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つまらない常識を革め続けるために。社員全員で取り組んだ「バリューの再定義」

2011年に設立し、2024年3月には13周年を迎えるバニッシュ・スタンダード(以下、VS)。主力事業である「STAFF START」は2600ブランドが導入し、スタッフアカウント数も23万3000を超えるなど、着実に事業を成長させてきました。

組織規模も社員50人の壁を超えようとしており、創業メンバーから受け継がれるカルチャーに新しい風も吹き込まれてきています。

そんな中、「つまらない常識を革め、新しい時代へ解放する」というパーパスの実現に向かって、あらためて社員全員と目線を合わせるための「バリュー再定義プロジェクト」を発足。全員でバリューを考える機会を設けました。

本記事では、プロジェクトをリードしたメンバーによる対談を実施し「バリュー再定義の背景」や「プロジェクトの裏側」について振り返ってもらいました。

<対談メンバー>

田中 悠(Head of HR)・写真右
キヤノン株式会社に新卒入社し、一眼レフカメラのグローバルマーケティングを経験。その後、株式会社プレイドに参画し、アパレル業界を中心にECサイトのCX向上に向けた取り組みをプランニングから技術的な実装まで幅広く支援。その他アライアンスや事業開発など様々なプロジェクトに従事し成長を牽引。2020年に株式会社バニッシュ・スタンダードに参画し、執行役員としてビジネス領域をリードした後、2023年10月より現職。人事責任者として、採用・組織設計全般を担当。通称「YUさん」。

磐井 友幸(Chief Culture Officer)・写真左
中央大学理工学部卒業。2004年に大学時代には中学・高校の同級生と起業し、2006年に株式会社ネバーセイネバーを設立。2023年に株式会社バニッシュ・スタンダードのCCO(Chief Culture Officer)に就任。現在もスニーカーを収集し、約1,000足を所有する。通称「TOMOさん」。

(聞き手:Corporate Design・大山 都子)

※本記事の内容は2024年3月公開時点のものです

バリューを「自分ごと化」させるために向き合う機会を作りたかった

ーー今日はバリューの再定義をリードしたYUさんとTOMOさんと一緒にプロジェクトを振り返りたいと思います。あらためて、バリューを見直すことになった背景を教えてください。

YU:それまでのバリューに愛着を持ってくれていたメンバーは「今までのバリューが好きだから変えたくない」と不安に思ったかもしれません。しかし、今回のリニューアルは決して「根本から変える」ことが目的ではありませんでした。

あくまでも時間の経過によって曖昧になってしまった部分や解釈のズレを理解しやすいように言語化し、メンバーの行動の適正化を図ることが目的だったんです。

また、カルチャーを醸成する上では、日々の行動の振り返りを行う「人事評価」の中にバリューを組み込むことが重要であると考え「バリュー評価」を取り入れることになりました。半期ごとに「どれだけバリューを体現できたか」を自己評価し、直属の上長からの評価もあります。

しかし、その「バリュー評価」を運用するにあたって「5つあるバリューのどれに自分の行動が当てはまるのかわからない」という声も多く聞こえてきました。やはりそこにはバリュー浸透の甘さや文章としての解釈のズレがあって、評価時のあるあるの悩みと化してしまったんです。

そもそも評価の時に書けないということは、日々意識して行動することができないということ。このタイミングで変えないといけないなと思いましたね。

TOMO:事業成長に伴って、組織規模も大きくなってきました。当然、創業当初からの経緯を知っている人もいれば、入社間もない人もいます。そんな中で「バリューの浸透が甘いな」と感じたのが、私が再定義を提案したきっかけでした。

「つまらない常識を革め、新しい時代へ解放する」というVSのパーパスを守るには、バリューの定着は欠かせません。そこで、今一度「みんなでバリューと向き合い、その大切さに気づく機会」を作りたいと考えたんです。

バリューのリニューアル後は、ワークショップなどを通じて「バリューを自分ごとに落とし込む」というプロセスを全員でやりたいと思っていました。

想いが強いからこそ「言語化」にこだわり抜いた

ーー今回は、バリュー再定義までの「プロセス」が大切だったわけですね。やはり肝は「ワークショップ」だったのかなと思うのですが、そこに至るまでにはどのような準備をされたのでしょうか?

YU:まずは、経営陣が集まって新しいバリュー案を固めるところまでを行いました。やはりパーパス・バリューに対する想いが一番強いのは小野里(VS代表)です。ヒアリングを行いながら、旧バリューに込めた想いを整理してワークショップ時にメンバーが迷わないように具体的な形まで落とし込むところから始まりました。

▲再定義前の5つの旧バリュー

TOMO:バリュー案をまとめるまでが結構大変だったよね。やっぱり想いが強ければ強いほど、どこまでもこだわりたくなるというか……。一つ案をあげると、どんどんイメージが湧いて「もっと良いものを!」と止まらなくなってしまうんだよね(笑)。必ずどこかで決めないといけないけれど、妥協すべきことでもないし、そこのバランスは悩んだなぁ……。

▲湧き続けるイメージ。落とし所が肝に……

YU:人の想いを言語化する難しさを感じましたよね。ギリギリまで話し合って、新しいバリュー案が形になったのはワークショップ前日でした。ワード一つひとつに最後までこだわったなと思いますね。

余談ですけど、「没」になったバリュー案の中で、私は小野里の出した「全裸で円陣を組もう」が割と好きでした。新しいバリューの一つ「仲良しではなく、仲間であろう」の別案として出されたんですけど、全裸はないだろうと思いつつ、旧バリューの「遊び心全開であれ」と「最高の仲間であれ」をうまくマージして表現しているなと。

全裸であることで包み隠さない素直な気持ちが表れているし、そんな状態で円陣を組むのはめちゃくちゃ仲良くないとできないし、それこそ遊び心のあるワードに伝えたいことが凝縮されているなと思いましたね(笑)。

▲試行錯誤の上で発表した4つのバリュー案

バリューに対する「Good/Bad」アクションとは?全員で臨んだワークショップ

ーー試行錯誤の上、まとまった案がワークショップで披露されたわけですね。ワークショップの雰囲気はどうでしたか?

YU:経営陣なりに言葉自体は洗練させましたが、だからと言ってすぐに自分の行動に当てはめて良し悪しを意識できるわけではありません。そこで、ワークショップでは新しいバリューに対する「Good/Badアクション」を投票してもらって、みんなでバリューの解釈を進めていきました。割とユニークな意見もたくさん出て良かったですね。

実を言うと、今回は経営陣側で案を固めてからワークショップを開催したのもあって、社員との温度差がどれだけ埋められるかは不安に思っていました。でも、みんな本気で取り組んでくれましたし、アンケートの評価もポジティブなものが多くてホッとしましたね。

TOMO:このワークショップを開催するにあたっては「自分ごととしての意識を持って意見を出してほしい」というのが前提にあって、スタートアップでみんなが仲間であるためには「一緒に会社を育てる意識を持たないとダメだ」というのは、再三伝えてきました。

もちろんアウトプットへの得意不得意があるのは理解できますし、誰もが良いものを出せるとは思っていません。ただ、自分たちが出した要素が会社としてのオフィシャルなものに採用されていくことを意識して真面目に向き合ってほしいという想いがあったんです。

今回はたった数時間のワークショップでしたが、たとえば「1時間で返信する」といった具体的な行動例に落とし込んだ意見が出たりと、みんながきちんと自分なりの意見を出し切ってくれたのは良かったなと思いましたね。

▲バリューを体現するアクションとは?全員でアウトプットを進めた

ーー本当にたくさんの意見がでましたよね。ちなみに印象に残っているコメントなどはありますか?

YU:「首を突っ込んで自分がボトルネックになる」みたいな意見があったんですけど、個人的にはすごく好きでした(笑)。

TOMO:それ気に入ってずっと言ってたよね。

YU:結構、あるあるの話で面白いなと(笑)。「笑われるぐらいでかい夢を持つ」とかもいいなと思いましたね。

これで終わりではない。バリューと向き合い続けてもっとVSを盛り上げたい

ーーバリュー再定義のプロジェクトを通して、あらためて感じたことはありますか?

TOMO:小野里の想いの強さを近くで感じられたのは良かったですね。まだまだスタートアップと言えるフェーズのVSでは、創業者の想いや覚悟の強さが見えることはすごく大切だと思うんですよ。

こんなことを言うと、もしかしたら本人は嫌がるかもしれないですけど、あらためて「すごい経営者だな」と思いましたし、未熟な点はあれどここまでの強烈な想いを持って実行している会社はすごく魅力的だとあらためて思いました。

私自身、VSの魅力をいろんな人に知ってもらって仲間を増やしていきたいなという想いが増す機会になりましたね。

YU:自分自身も含めて、みんなが「自分ごと化」できる良い機会になったと感じますね。この一度きりの場にするのではなく、こうしてバリューと向き合っていけると良いんじゃないかと思いました。

TOMO:定期的にやった方が良いよね。たとえば、二年に一度はメンテナンスをするようにしたり、オンボーディングにバリューの浸透施策を組み込んだり。今回のプロジェクトをきっかけに、バリューを身近に触れて「自分ごと化」する機会の提供はいろいろと取り入れていかないといけないなとは思います。

YU:そうですね。浸透施策については、人事のメンバーでもまさに考えている最中です。「VSが求める人物像」をしっかり決めて、社員が何を目指すべきかの指針の提示やカルチャーマッチする人材の採用ができる体制を整えていきたいと思いますね。

ーーお二人とも本当にお疲れさまでした。これからもやるべきことは盛りだくさんですが、一緒にVSを盛り上げていきましょう!


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