こんにちわ
イタリア在住、完全リモートでオズビジョンの採用アシスタントをしているサワダ・アキキーナの不定期ブログです。
2月に入り、イタリアは徐々に本格的なカーニバルシーズンに突入しました。
カーニバルといえば、ブラジルのサンバカーニバルを思い浮かべる方いのではないでしょうか。
私も2年前にサンパウロのカーニバルに参加したこともあり、カーニバル=行列で踊る南米のお祭りというイメージを持っていました。
カーニバル正式にはカトリックなどの宗教行事である”謝肉祭”だそうです。
なので、カトリックのお膝元のここイタリアでもカーニバルは”カルネバーレ”と呼ばれ、国を挙げての一大イベントとして毎年各地で賑わいます。
中でも有名なのは仮面舞踏会が行われるヴェネチアのカーニバルですね。
私が暮らすピアモンテ州もそれぞれの街で仮装メインのカーニバルが行われますが、ちょっと変わったカーニバルイベントを行う街があるのでご紹介したいと思います。
ピエモンテ州のイヴレア(IVREA)という小さな街で行われる、カーニバルが最も盛り上がる2月の第2週に行われる一大イベント。
その名も
「オレンジ戦争」
日本でも、2017年に「世界の果てまでイッテQ」のお祭り男、宮川大輔さんが参戦したことから、ご存知の方が多いのではないでしょうか。
このオレンジ戦争、イヴレア地方から200年にわたって続く伝統的なお祭りです。
その昔、この地域を統治していた貴族とその勢力に反発する平民の争いから発祥し、
その武器をオレンジに変え、お互いに投げ合い、その勇姿によって優勝チームを決めるそうです。
そんなイヴレアに先週ふらっと足を運んでみました。
街には運河が流れ、とても静かな雰囲気のある街。
街の中心にある丘の上にはシンボルの古城が佇み、路地は石畳。
とても閑静で一目見ただけで気に入ってしまいました。
しかし、一歩街の中に足を踏み入れると。。。
来週のオレンジ戦争に向けて、街はすでに戦闘態勢。
このオレンジ戦争は、地区ごとに形成される平民チームと、有志で形成された貴族チームが一年中チームとして活動しているそうで、
街にはチーム拠点となる集会所やメインストリートに大きくチームのシンボルである軍旗が掲げられています。
チームのシンボルには悪魔や蠍の紋章が用いられ、平民といえども、悪そう…というイメージ…
街最大の勢力である”i diavoli ”=イ ディアボリ(直訳:悪魔たち)は毎年巨額の資金を投じて街中に軍旗を掲げ、チームのTシャツなどのグッズ販売や無料のカレンダーを配るなど、市民団体化しています。
街を歩いていると一人のディアボリメンバーからカレンダーを渡され、「観光客か?絶対に俺たちを見に来てくれよ!」と興奮気味に祭りのスケジュールなどを説明してくれました。
公式カレンダーより引用
そんなイヴレアを散策すると、オレンジを投げ合う戦闘に備えて、
街の至る所でオレンジ避けのネットが張られていました。
直撃すれば怪我や建物へのダメージは必至のオレンジ。
オレンジ避けのネットは欠かせない対策のようです。
そんなイヴレアは街の至る所にオレンジが飾られ、街はオレンジ戦争に向けて盛り上がっている様子!
これは私も絶対に行ってみたい!!
「何時に行く?電車で行く?何着て行く!?」と一人盛り上がってたところ
「あんなヤベー祭り、行くわけないだろ。」
どうやら、地元ではマジでヤバい祭りとして、行けば怪我、汚れ、そしてイタリア人が大っ嫌いな大渋滞が発生するなど色々悲惨な目にあうことで有名だそう。
めげずに他の友人数人に当たってみたものの、全滅。
イタリア人とは思えないほど(←個人的なただの偏見)よく働き時間を守り、堅実でシャイなトリノの県民性が如実に出た。
女一人で参戦するには少し気がひけるということもあり、今年オレンジ戦争には参戦できそうにありません。。。
これから一年をかけて、来年のオレンジ戦争に「参戦してもいいよ!」という有志を見つけるのが今年の目標の一つになりそうです。
祭りの様子 公式カレンダーより引用