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ふつうのノーブランドな大学を卒業したか、就活で失敗したか、不況食らったかで、ふつうにノーブランドな社歴になった人、その他いろいろふつうな人の生存戦略。(ITのカラーつよめ)



1.前提

まあ、中長期目線の話なので、今の市況感は無視してええと思う。

市場価値は加齢で減退するものとする。
(しない人はレアだし、思考実験にならんし、今回は無視する)

事業内容や領域までは考えない。
(どうせ市場は移り変わるし)

学歴・社歴などのブランドが無い人を対象とする。
(大手は子会社や発注先ありきで雇用の安全性を確保できるが、話が終わってしまう)

その他、個別の一般的に選択しづらいケースは無視する。

要は、普通のノーブランドな大学を卒業したか、就職で失敗したか、不況食らったかで、ふつうにノーブランドな社歴になった人、ふつうな人の生存戦略の方針を考えてみる。
系のネタ。

2.真面目に考えた時のNGパターン

・個人レベルの市場価値(だけ)上げて生存する

加齢で減退するから、40歳超えると(35歳くらいから?)減退が始まって、めっちゃ効率悪い。このルートでみんな生存できるなら最初から困ってないんだよ。これだけじゃダメなんだよ。
アホなインフルエンサーの話を鵜呑みにしてはいかんぞ。

正確に言うと、IT・派遣業界特有の『若い人ブースト』が加齢により外れてしまう問題。若い人ブーストは先々の人生を生存するための事前準備に使われるべきもので、その時期をうぇいうぇいしちゃうと本当に苦しくなる。あと、そこそこ年取った状態からのITデビューも推奨しない。エンジニアになれたとして、その先を生存するための準備が間に合わない。
『何歳からでも行けるよ!』って無責任なこと言ってる人。だいたいまず雇用する側の人じゃないから。いや、個人事業主(フリーランス)とかならホントは雇用できるんだけど、やつら、1㍉もするつもりないからブーメランに気づかず、気軽に上から目線で言ってんだわ。実にわかりやすいよな。


・資格取ろう!

上記と同じで、個人レベルの市場価値を補強する方向では苦しい。業務独占資格とか必置資格であれば別だけど、まず実務経験が必要。業務独占資格に関しては、IT業界じゃない方があるんじゃないかね....。


・スーパースキルを得て、70歳でも必要とされる人材になる!

これは不可能では無いと思うけど、たぶん、C言語とか電子回路設計とかそういうやつですよ....? HTMLとか、最新のツールがーとかの話では無いと思います。もっと低レイヤの領域の話かと。
今回の『ふつうのひと』には当てはまりづらいかなと。


・youtuberになりたい!

お前は小学生か。20年後にyoutubeが存在している・食える、保証あんのか。


・まだ都会で消耗してるの?

お、おう。
なんかたいへんそうだけど、がんばってね。


・ブログで集客して情報商材売るお!

いますぐブラウザを閉じて、オンラインサロンで教祖様からありがたいお言葉を頂き、魂を解脱させるのだ。こんなカスブログを読んでいる場合ではないぞ。あと、なにかあってもトラックに飛び込み解脱とかはやめとけよ! たぶん異世界転生はできないぞ!


3.となると、思いつくのって、このへん.....?

A.時間切れまでにフリーランスで稼ぎ切る

B.継続的な不労収益を作る

C.生存を確保できる組織を作り、所属する。

職業エンジニア界隈でよく検討されるやつ。
このあたりが現実的と言うよりは、ほかの手段のハードルが高すぎる。挑戦権が無い、もしくは大変すぎると言った感じ。

いずれも、楽なルート・ノーリスクなルートと言う訳ではない。(楽なルートは、だいたい詐欺っぽいナニカだからね。)


A.時間切れまでにフリーランスで稼ぎ切るコース

そこそこの金額を、そこそこの年齢まで稼げる前提が必要になると思う。
2019年の日本人の平均寿命 は男性が81.41歳、女性が87.45歳
40歳で仕事が減り、待機と稼働を繰り返すようでは論外であると言える。

なんとかして55歳前後までは稼ぎたい。
50を過ぎると、結構なスキルがあっても平場の営業勝負は厳しい。また、好不況の波がある事も考えておかなくてはいけない。なにかしらの法人と組み、WinWinな構造を作っておくとか、自身が優先的にアサインされるよう、信用と顔と恩を売っておくとかしておいた方がいいのかもしれない。

もしくは、受託で継続的に食える状態を作った方がいいのかもしれない。フリーの場合は自分でプログラムも組まなくてはいけない為、その他の専門性に逃げるわけにはいかない。プログラム生産性のスキルダウンとは正面から戦わなくてはいけないし、対応可能な要素技術も更新し続けなくてはいけない。

仕事が無くなる前に、企業に入社しておく手もある。こちらはほかのリスクがあって、『組織でのミドルマネジメント経験が無いおじさんを採用する会社』と言う会社がどういう会社が多いかと言う事は考えておかなくてはいけない。

その会社はおそらくは中堅社員が育たない会社になるだろう。育つ会社であれば、自社内に自社のキャリアパスで『育った』おじさんがいる訳で、そのおじさんたちはその会社内においてはスキルセット・信用・人間関係の面で大きくアドバンテージを持っている上に、会社はそのおじさんたちを解雇することができない。常識的に考えたら企業はすでに自社内にいるおじさんをミドルマネジメントで育成する方向で投資をするだろう。外部の中途半端な経験のフリーランスおじさんの採用ではない。(中途半端じゃなければ別。)

その中に、スキルで殴って外部から入っていくというのはなかなかなハードルの話で、その会社のキャリアパスを内包したスキルセットで、かつレベルが高いか。もしくはシナジーを生めるほかの専門性を持っていて、それをビジネスに活かせる立ち回りができる必要があるだろう。それほどに、社内の若手からの目は厳しい。 

現実には、喜んでキリギリスを助けるアリなどいないのである。

教育しなおすコストが発生するおじさんを採用するならば、ほとんどの企業は、さらに手がかかるにしても、ほかの若手を採用してしまうだろうな。


B.継続的な不労収益を作るコース

簡単に見えるのか、一番楽な解決方法に見えるのか。この手の話は昔から多い気がするんだけど、だいたいがクソ浅い。万が一、楽に実現出来たとしても、それではみんなが同じ市場に参入してきちゃうので、一瞬で需要が蒸発するって。競合が参入できない領域や、特権的ポジションを活かしてという事であれば可能性あるけど、それこそ超大手企業や、上級国民様の話でしょう。ふつー民がリスクも種銭もなしに、やすやすと実現できる方法ではない。なくはないが、超タイト。

リスクとリターンは、基本的にはトレードオフの関係にある。
比較的リスクが低く、為替リスクにも対応するやり方としては、やはり株式・社債・国債などの分散投資という事になるのだけど、もちろん勉強は必要としたうえで、何よりも種銭が必要。

平均10%の年利を確保するとして、1000万の貯金を全額突っ込んでも、年100万。年金発生まで持たせるにしても、このくらいではちょっと生活ができない。3000万~5000万はほしいんじゃないかなあ。

フリーランスであれば、一応稼いで貯金は可能....? かな? うぇいうぇいして、生活レベルを上げてる余裕はないだろう。もしくは、社員時代からiDeCoとか?税制の優遇措置を活かして、ややリスクを取り、60歳まで踏ん張る?

C.生存を確保できる組織を作り、所属するコース

そもそもノーブランド勢にはそのチャンスにぶつかること自体が難しいから困ってるんだっつの。
しかも入社しないと見えづらい上に、入社で職歴がひとつ増え、時間を消費する。

・30年先まで生存し、雇用も維持しそうな会社を見つけるまで転職したるわ戦術
これやって職歴くさっちゃった勢が多数。(特に氷河期世代)
そもそも、長期で生存できそうで雇用維持しそうな会社は離職者が少ない気がするし、じゃぶじゃぶとロースキルを雇用して回しているとは思えない。求人自体が少ないんではあるまいか。また、現時点で優良企業でも、特に単一ビジネスの場合、そのビジネスが30年続くなど普通は考えづらい。多角化は必要な訳だが、多角化の際にまったく未体験の市場に飛び出して、大赤字ブっこくIT社長が多数。
日本のITの下請け市場は、日本の解雇制限の存在ゆえに長期存続している特殊な市場で、その様な市場での体験しか持たない会社や経営層が、その外の市場で生き延びるというのは、なかなか難しい話なのだろう。

・ちいさな会社に入社、大きくしてポジションも得る戦術
社長次第・営業次第・採用次第、かもしれん。まずほとんどの会社がスケールしない。(でかくなったあとに入るのではポジションが取れない)
悪の企業の路線を取るならば、生存率もスケールする率も大きいかも。だが、大きくなったタイミングで自分自身が生存できているかどうかが疑わしい。また、用なしになったら自分も切られそう。
マトモ路線を行くにも、商流を得たり信用を得たり、そんななかでまともなリソースを確保していくのは結構たいへん。それなりに勝ち筋を持っている会社を選ぶべきかもしれん。



・起業する。
言うまでもないが、上記の社長版に過ぎない。
良い点は、馬鹿経営層に振り回されることはなく、会社に無駄な投資もさせない。搾取される事も無い。わるい点は、自分がリスクを負うという事。自分が経営者として無能だと、状況は悪化するだけという事。残念ながらシステムエンジニアの能力と会社経営の能力は比例しない。

悪の路線を取り、搾取して逃げ切るという戦術に関しては、市場が適正化されない限りは成功率が高いはずで、そんな訳でそのルートを選ぶ合理性が発生。無限に搾取型企業ができては潰れをしている感じ。

何とも救いがない話であるし、ここまでリスク取るなら、FXで一勝負しても変わんねえんじゃね?という意見に対しては、たしかになあと頷かざるを得ない。

起業したら、ひとまず。ろくろはまわしておこう。



4. どのルートとも、厳しいじゃねえか。

楽じゃないというのは言うたはず。
中途半端な覚悟で、ノーブランドでITに入ってきてはいけないのである。
入ってしまったのであれば、あらゆる手を使って、生存を確保しなくてはいけない。

しゃーない。もう少し突っ込んで考えてみる。

・A+Bのパターン

フリーランスルートで現実的なのはこの辺だろうか?とにかく稼ぎ、節税し、浮いたカネを運用する。

なるべく高年齢でも仕事を得る・継続的に高単価を得る 必要があるので、大規模上流や、専門性の高い領域も対応できるスキルにしておく。得意な業務も持っておく。受託も取れるようにしておく。ファイナンスも勉強する。

とにかく、個人の能力・責任において、世界と相対し、結果を出さなくちゃいけない。エンジニアとしても、投資家としてもだ。とにかく学習し続け、自分を律する事が出来る人のルートだろう。

・A+Cのパターン

他の企業と組む。提携するような感じだろう。
企業は万能ではない。社員のキャリアパスが決まっていれば、その範囲外は苦手な領域となる。そこの専門性を提供し、お互いにメリットが出るのならば、中長期を見据えた、ある程度お互いに投資する関係も作れるだろう。また、起業の際に支援してもらう事もあるだろう。その際も、シナジーのある提携先を最初から持った状態でスタートができる。ただし、片方が片方に依存度が高すぎる状態はNG。そういう関係は絶対に長期では続かない。

A+Bの投資家っぽいやり方に比較して、経営者っぽいスタンスでの戦い方かな。


・Cを実行する工夫

今思えばじゃが。
30年先まで生存し、雇用も維持しそうな会社の条件を考えると、その会社が必要とするタイプの人材と言うのも逆算が可能だったなと。(ぼくは20代当時、まったく考えなかった....)

多角化・複数の事業で戦うとしても、他市場の競合との差別化の為、ITと言う専門性を武器にしたものでなくてはならず。所属エンジニアのスキルが低くてはNGで、かつ、まとまった形でニーズにぶつける必要が出てくる。(個人レベルで解決可能な領域なんか、そうそうない。)組織を重視するスタイルの会社になるだろう。

となれば、人材の姿もイメージできる。
よくある、テクニカルスキル一本槍の特化型タイプではなく、ややゼネラリスト・マネジメント傾向。

・テクニカルスキルに加え、視野の高さ・ヒューマンスキルを兼ね備える。
・事業・会社単位の収益プロセスや、構造が理解できている。できる。
・事業を成長させたのちに自分がリターンを得るまでをイメージできる。
・チーム戦であれば高い成果を出せるタイプ
 (自分ですべてはできないとしても、不足分を埋める他者や他部署と協力できる。)


会社を見つける方法は、安定はやっぱ、現場じゃろかな。(最近はリモートでそうもいかんけど)

この手の組織戦型の会社は、現場でもその様に立ち回っている訳で、そこで容易にスクリーニングできるはず。マトモなチームかどうか、マトモな管理方針の有無も見る事が出来る。あとは、どういうビジョンと戦略を持っているかでしょうな。飲み行けば聞けるでしょう。

ケースによっては並列で参画していた会社に移る事も、上位の会社に移る事もあるでしょう。
タイミングもあるだろうが、単に、その手の他社リーダーと名刺交換して、コレクションしておけば良いのだわ。飲み行ってビジョンと戦略を聞くついででもいい。

いや、自分が現場で問題児やら成果ゼロやらだったらそこでアウトですけどね。

転職先のビジョンがブラックすぎてもアウトですけどね。
ただの悪の組織的な。

5.〆

要は。

・高能力で、かつ学習を止めない個人主義者    →フリーランス
・視野が高く、チームで成果を出せる組織戦主義者 →正社員

という感じが最適解じゃろな。
で、投資の方向で準備するか、尖った専門性を磨き信用を重視するか、はたまた、ミドルマネジメント路線で経験を増やすか。

30歳くらいでルートが決まっていないと、間に合わない感じ。やっぱし甘い話にはならなかったかー。

まあ、自殺者が多い訳でなし、だいたいなんとかなるんだろうて。 たぶん。
今回の思考実験に過ぎないし、例外なんていくらでもあるはずやしな。(無責任。)


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