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大人は子どもに対して、決まって「将来は何になりたい?」「好きなことは?」と訊きますよね。
子どもの頃は簡単に答えられていたものの、進学したり入社するにつれていつしか、答えるのが恥ずかしく感じたり、言うのを諦めてしまうようになったりするのではないでしょうか。夢や好きなことは大事なはずなのに、おそらく多くの大人はそれをどこかに捨ててしまってきています。
それは「あの大学へ進学すれば、いい会社に就職できる」というある種のカゴの中で育てられてきたのが理由だったりしますが、例に漏れず、僕もそうでした。
この投稿では、僕が理系院生から文系就職を決断して、外資系メーカーでマーケティングに携わったのちに、紆余曲折を経て夢を見つけ、なぜ今ワンキャリアで働いているか、そして「現代の寺子屋」を作ることで、「将来やりたいこと」を誰もが決められるような世界にしたいという想いを綴っています。
▼目次
■ 自己紹介/経歴
■ 「将来は何になりたい」に答えられないモラトリアムの就活
■ 「意思決定」の力に気付かされた一つの転機
■ OOHを使ったマスマーケティングでは、前年対比で数百%を達成。「巨大マーケット」がひっくり返る瞬間
■ そんな学びをどんな人と共有していきたいか
■ 就活の意思決定で「将来の選択肢」を選べるように
■ 自己紹介/経歴
皆さん、改めまして初めまして。株式会社ワンキャリアの林裕人と申します。冒頭は突然、僕の課題感についてお話ししましたが、まずは簡単に自己紹介をしたいと思います。
<ワンキャリアでの業務内容>
現在、大きく3つの領域に携わらせていただいてます。
- 就活対策コンテンツの収集/制作、および約30人のインターン生マネジメント
- 会員獲得のためのサービス改善/マーケティング施策の計画/実行
- その他、コンサルティング案件や大型のプロモーションの執行
<経歴/特徴>
その他の経歴や特徴についてもざっと書きますが、一言でいうと「自分の経験知を大事にしてきた人間」だったと思います。 これまでの人生でのトピックスを列挙します。
- モノづくりがしたいという漠然とした理由で工学部に進学
- 機械工学を専攻し、乗り物をこよなく愛する
- (自転車/バイク/車を乗り回しており、大学卒業とともに船舶免許もとりました)
- 長期休みの一人旅にハマり、30ヶ国ほどぶらぶらする
- 社会人3年目を終えたタイミングの2018年にワンキャリアへ転職
- 人生を通して人の「意思決定力」と「やりきる力」を強化するため、小児教育に携わりたい
- 週末キャンパーとして小さい頃に連れていってもらっていたキャンプ熱が再燃中
- 引退後の夢は「離島で寺子屋を作ること」※ 屋久島が好きなのもあり
※ふだんは休みも仕事してるんじゃないの?と言われることが多いですが、上記のように実は休みにアクティブだったりします。
それではまず、こんな僕が冒頭のような課題感を持つようになったお話から語っていきたい と思います。
■「将来は何になりたい」に答えられないモラトリアムの就活
今では自信を持って「小児教育へ携わりたい」と言えますし、思い返せば、昔から教育領域には興味があったなと思います。(大学生の頃は教員になるための追加授業も含めて、週25コマの講義を日によっては9時から20時までぶっ通しで受けていました)また、最終的に悩んで外資系食品メーカーを選ぶまでは、教育業界の大手企業にいくか悩んだりもしていました。
(※ ちなみに教育者をファーストキャリアにしなかったのは、高校の時に思った「企業勤めとしての社会人経験がない先生が子どもの進路指導をしている」という違和感が拭いきれないからでした。)
そんな僕自身ですが、結局「将来は何になりたい」への答えが見つけられないまま大学を卒業し、なんとなく大学院に通っていました。モノづくりがしたいと思ってはいたものの、漠然と「消費者のニーズを汲んだ製品を作り出すこと」が一番重要かな?と考えているぐらいのレベルでした。ただ、「一生をかけてやりたいことって今は決まらないな」「だからこそ、やりたいとなった時に手を挙げられる力は持っておきたいな」「やりたいことを決める上で多様な価値観を持っている人と働きたいな」という漠然とした思いがあり、就活では3つの軸を大事にして一番満たしていると感じた外資系食品メーカーに就職しました。
<就活の3つの軸>
- 企業:ユーザーファーストな製品を作っていること
- 職種:最初の3年で自分の武器が持てること
- 組織:多様な価値観の人たちと働けること
仕事はマーケティングリサーチの部署にいたため、ありとあらゆるマーケティング上の意思決定に携わりました。この仕事はとても好きでしたし、最初は全体感を捉えることができずにできなかったものが、どんどんできるようになっていくのはとても幸せな感覚でした。
ただ、とても楽しい状態ではあったものの、やはり自分の人生で本当に成すべきことは見えないままでした。そして3年ほど経ったころ、自分の人生をじっくりと見つめ直す機会があり、自分にとって本当に大切なものに気付き、勇気を出して転職をしました。
■ 「意思決定の力」に気付かされた一つの転機
「読み書きそろばんではなく、思考法。
現代では、意思決定と、やりきる力のほうが大事」
そのことを教えてもらった転機は、モンテッソーリ教育を取り入れた保育園の経営者とお話をしたことです。モンテッソーリ教育とは、子どもの自立心を育むことを目的としており、「子どもにひとつのことを夢中で取り組んでもらい、成し遂げた時の満足感や自分でわかったときの自信などの経験を積み重ねることにより、子どもの『もっと難しいことに挑戦しよう』という意欲を育てる」教育です。有名な経営者だとGoogleのラリーペイジ、Amazonのジェフベゾス、Facebookのマークザッカーバーグなどがこの教育を受けたと言われています。
その話を聞いて、考えたことは、僕はこれを日本のすべての子どもに対して、基本的な考え方として学んでもらうべきだと考えました。より具体的には2つあります。
- 意思決定とそれをやりきる機会の重要性
- 子どもの頃に「好きなこと」や「こだわりのあること」を選んでやりきる機会を増やした方が良い
- やりきる機会と成功の因果関係
- 例え、やりきって失敗したとしても、その失敗経験も踏まえて次もチャレンジしたらどこかで成功する
まず「意思決定力」を鍛え、「やりきる経験」をした上で、高等教育/大学の学びや社会で得られる経験を活かしていく必要があると思います。長期的な意思決定である「将来は何になりたい」に答えるためには、まず、小さい頃に「自分で決めて、それをやりきる経験」が必要なのではないか、と思うのです。
現に僕や周りがそうでした。今でこそ、明確にやりたいことが見つかった僕ですが、直接やりたいことが見つかった今だからこそ、「将来、寺子屋を経営するため」には、自分に足りないものがなにか?が明確にわかってきました。
・チームをマネジメントした経験がゼロだった
・教育マーケットの伸びがない中で、ビジネスを展開していく知見や人脈の不足
・巨大なマーケットをひっくり返すような経験がない
教育はとてつもなく、大きくて成熟した産業です。一筋縄ではいかない。同様に、人材領域という大きくて成熟した産業を変えようとしている会社で経験を積みたい。そうやってワンキャリアに転職しました。
■ OOHを使ったマスマーケティングでは、前年対比で数百%を達成。「巨大マーケット」がひっくり返る瞬間
結果的に、ワンキャリアに転職してよかった。
というのも、自分の教育観を深める上で大事な観点をコンテンツとマーケティングの部署や「#ES公開中」などのキャンペーンの執行で学んだからです。このキャンペーンは、既存のマーケットに一石を投じるマスマーケティングで、僕はゼロから全ての設計を牽引しました。「前年対比で数百%で急激に伸びていく経験」は前職とは違う面白さがありました。
そして僕はもうすぐ転職して1年半が経とうとしています。入社前と、入社後で「自分の仮説」はさらに深まりました。より具体的には2つです。
1. 意思決定に正解はなく「妥当な意思決定」のみ存在する
「やってみるのが怖い」という気持ちは人に多かれ少なかれある感情です。コンテンツの収集/制作は30名ほどのインターン生のチームでおこなっているため、年間を通じて採用も実施しています。このため、様々なレベルのチャレンジをしているメンバーがいますが、30名ほどにもなると考え方も多種多様なので「その提案もありかも」という僕は思いつかなかったけどやってみる価値のある提案をもらうことが多々あります。ただ提案を受けるだけではなく、この時には必ず「まず小さくやってみてもらう」ことを心がけ、「正解はないので失敗だと思ったら軌道修正しよう」と何度も何度も声かけをします。みんな、チャレンジをして失敗してしまうと落ち込んでチャレンジが怖くなったりしますが、そうならないようにするのが意思決定を磨く鍵の一つだと思います。また、自分自身も「#ES公開中」というキャンペーンをメインで執行させてもらいましたが、新しい経験だったため正解が何か迷った時が多々ありました。キャンペーンという性質上、小さくやってみることはできない中、実際のユーザーに聞いてみたり、駅広告の現場に足を運んだり、様々な事例を学んだりして「これで失敗してしまっても仕方ない。やりきった」と思えるぐらい考えきった施策を執行することで、Twitterで「関東地方のトレンド」まで上がることができたキャンペーンになりました。
2. やりきるに足る「意味づけ」を大切にする
子どもの頃は「楽しい」「やりたい」でやり続けられたものも、こと仕事となると大変な部分も大きなウェイトを占めるため、一筋縄ではいきません。最近、マーケティングのインターン組織を立ち上げる機会がありましたが、個々人の特徴(強み/モチベーションの源泉)をしっかり見極め、それを共有した上で「いかにその人にとって意義のあるアサインメントであるか」を説明することで、本人の強みを最大化し成果/自信に繋げることができています。
共有には手触りのあるA4ペラ1を用いており、全員しっかり違う内容を書いています。(これは正直めちゃめちゃ大変な作業なのですが、個々人が常にカバンに入れて見返してくれているなど、相当な効果を秘めているので、おすすめです。)
また、自分自身は仕事をめちゃめちゃ楽しんで行えている自信があります。それは仕事の一つ一つに対して明確な「意味づけ」ができているからに他なりません。もちろん、仕事が大変だったタイミングは何度もありますし、それ自体に意味づけができないタスクもあったりします。ただ、仕事の構造をメタ認知的に理解して進められることが、僕自身の学習欲を満たしてくれているため、問題なく楽しんで仕事ができています。
■こんな人がいれば、ぜひ一緒に働きたい。 「今の学びをどんな人と共有していきたいか?」
どんどん違うフェーズに移っていくこのスタートアップの環境では、前述のような学びが日常に溢れています。僕自身もまだまだ発展途上ではありますが、どんな人とこういった経験を共有していきたいのか。
一言で言うと「リーダーとして人を巻き込んでいける人」と働きたいです。どちらかと言うと、コンテンツやマーケティングの部署は、プレイヤー(個の力)として一流になりたいと考える人より、目的のために愚直に人を巻き込んでいける総合格闘技タイプの方が成長する余地が大きいと感じています。
これは、そもそもマーケティング自体が「さまざまなプロフェッショナルを巻き込んで目的を達成する仕事」であり、専門スキルを持った他部署との連携が欠かせない、そして扱う業務範囲がかなり広いためです。
ただ、もちろんリーダー経験が必須という訳ではなく、以下のような「リーダーとしての片鱗」が見える人であれば、是非ともウェルカムです!
<どんな人と働きたいか>
- 何かしらの意地が見えること(どんな側面でもいい)
- 人に対して誠実で、強みを認め合えること
- 何事も楽しんで取り組めること
また、このような人を探すために、面接時には以下のような質問を候補者さんに投げかけることが多いです。
<どんな質問をするか>
- 人生で一番難しかった意思決定は何か?どうしてその意思決定をしたか?
- 新卒1年目でどういう経験をしたいか?それはなぜか?
- 親友にどんな人?と聞いたらどう答えるか?自分ではどう思うか?
- 最近で一番悔しさ/怒りを感じたことは何か?
- 自分がハマっているものは何か?
※ コンテンツマーケティングのチーム一同、皆さんに会えることを楽しみにしています!
■ 就活の意思決定で「将来の選択肢」を選べるように
さて、いろいろなことを話しましたが、現時点で僕のやりたいことは仕事を通して「自分で意思決定をする人」を増やし、「最後までやりきる経験」をサポートすることです。これを就活生や一緒に働くメンバーと経験していくことによって「将来やりたい」小児教育の領域へのブリッジが掛けられると信じています。
それは僕自身が多くのスキルを身につけ、様々な経験をするということだけではなく、就活生のみなさんの意思決定をサポートすることを通しても同様です。就活という誰もが等しく自分自身で意思決定をしなければならないタイミングで、いかに妥協せずに意思決定をおこなえるかが、これから社会人になる上で、必要な「読み書きそろばん」だと思います。そして、就活で自ら大きな意思決定をした人は、自身の子どもを育てるとき「保育園に入れたら一安心」なんてことは思わないでしょう。
再度になりますが、子どもの頃は簡単に答えられていたものを、進学したり就活していく上で、答えるのが恥ずかしく感じたり、言うのを諦めてしまうようになったりしていないでしょうか。夢や好きなことを捨てるのではなく、ちゃんと探すためにも、まずは目の前の就活は妥協することなく、妥当な意思決定をしてやりきる努力をしてみて欲しいと思います。最後まで目を通してくださって、ありがとうございました。