危険なところに行く労働者がそもそも減って、石炭輸送のためのインフラや施設も不要になって、車掌さん1人で運用できるようになって、街の風景すら変わってしまう。これが“トランスフォーメーション“。
社会インフラレベルでベネフィットを享受できるようになるわけです。

だから契約書とかもハンコの代わりとしてネットでサインできるようになりました、みたいな話がありますけど、トランスフォーメーションするなら契約書なんてものはもうインフラごと全部変えて、契約書に関する紙が世の中から消し去るって話です。

行政でのハンコの話題も、単純にハンコを無くすんじゃなくて、行政側の取り扱う書類から一切紙媒体を無くしてデジタルだけにしたら、多分あの物理的な市役所自体が必要なくなりますよね。

よくよく考えたらこれってWebの世界じゃ既に当たり前で、例えばセールスフォースの店舗に行って、「セールスフォースください」っていう人いないと思うんですよ。
「Gmail登録したいんだけど」って言ってGmailの窓口に紙持っていく人って、まじでゼロだと思うんですよね。

ーすべてディスプレイ上で完結してますね。

そう。ちょっとでも紙で受け付けてほしいみたいな人が存在したとしたらその瞬間 Google の中に紙を取り扱うための部門が生まれて、紙インフラを整えるための運用をする人たちが必要であり、オフィスみたいなのが必要になってくるわけじゃないですか。

それが無いからあれだけグローバル展開できてるわけですよね。
“一切をなくす”っていうことの重要性っていうのが、トランスフォーメーションとライゼーションの違いなんだと思います。

だから、うちでいうと「電子チケットの導入を目指す」んじゃなくて、「一切を電子で取り扱うことができたときのベネフィットを享受しに行く」っていうのがトランスフォーメーションであり、今必要とされていることだと思ってます。

前編をお読みいただきありがとうございました!
日本でDXが進まない理由とは?
実際にplaygroundはどのようにエンタメDXを推進しているのか?
後編に続きます!!(後編ストーリーはこちら

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