ONE CAREER LIVE をご覧になったことのある方は、一度は「佐賀駿一郎」の名を見たことがあるのではないでしょうか?人前で話すことに強みを持つ佐賀は、ONE CAREER LIVEをはじめとするイベントの司会者として活躍してきました。しかし、2021年、佐賀は自ら社内異動を志願し、現在は新規事業である ONE CAREER PLUS の事業開発職としてワンキャリアのビジネスを支えています。
今日は、そんな佐賀のこれまでとこれからについて話を聞いてみたいと思います。
【こんな人に読んでほしい】 ✔︎人事、キャリアアドバイザーに従事されている方 ✔︎営業に従事されている方 ✔︎事業開発に挑戦してみたい方 ✔︎ 現状のキャリアにマンネリ感を覚えている方
「しゃべり一本」で戦ってきたキャリア ワンキャリアに入社する前はどのような仕事をされていたのですか?
新卒でビズリーチ(現・ビジョナル)に入社して、もともと若手向けの中途転職サービスの営業からキャリアを始めたのですが、とにかく全然売れませんでした。ある月の営業成績は、売上0円交通費3,000円でコストしかかかっていない存在でした。その後1年ほどカスタマーサクセス業務を経験し、異動して、2年ほど新卒採用担当に従事していました。
転職することになったきっかけは?
新卒採用担当として丸2年の節目を迎えて、気づけば「しゃべり一本」で戦ってきたキャリアになっていたんですね。なんというか「おしゃべりおじさん」のような感じで。企業説明会で自社のことを話したり、面接で学生をアトラクトしたり、「自社の魅力を語る」ということばかりしてきました。
ふと、ビジネスパーソンとして自分にどれだけ力が付いたんだっけと振り返ったときに、あんまり力が付いてないなって思っちゃったんです。力をつけるために他部署への異動も考えましたが、まずは外の世界もちゃんと見てみようって転職を考え始めたというのがきっかけです。
採用担当として感じていた就職活動の「負」 HR業界ばかり見ていたんですか?
事業をつくる経験を積みたいと考えたところで、個人的に絶対この領域でやりたいというこだわりは見つかりませんでした。ただ、新卒採用担当として感じてきた採用マーケットの「負」にこれから向き合おうという気持ちはあって、そんな中でワンキャリアと縁がありました。
前職で採用担当として働いていたときから、ワンキャリアは尖った施策をやっていて正直羨ましかったんです。「 令和の就活ヘアをもっと自由に 」とか「 #ES公開中 」とか、大きなプレイヤーも巻き込んで世の中に啓蒙しているようなところがすごく面白いなと思っていました。
前職で採用担当をしていた時に感じていた「負」とは?
「企業のロジックが強いマーケット」だなっていうことですね。もちろん人事として、目の前の就活生のキャリアに向き合ってきたつもりですが、最終的には「企業が採用するかしないか」という判断になってしまうのが現状です。採用担当という立場だと、個人のキャリアに向き合いきれないなという歯痒い思いがありました。
HRテックのサービスもいろいろ出てきてはいるものの、いずれも企業の採用活動を効率化していくというものがメインでした。私はもっとエンドユーザーが就職活動を通じて本当に幸せになるようなプロダクトが必要なんじゃないかなという思いを捨てきれませんでした。
再び「しゃべり」で活躍、成長を感じた司会業 ワンキャリアに入社後はどのような業務を担当していたんですか?
前職で関わっていた採用イベントでの経験を活かし、「イベントプロデューサー」という職種でワンキャリアに入社しました。入社した2019年、ワンキャリアはオフラインの合同企業説明会を実施していたので、イベントの企画運営を主に担当していました。その他にも、就活生とのキャリア面談なども行っていました。
入社直後を振り返ると、どんな印象でしたか?
最初はめちゃくちゃ苦戦しましたね。それまではしゃべりでなんとかしてきた人間だったので、企画やオペレーション、ドキュメントを作るなどの業務が壊滅的にできなくて。入社してからの1年は、、結果を出している感覚は1ミリもなかったですね。
仕事内容が途中で変わりましたよね?今では佐賀さんのことを「 YouTube で見たことある」って言う人が多いと聞きますが・・・
転機は新型コロナウイルスの流行ですね。ワンキャリアも変わらざるを得なかった。
具体的には 2020年2月に合同企業説明会とか色々来季のイベントとかも控えていた中でコロナがやってきて、就活生も企業人事も困っている状況だったんですね。そのタイミングでワンキャリアが YouTubeを使った企業説明会 (のちのONE CAREER LIVE)を打ち出して、今までオフライン前提でやっていたイベントのチームがライブ配信のチームに一気に切り替わっていったんですね。ノウハウがなかったのでパートナーさんの力を借りながら一緒に作っていたわけですが、その中で「誰が司会をやるんだ」という話が出まして。最初はイベント登壇経験のある社員が持ち回りで担当していたのですが、じきに私にもチャンスが回ってきました。そうして私が司会を務めた回が、社内やお客さまに好評いただいたことをきっかけに、司会としてのポジションを確立していきました。
イベントの裏方だったところから一変して、表に立って企業の魅力を学生に発信したり、学生向けの就活ガイダンスをしてフロントに立って情報を伝えていく仕事がメインになりました。
「しゃべり一本で戦っている」と思っていた以前と比較していかがでしたか?
「企業が伝えたいことを喋ってるだけの頃にはわからなかったことがわかっている」という点で、違っていましたね。人事を経験しているからこそ、クライアントの方がどういうことを学生に伝えたいかっていう痒いところがわかるし、キャリアアドバイザーとして学生と向き合ってきたからこそ、学生が本当に知りたい情報って何なのかみたいなことがわかるようになっていました。今までの経験をうまく掛け合わせることができたなと思えるのが司会業でしたね。
「“口だけうまい自分”で終わりたくない」葛藤と、社内異動 最近は異動されてYouTubeへの出演頻度は減っているそうですね。どうして異動することになったのですか?
はい、出演頻度は減らしました。新規事業を立ち上げているONE CAREER PLUS事業部への異動が大きなきっかけです。
2020年は司会を始めとするライブ関連業務で忙しくしていて、MBSさんと一緒に 「西日本POWER LIVE」 という企画を作ったり、 企業解説チャンネル を作ってみたり、 TikTok を始めてみたり。とにかくいろいろなことに手を広げていました。
しかし、そこでまた自分の「推進力のなさ」に直面しました。
何を数字の指標として置いていいのか、社外のパートナーの方々をどのように巻き込んだらいいのか、事業として売りが立つようにするためにどうアクションすべきかなど、全てがわからないことだらけでプロジェクトを止めてしまったんです。当時の上司だった 長谷川さん との1on1から見えてきたことは「人が作ってくれた神輿に乗って盛り上げるのが得意だが、企画から作るとなると全然できない」ということでした。「このままだと“口だけうまい自分”で終わってしまう」という危機感を覚えるようになりました。
そんなとき、長谷川さんから声をかけてもらったのが、現在在籍しているONE CARRER PLUS事業部です。
事業開発とキャリアアナリストとしての新境地
ONE CAREER PLUS事業部ではどのような業務を担当していたのですか?また、異動してよかったなと思ったことはありますか?
リリース直後の7月中旬に異動し、今までやってきたことを生かしてONE CAREER PLUS(以下、OCP)でのイベント立ち上げを行っていました。
記憶が新しいところで行くと、キャリアアナリストとして支援していた候補者の方に内定が出たのは嬉しかったです。一人の転職支援に向き合えてよかったなと感じました。
一般的な「キャリアアドバイザー」ではなく「キャリアアナリスト」と名乗っているのはなぜですか?
データをもとにキャリア設計を支援する新しい仕事だからです。キャリアアナリストの仕事には大きく2つ、キャリア支援とコンテンツ制作です。アドバイスで終わるのではなく、キャリアデータのリサーチからコンテンツの制作、発信という一連の流れを受け持っているので「キャリアアナリスト」と名乗っています。
面談を通じて目の前の求職者に価値を提供するのはもちろん、独自に集めてきたキャリアデータを生かしてコンテンツを作って発信します。例えば口コミをもとに職種についての キャリアパスをまとめた記事 の制作、イベントの企画・実施も行っています。
自分に欠けていたとおっしゃっていた「事業づくり」に関する解像度は上がりましたか?
解像度は上がりましたね。これまでのキャリアでは「作られた事業をさらに伸ばす」と言った働き方しかしたことがなくて、例えば「形あるプロダクトを売るために営業のコミュニケーションを改善する」といったアプローチが主でした。今はプロダクトを1からつくっている最中なので「そもそも世の中で何が必要とされてるのか」から考えていかなくてはならない。なので自ずとなんでもやる組織になっていくし、やれることにはどんどん手を出していっています。これが事業作りなんだなって感覚はありますね。
これからのONE CAREER PLUS 現在の転職マーケットにおける「負」ってどんなところだと思いますか?
多くの人たちが、自分の周囲にいる人の傾向だけを見てキャリアパスに関する可能性を狭めてしまっているのが現状だと思っています。誰かに相談するとしても、エージェントも紹介先の企業がある中で100%フラットなアドバイスは構造上難しい。会社の先輩だって転職経験がなかったり転職事情を知らなかったり、そもそも転職を食い止めたかったりするから、自分の周囲の人がいろんな理由から適切なアドバイスをできずにいる。キャリアの可能性が広がりにくい構造になってしまっているのが転職マーケットだと思っています。だからこそデータを集めてコンテンツを提供したり、面談を行うなどして、求職者の可能性を少しでも広げられるようなきっかけを作れたらなと思っています。
ONE CAREER PLUSで、求職者の仕事選びをどうしていきたいですか?そのために何が足りないものは何ですか?
CGM(掲示板やクチコミサイトなど、ユーザーの投稿によりコンテンツができていくメディアのこと)の特徴を持っているメディアなので、しっかりと求職者の声を集めていくというのは変わらず行っていきます。サービス立ち上げ当初から右肩上がりでクチコミの投稿数は増えているものの、目指す世界観からするとまだまだ足りないのが現状です。個人的には、まだ0.1%にも満たないんじゃないかなという感覚です。
ONE CAREERが新卒マーケットで浸透させてきたように、転職した人が次の転職者たちのためにクチコミを残すという行動を、当たり前の習慣にしていきたいです。
最後に、「“口だけうまい自分”で終わっていない」という実感はありますか?
以前は「口だけうまい自分」で終わったらどうしようという恐怖がありました。今なら、事業開発として立ち上げフェーズからなんでも取り組めるな、コンテンツを作る力がついたなといった実感が得られているので、然るべき苦労をしているなって感覚があります。なので今は、 30代40代が怖くなくなってきた感じはありますね。
さいごに 明確な強みを持っていても、やはり感じてしまうキャリアの葛藤。佐賀は、自分のキャリアと向き合い、自ら手を挙げ、新たな挑戦を始めました。
ワンキャリアには「挑戦と応援」というCoreValueがあります。今回佐賀が利用した「社内異動制度」をはじめとして、上司とキャリアについて話す1on1、挑戦を讃える「表彰制度」などの社内制度も揃えており、多くの社員が利用しています。
今回のエピソードを聞いてワンキャリアのことが少しでも気になった方、ぜひ以下のリンクから気になるポジションを覗いてみてください!