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学生時代をバスケに捧げ、そこからIT企業へ就職した松尾 亜里沙。業界を越えて『やりたい』気持ちを指標に選んだ道は、やがてSHOWROOMという挑戦の場へと彼女を導きました。データ分析を基軸に挑戦を続けるキャリアと、SHOWROOMの事業にかける想いを語ります。
人生を賭けたスポーツから未知のITへ舵を切った就職活動時代
現在SHOWROOMのプロダクトに関わるデータ分析を担う松尾 亜里沙は、“元バスケオタク”です。人生で一番彼女が打ち込み、進路選択の基準となったのもバスケでした。
松尾 「全国ベスト8に入っている大学に進学したくて、鹿屋体育大学に入学しました。中高では上位レベルには到底及ばないバスケ部で活動していたのですが、そのころに観たトップレベルの試合に感動したんです。自分も同じ世界を見てみたいと、大学進学を機にハイレベルな進路に挑戦しました」
スポーツ推薦で入学するメンバーも多い中、松尾が試合で活躍する機会はそう多くありませんでした。それでも自分の強みを生かしたプレーや、チームのニーズを考えて行動することが、大学時代の活動の礎を支えました。
松尾 「大学生活4年間すべてをバスケに注ぎ込みました。就職活動もあまりせずに……。そういった経緯もあり、卒業後は大学院へ進学することにしました。 大学時代に高齢者が自立して生活するためのトレーニング指導をしていたのですが、もっとその領域での知識を深めたいと思ったんです。同領域の研究室がある東京大学の大学院を選びました。 大学院進学の決め手は、スポーツと仕事の交点について考え始めたことです。それまでバスケをプレーし続けてきましたが、スポーツを通じた社会貢献に興味がわきました。高齢化社会において求められる領域で何か仕事ができれば……と」
スポーツを軸にプレイヤーから研究者へと視点を変え、学び続けた松尾。しかし、その後の就職活動での気づきが、スポーツ以外の業界へと松尾を引き寄せていきました。
松尾 「スポーツ関係の就職先を探してみると、トップダウン型で上下関係の厳しい企業が多い印象でした。若いうちから自由に挑戦できる業界で働きたいと思い、視野を広げて出会ったのがIT業界です。このままスポーツ業界に身を置き続けたら、時代を支える基盤ともいえるIT領域の知識を得ることなく、限られた仕事しかできない人材になりそう──そう感じた私は、思い切ってIT企業に絞って就職先を探し始めました」
スポーツから一転、ITという未知の分野へ。この転換は、その後の松尾のキャリアを大きく変えることになります。
新規事業への興味とスポーツ根性が導いたシリコンバレーへの切符
数ある企業の中からデジタル・アドバタイジング・コンソーシアム株式会社(以下DAC)に入社した松尾は、とくにデータ分析に興味を寄せます。
松尾 「データ分析は、成果が数字になって可視化されることが魅力です。もともとデータ分析が好きというわけでもなかったのですが、DACのインターン時代に触れたビッグデータとその分析の経験は刺激的でした。 媒体社だと自社のデータしか触れないことがほとんどです。対して、DACではあらゆる領域、多様な企業の広告データに触れることができます。データ活用による広告配信の最適化も、他社に比べて進んでいる印象でした」
入社後、松尾はデータ マネジメント プラットフォーム(Data Management Platform、DMP)の利用分析や、利便性を高めるための業務に携わりました。データへの魅力を感じる他方、新規事業立案という新たな領域にも興味が芽生え始めます。
きっかけになったのは、DACで行われるビジネスコンテストへの参加です。新卒1年目の社員を対象にした本コンテストに参加したことで、松尾はデータ分析とは異なる事業立案の観点を学びます。そして入社2年目、同社の先輩から松尾はあるプログラムに誘われました。
松尾 「誘われて参加した『始動 Next Innovator』という起業家育成プログラムから、投資家や起業家の方々と交流する機会に恵まれました。さらに『次世代を担うイノベーター30人』に選出され、シリコンバレーに行くことに。 がむしゃらに学びたいという意欲と、部活動のときに培った根性でつかみ取った結果です。この経験は、私に新規事業の魅力をあらためて感じさせ、転職というネクストステップについて考えるきっかけをくれました」
機能開発に役立つデータ分析で頑張る人が報われる場を育てる
転職活動を進める中でこだわったのはベンチャー企業であること。新規事業に関わり、データ分析の知見を生かすためです。そして転職エージェントからの提案で巡り合ったのが、SHOWROOMです。
松尾 「当時はSHOWROOMという企業もサービスも知らない状態で、エンターテインメント業界に興味があるわけでもありませんでした。一見SHOWROOMには縁のない私が転職を希望した理由は、代表前田の言葉に惹かれたからです。 『頑張っている人が、正当に報われる場にしたい』。前田の理念や事業にかける想いは、私が今までスポーツに打ち込んできた理由にも重なるものでした。 私は努力が報われる瞬間を見るのが大好きなんです。自分自身がバスケに打ち込み続けて、スポーツ観戦を楽しみ……そこで得る感動も、プレイヤーの努力があるからこそ生まれるものです」
スポーツを人生の軸としてきた松尾が、IT企業の中に共感するメッセージを見いだした瞬間でした。SHOWROOMに転職した松尾は、まずオーガナイザー契約を結ぶ事務所への営業やコンサルティングを担当します。その後、開発部隊のデータ分析チームへ。現在はこれまでのキャリアやデータへの知見を生かす部署で働いています。
松尾 「私たち開発部は、いくつかのチームに分かれて開発を進めています。それぞれが特定の課題を達成するために、どのようなプロダクトの改善が必要か考え、アクションに落とし込むのです。 その中で新機能の効果検証に役立つデータを取得するため、私はどのようなログが必要か検討したり、チームメンバーとデータ結果をもとに議論したりしています。 これまでで印象に残っているのは、アプリインストール後、初めて起動するユーザーの会員登録を必須化したプロジェクトです。チームに分かれて初の機能リリースということもあり、メンバーと手探りしながら進めました。 この機能をリリースした結果、会員登録率は2倍以上に。ここまで如実に結果が生まれるリリースやキャンペーンは今までありませんでした。SHOWROOMに大きな影響を与えられた機能開発に貢献できたことで、自信が生まれました」
『やりたい』に導かれて進む道の先に、努力が報われる世界を築く
松尾 「今後も、新機能リリースの効果検証が正確にできる体制づくりに励んでいきたいです。さらに各部署がKPIを分析しやすい環境づくりにも貢献したいですね。見たいデータをすぐ確認できれば、メンバーは考える時間を長く取れます。より効率的に仕事が進められる場をデータ分析の観点から構築したいと思います」
SHOWROOMのサービスだけでなく、企業そのものの改善も図っていきたいと考える松尾。どんどんと拡張していくWANTの領域は、新規事業に携わりたいと感じた野心的な心と連動しているのかもしれません。
松尾 「サービスについてもまだまだ活用しきれいていないデータがあるんです。配信者のデータ、視聴者のデータ。それぞれ分析の幅を広げて、新しい機能やデータ取得の方向性を立案していきたいですね」そんな松尾の視点から考えるSHOWROOMで活躍できる人材は、ひと言でいえば“コンテンツオタク”や“プロダクトオタク”です。
松尾 「私は“元バスケオタク”ですが、やはり好きなことに情熱をかけ、主体的に動ける人ほど強いものはありません。 また、SHOWROOMは配信者がいてこそのサービスです。頑張っている配信者が報われるためにどんなサービスを提供できるか──この問いこそがSHOWROOMのミッションにもつながっていますから、配信者ファーストの視点で物事を考えられる人が求められます」
頑張る人が報われてほしいと願う気持ちがあれば、この視点は自然に養われるものでしょう。バスケ時代に努力してきたからこそ、その努力が報われる瞬間や、それをサポートする環境の大切さを松尾は実感しているのかもしれません。松尾 「『やりたい』という気持ちに突き動かされて、築いてきた人生でした。これからも、私は『やりたい』ことを軸にSHOWROOMに貢献し、自分の強みを生かして行動していきたいです」
自分の『やりたい』は変わりゆくものです。瞬間ごとに全力で向き合いながら努力してきた積み重ねは、やがて次の新しい『やりたい』へとつながっていくのでしょう。
努力した人が正当に報われる世界のために、松尾は今日もデータの可能性を信じながら『やりたい』道を突き進みます。
2020.07.07