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採用を起点に国家課題にコミットする。今だから語れるワンキャリアの可能性(代表インタビューvol.3)

代表インタビューの最終回。今回は「未来編」です。

新卒採用メディア「ONE CAREER」から始まったワンキャリアは、人事向け採用DX支援サービス「ONE CAREER CLOUD」、中途採用メディア「ONE CAREER PLUS」を立ち上げ、事業領域を拡大してきました。それに対して宮下は「やりたいことの1%にも届いていない」と語ります。

この先のワンキャリアはどこへ向かうのか。宮下が見据える未来を聞きました。

【第1回】

「無理」と言われても突破する。ワンキャリアがHRのクチコミサービスを伸ばせた理由とは?(代表インタビューvol.1) | 株式会社ワンキャリア
新卒採用メディア「ONE CAREER」を皮切りに、人事向け採用DX支援サービス「ONE CAREER CLOUD」、中途採用メディア「ONE CAREER PLUS」と事業を展開してきたワンキ...
https://www.wantedly.com/companies/onecareer/post_articles/921500

【第2回】

「それを諦めたら経営者として終わり」個の強みを模索する、ワンキャリアの組織カルチャー(代表インタビューvol.2) | 株式会社ワンキャリア
第2回の代表インタビューは「人・組織編」です。コアバリューの1つに「個の強みの模索」を掲げるワンキャリア。メンバーの才能を見つけて投資する組織カルチャーは「人が変わる瞬間を見たい」と人への投資を...
https://www.wantedly.com/companies/onecareer/post_articles/921510

 

日本の課題解決にコミットできる光が見えてきた

―ワンキャリアの現在地をどう評価していますか?

宮下:創業時に考えていたのは「HRの全てのデータを集めることで、誰でもどこにいても、自分らしい仕事選びができる社会にしたい」ということです。新卒採用メディア「ONE CAREER」から始まり、人事向け採用DX支援サービス「ONE CAREER  CLOUD」、中途採用メディア「ONE CAREER PLUS」と、事業領域を広げてきました。ここまでの事業展開は創業時に描いていたストーリーから大きく外れてはおらず、想定通りです。

一方で「確からしさ」は創業時から大きく増しました。


 

―「確からしさ」ですか?

宮下:求職者のためのサービスをつくり、そのデータが集まれば企業が変わり、やがて国も動く。当時20代だった私たちは「きっと、世の中はそうなるだろう」と信じて、就職活動のクチコミを集め始めました。振り返ると、安易な考えだったと思います。

でも、ONE CAREERのローンチから10年以上が経ち、HRのデータがたまってきたことで「日本の社会課題にアプローチできる方法が、ワンキャリアにはある」と思い始めています。


―例えば、どのような社会課題にアプローチできるのでしょうか?

宮下:「官僚の人手不足」「スタートアップ創出に向けた人材支援」「人口減少と地方創生」。この3つは日本の重要な社会課題であり「採用」というファクターを通して解決できる可能性があると考えています。

 

―それぞれ詳しくお聞きしたいです。

宮下:まず「官僚の人手不足」。「ブラック霞が関」とも呼ばれ、若手の離職や志望者の減少が問題となっています。官僚は国を支える人材であり、国のインフラを揺るがす課題です。

一方で、ワンキャリアはこれまで、東証プライムに上場している大企業の採用を、戦略立案から支援して成功に導いてきた実績があります。日本経済をリードしてきた組織を変えていく経験や知見がたまっており、霞が関問題の解決策も提案できるレベルになってきたと感じています。

「スタートアップ創出に向けた人材支援」も同様です。まだ知名度が低い状態で初めて新卒採用を行うスタートアップを支援し、優秀な人材の入社につなげた事例が数多くあります。また、ワンキャリア自身もスタートアップとして自社の採用に取り組んできました。

政府が策定した「スタートアップ5か年計画」では柱の1つに「スタートアップ創出に向けた人材・ネットワークの構築」を掲げています。新産業を生み出すためには人材が必要であり、私たちの解像度が高い領域です。

 

「採用」「人事」を起点に、日本経済にインパクトを 

―3つ目の「人口減少と地方創生」はいかがでしょうか?

宮下:人口減少は特に地方において深刻かつ喫緊の課題です。若者の人口流出を食い止めるには雇用を生み出す必要がありますが、そのためには事業の創出と、それを支える人材の獲得が不可欠です。

この課題に対して私たちもまだ十分な解こそありませんが、関係する人と一緒にディスカッションできる力は付きました。採用の観点から、地元企業の採用成功と地域の活性化にコミットできるようにしたいですね。

 

―何か具体的な取り組みも始めているのでしょうか?

宮下:自治体が地元企業の採用支援を目的に行なっている取り組みに、今年から事業者として手を挙げ、採択していただいたケースがあります。京都市、神戸市、福島県、熊本県などです。地域貢献につながるだけでなく、私たちにとって新たなビジネスチャンスでもあります。

例えば、熊本県には今、大規模な半導体の製造工場が新設され、雇用が生み出されています。このような動きに対して「採用」という側面からアプローチできることは多いと思います。

 

―日本のどの地域も人手不足に悩んでいる状況ですから、できることも多そうですね。

宮下:人手不足の課題感について、私がHR業界を見てきた15年でこれほど深刻だった時期はありませんでした。日本中が採用に困っている状況です。

にもかかわらず、経営における採用・人事担当者の重要度は、それほど変わっていない気がします。ここにもアプローチしたい。

 


―採用・人事担当が経営を支える重要ポジションであることを、社会全体に発信していく必要がある、と。

宮下:そうですね。今でも採用・人事担当で優秀な人は各社から引く手あまたですが、これがもっと加速して、企業のHRをリードする人の重要度が上がれば、必然的に組織全体の流動性も上がります。これをベースに組織がつくられ、流動する人の知識が各所に還流されると、日本の労働生産性は向上していくはずです。

そのきっかけとなるように、採用・人事担当者がつながって地位が高まるような、面白くて学べる場をつくりたいと考えています。長い目で見れば、当社の企業価値向上にもつながる投資となるでしょう。

 

―社内にナレッジがたまってきたことで、できるチャレンジが増えてきたのですね。

宮下:この10年で、できることとできないことの解像度が上がったとも言えますね。

会社としてもこの10年で事業、財務、人材、それぞれの基盤が整ってきたと感じています。でも、まだまだやりたいことの1%にも届いていません。これからは国や行政との連携に加え、M&Aにも積極的に投資していきたいですね。

 

「見たい」という好奇心が、事業を広げ、加速させる

―さらに事業領域が拡大しますね。宮下さんが事業を広げる上で大切にしていることはありますか?

宮下:事業を展開する上で、私のエネルギーになっている要素の1つに、好奇心があります。好奇心で動く自分をうまくコントロールすることで、ミッション実現へスピード感を持って向かえている、という感覚もあります。

熊本県との取り組みでも現地に足を運んでいるのですが、「こんな仕事があるんだ」「こうやって街ができていくのか」と自分の目で確かめられることが、純粋に面白いと感じます。


 

―「変化する瞬間を自分の目で見たい」という欲求があるんですね。

宮下:言語化できたきっかけは、徳島県に開校した神山まるごと高専(※)の創設メンバー大南信也さんのお話です。「なぜ人は成長や拡大を志すのか」「なぜ早く実現しないといけないのか」という問いに対し、彼は「見たいから」と答えていました。ベンチャーはスピードが求められますが、それは「だって早く見たいから」という人の好奇心からくるんだと。確かにそれは大きいな、と腹落ちしましたね。

事業を広げていき、お客さまである企業や社会、仕事選びのあり方が変わっていく瞬間を見てみたい。人の可能性に投資して、メンバーが変化・成長する姿を見てみたい。これが私の原動力なのだと思います。


(※) 2023年、徳島県神山町に開校した5年制の私立高等専門学校。「テクノロジー×デザイン×起業家精神」を教育の土台としながら、「モノをつくる力で、コトを起こす人」の育成を目指す。宮下は開校にあたってファウンディングパートナー、起業家講師として関与している。


―今後も好奇心をうまく活用し、事業を広げていく、と。

宮下:そうですね。ここから先は創業時に描いていなかった未来に突入します。世の中も絶えず変化していますし、想像もしていない面白い事業が出てくるかもしれません。


ミッションを前に進める新たな才能に、これからも投資したい


―その意味では、自分が想像できていない世界について解像度が高い人がいてくれると心強いですよね。

宮下:本当にその通りです。今求めている人材像の1つは、まさにそういう人。「人の数だけ、キャリアをつくる。」をミッションに掲げていますが、私や今の経営陣だけで「人の数だけ」を描くのは難しい。人の才能の見え方について私たちとは違うものを持っている人がいてこそ、新しい人が活躍できます。ある事業領域について私たちよりも解像度高く見えている人がいると、ミッションが前に進むと思うんです。

 

―HRという業界にとらわれずに、仲間を集めていく、と。

宮下:HRでもいいし、HRでなくてもいい。それは関係ないかなと思っています。HR業界で経験を積んで新しいチャレンジをしたい人に対して、伸びているワンキャリアだからこそ用意できる舞台もあります。

 

―改めて、どのような人と一緒に働きたいですか?

宮下:経営者としては、ミッションの達成に対して足りないピースを埋めてくれる人といえます。M&A、国・行政の領域でHRに関わるアプローチをしていきたいと思う人にとっては、これから面白いフェーズに入ると思います。もちろん、既存のHR産業に課題を持って取り組みたい人やミッションに共感してくださる方にも、面白いチャレンジが待っています。

一方で個人としてどうしても興味を持ってしまうのは、明らかな強みを見つけた人。ワンキャリアのカルチャーとして、今後も人の可能性に投資していきたいです。

(終わり)


今回はワンキャリアの未来について、宮下にインタビューしました。ワンキャリアのことが少しでも気になった方は、ぜひ以下のリンクから気になるポジションをのぞいてみてください。


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企画・取材・編集:吉川 翔大
ライター:松本 浩司
撮影:mikico


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