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先日、けんすうさんが、就活においても起業においても「原体験」に縛られない方が良いというお話をされていて、その通りだなあと思いました。それに関連して、「自己分析はしない方が良い」というツイートをしたところ、予想以上に多くの就活生の方から反響をいただきました。
就活生には「自己分析しない方が良い」と伝えています。原体験を探している内に、原体験ではない経験を原体験だと思いこみ、それを元に志望動機を作ってしまう。そして、入社後に違ったと気づいたりする。「自分が楽しいと思うことを直感で選んで、まずは頑張ってみる」くらい気軽な方が良いと思うなあ
— 飯田 悠司(YUJI IIDA) (@yuji_iida_719) 2018年3月22日
https://twitter.com/yuji_iida_719/status/976632711300263937
せっかくなので、なぜ私が自己分析をしない方が良いと思っているのか、まとめてみました。
自己分析とはなにか
そもそも、自己分析ってどういう定義なのでしょうか。
コトバンクによると、以下のように書いてあります。
自己分析とは、「自分を探る」作業のことです。就活の際の自己分析とは、「どんなシゴトがしたいか」「どんなシゴトが自分に向いているか」「どんな会社に行きたいか」を認識・理解することといえます。
就活では面接やエントリーシートなどで「自分の価値」をどれだけアピールできるかが合否に影響してきます。そのためには自分の長所や特徴を把握し、具体的に説明ができるように準備しておかなければなりません。
※出典はマイナビ
自己分析は「自分を探る」作業のことであり、「どんなキャリアを歩みたいのかを知ること」「自分の価値を会社に売り込めるようにすること」の2つの目的のために行われる、ということですね。
また、自己分析のやり方についても調べてみました。
リクナビには、1つの頑張ったことに対して10回くらい「なぜ」を繰り返すと、自分では気づかなかった価値観や、漠然とわかってはいたけれど言語化できていなかった価値観が見えてくる、と書いてあります(ちなみに、就活生の間では、この「頑張ったこと」が原体験と呼ばれることが多いです)。
まとめると、原体験を掘り下げることによって、自己分析、すなわち「自分を探る」作業を行うことができるということになります。
強烈な原体験は原動力になりうる
冒頭で、原体験に縛られないほうが良い、という話をしたことと矛盾するようですが、原体験を強烈なエネルギーに変えて成功された方は、世の中に多くいらっしゃいます。例えば、孫正義さんは、幼少時代の原体験が、自らを推進するエネルギーになっているようにお見受けします。例えば、2010年の「ソフトバンク 新30年ビジョン発表会」の講演会でも、自らの経験について 以下のようにおっしゃっています。
おばあちゃんが私の父、私の母、父はもう中学のときには家族を経済的に支えて、経済を支えて、7人の兄弟、一生懸命仕事をしました。大変苦しい苦しい生活の中で這い上がっていって、ヤミの焼酎をつくって、豚を育ててなんとか生きていくということで生活をしていました。そんな中で私が生まれた。1957年。私が生まれた頃にはすでに少しは生きていけると、トタン屋根のボロボロの部落の家に住んでましたけどね。村の。
そんなときに、私の父が吐血をして入院しました。もう家族の危機ですね。1歳年上の兄は高校を中退して、泣き暮らしている母を支えて、家計の収入を賄って、父の入院費と家計のサポートをし母も一生懸命仕事をしました。
僕にとってはもう突然降って湧いたような家族の危機、なんとしても這い上がらないといけないということです。どうやって這い上がるかと。私は事業家になろうと、そのときに腹をくくったんですね。一時的な解決策ではなくて、中長期に家族を支えられる事業を興すぞと。中学生のときに腹をくくったんです。
まさに自らの原体験を元に、事業家になるという人生の選択を行ったということですよね。
また、孫正義さんが、「情報革命によって人々を幸せに」を掲げ、事業を成長させ続けていることは周知の通りですが、以下の発言からも、原体験が今も自らのエネルギーにつながっていることがわかります。
お金じゃない、地位でも名誉でもない。ばあちゃんがやってたようなああいう人に喜んでもらえる、何もあげられない、ボロキレでも喜んでもらえる。そういうことに貢献できたらやっぱり幸せだ。
会ったこともない、見たこともない、名前も知らない、どこかカンボジアかどっかの小さな女の子が、泥んこの顔で、りんご1個もらって「ありがとう」。
何か我々ができることをして、誰に感謝してもいいかもわからない状況で、心の中でありがとうって。そういうことに貢献できれば幸せだということであります。
名前も知らない、そういうたった一人の子どもにも喜んでもらいたい。頑張ります。
ほとんどの人は原体験なんて持っていない
再びコトバンクで原体験について調べてみました。
記憶の底にいつまでも残り、その人が何らかの形でこだわり続けることになる幼少期の体験。
※出典は大辞林
まさに、 孫さんの幼少期の経験は原体験そのものですよね。記憶の底に残っていると思いますし、それにこだわり続けていると言えるでしょう。また、何より凄いと思うのが、それを爆発的なエネルギーに変換していることです。
就活生の中にも、原体験を持っている方はいらっしゃいます。それをエネルギーにできる方は、素晴らしいと思いますし、是非それを継続されると良いと思います。そういう方は、原体験を元にキャリア選択をすると良いと思います。
一方で、どれだけの人が原体験を持っているのでしょうか。少なくとも、私は残念ながらそのような経験を持っていませんし、ほとんどの方がそうなのではないでしょうか。
ただ、原体験を持っていないからダメだということは、当然ありません。ましてや、それを卑下する必要はありません。そもそも過去は変えられませんからね。
最悪なのは原体験を捏造して自己分析すること
さて、冒頭で述べたように自己分析とは、「原体験を掘り下げることによって、自己分析、すなわち「自分を探る」作業を行うこと」でした。一方で、ほとんどの人は原体験なんて持っていないわけです。
一方で、就活は待ってくれないし、何となく自己分析をしないとマズイ、という同調圧力も強い。そこで、ありがちなパターンが、原体験らしきものを自分の中で捏造してしまい、それを元に就活をしてしまうことです。
リクナビには、自己分析をするためには「1つの『頑張ったこと』に対して、10回ぐらい『なぜ』を繰り返すといいでしょう」と書いてあります。無理やり作った「ズレた」原体験は、掘り下げれば掘り下げるほど更にズレてしまう。そのズレたものを元に、自分の歩みたいキャリアを考えたり、自分を会社に売り込んだりしたら最悪です。
前提がズレているわけですから、自分がやりたいわけでもないキャリアを選択してしまうリスクがありますし、就活中にそのズレが露呈すれば、会社に対する売り込みも上手くいきません。
僕の同世代の友人も社会人歴が10年前後になってきました。同窓会や結婚式で仕事や今考えていることについて聞くことも多いのですが、大学生の頃に言っていた原体験と同じ話をしている人はほぼいません笑。
過去の原体験というよりは、仕事を一生懸命やることによって、自分の好きなことや向いていることを見つけて、それを一生懸命やっている人が多いですね。また、半分くらいの人がすでに転職を経験しています(2回、3回と転職している人も多くいます)。
楽しいと思えることを一生懸命やって、これから原体験を作れば良い
そういうわけなので、就活生の皆さんは、原体験がないことに焦る必要はありませんし、ましてやそれを捏造して、無理やり自己分析をする必要もありません。自分が、直感的に面白い、やりたいと思える仕事を選んで、そこで一生懸命頑張れば良いのではないでしょうか。そうする内に、自分が好きなことや向いていることが分かると思いますし、ひょっとして原体験も積めるかもしれません。
一生懸命やってみて、ちょっと違うなあと思ったら、我慢せずに転職してしまえば良いわけです。
ちなみに、先ほど孫さんの事例を出してしまったので、原体験が無いと成功できないのではないか、と焦った方もいるかもしれません。そんな皆さんに柳井正さんのエピソードをお伝えさせていただきます。
僕は、もともと内向的で、経営者に向いてない性格だったしね。学生のときは、本ばかり読んでいた。商売人どころか仕事しないで一生暮らせる方法はないかな、と思ってた。
一番の転機は、実家のある山口県で父がやっていた紳士服専門店を手伝っていたとき、7人の男子従業員のうち、1人を残して6人がやめたんです。それまで、経営者なんて無理だと思ってた。でも、全部自分でやらなきゃいけなくなったんです。今考えれば、食わず嫌いだったね。失敗も多いけど、やればできることが分かった。
ちなみに、一度柳井さんのお話をお聞きしたことがあるのですが「服を変えて、世界一を目指す」と決めたのは35歳の時だとお聞きしました。今の私の年齢よりも上ですね。だから、私も起業家として若くないですが、まだまだ大きな伸びしろがある思って頑張っています。
就活生の皆さん、原体験や自己分析に変にこだわりすぎずに、自分が直感的に面白い、やりたいと思えることを選んで、一生懸命頑張ると良いと思います。これから就職活動の佳境を迎える学生さんが多いと思いますが、就職活動の成功をお祈りしております!