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(メンバー紹介)ロボットが働く環境も開発する。ベテランエンジニアの挑戦

トクイテンは「持続可能な農業へのシフトを加速する」ことをミッションに掲げます。これを実現する手段の一つがロボットです。前原さんは大企業からスタートアップまで、さまざまな会社を渡り歩いてきたロボットエンジニア。トクイテンが実現すべきロボット像を着々と形にしています。

【プロフィール】
1979年埼玉県生まれ
2004年大学院(情報環境学専攻)修了
産業用サーボモータの開発やさまざまなロボットシステムの開発に従事

ー今の仕事内容を教えてください。いろいろやっていますが、特に関わっているのは吸引型の収穫ロボット開発です。ロボットはトマトの位置を把握するカメラを持っていて、カメラが撮影している画像の中のどこにトマトの赤い実があるかAIで認識しており、この赤い実を認識するAI開発に携わっています。

ーその仕事の中で、どういう点に注目してほしいですか?

AIに「これがトマトだ」と教える作業をアノテーションと呼びます。世の中の文献を見ても、効率よくアノテーションする手法は体系化されていない状態です。今回の開発を通じて、こういうデータを設定すればスピーディかつ人の負担も少なく取り組める、という手法を作りました。トクイテンのロボット開発では、AIによる画像認識を多用するので、他のロボット開発にも活かせると思っています。

ーこれまではどのような仕事をしてきましたか?

ロボットの分野で、大企業からスタートアップまで幅広く経験してきました。仕事内容もリサーチから開発までと広いです。

ロボットはハードウェアやソフトウェアなどいろいろな技術領域から成り立っています。私はロボットの制御を柱として、アームやハンド、カメラなどの要素を統合する、ロボットシステム開発に特に携わってきました。

ートクイテンではどのようなロボットづくりができると思って入社したのでしょうか?

これまでは工場の中で製品を組み立てるロボットシステムに長く関わってきました。しかし私には「ロボットにできることは、同じ作業の繰り返しだけではない」という想いがあります。トマト収穫をロボットにやらせるなら、「トマトはどこにあるだろうか」と自分で判断して動くことこそ、ロボットのあるべき姿だと思います。トクイテンのロボットがメインで扱う対象物は農作物であり、工業製品を相手にする以上にロボットの自律性が求められることが、自分の中のロボット像と一致していたことが大きな決め手です。

入社前には共同経営者の森さんと話したり、農場に招いてもらったり、トマトの苗やロボットを見ながら課題を話し合ったりしました。そうした中で感じたのが、合目的的だったということです。私は、ロボットを使えば全ての課題を解決できるというのは都合が良すぎると考えています。問題解決こそ目的であり、ロボットは解決するための手段の一つです。高機能で高性能なロボットを作るだけではなく、「農場の建屋を変えれば解決できるじゃないか!」となるならば、それも取り入れられる。合理性に従うなら環境や栽培手法に目を向けても良い、という考え方を自然に受け入れられる会社だと思いました。

トクイテンが目指しているのは、いかに人が楽をして美味しいトマトを育て収穫できるか。そこをブレさせなければ、開発の禁じ手がないのが良いですね。 

ー入社してから感じたギャップはありますか?

思った以上にリモートワークが浸透しているな、と良いギャップを感じました。リモートワークで働く前提で、SlackやNotionなど仕事環境を用意するなどの文化が根付いています。私自身はロボット開発の中でもソフトウェアにウェイトのあるエンジニアですが、これまでは基本的に出社した方が仕事が捗る技術領域にいました。リモートワークを自然に使っているのは驚きでした。

あと、いつまでに資金調達しないと会社がなくなってしまう、ということが見える化されている点もびっくりしました(笑)。資金の状態が毎週更新されていて、次の資金調達時期とそのための達成目標についてもみんなわかっています。

トクイテンでは日々のタスクはマイクロマネジメントしていません。極端な話、だらけようと思えばいくらでもだらけられるのですが、「いついつまでの目標達成に日々コミットしないと、会社がなくなってしまう」という適度な緊張感が自律的に働くことを支えているのではと思っています。

ー普段の仕事ではどのような点を意識していますか?

技術的知識やワークフローなど、これまでに経験したこと自体は強みの一方で、過去のやり方をそのまま押し付けることの無いように注意しています。若い会社のため、いろいろな仕組みができていなかったり、文化が醸成されていないこともあります。ですが、以前のやり方そのものではなく、今のトクイテンで求められていることに合うように、経験したことをなるべく一般化して伝えています。

ー一人のエンジニアとして、どんな分野を伸ばしていきたいですか?

私はこれまでロボットの中でも古典的な技術領域に触れる機会が多かったです。トクイテンでは機械学習の分野を伸ばしていきたいですね。

中でも、ロボットビジョンの経験を活かしてコミットしたいですね。最近のAI画像認識はソフトウェアが主流の領域と思われがちですが、画像を取得するためにはカメラのようなハードウェアに依存します。カメラで撮った画像は、実は人間の目が見ている画像と比べると情報量が劣っています。そもそも画像の中に情報が足りていない場合、ソフトウェアで工夫しようとしてもしきれないという問題に陥りがちです。

リーズナブルなカメラで、良い画像を得るための工夫、というのはトクイテンに貢献できる分野かなと思います。

ートクイテンをどのような会社にしていきたいですか。

人の負担が少ない有機農業を広げていく、これが目的でありロボットはそれを実現する手段の一つです。

今はトマトのロボットや農法に取り組んでいますが、ある程度のレベルまで完成したら、次はナスやピーマンなど他の作物にも幅を広げていきたいです。

トクイテンは新しい有機農業を広げていく、マザー工場やパイロットラインのような存在であってほしいと願っています。

トクイテンでは現在、新しい仲間を積極募集中です!


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