2024年5月から始まった組織コーチング。
株式会社Remindのストーリーではその様子を何度かお伝えしていましたが、このたびついに最終回を迎えました。
集大成となったDAY8では、幹部候補を中心とするキーマンだけでなく、社員19名全員が参加。そして、今期の定量ゴールである目標売上・15億円に向けた議論を行う中で「全員が主役」という新たなキーワードが生まれました!
ここでは、今回の軸となった「全員が主役」についての議論内容や、組織コーチングを受けた約半年間で見えた組織の進化、さらには新たな挑戦への決意を、COO・松田の視点からお届けします。
松田康魁 / COO
2023年2月、株式会社Remindに入社。COOとして、経営企画・事業企画から、戦略人事・人事労務オペレーション全般も担当している。入社以前は、ダンサー、個人事業、バーテンダー、グラフィックデザイナーなど、様々な職種を経験してきた。その中で培ったマインドセットや、他者の考えを整理し客観的な視点でアウトプットする力が強みである。現在は、全社売上ゴールの達成に向けて、既存事業の拡大と、さらなる主軸となる新規事業の推進に邁進している。
新たなゴール設定で、現状の延長線上を超える
ーーついに最終回を迎えましたね。DAY8の内容について教えてください。
まず、これまでは社を代表するキーマンのみで組織コーチングを受け、MVV(ミッション/使命・ビジョン/展望・バリュー/価値観)の策定や定量・定性ゴールの設定をしてきました。
DAY8ではそのゴールを社員全員でシェアし、解釈を統一する作業を行いました。さらに、モチベーションを高めて業務を遂行するためのワークなども実施しています。
ーーその中で、どのような議論があったのでしょうか?
定性ゴール「ベンチャーしようぜ!」について再検討しました。
今期の定量ゴールである売上目標・15億円を目指すには「現状の延長線上を超越した定性ゴールを再設定すべきではないか?」という声が上がったためです。
そして、大きな成長を見据えた議論の中で、今回初参加のメンバーから「全員が主役」というアイディアが出ました。すごく良いメッセージですよね。
全員が賛同するかたちで定性ゴールに組み込み、以下のようになりました。
ーー全員の賛同を得るというのは、どのような判断基準のもとに行ったのでしょうか?
私たちは「合意」を「100%の意思の一致」と定義しています。たとえ10%の違和感であっても、表明することが主役としての責任であり、それが組織の成長を促す。
その考えをもとに本音で意見を出し合い、違和感や疑問を解消しながら合意形成を図りました。
全員が「主役」になるための意識改革
ーー新しい定性ゴールへの解釈を統一するために、実施したことを教えてください。
新たに組み込んだ「主役」という言葉について理解するため、私たちは主役である登壇者と、観客が写った1枚の写真を見ながら対話を始めました。
この両者には大きな違いがあります。
観客は安全な場所にいるため、リスクはありません。ただし得られる充実感や達成感は限定的です。一方で主役はリスクを背負いますが、その挑戦が大きな充実感や成長をもたらします。
この対比から私たちは、「主役」とはリスクをとって現状の外側に踏み出し、自ら挑戦する人だと理解しました。
ーーその「主役」になるためには、どんな要素が必要なのでしょうか?
全員が主役になるには、リスクをとった行動を支える「心理的安全性」が欠かせません。主役である以上、自分の感じた違和感や意見を「本音で発信する責任」があるからです。
ただ、心理的安全性が低い環境では本音を言えず、挑戦することが難しいですよね。
そこで私たちは、心理的安全性を保つための2つの約束を設定しました。
1つ目は「ゴールを明確にする」こと。 何のために意見を出し合い、行動するのか。そのゴールが分かっていれば、全員が同じ方向を向き、安心して意見を出すことができます。
2つ目は「本音で話す」ことです。
本音を口にすることで責任が生まれ、議論への本気度が増していきます。
ーー先ほども、主役には「本音で発言する責任」がある、と話していましたね。
つまり逆を言えば、違和感を指摘しないことは「主役になりきれていない」証です。本来は、本音を共有し合うからこそ違和感や疑問が解消され、真の合意形成が生まれるわけですから。
このように、心理的安全性をもとにした「本音の対話」と「ベンチャーしようぜ!〜全員が主役〜」という定性ゴールは、密接に結びついています。
この関係性を理解できたことで、ついに社員全員が主役として挑戦するための土台が整いました。
メンバー全員での対話がもたらした変化
ーー今回、19名全員での組織コーチングは初めてだったと思います。どのような雰囲気でしたか?
本音で話す場に初めて踏み込んだメンバーも多かったので、最初はその緊張が私たちにも伝わってくるほどでした。
ーーそこから、場の空気が変わる瞬間はありましたか?
アイスブレイクとして実施した「あっち向いてほい」は盛り上がりましたね。
コーチから課された「2回勝利してください」というルールはつまり、負ければ残り続けることを意味します。最後まで残りたくないという心理から、自然と白熱したやりとりが生まれ、場の空気が明るくなりました。
さらにこの体験から「明確なゴールがあることで、行動は変わる」という重要な気づきも生まれました。
ーー「2回勝利する」というゴールが、みなさんを突き動かしたのですね。他に、印象的だったシーンはありますか?
今回初めて参加したメンバーが示す新たな視点、発言によって、既存メンバーであるキーマンたちが刺激を受けていた姿は印象的でした。
おかげで「現状の延長線上」という居心地の良い場所から一歩踏み出した、より挑戦的な提案が出るようになりました。
また組織コーチング開始当初と比べると、「私たちにもできる」という確信(エフィカシー)が高まっています。19名のメンバーが「観客」から「主役」へと意識を変え、今期の売上目標・15億円を現実的に見据えるようになった。その変化が感じられて嬉しかったですね。
組織コーチングの学びをもとに、新たな価値創造へ
ーー全8回の組織コーチングはいかがでしたか?
ゴール設定の本質を理解できたことが大きな収穫でした。
例えば、日常のコミュニケーションや自由な発想が必要な場面では、ゴールにとらわれない方が良い。
ただし、誰かの期待に応える成果を出すためには明確なゴールが必要です。そしてそれが報酬や信頼関係の構築に繋がり、次の成長を生む。この気づきを得たことで、Remindは組織全体として強くなったと思います。
ーー今後の具体的なアクションは決まっているのでしょうか?
組織コーチングでの学びは、すでにいくつかの業務で活かされています。例えば、管理体制の整備や人員配置の見直しなど、一つひとつ形になってきました。
そしてこれからの大きな挑戦が「ブランド・エクイティ」の確立です。Remindの強みを根本から見つめ直し、再構築していく。その先にある新規事業の展開と社会貢献に向けて、今期中に具体的な成果を出したいと考えています。
そして何より私たちは、メンバー全員で「お金では買えない景色を見たい」という想いがあります。売上目標の15億円という数字以上に、一人ひとりが「主役」として挑戦し、新しい価値を生み出していく。
そんな未来を自分たちでつくれるわけですから、ますます楽しみですよね。