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PdMとエンジニアを繋ぎ、チームの成果を最大化する開発のキーマン「PEM(Product Engineering Manager)」とは?
LegalOnの開発組織には、「PEM(Product Engineering Manager)」というポジションがあります。
今回は、当社独自のロールで開発を支える、伊藤と佐藤にインタビュー!
PEMがプロダクト開発において担う役割やその醍醐味、今後のキャリアの展望などを語り合ってもらいました。
伊藤 理人(いとう・りひと) PEM(Product Engineering Manager
東北大学大学院を卒業後、BtoB、BtoC向けのインフラエンジニアとしてプラットフォームサービスの開発運用に従事。その後採用管理SaaSのSRE経験を経て、2021年10月、LegalOnにSREとして参画。2022年末からPEMを担う。
佐藤 康之(さとう・やすゆき) PEM(Product Engineering Manager)
慶應義塾大学を卒業後、フリーランスのプログラマとしての活動を経て、不動産会社でのシステム開発を経験。2021年6月LegalOnにバックエンドエンジニアとして入社。現在はPEMとして活躍している。
PEM=PdMとエンジニアをつなぎ、ボトルネックを解消する開発のキーマン!
― 最初に、お二人がPEMになった背景を聞かせてください。
伊藤 前職までインフラ→SREとキャリアを積んでいたので、LegalOnにもSREとしてジョインして、リーダーを務めていました。
2023年1月にそれまでプロダクトごとに分かれていたSREチームを「SRE&プラットフォームチーム」として横断的な組織に刷新した際に、PEM就任の打診がありました。
SREをずっと続けたいと思っていたので迷いましたが、「将来的にSREに戻るとしても、自分のキャリアにプラスになる」と感じて引き受けました。
佐藤 僕はバックエンドとしてLegalOnにジョインし、当時チームビルディングやアジャイル開発の導入、実践、指導を司っていたアジャイルコーチとしての役割も担うことに。
正式なロールでは無かったものの、今思えばPEMの前身的なポジションと言えるかもしれません。伊藤さんも同じくアジャイルコーチを任されていましたね。
その後は組織改のタイミングで、PEMに就任しました。当時は苦手意識のある業務分野でしたが、だからこそトライしてみたいという思いがありました。
― PEMというポジションはどうして作られたのですか?
佐藤 会社が成長し組織も拡大していく中で、開発組織にもいくつかの小単位のチームができました。
各チームの歯車がかみ合った状態でデリバリーを回すためには、オーナーシップを持って牽引していく人が必要となってPEMができたのですよね。
伊藤 そうですね。EMだとピープルマネジメントを想像する方が多いかもしれませんが、PEMは一言でいうと「開発のデリバリーをマネジメントする」ロールです。
LegalOnの開発では、PEMがデリバリーに、PdMがディスカバリーに責任を持つ立て付けではありますが、PEMとPdMは密に連携しているので必要であればディスカバリーの段階から入っていく事もあります。
Product Engineering Managerというタイトルは、頭にProductがついてることによって、デリバリーだけでなくプロダクト全体の開発工程に意識が向くのではと個人的には思っています。
ー PEMは、具体的にどんな実務を担っているのですか?
伊藤 ディスカバリーからデリバリーの流れを綺麗に整える、イイ感じにする部分が役割としては大きいと思います。
開発の一連の流れを俯瞰して、課題があればどこかボトルネックになっているかを突き止めて解消していく。人だったり技術だったり、課題やその要因もさまざまありますが、特定の領域に限らずチームの課題にありとあらゆる方面から向き合っていく。そんなロールですね。
佐藤 開発チームの正気を保ちながら、開発を前に進めていく役割と言っても良いかもしれませんね。
― 開発を円滑に進めるために多方面からアプローチするのですね!
日々の業務では具体的にどういった動きをされているのですか?
伊藤 ボトルネックを見つけるという観点では、チームでの振り返りやメンバーとの1on1でヒアリングをして、アジャイル開発のワークフロー(バリューストリーミングマップ)に落とし込んで、タスクがどこで詰まっているのかを確認したりしています。
佐藤 メンバー個人の悩みが開発上の課題に繋がっていることもあるので、ふだんからトラブルなど些細なことも相談しやすい環境をつくるように心掛けています。
「忙しいから」と後回しにせず、メンバーとのコミュニケーションを密に取るようにしてますね。
― チームやメンバーの状況を適切に理解することが課題発掘に繋がると。
技術的な側面からは、デリバリーにどの様に関わっているのですか?
伊藤 基礎設計などもしていますね。
PdMと話し合いながら、要求や課題へのアプローチ方法などを整理して、実際にどう実装を進めていくか設計を立てたり。
ディスカバリーから入りプロダクトをよく理解できているPEMがたたき台を作ることで、案件をスムーズに進められる事が多いです。
PEMはPdMがどういうものを作りたいかをエンジニアにうまく伝えるつなぎ役というか、ハブのような存在でもあるので、双方とのコミュニケーションを密にとるようにしていますね。
佐藤 ときには「PdMはこうやりたいけど、エンジニア視点だとスケジュール的に難しい」など、板挟みになってしまうこともありますよね(笑)
不確実性の高い状況ではなかなか判断しづらい場面もありますが、誰かが決断しないといけない。自信を持って「これで行きましょう!」と言うようにしています。
伊藤 エンジニアも最終的に決めてくれる人がいた方が嬉しい部分はあるかもしれません。私も優柔不断なので得意な方ではないのですが、各々の意見がある中で決めきるのは重要な仕事だと思っています。
一旦進めるという意思決定をしたうえで、良いアイデアがあれば積極的に取り入れています。
ー バランス感覚が求められそうですね!
実装についてはどうですか?PEM自身がコードを書くこともあるとか。
伊藤 実装の際には、チームのエンジニアとペアプログラミングしたりもします。
私自身がコードを書くのが結構好きなので、PEMの中でも積極的に関わっている方かもしれません(笑)
PEMだからプログラミングできない、ということは全然なくて、そのあたりは必要に応じて判断できる自由度がありますね。
佐藤 PEMもそれぞれの得意分野によって、全然タイプが違ったりしますよね(笑)
― なるほど。それぞれの長所が個性になるというのも、PEMの魅力の一つかもしれませんね!
チームの成果を最大限に高めるPEMは、視野が広がり新しい発見も!
ー PEMを経験して良かったこと、得られたものはありますか?
伊藤 開発プロセス全体やチームの課題を俯瞰的に見て視野を拡げられているのは、経験として良かったと思います。
PEMを経験することで自身の専門分野に限らず、より多角的な視点で開発のプロセスや異なるロールへの理解が深まりました。
これまでSREとしてトイル(手のかかる仕事)の撲滅に取り組んできましたが、そうして得られた新しい視点や知識は、開発全体のトイルの撲滅に役立てることができますし。
佐藤 僕も同じで、PEMとしていろいろな人と関わる中で視野や知識が大きく広がりました。チームやメンバーの課題を知り向き合うことで、思いがけず自分自身の欠点や課題に気づけることもありますし、そういった新しい発見が今後につながっていくと思っています。
伊藤 他にも、PdMやデザイナーと会話する機会がかなり増えるので、ビジネスに対する理解が深まりますし、UXに本気で向き合って考えられる点は面白いですね!
組織構造などにも気を巡らせる必要があるので、今まで見えていなかった部分が見えてくる気がします。
佐藤 そこは僕も実感しています!見るべき範囲が多くなるけれど、そこに面白さもあって、たくさんの気づきが得られています。
― PEMとして、どんな時にやりがいを感じますか?
伊藤 チームみんなで「やって良かった」という雰囲気になったときにやりがいを感じます。今年の6月、PEMになって初めてディスカバリーから関わったLegalForceの「翻訳」機能をリリースしたときには、想像以上にお客さまからの反響が良くて嬉しかったですね。
CSやセールスからは「この機能ができたからこそ、これまでリーチできていなかったお客さまにも良い提案をすることができた」と嬉しい言葉を貰えて。PdM、デザイナー、エンジニア全員で協力して良いものをつくることができたので、本当に「やって良かった」と思いました。
佐藤 チームでやり切って成果を出したときの達成感は大きいですよね!
チーム全員で試行錯誤してきた過程があるので、失敗も成功も含めて今に繋がっていると感じます。自分ひとりで成果を出したときよりも、いっそう大きなやりがいを感じられます。
― 反対に、難しいと感じる部分はありますか?
伊藤 課題に直面した時、正解が一つではないので、解決方法を模索していく過程で、難しさを感じることはありますね。
佐藤 確かに。それぞれのメンバーによって課題の捉え方も違うし、解決方法の引き出しをたくさん持っていないといけないですよね。
とはいえ放置していても解決しないので、周囲に相談したり、とにかく何かしらのアクションを起こしていくようにしています。
伊藤 アクションを起こしてみて、その結果や反応を受けて改善を繰り返していくサイクルですよね。
時にはチームメンバーが解決のアイディアを出してくれることもあります。課題を「自分たちごと」と捉えて解決していく動きがあることは純粋に嬉しいですし、「良いチームになってきたな」と感じる瞬間でもありますね。
裁量×自由度は無限大!チームでの課題解決を楽しめるエンジニアに、PEMという選択肢
― PEMの経験を今後のキャリアへどう繋げていきたいですか?
伊藤 私は「楽に楽しく」開発したいですし、他のエンジニアにもそうしてほしい。だから、そのためのプラットフォームを作れるSREの仕事が好きです。
PEMは、チーム全体が「楽に楽しく」開発できるよう、組織的なところを整えていく仕事。SREと共通する部分も多いので、SREとPEMのハイブリッド的な立場もありなのかなと思っています。
佐藤 PEMとしてチーム全体を見るのも、バックエンドとして自らコードを書くのも両方好きなので迷っていますが、しばらくはPEMとしてを経験を積みながら、今後のキャリアを考えていきたいです。
― PEMにはどんな人が向いていると思いますか?
佐藤 チームのことを意識できる人というのは重要ですね。
あとは、コミュニケーションは得意でなくていいんですが、「コミュニケーションする意思があるかどうか」は大切だと思います。
伊藤 「課題を解決することに意義を見出せるか」も重要かもしれないですね。
チームの課題を観察して、見つけて、解決していくのがPEMなので、そこを楽しめる人には面白いロールだと思います!
― 最後に、LegalOnのPEMに興味を持っているみなさんに一言お願いします!
佐藤 自分だけではできないことを、方法を見つけながら進めていけるのがPEMの魅力です。
本当に裁量が大きいので、自分の得意分野を生かして、苦手な分野はメンバーに助けてもらいながら、チームの環境づくりができるやりがいあるポジションだと思います!
伊藤 PEMは、チームや組織の成果を最大化する仕事。
メンバーと信頼関係を築きながら、Willを持って取り組める方にぜひ応募してほしいですね!