現在、キャリアを重ねていくと管理職になるのみのキャリアではなく、専門性を高めていくようなキャリアの選択も出来ることが増えてきています。
弥生のエンジニアのキャリアにおいても、多岐に渡る選択肢があります。
エンジニアのキャリアでよく聞く『35歳定年説』をどう捉えているのか、どう弥生でビジョンを描いているのかについてお話を伺いました。
プロフィール
牛尾 哲朗
大学卒業後、自社開発のシステム会社に入社し研究開発および製品開発業務を経験。約12年務めた後、エンジニアとしての専門性を高めるキャリアを歩むために転職。2社目となる弥生で、『YAYOI SMART CONNECT』と新規開発プロジェクトのテクニカルリーダーを担当。好きな食べ物はラーメン二郎。家二郎の調理経験もあり。
30歳位から伸びていくエンジニアスキルを活かしたキャリアビジョン
―エンジニアのキャリアを考えるとき、『35歳定年説』という話を耳にするのですが、牛尾さんはどのように考えていますか?
牛尾 私が就活していたときも35歳定年説ありました。そして、ある意味それは真実だと思います。生物学的には、30代前半で記憶力などのピークが来て落ちていきます。
しかし、仕事は単純なプログラミングだけをしているのではなく、システムの企画やアーキテクチャの検討などもしています。そういった仕事は、むしろ若手よりも経験豊富な方が出来ます。
―生物学的な能力だけでなく、経験をスキルに変えていくことも大事な能力ですね
牛尾 成功だけでなく失敗も含めて様々な経験をしているので、35歳~40歳で伸びてくるスキルかもしれませんね。
エンジニアに限らずどの職種でも同じだと思いますが、キャリアを考えて知識や経験を蓄えないと30歳後半で限界が来ると思います。
言われたことを何も考えずに作業をしていては、それこそ35歳で定年になってしまうかもしれませんが、一つ一つの経験から学んでいれば逆に伸びていくと思います。
―耳が痛い!(笑)自分が将来的にどのようなことをしていたいかを考えて、失敗しながらも経験を積んでいくことが大事ですね
牛尾 失敗の学習は、まさに私が研究していたAIの分野なんです。例えば、迷惑メールを振り分けることをAIで学習させるとき、学習データを”迷惑メール”だけを学習させていても振り分けはうまくいきません。
迷惑メール(=成功)とそうでないもの(=失敗)の違いは何があるのかと学習させます。人間でも同じで、失敗と成功の両方を経験するから精度が上がると思います。
―AIも人間も失敗と成功の両方から学ぶのですね!では、チャレンジし続けることはとても大事ですね
牛尾 チャレンジはいきなり100%成功するということはなく、失敗を繰り返して精度を上げていくものだと思います。弥生の場合は、安定した基盤があるからこそチャレンジし続けられると思います。
―確かに!チャレンジし続けたなら、35歳になっても定年にならない経験値を積むことができるのですね!プログラミングから離れていくというキャリアとは違いそうですね。
牛尾 そうですね。いつまでもプログラミングがやりたいということではないのですが、私がチームメンバーに指示をするときに、自分が出来なくて任せるのではなく、みんなで協力してやっていこう!って言えるようになっておきたいんです。
―プログラミングをするのは若いメンバーの方が速いけど、出来ないでなくて役割分担してやっていこうっていうことですね!
牛尾 うーん、書くことが決められていて片っ端からタイピングしていきますだと敵わないかもしれませんが、プログラミングは頭の中で設計しながら作っていくので、まだきっと負けないと思います(笑)。
―失礼いたしました!(笑)
未経験から始めてハマったAIの世界
(画像:ラーメン二郎GAN~家二郎のその先へ~より)
―最近エンジニアとしてチャレンジしていることはありますか?
牛尾 YAYOI SMART CONNECT サービスにおける勘定科目の推論機能のテクニカルリーダーを任されたことです。機能開発や研究開発のロードマップを引いたり、自然言語処理について大学の研究員の方とディスカッションしたりしていました。全然AIやったことなかったのですが(笑)。
―未経験からAIをやっていたんですか!?
牛尾 前任者から引き継いだり大学の先生と協力したりしながら始めましたね。私は自分の知らないことが好きなんです。知っていることだと、経験である程度結果がわかってしまうじゃないですか(笑)。
世界規模とまでは言いませんが、会社や部署で初めての試みで、自分もやったことがないことを、試行錯誤しながら進んでいくことが楽しいです。
―会社も自分も未踏の地だと、チャレンジすることは怖くないですか?
牛尾 ダメで元々みたいな雰囲気がありましたので、何とかやり切ってやろうと逆に燃えましたね!あと細かいやり方は任せてもらえていたので自由に進めることができました。
必要に応じて大学の先生を紹介してもらうなどフォローもありましたし、成果を出したらちゃんと評価もしてもらえましたので、引き続き頑張っていこうと思いました。
―AIはどうやって勉強したのですか?
牛尾 クラウド環境で試せたので、業務時間外で自分で調べてプログラムを作っていました。機械学習の分野で、本物を学習させて偽物を作るという技術があります。
例えば、海外のセレブの顔を学習させて存在しないセレブの顔を作るというものです。すごくくだらないのですが、私はラーメン二郎の画像を学習させて存在しないラーメン二郎の画像を作っていました(笑)。
―ラーメン二郎(笑)
牛尾 普通に考えたらおかしいですよね(笑)。けど、この勉強を通じて自然言語処理に限らずAI全体にハマることになりました。
勉強したことが全部業務に活かせるということではないのですが、新しいことをやってみて結果が出ることが楽しいので、自分にとって良いモチベーションになりました。
最終到着点はシステムアーキテクトを極めること
―今後のキャリアビジョンを教えてください!
牛尾 前職までは、自分だけで企画からプログラミングまで完結していたのですが、弥生ではメンバーがついてチームとして動いています。そうすると、自分の担当範囲外を含めた設計というところまで視野が広がりました。
メンバーの管理は全然していないのですが(笑)、前まではプログラムに着目していたけど、今はサービスのシステム全体に視野が広がっていて、今後は会社全体のシステムの構成の検討ができるようになりたいです。
―会社全体のシステムですか?
牛尾 職種で言うと「システムアーキテクト」と言われるものです。
◎システムアーキテクトとは
システム開発の上流工程を主導する立場で、豊富な業務知識に基づいて的確な分析を行い、業務ニーズに適した情報システムのグランドデザインを設計し完成に導く
(情報処理推進機構|システムアーキテクト試験(SA)より)
先ほども言った通り、プログラムをずっとやっていきたいという強い思いはないです。システムの全体像を自分で描き、それをお客様に提供し続けていきたいという思いの方が強いですね。今、ちょうどその門を叩いたところです。
久しぶりにチームメンバーの中で私が一番ペーペーなので、なんとか食らいついて頑張っていきたいです。
―チームメンバーもギークな方が多いのですか?
牛尾 何をもって「ギーク」と言うかなんですけど…自分も含めて、チームメンバーは技術一筋というよりは多趣味な方が多いと思います。いろんな興味があって、その中の一つに技術があります。自分の興味を持った技術を、楽しみながら自分の時間で深めている人が多いですね。
―未知の分野でも、楽しみながら学べる人だと面白いチームかもしれませんね!お時間いただきありがとうございました!