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【新ミッション・ビジョン決定】会社の目指すべき姿・存在意義を表す「羅針盤」。社員で創り出したプロセスと、そこに込められた想いとは

企業の目指すべき姿や役割、そして社会に対する価値観を表す「ミッション」「ビジョン」「バリュー」。

エビリーでは1月にこれまで掲げてきたミッション、ビジョンを刷新。



エビリーの社会に対する存在意義や、目指す理想の姿を再定義しました。

社長の中川さんに、なぜ今やるべきだったのか、ミッション・ビジョン(以下MV)リニューアルの背景と、また新しいMVに込められた想いについてお話を伺いました。


集団から組織へ。組織成長とともに浮き彫りになる「会社組織の壁」

時は、2010年。

『インターネットを活用し、世の中の役に立つ新しいサービスを創造したい』という想いを抱き、株式会社エビリーを立ち上げた中川さん。

創業当初は社員数も4~5名と組織が小規模だったこともあり、企業として目指していくべき姿や存在価値について、社員が理解していると思い込んでいたと振り返ります。

経営者の下に全ての従業員が横並びで存在する「文鎮型」の組織構造は、経営者と従業員の距離が近いため、社長が従業員1人1人とコミュニケーションを取りやすく、社員間にも一体感が生まれていました。

しかし、組織が成長していく中で、少しずつ新たな課題が浮き彫りになっていきます。

「2018年に社員数が30名を超えた頃、徐々に社員たちに経営側の意図がうまく伝わっていないのではないかと思うことが増えてきました。規模が小さいときには言葉にせずとも伝わっていた企業の理想像や価値観を、彼らの共通言語となる言葉でしっかりと定義しなければいけないと感じました。

そこで初めて、エビリーとしてMVを定義し、社員のみならず、広くステークホルダーのみなさんにエビリーの企業として目指す姿や役割についてお伝えしてきました。

昨今、企業や社会全体での動画活用が進むなかで、2021年には約7億円の資金調達成功に加え、社員数が35人から70人以上と1年で約2倍に増えるなど、エビリーの組織も大きく成長していきました。

組織の規模が大きくなるにつれて、『なぜこの事業をしているのか』『何を目指しているのか』といった企業の根底に関わる質問が現場から上がることもあり、さまざまなバックキャリアを持つ、多様な人材がエビリーに加わる今こそ、改めてエビリーとしての『ひとつの価値観』を表す言葉が必要になってきたと実感しました」


エビリーの【羅針盤】を生み出そう!社員に『当事者意識』をもたらす新MVのつくりかた

これまで、『動画の活用で企業の DX (デジタルトランスフォーメーション)推進を支援します』というミッションを掲げながら、SaaS(ソフトウエア・アズ・ア・サービス)事業で成長を続けてきたエビリー。

社会に対する役割や目指すべき姿といった、エビリーとしてのひとつの価値観を再定義するため、2021年7月、ブランドマネジメントチーム主導のもと、MVリニューアルプロジェクトが始動しました。

今回のMVリニューアルプロジェクトにおいて、中川さんが重視されたポイントはどのような点だったのでしょうか。

「2018年に初めてMVを定義した際、当時は経営層のみでMVVを定義し、トップダウンで現場に伝達する方法を採用しました。しかし、やはりその方法ではしっかりと浸透しなかったんですよね。そこでの経験を元に、今回のリニューアルではみんなでMVを考えてつくっていくプロセスを採りたいと考えていました」

そこで電通のBXクリエイターズの支援のもと、社員参加型のMVリニューアルに向けたワークショップを実施。

2日間、延べ10時間に及ぶワークショップを経て、繰り返し言葉を掘り下げることで、社員からミッション・ビジョンにつながる重要な“原石”が浮かび上がってきました。

「MVは作ることがゴールではなく、浸透させることがゴールだと考えています。

社員参加型にすることで、みんなが会社の新しいMVを自分たちの言葉で捉えていくことができ、自分たちの言葉として現場でも使い続けてもらうことができます。

最初はどんな言葉が上がってくるのだろうと思っていましたが、彼ららしい素晴らしいフレーズがたくさん出てきてくれました。その原石を元に、電通さんに新MVの候補案をご提案いただきました。5案提案していただいた中から社員投票を経て、エビリーが行っている事業の方向性と目指す理想の姿を現すにふさわしい新MVが決定しました」

新MV決定後、社内にリリースを行い、社員からも「シンプルだけどわかりやすい」、「1回聞いたら忘れないキャッチ―さ」、「自分たちがやるべきことが見えてきた」などといった好意的な意見が挙げられました。

今回のMV刷新に伴い、ビジュアル制作も同時並行で行われました。

「さまざまな案をご提案いただきましたが、キービジュアルはここで働く社員の表情が見える形で行いたいと考えていました。社員が持つ多様な価値観が見えるよう、社員の素の表情を引き出していただき、見事カタチにしていただくことができました」

つくられたものではなく、装うのではなく、そのままの社員の豊かな表情が伝わるキービジュアル。多様性がありながらも、社員一丸で同じ方向性に向かっていくビジュアルとなりました。

「実際のところ、普段の業務の中で、MVを日々意識している人は多くないのではないでしょうか。しかし、『これは何のためにやっているのか』『何を目指していくべきなのか』と立ち止まって振り返るとき、何か新しいものを始めるときに、大きな指針を示してくれる『羅針盤』のような役割を担ってくれると考えています。

エビリーはSaaS領域のテクノロジー人材と、制作を担うクリエイティブ人材の集合体です。価値観の違う人たちが歩幅を揃えて歩むためにも、このタイミングでのMVの再定義は必要不可欠でした。

先ほど述べましたとおり、MVは作ることがゴールではなく、社員ひとりひとりがしっかりと自分の言葉に置き換えたら、それはどういうことなのかを理解できることがゴールだと考えています。聞くだけではなく、自分の言葉でMVが意味するものを発信する機会なども増やしていきたいですね」


クリエイティブは民主化されていく—――。クリエイティブ革命の中で、エビリーが目指す「真価」

自分で考えてゼロから何かを作り出す『クリエイティビティ(創造力)』

これまでの動画クリエイティブの多くは、クリエイターのセンスや才能に依存しており、創造性を発揮できる人のみが活躍し、そのクリエイティブの良し悪しは主観的に判断されてきました。

これからのクリエイティブの未来、そしてその世界でエビリーが目指していく姿とはどのようなものなのでしょうか。

「これまで我々はひとつのSaaSのプロダクトからスタートし、動画配信・分析ツールのご提供を行ってまいりました。今後は我々エビリーが、動画事業の川上から川下(企画、制作、配信、分析)まで一気通貫でサービスを提供できる事業に転換し、動画事業に関わる全ての人たちのプラットフォーム的な存在になりたいと思っています。

これまでの映像制作は、どちらかというと特定のクリエイターが制作を受けているケースが多い業界でしたが、これからはより、広く一般ユーザーの方も当たり前にクリエイティブを行っていく世界になると考えています。

サービスを通して “表現し伝えることのすべてを、みんな” に提供することで、人の創造力をアップデートし、社会に貢献したいと考えます。

インターネットで動画を視聴する時代においては、動画視聴による成果が計測可能となるため、クリエイティブの良し悪しは主観によるものから、成果に基づいた客観による判断へと変わってくると予想されます。

これから先、10年の間で『クリエイティブ革命』は大きなトレンドになると思っています。動画制作のプロセスも劇的に変化を遂げる中、エビリーとしても世の中に大きな価値提供ができるサービスの創造にチャレンジしていきたいですね」


この考えに賛同してくれる仲間(Eviryone!)とともに、エビリーはこれからも挑戦し続けます。


(取材・ライター/山本エミ)

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