1
/
5

新規事業のテクニカルリーダーが語る チームでパフォーマンスを出すために大切なこと

片桐英人は次世代アーキテクチャチームのTechL(テクニカルリーダー。以下、TechL)を担当しています。元々Misocaでエンジニアをしていた経歴を持ち、弥生への吸収合併後に担当プロダクトを異動。弥生に至るまでのキャリアや現在のプロダクトチームに求める環境など、片桐の過去や目指す未来についてご紹介します。


現在の仕事内容とこれまでのキャリア

片桐は次世代プロジェクトチームに在籍し、TechLという役割を担っています。
2020年10月に立ち上がったばかりのこのチームは、次世代という名が付くとおり、次の世代のニーズにあったプロダクトを作る、少し先の未来を考えながらモノづくりをしてくことがミッションです。

片桐は大学時代に電気工学を勉強していました。日本の大学院に2年在籍、卒業当時は就職氷河期と呼ばれる時期に入っていました。その後アメリカに7年間留学し、大学院まで進みました。

片桐「よく、どうしてアメリカへ留学をしたのかと聞かれますが、明確な理由はありません。大学院の博士課程に進むとちょうど3年かかるので、親には『日本の大学院に行かせているつもりで、留学してもいい?』とお願いしました。」

アメリカで大学院在学中に就職。就労ビザを取ってもう1年ぐらい働こうと思っていましたが、いくつかのトラブルがあり実現しませんでした。そうこうするうちに年齢も30歳に近づき日本に帰って仕事をしようと思い立ち帰国します。

帰国後は東京のベンチャー企業に勤務したり、結婚後は岐阜で公共事業に関する仕事に就くなどしていましたが、とある転職サイトでスカウトを受け、携帯キャリアのCMSを作る仕事に従事、しかし子どもが小学生に上がったのをきっかけに主夫になります。

片桐「これまでのキャリアを思い返すと、独身時代はただ好きなことをやるという感じで考えていました。結婚して子どもが生まれたあとは、家族が1番と言うか、何事にも家族優先になりました。」

今までのキャリアの中でのブレイクスルーポイント

これまで片桐のキャリアの中で、ブレイクスルーポイントになったのは、主夫になる前に5年ほど勤めていた、東京のベンチャー企業時代かもしれません。元々海外で暮らしていたこともあり、国籍関係なく多種多様な人達と働けたことが自身にとって貴重な経験になりました。

片桐「結婚して以来、岐阜市に住んでいました。その企業で仕事をしていた時は月曜から金曜は東京、土日は岐阜で過ごす生活を送っていました。
1番多い時で9ヶ国の同僚と一緒に働いていました。同僚達はいろいろな価値観を持っていて、優秀な人が多く、彼ら彼女らと働くことを通してソフトウェア開発がどのようなものかを学ぶことができました。

同僚は日々、『ソフトウェア開発者として、こうしなければいけない』という理想論の話をしていましたし、特に外国籍の同僚は割とストレートにものを言う人が多く、そこで率直にダメだと言ってくるので、そういう部分が勉強になりましたね。
例えば当時、携帯電話のウェブサイトを作っていたのですが、日本の携帯電話の仕様を他の人に説明する際、『なぜこれはこうなっているのか』などとよく聞かれました。質問をされると、自身でも改めて考えるようになります。普段当たり前と思っていることが、実はそうではないのだと気づく機会が多くありました。

また、外国籍の方が新卒で入社することもあったので、彼らにいろいろと教えたり、接したりすることもありました。何人かは英語と日本語が話せる人もいましたが、技術的なことがわかるのは僕1人だったので、いろいろな場面で橋渡ししなければいけませんでした。素直に伝えてはいけない部分もあるので、オブラートに包んだり、いろいろと気を使うこともあったので、それは大変と言えば大変でした。」

片桐は、多様なカルチャーの中で働いてきた経験から、ある程度の違いを許容することが出来るようになったと言います。


2020年1月 RailsGirls Nagoya に coachとして参加

Misocaへの入社から現在、仕事をする上で大事にしていること

Misocaにジョインするきっかけは創業者の2人と知り合ったことでした。片桐は東京の会社での最後の2年間、岐阜からリモートで働いていました。当時名古屋でエンジニア向け勉強会を探していた時に、Misocaの創業者が主催する勉強会に参加したのです。

その後主夫になり内職程度に仕事を抑えていましたが、Misocaが立ち上がった2011年12月頃に声をかけられます。主夫だったこともあり、会社のある名古屋には通えないこと、空いている時間に内職程度だったら、という条件で仕事を手伝いはじめました。
子どもが中学に上がったタイミングで妻と子育てをバトンタッチすることになり、主夫からMisocaへ正式ジョインすることになります。

片桐「空いた時間に何かしたいと思っていたところにそういう(Misocaへの誘い)話があったので、渡りに船でしたね。
正式にジョインした後の環境や心境の変化は特にないです。夜中にちょこちょことやるだけではなく、昼間から堂々とパソコンを広げてプログラムを書けるのがとても嬉しかったぐらいです。メンバーもずっと一緒に仕事をやってきた、知っている人間だけだったことも影響しているのかもしれません。

やはり、プログラミングが好きなんですよね。 プログラミングは文章を書くこと同じだと思っています。

文章は、書いた後に推敲して、文章を並び替えたりして読みやすくすると思うのですが、プログラムの場合、良い悪いはないものの、短くして出来るだけ多くのことを書くことを考えるんです。加えて、動かしてみて、実際に動きますよね。すぐに反応が得られるというのがプログラムを書くことの楽しみです。しかし、個人でやっているとプログラムを動かしても使ってくれる人がいないので、あまり楽しめません。Misocaは使ってくれるユーザーがいるので楽しめています。
『ユーザーのために』というとカッコつけすぎかもしれませんが、自分以外に使ってくれる人がいるのでそれがやっぱり楽しいんです。」

今の仕事の魅力と今後取り組みたいこと

国内のみならず、海外でもさまざまな経験をしてきた片桐。今の仕事に魅力を感じているところはどのようなところなのでしょうか。

片桐「今の仕事、次世代プロダクトを作ることの魅力は、これまでやってこなかった将来を見据えながらモノづくりができる点です。元々、Misocaというプロダクトも請求業務を電子化するものでしたが、“さまざまな取引を電子化する”という、将来を見据えて考える部分については、これまでのキャリアではあまり経験してきませんでした。

今の仕事では、取引の電子化─売る人と買う人の双方の間で、請求書や見積書のやりとりを、全てデジタルに1つのシステムで完結ようにすることを考える役目にいます。今まで(自身が)やっていないことができるということ、将来を見据えたプロダクトを考えることも、楽しくやりがいがあるとわかり始めました。

しかし、正直に言うとまだ弥生のやり方に完全には慣れていません。そこは慣れていかなければならないと思う部分と、反対に変に慣れるのではなく、Misocaでやってきたことを、良いと思う所は取り入れながら、弥生の文化として根付かせたいという想いがあります。」

片桐が仕事の進め方、やり方の部分で大事だと思っていることは、心理的安全性です。

片桐「何故、心理的安全性が大事かと言うと、それが確保されているとお互いにざっくばらんにものを言えたりします、そして、失敗を個人の失敗とせず、皆のものとして協力して取り組むことができると考えるからです。やはり、分からないことや困っていることを正直にその場で言えるのは良いと思います。感覚的な話にはなりますが、そんなチームがいいなと思うので、大事にしていきたいです。」

片桐がそう思うようになったのは、Misocaでの経験の中で、その部分を皆で大事にしながら育ててきたという思いからでした。

片桐「元々、心理的安全性の重要性をMisocaが会社として強く意識していたわけではありません。創業者がチームでモノを作る上で、どうしたら効率がいいかと考えたとき、心理的安全性が大事であると行き着いたんです。それから、Misoca全体で大事にしていこうとなりました。

具体的な取り組みとしては、Slackやチャットのメッセージの語尾を『ですます』で終わるのではなく、『ー』や『〜』をつけたり、絵文字を付けたりして、言葉にまろやかさを出すとかですね。
あと大事にしていたのは、人の話をまず“ちゃんと”聞くということです。変に遮らないことや、ミーティングの際も自分だけが独りよがりで話すのではなく、誰かに必ず意見求めます。どちらかと言うと僕は1人で開発する方が好きなのですが、Misocaに入ってからは、周りに影響されていったということが大きいです。その意識があるので、僕自身も毎日が勉強という感じです。

特に、失敗を許容するカルチャーについて広めることができたらいいなと思っています。世間一般的には、失敗をしてしまった人が自分の責任だと重く捉えることが多いかと思います。役職者ほどそうではないということを理解しているものの、メンバーは日本人的な思考もあり、「自分で責任を取らなければ」と思いがちです。そうではなく『チームでやっていく』ということを広められたらいいなと思います。」

チームで仕事をすることの大切さや将来のビジョンはどのように考えているでしょうか。

片桐「チームで仕事をすることについて考えると、僕はたまたまいい経験をしてきたということはあると思います。
プロダクト開発という点においては、1人だと中々スケールしないものでしたし、やはりチームでやると沢山スケールするので、そういうところがチームで取り組むことの良い点かなと思います。
将来のビジョンは何?と問われると、正直ないんです。あえて言うなら、もう50歳なので、楽しく細く長く仕事出来るかがこれからの目標ですかね。 自分の関与する範囲は少なくとも楽しく出来たらいいなと思います。

そして、心理的安全性というのはやはりこれからも大事にしたいと思います。これも1人で出来るものではなく、周りいる人がいい人ばかりで、やりたいと言ったことが出来る環境があるからだと感謝しています。」

片桐がどのようなチームで、どのようにプロジェクトを進めていくのか。今後の活躍にご期待ください。

弥生株式会社's job postings
3 Likes
3 Likes

Weekly ranking

Show other rankings