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エンジニアからコンサルへ。探し続けた「戦う理由」と新たなキャリアのスタート

はじめまして。

株式会社グローカルにてコンサルタント・マネージャーを務める矢野口聡(やのくちさとし)と申します。

2020年の3月にグローカルに転職し、現在事業戦略を中心にマーケティング戦略や組織人事戦略のコンサルタントを兼任しています。といってもグローカルに転職する前は、現職とは業種も職種全く異なる国内メーカーの研究開発職を務めていました。

今回の#テンショク物語では、なぜ私がグローカルへの転職を決意したのか、そのきっかけとなった学生時代の経験までさかのぼり、転職から丸1年が経過しようとする現在までの(心許ない)足取りと共にお伝えできればと思います。

大学進学を機に上京。都会ー地方格差を痛感

当時話題になっていたips細胞の影響を強く受けたことで、再生医療分野の研究者を志し、東京農工大学工学部生命工学科に入学しました。

再生医療に興味を持った根底には、比較的ミーハーな性格に加え、祖父が事故により半身不随という障害を抱えていたことにより、幼いころから医療や人体のしくみに関心が高かったことが影響しているのではないかと思います。

一方このようなきっかけで、意図せず上京した私ですが、大学ではそれまで出会ったことがないようなユニークで優秀な学生達との交流が生まれたり、アルバイト先の学習塾では夜遅くまで授業に打ち込む小学生の姿を目の当たりにしたり、長野県で育った自分がいかに狭い世界で生きてきたのかを痛感し、同時に都会と地方における情報や機会の格差に衝撃を受けました。

こうした学生生活の中で、地方格差を埋め地方の人々の生活をもっと豊かにしたいと考えつつも、逆に自分の地元でしか触れることのできない経験や体験が存在することを再発見し、両者にあるそのギャップを何とか解消することは出来ないかと漠然と考えていました。

とはいえ具体的な解決策を探すほど情熱や活発さを持っているわけではなかった当時の私は、まずは工学の道で一流の研究者になることを目指し、一つの分野を極めていくことで、いずれこの漠然とした課題感に対する解決策が見えるだろう、と研究の道へ進むことを選びました。

東京大学大学院への学歴ロンダリングと挫折

東京農工大学卒業後、学部生時代に取り組んでいた基礎研究から、より社会に役に立つことを実感できる応用研究に取り組みたいと考え東京大学大学院へ進学しました。

所謂学歴ロンダリングに成功し、国内トップレベルの環境で研究に取り組むことが出来るようになった一方、自分よりも圧倒的に優秀な先輩や後輩(代表的な後輩の口癖は「矢野口さん、馬鹿なんですか?」)、同期に囲まれ、そのレベルの違いに人生最大の挫折を味わうことになります。

正攻法では勝てない相手を前に、二流三流である自分が存在価値を発揮するにはどうすれば良いかを無意識に考えるようになったことで、必然的に自身の強みや組織の課題を考え、自分にしかできない行動や求められている役割を心がけるようになりました。

こういったスタンスから、自身の研究においては、アウトサイダーとしての役割を意識し、他の学生にはない研究のバックグラウンドを活かすことで、研究室において前例のない実験に積極的に取り組みました。

また研究生活においても、ささいな日常行事や学外との共同研究の取りまとめ役などを率先して引き受け、個性豊かな研究室メンバーの調整役として研究室運営の円滑化に貢献するなど、一貫して「組織において自身が果たせる役割は何か」を問い続けました。

当時「凡人の戦略」と自嘲していたこうした考え方は、その後の仕事観や転職活動に大きな影響を与えています。

戦う理由を探した新卒一社目

大学院を無事卒業し、ものづくりの道を究めようと新卒で入社した富士フイルムでは、新たな環境への挑戦心やスタミナを評価され、それまでの専門とは大きく異なるディスプレイ材料の研究部門に配属されます。

会社への売上貢献の大きい花形チームで刺激的な研究開発の日々を送るものの、配属当初から自身の適性ややりがいに疑念を覚え、自分がその仕事に取り組む理由を見いだせず、今一つ仕事に打ち込むことが出来ない日々を過ごしていました。

モチベーションを見失った私は、チームのメンバーから見て完全に落ちこぼれでしたが、当時どんなに忙しく過酷な環境でも楽しそうに仕事をする上司や先輩の姿をすぐ隣で眺めながら、自分が同じように打ち込めないことに大きな悔しさを感じたのを覚えています。

自分と先輩社員の何が違うのか、高いモチベーションやパフォーマンスを維持するために必要な要素は何なのか、日々の忙しい業務の中で答えを探し続けました。

問いかけの中でたどり着いたのは、結局、自分自身がそこで戦う理由を持っているかでした。

院生時代に見出した「凡人の戦略」において重視した「個人が組織において果たせる役割」が「能力」を源泉とするならば、「そこで働くことで自分自身が組織から得られる価値や実現できる目的」が「理由」です。

当たり前では有りますが、高いモチベーションやパフォーマンスを持続的に維持するためには、この「能力」と「理由」の両立が不可欠であり、自分自身がこの「理由」を見失っていることに気づいたのです。

落ちこぼれ、大手からベンチャーへ。

ゆっくりと自身が働く「理由」を探す中で、学生時代から漠然と課題感を持っていた地方を豊かにするというミッションが膨らんできました。

そもそも、地方を豊かにするとはどういうことなのか、なぜ地方は豊かにならないのか、本を読み漁ったり、様々なイベントに参加する中で、徐々にその問いが明確になってきました。

一方で「地方創生」や「地域活性化」が注目され、「よそ者」、「若者」、「ばか者」が地域活性化の成功法則だと謡うニュースや書籍を度々目にする中で、どうしても実際の地域住民が置き去りにされているのではないかと大きな違和感を感じるようになりました。

(あまり好きな言葉ではないですが...)「地方創生」に向けた取り組みにおいて重要なのは、一過性ではなく持続的な効果を生むことです。

そのためには地域経済の担い手の主体性を尊重すること、そしてボランティアや非営利的な施策ではなくそれに取り組む人々にとって利益を生むものである必要があるのではないか。そういった観点から、転職活動では地元長野の企業や外資系コンサルの地方拠点など、自分のビジョンを実現できる環境を探すために様々な領域の企業と接触を図りましたが、一方で確信をもてる企業を見つけられずにいました。

転職活動開始から1年弱、より自分の持っている「能力」と「戦う理由」を具体化し、それを実現できる条件を探るなかで、「地方企業や地域経済に貢献することができる」、「経営に近い立ち位置で仕事ができる」、「スペシャリストではなく、ゼネラリストとして成長できる環境が有る」という三つの軸が明確となり、その条件を満たしていた現職へと入社することになりました。

これまで歩んできた太く安定したレールを踏み出し、当時社員5名だったベンチャー企業に入社することについては、周囲からの理解は得られませんでしたが、自分の戦う理由を明確にし、自身の成長できる環境のイメージを具体化していたために迷いはありませんでした。自分自身と正面から向き合い、求めているものをしっかりと言語化できたことで、意思決定における迷いがなくなると知ったことは、この転職活動の大きな成果であり、仕事やプライベートに関わらず現在の生活に活かされています。


普段の会議の様子。

入社10カ月、最速でマネージャーに昇格。

入社以来、顧客案件を通じて自身のコンサルタントとしての能力向上を図ってきたことに加え、超拡大フェーズの社内において複数の新規事業の立ち上げに関わることで、会社や事業の運営といった経営者に近い視点で業務に取り組んできました。

業界や領域を限らない経営コンサルタント会社という環境で、様々なプロジェクトに参画することや、自分で新たな事業の創出をするという経験は、おそらく大手にいたら20代では得ることができない貴重な経験です。

その一方で毎日のように0から1を生み出していくという試練の連続でもあると感じています。

ベンチャー企業という整備されていない環境では、ひとり一人が大きな権限を与えられる一方、前例のない取り組みでも絶対にやり切るという覚悟と胆力が求められます。

そしてその覚悟と胆力の土台には、自分自身がここで戦う理由が必ず必要になります。私の場合、学生時代や前職での挫折を通じてその理由を明確にできたことで、現在のモチベーションとパフォーマンスにつながっていると思います。

その結果、2021年の1月にはマネージャーへの昇格を果たし、今度は「マネジメント」と「支社の立ち上げ」という新たな挑戦が始まりました。大きな期待と責任を預けてもらえた一方、一メンバーからマネージャーへとなったことで、自身や会社の成長が目標ではなく必然になったと感じています。

今後も日々新たなチャレンジに挑み0から1を生み出し続けていくことに加え、これまで以上に結果にこだわることで、より多くの地方中小企業に質の高いサービスを提供できるよう取り組んでいきたいと思います。

これから転職する方へ

と偉そうに長々と申し上げてきたわけですが、私自身も、そしてグローカルも、まだまだ長い発展の途上でスタートを踏み出したばかりです。

爆発的な拡大フェーズにありながら、業務環境やサービスには改善の余地が大いにあります。一方で、だからこそこのようなフェーズでしか味わえないやりがいや面白さを感じてもいます。

もし #テンショク物語 を通じて弊社に興味を持って頂けたとしたら、気軽にご連絡頂ければと思います! よろしくお願い致します。

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