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"なんだかわからないけど忙しそうな人"を数学に例えてみる

"なんだかわからないけど忙しそうな人"とは

まず前提として、もしあなたがベンチャー企業や中小企業に勤めているとしたら、まず間違いなく人手が不足していると思います。でも、人手が足りていないからこそ、チャンスがあるのです。チャンスを求めてそういう企業を選んだはずなのに、「うちの会社には○○がない!」とか「会社が○○してくれない!」とか、そういう勘違いをすると十中八九ドツボにはまります。そういう問題を議論しようとすると、「リソースが足りないので無理!」とか「○○が決めたのだからこれで良い!」とか、解決策より責任回避の意見に偏りがち。問題自体はどこの会社にもよくある話ですが、忙しさの理由と向き合わずに人力での解決に執着し続ける人。これを"なんだかわからないけど忙しそうな人"と定義します。

リソース不足の問題を数学に例えてみる

今回はこの手の問題を数学に例えて考えてみます。まず、会社は常に新たな取組を始めるとします。それらは時間の経過とともにどんどん増えていくので、経過時間Tに比例して数が増えていくと仮定すれば、

施策数Nは、

N = aT (aは比例定数)

次に、施策の導入に必要な平均リソースをRとすればコストは、NRこれをTで微分すると、施策の追加に必要な検討や提案のためのリソースCは、

C = dNR/dT = aR

また、施策は導入してからが本番。運用も改善もしていかなければなりません。ある特定の瞬間において運用や改善に必要なリソースKは、その時点で存在する施策数Nに比例するので、

K = bN (bは比例定数)

つまり、ある特定の瞬間において新しい施策の検討と内容の改善に必要なリソースは、

C + K = aR + bN = aR + abT

現時点からある時刻Tまでに必要なリソースは、上記を経過時間Tで積分して、

aRT + abT^2 (T^2 はTの2乗)

となりました。

必要なリソースは経過時間の2乗に依存

リソースの総量が経過時間Tに比例するのではなく、Tの2乗に依存しています。つまり、常に新しい取組を試みる組織がリソース不足に陥るのは当然なのです。問題はそのあと。「リソースが足りないから増員しよう!」「みんなで役割分担しよう!」では絶対に解決しないのに、とりあえず手を打った気になってしまうのは非常に危険です。企業はある一定の規模になると伸び悩むことが多いですが、そういう会社の社員からは「最近、会社が大きくなって色々と面倒臭くなってさー」という愚痴が出てきます。色々な面倒の正体がこれでしょう。この手の問題に気付くかどうかの差は大きいです。そして、早急に解決策を考え、実行する事もそうです。

リソース不足を解決するには

では、増員以外の方法でリソース不足を解決するにはどうすれば良いのか。これは上述の方程式を生んだ仮定を覆す事で可能性が生まれます。何を仮定したか振り返ってみると、

・会社の施策は時間経過に比例して増える

・全ての施策は改善する必要がある

・メンバーの作業量は一定である

・メンバーの増員を経過時間に比例させるのは困難である

・比例定数aとbは無視できない値である

これらの仮定を覆す事ができれば、リソース不足は解消できる可能性があります。 例えば1つ目の仮定を覆すために「やるべき事の精査」は当然として、「手間がかかるけど効果が薄い施策は止めよう」とか。2つ目の仮定を覆すために「今は改善する必要のない施策もある」とか。 5つ目の仮定を覆すには、「aとbを限りなく小さい係数にするため、既存の施策と連動させた運用にしてしまおう」とか。大事なのは当事者が考え、当事者同士で話し合う事、アイデアやイノベーションは生まれるはずです。

どこにでもいる"なんだかわからないけど忙しそうな人"

この手の話は管理側だけでなく、技術や営業の現場にも同じ構造の問題はあります。場合によっては家事にも同じ理論が成り立つはずです。もしあなたの周囲になんだかわからないけど忙しそうな人がいたら、この数式をそっと渡してあげましょう。

aRT + abT^2

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