CEOとCOOの「超えられない一線」「超えてはならない一線」
【PROFILE】 蔵元 二郎(くらもと じろう) 株式会社BNGパートナーズ 代表取締役会長 会社のトップと幹部の間には「超えられない一線」「超えてはならない一線」がある。ここが意識されていないと、幹部マネジメントはうまくいかない―。 ...
https://inouz.jp/times/ceo_coo_1/
本Blog(ストーリー)は2019年6月に代表の小川が社内Blogで書いた内容を転載しています。
※このブログはEXIDEA社長小川のブログで一般公開はしていますが、EXIDEAで働くメンバーと、ジョインを検討してくれている人を対象とした私の独り言みたいなものなので、乱筆乱文であることをご了承ください。
今日は、EXIDEAをなぜ立ち上げたのかという話をしていきたい。
できる限り、ありのままで書くことを主旨しているブログなので、そうしたいと思う。
当時、私は31歳。
ちょうど、前職で副社長をしていたWebマーケティング会社を辞めたところだった。
創業から7年間を副社長でやってきて、株式も相当数持っている会社ともなれば自分の存在とも同一視して良いほどの存在だ。実際そうだった。
その会社はとても好きだったし、そこにいたメンバーも好きだった。
それでも辞めるという決断をせざるを得なかった。
もう時効みたいなものなので、当時のことを話すと、私はCEOとCOOの違いを良く理解できていなかった。
副社長でCOOというポジションでありながら、CEOという仕事の役割を明らかに侵食していた。
当時いっしょに経営をしていた社長から見れば、それは煙たかっただろう。
今となるとどう思われていたのかも良く分からないが。
会社が軌道に乗るまでは、相手に思うことなんて何一つない。
そういうものなのだと思う。戦う相手や向かう先があるから。
しかし、それがひと段落して、ある程度上手くいくと、お互いに思うことなんていうのも出てくる。
CEOとCOOの超えてはならない一線みたいな記事をイシンさんのWebメディアで見たが、ちょうどあんな感じだ。これ ↓
COOや副社長はCEOが「こうしたい」と言えば、ただそれを実行する。
実行したくないなら会社を去るだけなのだ。
しかし、当時の私ときたら、全ての方向性は自分で決めたかったし、実際に作りたいものは自分の意見で相当沢山作らせてもらった。
成功を自分の力だと過信もしていた。
それは折り合いも付かなくなる。
結局、自分の道を行くしか選択肢がなかったわけだ。
そんなわけで大変な思いも結構した。
しかし、その会社を7年間やって良かったことも沢山あった。
一番は、会社の立上からメンターとして自分に経営を教えてくれた人がいたことだ。
経営者を13年もやっていると数千人の経営者と会ってくるものなのだが、未だにその人以上の人は会っていない。
人生で最初にあった経営者が、人生で今でも一番すごいと思う経営者であり、師となっていただけたことは幸いなことだった。
経営者というよりも、投資家と言った方が良いかもしれないが。
許可をもらえれば、またブログで書いていきたいと思う。
その人からの影響なしに、私自身のアイデンティティも語れない。
つまりはEXIDEAという会社のアイデンティティにも強く影響している。
では、その自分の道ってなんだ?というと、
完全に個人的な思いなんだが、世界的なWebサービスを創りたかった。
理由はなんだったのか良く分からない。
海外に行くことが多かったので、そこで勝負をできるという実感もあったからだと思う。
自分の血筋も関係しているのかもしれない。
父の家系がお札の印影の技術を開発した会社の経営者だったこと。
母の家系が中国で成功した起業家だったこと。
最先端のテクノロジーに興味があるのと、海外で勝負することに興味があるのは遺伝的なものもあるんだと思う。
さて、とにかく世界一を創りたいと思ったわけだが、創業から10年そこらで世界で勝負できるものを創るのであれば、どう合理的に考えてもプラットフォームしかないと思った。
GAFAにしたって、シリコンバレーのユニコーン企業にしてもほとんどの急成長企業はプラットフォームだ。
世界的なレベルのサービスを創ろうと思ったら、世界で最も成長している企業たちのやり方に合わせるべきだし、バイラルで加速的に価値が増える必要があるので。
なので、自分の中で新たな起業で決まったキーワードは「プラットフォーム、Web、世界」。
この領域を進むにあたり、自分の中で2つの方向性が生まれた。
一つは、得意なSEOを活かしたWebメディアを数百でも数千でも管理できるサイト運営ツールを作り、自社のWebメディアを世界中でガンガン構築していくという形。
Webメディア自体もプラットフォームにできるし、そのツールを使う人たちを内部、外部共に、無限に増やすという形でいけば、アクセス量とコンバージョン量、データ量を活かしたネットワーク効果を埋めるので、ある意味プラットフォームと同じである。
もう一つは、そういうサイト運営ツール自体をハブスポットのようにSaaSで提供して、それを様々なマーケティングツールが乗っかれるプラットフォームにする。
そうすると連携するマーケティングツールの分野も含めて、企業との接点となる入口を全方位にできるので、ユーザー数も増えやすいし、データも膨大に溜まる。またクラウドソーシングと連携して、仕事と成果のデータを溜めれば十分なネットワーク効果も生まれる。
いずれにせよ、事業の中核にSEOに強いサイト運営ツールを作り、事業の進み方に応じて、どちらかに舵を切ろうと考えた。
それが当社が開発しているEmmaToolsであり、現状は上記の2つの方向性のいずれも進めている。Webメディア事業と、Webマーケティング事業として。コアとなる運営技術はグロースハックで同じだしね。
前職の苦い経験があったので、会社には社会性を立てる必要があると思っていた。
社会における存在意義がないと成功した後に、企業は方向性を見失い、いずれ崩壊することはよく分かっていた。
社会に一番貢献したい思いをミッションに立てない限り、いつか必ず破滅する。前職の最大の教訓かもしれない。
では、自分にとって社会的な思いが一番強い部分は何だ?というと、
一つは明日飯が食えないとか、生きられるか分からないとか、勉強したくてもその機会に与れないとか、そんなめちゃくちゃな世界を終わらせること。
もう一つは、日本の価値をもっと世界に発信するということだ。
会社設立当時、日本は優れた製品を創れる力があるのに、海外へのマーケティングはあまり上手くできているようには思えなかった。
それをこれまでずっとやってきたWebマーケティングの力で世界に発信していければ日本のためにもなるだろうと思った。
また、日本の技術が世界の誰か、明日飯が食えない人も多くいるどこかの国の生産性が上がることに繋がり、いつか、そうした憂いが解決したら良いと思う。
どちらの思いが強いかと言えば、明日、飯が食えない人、生きられない人、勉強したくても勉強する機会に与れない人をなくす方だ。自分は当たり前に飯を食わせてもらったし、今日も当たり前のように生きている。勉強ができる時間や機会をこれだけ与えられている。
社会に貢献したいと言えば、すぐに偽善だなんだと言われてしまう世の中だが、私も年がら年中、世界の幸せだけを考えているわけでもないし、自我としての私は社会貢献よりも世界的なWebサービスを創りたいと思っている。
しかし、社会的な人格としての自分は世界の憂いをなくしたいと思っているし、公の器として企業が社会に貢献しなくて存在できることはありえない。
自我の自分と、社会的な人格の自分の交点として、世界的なWebサービスを生み出し、それが世の中の不必要なボーダーを壊し、憂いのない新世界を創造していくということがある。EXIDEAはこれを理念、ミッションに置くことにした。
以上が会社を立ち上げた経緯と理由である。
会社設立当初は、徹底的にWebメディアのビジネスモデルで進んだ。
日本の製品サービスを世界に出していくものをやりたかったのだが、創業当初は人員の面でも、資金の面でも、日本のマーケットで戦わざるを得なかったので、様々な分野でWebメディアを立ち上げていった。
少し体力が付いたところで、日本の製造業を世界に発信するJET-GlobalなどのWebプラットフォームも始められた。
しかし、進めてみて分かったことは、一つ一つの製品をグローバル市場にマッチさせていくということがかなりしんどい。
市場へフィットさせる際の問題や価格のギャップは特定できるのだが、企業側がその要望に対応できるか言うと話は別だ。そこに対応するくらいなら国内市場を伸ばしたいというニーズの方が大きい。
結局、現状で言うと、国内市場がまだまだ大きくグローバルに展開するということは、「できればやりたい」という種類の仕事であり、「やらなければならない」という仕事にはなっていない。
そうなるのには恐らく5年は掛かると思う。その時には、海外展開で確実にサポートするだけの力が必要になるので、引き続き日本の製品をグローバルに展開する事業は行っている。
EmmaToolsのコア領域であるSEOコンテンツマーケティングにおいては十分に世界一になれると思っている。
SEOは全Webマーケティングの中で恐らくは最もROIが良いから、海外展開にしたって最小コストで行うことができる。
また、ツールの機能が高まれば、文字が書けて、何かの分野に詳しければ価値あるコンテンツを作成できるし、音声認識がこれからもっと進むので、極端に言えば喋ることができれば価値を生めるというところまでいけると思う。
それからWebマーケティングの一つの重要領域で1位になれるのであれば、様々なマーケティングツールと連携する機会に恵まれるし、実際、既にグローバルではNo1のPPC広告ツールのKenshoo、リターゲティング広告のグローバルNo1のCriteoとは連携を進めることができている。
なので、立ち上げからの紆余曲折は当然あったが、設立当初の思いとして、世界的なWebサービスを創るのだというところには着実に向かうことができているし、世界の不必要なボーダーをなくしていくことにも向かえている。
一方、創業から続けてきたEXIDEAのメイン事業であるWebメディア事業は、これ自体がEmmaToolsやEmmaWorkのR&Dにもなるのだが、いずれここからも世界的なWebサービスを生み出すことはできると思っている。
それは自分たちが生み出すかもしれないし、他の人が創るサービスを一緒に考えてグロースハックをしていくという方向性もありだ。その可能性に蓋はしたくない。
社長という生き物は、言っていることが良く変わるように見えるものだろう。しかし、「世界的なWebサービスを創る」という想いと、「世の中の不必要なボーダーを壊し、憂いのない新世界を創造する」という想い、この2つの大局観で見れば、創業からあまり変わっていないなぁと思う。
引き続き、EmmaToolsを中心としたWebマーケティング事業をグロースさせて世界的なものにしていくこと、それからWebメディアの事業から世界的なサービスを生み出せるようにしていくこと。
EXIDEAは最先端のマーケティングとイノベーションを追求するグロースハッカーの集団として、上記を通して、もっと新しい世界を創造していきたいと思う。