スタディストについて|株式会社スタディスト
株式会社スタディストのビジョン/ミッション/バリューを紹介するページです。
https://recruit.studist.jp/about#value
人事部長の今井とVPoEの北野です。先日、スタディストのバリューを約3年ぶりに改定しました。
今回のバリュー改定プロジェクトは「全社員巻き込み型」「ボトムアップ」「完全リモート」で進めましたが、めったに訪れない機会なのでそのプロセスをすべて公開したいと思います。なお前回のバリュー改定時の様子はこちら。
冒頭でバリュー改定をボトムアップで進めたと記載しましたが、それはバリュー改定を進めるプロジェクト運営における話であり、「そもそもなぜバリューを改定するのか」のイシューの特定は代表の鈴木によるものです。バリュー見直しのきっかけは各社各様ですが、スタディストの場合は、新規事業であるHansoku Cloud、そしてコンサルティングサービスの登場が背景にありました。スタディストはこれまで主力事業であるTeachme Bizを中心とした組織運営を行っていましたが、「今後はそれだけでないよね」を示す社内の合言葉が「三軸経営」です。
三軸経営のコンセプトを示す図
Teachme Bizのサービス提供を通じて築いたお客様との関係性をもとに新たな事業を創出し、スタディストのミッションである「伝えることを、 もっと簡単に。 」の実現を加速させる。そのための組織運営のコアを見つめ直すべく、バリュー改定プロジェクトを開始したのです。
バリュー改定の背景をご紹介したところで、さっそく全体の流れを公開します。
約半年間にわたる大規模プロジェクトでしたが、ここではバリュープロジェクト運営のポイントに絞ってご紹介します。
今回のプロジェクトでは、全社員と連携をとりつつ進めたい意向があったため、全社員とプロジェクト推進者との間での守りたい約束事を定めることにしました。
実際に社内でつかっていた資料
バリュー改定を終えた今となって分かったことですが、長期間かつ関係者が多い取り組みだったため、自分たちがぶれないようにするため、大切な過程だったと感じています。
スタディストにおいて「プロジェクト」とは、複数部門をまたがって継続的にリソースを投下する必要性がある取り組みを指し、メンバーの時間を多くつかう意思決定でもあるため、部門長が集まる会議にて取り組みの承認を得ることが必要です。今回のバリュープロジェクトも例にもれず、部門長が集まる会議にて起案を行いました。その際、とある部門長の方から「プロジェクトメンバーを各部推薦制にすることもできると思うが、なぜ公募制なのか」と問いかけをいただきました。その際に私たちは「スタディストのあるべき姿を改めて考え、ゼロベースで策定したい。また、当事者として参加したいメンバーの気持ちを重視し、全体の意思決定のプロセスを大事にしたい」と答えました。
プロジェクトメンバー選任を公募制にしたことはバリュープロジェクト全体を通じて、もっとも重要な意思決定の一つだったと感じています。最終的に集まったメンバーのオーナーシップは本当に素晴らしいもので、今回の取り組みの成功に欠かせないものでした。なおメンバー公募にあたっては、プロジェクトに参加する意義・得られることを添えて、社内に情報発信しました。
そうしてはじめたメンバー公募ですが、正直なところ「集まって2、3人くらいだろう」と思っていました。ですが蓋を開けてみると、最終的には11名の方が集まることに。嬉しい悲鳴ですが、急遽プロジェクトの進め方を見直し、複数のチームで運営する方針に変更しました。
社内に公開していたバリュープロジェクト用Google Sitesに掲載していた体制図
各チームにはリードの役割を設け、そのチームでの会議体の運営責任を担っていただきます。また、チームごとの議事録や会議の録画への導線を設置し、「徹底的に開示する」を実現できるよう心がけていました。もちろん議事録を公開するだけでは「気になった人が見に来ることができる」までしか実現できず不十分です。そこで議論の経緯や様子が分かるよう、週次の全社会議でも情報発信を継続しました。
「全社員当事者」でバリュー改定を進めるにあたって、とくに重要なのが「意見収集」「意見を交わらせる」の2つの機能です。今回のプロジェクトでは「意見収集」をアンケート、「意見を交わらせる」をワークショップで進めることに。
アンケートとワークショップの分担について社内で議論
アンケートは「多様な価値観を認識するため、意見を広げるフェーズ」と、「スタディスト組織運営において、とくに重要だと思われる価値観を狭めるフェーズ」の2回に分けて実施しました。普段お客様と接しているメンバーからのアツい声や、機能開発をするにあたって考えていること、バックオフィスのチームが業務にどう接しているか、それぞれの背景をもとに構成された多様な価値観を認識することができました。アンケートの質問設計についても触れたいところですが、さらにもう一記事必要になりそうなため、ここでは割愛します。
ワークショップでは「全社員が一度は参加する」「完全リモート」で運営を行い、ツールはZoomとGoogleのJamboardを利用しました。もちろん議論結果のボードは全社に公開されます。6名程度から構成されるチームを複数つくり、全社員が一度は参加するように設定しました。なおチーム構成は、所属部門や社歴、役割が可能な限りばらけるよう、人力で割り振りました。
計24チームでワークショップを実施することになりましたが、各回のファシリテートを委員会メンバーで手分けして行いました。ワークショップの品質を一定に保てるように、ファシリテーター向けの原稿を用意し、事前に委員会メンバーでリハーサルを行う等、事前準備にも工夫を凝らしました。
ワークショップの様子
ワークショップの設計にあたってはプロの力を借りることにし、業務でのワークショップを何度も運営しているプロダクトデザイングループのメンバーに壁打ちを依頼することに。場の設計についても全般的なフィードバックをいただき、ワークショップの成功に多大な貢献をしていただきました。
アンケートもワークショップも終わった後に、社内情報開示までをセットで行うことが大切です。データ/情報整理のチームを中心に、結果を様々な切り口で集計して、バリュー改定プロジェクト用のGoogle Sitesに掲載をしていました。
アンケートで登場した言葉の頻度を可視化
スタディストがどんな方向性に進化したいかを集計
意見の定量化と同時に、定性情報も大切です。アンケートやワークショップであがった意見を別途集計し、バリュープロジェクト以外の場面でも活用できるよう情報整理を行いました。人事部と連携しながら、今後の組織開発施策につなげていく予定です。
最終的にバリューとして言葉をつくっていくフェーズでは、有志で言葉選びを行いました。少ない人数で濃い議論ができた一方で、全社員からのフィードバックをもらわなければ、最後の最後で「全社員当事者」に反してしまうのではないか、という危機感も。そこで、バリューを仮完成の状態で社内に公開し、フィードバック期間を設けることに。
フィードバックの場の様子
フィードバック期間の具体的な進め方ですが、プロジェクト全体のリードであった私たち2名が常駐するZoomを設置し、入室した社員と意見交換するプロセスで進めました。「誰も来ないのではないか・・・」とヒヤヒヤしていましたが、Zoomには絶えず誰かが訪れる状態が続き、本当に嬉しかったです。このフェーズがなければ、現在のバリューは完成しませんでした。
フィードバック期間を経て仕上がったバリューですが、ただ言葉を公開するのではなく、今後社内で活用していくためのビジュアルデザインや、社員が利用するSlackスタンプやバーチャル背景とともに公開することに。コーポレートブランディングユニットに所属するデザイナー2名に製作を依頼し、本記事のアイキャッチに設定してあるオフィシャルな場で利用しやすいコーポレートカラーと相性の良いデザインと、以下の遊び心のあるデザインの2種類を製作いただきました。前者のデザインはコーポレートサイトや社内公式資料で利用し、後者のデザインはSlackスタンプや絶賛製作中のステッカーで利用する予定です。
社内で主に利用することを想定した、遊び心あるグラフィックデザイン
「自宅でもポスターとして使いたい」という社員の声もあり、デザインの力を感じました。なお、デザイン製作以外にも社内でバリューを活用していくための施策は活用/定着チームを中心に整理し、一つずつ組織に実装中です。
こうして公開したバリューですが、定期的に見直すことも大切です。社内では「バリューには賞味期限がある」という話をよくしていましたが、バリューを見直す・話すきっかけとして、Slackのワークフローを活用してリマインダを設定しました。
実際のSlackワークフロー
余談ですが、Slackの個人設定用リマインダだと複数人で管理できないので、ワークフローを使うのがオススメです。
多くの方に協力いただき、一大プロジェクトとなったバリュープロジェクトですが、やりっぱなしにせず、振り返りをチーム内で行うことも大切です。うまくいったことの整理、改善アイデアを話し合い、今後の新しいプロジェクトに学びを活かせるよう、全社への発表も行いました。学びをまとめるまでが遠足です。
先日、週次で開催されている全社会議の場で発表した資料
本記事ではバリュープロジェクトの裏側を一通り紹介しました。多様な価値観がぶつかり合うプロジェクト運営は難しいものでしたが、関わった皆さん全員がスタディストのことを本気で考えていたが故の難しさだったと思います。実はまだステッカー製作等のタスクは残っているのですが、最後までやりきることができたのは一緒にプロジェクトに携わってくれた仲間のおかげだと強く感じます。この場を借りて、あらためて御礼をしたいと思います、本当にありがとうございました。
バリュー改定プロジェクトのBacklog
冒頭の三軸経営の紹介でも触れたとおり、スタディストは今後も新しい挑戦をどんどん続けていきます。ここまでお読みいただき、スタディストに興味をお持ちいただけた方、ぜひ一緒に働きましょう!お待ちしています。