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不動産取引における全ての体験をプランニング!プロダクトマネージャーの仕事の真髄に迫る

(この記事は GA.MAGからの転載です)

BtoCサービス、BtoBサービス、そして社内基幹システムを含めると、自社で開発しているプロダクトが30近くもあるGAテクノロジーズグループ(以下、GAグループ)。そんな数あるプロダクトの企画・マーケティングを一手に担っている組織が、Product Planning Division(以下、PPD)です。

今回から、そんなプロダクト企画部門であるPPD特集をスタート。PPDで働く社員が担っている役割や業務内容、チームの特色などを職種ごとに紹介していきます。

第1回となる当記事で取り上げるのは、プロダクトマネージャー。BtoCサービスのプロダクトマネージャーを務める3名の社員が、GAグループにおけるプロダクトマネージャーとしての働き方を語りました。

最新情報はこちらのTwitterをチェックしてみてくださいね。

PROFILE

野浪 義也
2007年、中国大連にてNHNに入社。検索サイト「NAVER」のデータベース構築や企画業務等に携わる。帰国後、携帯コンテンツ、3DCG、UIデザイン・開発案件のセールス及びディレクターを経て2017年からGAテクノロジーズに入社。不動産投資オーナー向けアプリのプロダクトマネージャーを担当。
平田 貴朗
2008年、エムティーアイに新卒入社。Webディレクターとしてデコメール事業に携わった後、レコチョクで音楽アプリの企画・UIデザイン・マーケティング、某証券会社ではIT事業戦略室プロデューサーを務める。2018年にGAテクノロジーズに入社、現在はRENOSY Living事業のプロダクトマネージャーを担当。
松原 祐之介
2012年新卒で東急エージェンシーに入社。プロモーション局、デジタルコミュニケーション局にて大手クライアントのコミュニケーション企画やブランド立ち上げをサポートした後、2019年GAテクノロジーズへ入社。現在はプロダクト開発を通してリアルとWEBの統合的な顧客体験を創り出している。

GAグループのプロダクト企画部門とは

― 皆さんが所属しているプロダクト企画部門「PPD」とは、どのような組織なのでしょうか?

松原:PPDはProduct Planning Divisionの略で、GAグループが提供する各プロダクト企画やマーケティングを主務とする部署です。
各プロダクトの責任者を務めるプロダクトマネージャーを始め、マーケターやアナリスト、デザイナーやエンジニアといった多種多様な人材が集まり、各プロダクトの継続的な改善や新規プロダクトのリリースなどに取り組んでいます。

― そんな多様な人材が集まっているPPDの中で、プロダクトマネージャーはどのような役割を担っているのでしょうか?

野浪:大きく2つあります。1つ目は、プロダクト全体のマネジメント。2つ目は、各種機能の企画設計です。
GAグループやRENOSY(※1)が掲げているVISIONを達成するために、各プロダクトがあるべき姿を定め、そこに至るまでのロードマップを描くこと。
そして、そのロードマップに沿って各機能を企画し、要件定義し、ワイヤーフレームを書いてリリースまで持っていくこと。それが僕たちプロダクトマネージャーの仕事です。

(※1)GAテクノロジーズグループが運営する不動産テック総合ブランド。https://www.renosy.com/


― GAグループには社内基幹システムも含めると30近くのプロダクトがありますが、その一つひとつにプロダクトマネージャーがいるのですか?

野浪:はい、基本的には各プロダクトにプロダクトマネージャーがいます。ただ、プロダクト数が多いので、複数のプロダクトを兼務することもあれば、プロダクトを開発しているエンジニアがプロダクトマネージャーを兼務している場合もあります。
ちなみに、僕はOWNR by RENOSYという不動産オーナー様向けの資産管理アプリのプロダクトマネージャーをしています。

平田:僕は居住用、松原さんは不動産投資のプロダクトを担当しています。
もう少し詳しくお伝えすると、RENOSYにはRENOSY iBuyer事業という不動産の買取再販(※2)事業と、RENOSY Living事業という実際に住むための不動産事業があります。
その中でも、自分はモダンスタンダードRENOSY スマート売却というRENOSY Living事業に関するプロダクト全般のプロダクトマネージャーを務めていて、松原さんはRENOSY iBuyer事業の不動産投資プロダクトであるRENOSY ASSET マンション投資のプロダクトマネージャーになります。

(※2) 不動産会社が売主様から物件を買い取り、自社が売主となって買主様に物件を再販するビジネスモデル


目指すは、不動産業界のAmazon

― 業務について詳しくお聞きする前に、前提となる部分についてお聞きします。皆さんがプロダクトマネージャーを務める「RENOSY」とは、どういう事業なのでしょうか?

松原:RENOSYは、GAグループが運営する不動産テック総合ブランドです。不動産を借りる・貸す・買う・売る・投資するという不動産業界における全ての体験を提供しています。
代表の樋口もよく話してますが、目指している姿は不動産業界のAmazonのような存在です。Amazonは購入ボタンを押せば、早くて当日中に商品が届くという顧客体験を提供していますが、それはAmazonが単なるECサイトではなく自前で物流システムまで持っているからです。僕たちは不動産取引においてそれと同様に自前で全ての機能を持つことで、新たな顧客体験を提供することを目指しています。
例えば、不動産を借りようとした場合。今だとポータルサイトから物件を探して、不動産会社に足を運び、お部屋の内見をして、たくさんの書類に記入するというやり取りをしないといけません。そのようにお部屋を借りるまでの工程が複雑になっているのも、探す・内見する・申し込む・契約するという各サービスを提供している会社が別々だからです。
それに対して、GAグループは物件を探すところから契約後のアフターフォローまでワンストップで提供しています。それによって顧客体験の改善を図るとともに、将来的にはRENOSYでお部屋を探し、入居するというボタンを押すだけで明日から入居できる。そんな世界を実現しようとしています。

野浪:不動産取引をワンクリックで、という世界観ですよね。
ワンクリックって象徴的でわかりやすいと思うんですが、僕たちのやるべきことはワンクリックに至るまでのプロセスを変えていくことだと思っています。
Amazonは氏名や住所、支払方法といった基本情報を入力するだけで商品を購入できる準備が整います。それに加え、顧客ごとのデータを元にオススメの商品の提案などを行ったり、今までの購入履歴を一覧で確認できるようにしています。
そういった体験を不動産業界で提供しようとしても、障壁となる業界的な慣習があるため、顧客情報を入力してもらうだけで不動産取引ができるようにはなりません。僕たちがやるべきことはそういった障壁となる業界的な課題を解決するとともに、プロダクトの改善を続けること。そこに対して愚直に取り組み続けることが、より良い顧客体験を提供できる状態を作り上げることに繋がると思っています。

― 解決すべき業界の課題にはどのようなものがありますか?

松原:アナログさと分業制ですね。
1つ目のアナログさですが、不動産業界は未だに電話やファックス・郵便が現役で使われている業界です。顧客や物件の情報なども書類で保管しているケースが多いため、業者間の情報連携も煩雑となっており、結果的に顧客の体験もアナログなままという状況が続いています。
そして2つ目が分業制です。先ほどもお話しした通り、不動産取引ではお部屋を借りるだけでもポータルサイト、賃貸仲介会社、管理会社、保証会社、という多くの会社が関わってきます。顧客からするとやり取りをする会社が複数になるため、物件を探し始めてから契約するまでにかなりの手間がかかります。さらに、各会社間の情報連携もアナログなため、対応はどうしても遅くなりがちで結果的に顧客体験が悪化していました。


― その2つの課題にGAグループとしてどのような対応をしているのでしょうか?

松原:1つ目のアナログさに対しては自社でエンジニアを雇用し、顧客体験だけでなく社内の業務プロセスのオンライン化も進めています。いくつもの社内システムを内製することで、スタッフの生産性向上を実現しています。
また2つ目の分業制に関しては、自社でメディアから仲介会社、管理会社、保証会社といった全ての機能を整えることによって、物件を探すところから契約まで一気通貫で顧客対応できるような体制を整備しています。
不動産テックは最近流行りの業態になりつつあると思っているのですが、その中でも主流なのが分業化されている一部分だけを最適化するサービスです。そんな中で、僕たちは賃貸という一つの領域をとっても、物件探しから契約まで一気通貫で提供していますし、賃貸だけでなく購入や売却・投資といったその他の体験も同様に自社で提供しています。
この不動産コングロマリットというのか、マルチ不動産テックというのか。不動産業界の体験全てを変えようとしているのは、不動産テック企業の中でも唯一の存在だと思います。

平田:RENOSYのサイトに来たら不動産に関するあらゆるサービスを受けることができ、なおかつ、これまでのような煩雑な手続きは一切必要なく、物件を探すところから契約までシームレスな体験を受けることができる。それって最高の顧客体験だと思いますし、自分も一顧客としてそんなサービスがあったら使いたいと思います。

顧客体験だけでなく、社員の体験までプランニングする

― GAグループのプロダクトマネージャーの強みや特徴は何だと思いますか?

松原:各プロダクトの企画をするにあたって、顧客の体験だけではなく、プロダクトの裏側にいるセールスやカスタマーサクセスといった現場社員の業務プロセスからプランニングすることができるところですね。
先ほどもお話しした通り不動産業界はまだまだアナログで、不動産会社側のアナログさゆえに、顧客体験を向上できるポテンシャルが非常に多くあります。そのためにも、ウェブやアプリのUIや機能改善という「表側」の作り込みももちろん大切ではありますが、その「裏側」のアナログな業務プロセスを改善していくことも顧客体験を向上させるためには重要になってきます。
顧客目線での改善だけでなく、そういった現場社員の目線での改善等も必要になってくるため、考えるべきことは非常に複雑かつ難しくなりますが、個人的にはそこが凄く面白いと思っています。

野浪:そうですね。僕もプロダクトを改善していく上で、常に顧客目線での使いやすさと、社員目線での使いやすさを意識しています。
ただ、僕たちは現場の業務について100%理解することができているわけではないので、各プロダクトごとに不動産取引の現場で働いているセールスやカスタマーサクセスのメンバーに協力してもらい、常に何がベストかを議論しながらプロダクトの改善や業務の改善を進めています。

― プロダクトの企画や開発、改善をしていく上で、現場で働く社員との連携やプロダクトの開発をしているエンジニアとの連携は必須だと思います。そういった関係者が多い中で円滑に企画開発を進めるために、工夫していることや意識していることはありますか?

野浪:密にコミュニケーションを取ることですね。関係者を集めた会議は必要に応じて何度もやってますし、Slackチャンネルは基本的にオープンかつ関係者が全員揃っているので、自分たちが思っていることは随時チャットで全体に共有し、気軽にフィードバックを貰える体制を整えています。
また、自分たちが企画していること、思っていることを正しく理解してもらうために、各関係者への説明はできるだけ丁寧に行なっています。例えば、新しい機能を追加したいとなった場合、関係者を集めて仕様の説明会を開き、「どうしてこれをやりたいのか」「これをやることによって何が実現できるのか」といった説明を行なっています。

平田:その他には、現場の業務や法的な知識について理解を深めるために、セールスに同行して訪問査定や物件の内見に行ったり、商談のロールプレイを体験させてもらっています。そうすることでセールスのメンバーが普段どのようにお客様と接しているのかを身をもって学んでいます。

松原:あとは宅建(※3)ですかね。不動産業界は法律への理解が非常に重要な業界であり、プロダクトや機能を企画する際も法律の知識は必要不可欠です。
もちろん細かい部分に関しては現場の社員や法務に確認を取っていますが、そこを完全に他人任せにはせず、宅建の勉強をすることによって不動産取引に関する全般的な知識を学ぶようにしてます。

(※3)宅地建物取引士の略称。宅地建物取引業法にて、不動産業を営む会社は社員の5人に1人の割合で、専任の宅地建物取引士を設置することが義務付けられている。

― GAには不動産投資物件を購入している社員や、住宅を購入してリノベーションをした社員など、自社のプロダクトを利用している人がいます。プロダクトを改善していく上で、そういった社員との連携はあるのでしょうか?

松原:僕は自分自身が不動産投資をやっているので、自分が使いたいと思えるようなプロダクトを作っているという面もありますね。
一顧客として使いづらい部分や、「こういう機能があれば良いのに」と思うところはまだまだ多いので、そういった点は積極的に共有するとともに企画にも活かしています。

野浪:OWNR by RENOSYの場合は、投資物件を所有している社員にプロダクトオーナーという形でチームに入ってもらい、定例等で常に意見交換をしています。僕たちが仮説をたて、企画したアイデアにフィードバックをもらうこともあれば、「こういう機能が欲しい」と提案してもらうことも多いですね。
あとは頻繁ではないですが、カスタマーサクセスの社員とともにお客様のもとを訪問し、直接ご意見を伺うこともあります。


GA、そしてRENOSYが掲げるVISION達成のために

― プロダクトマネージャーをやっていて感じるやりがいや面白さを教えてください。

野浪:スピード感と決裁権ですね。特に意思決定のスピードは驚くほど早いです。「こういうことをやりたいと思っているんですが…」と企画の提案をしたら、すぐに「わかった。で、それはいつできるの?」みたいな。
だから、自分が考えていることが実現できなかったり、意思決定のスピードが遅いという辛さは全くないんですよね。むしろプロダクトを丸ごと自分ごと化して企画し、どうやったらそれを実現できるかという道を切り開いていく必要があるのが難しいところでもあり、充実しているところだと感じてます。
企画からプロダクトへの落とし込みまで全てを任されているがゆえに、自分で動かないことには何も生まれないので、最初から最後までオーナーシップとスピード感を持って進めること。それを常に意識して仕事をしています。

平田:僕はずっと事業会社にいたのですが、これまでの会社とGAを比較するとスピード感はGAが圧倒的だと思いますね。
経営陣の意思決定速度が早いという理由もありますが、それに加えて、内製で開発体制を整えていることや、PPD内で企画から開発まで推進できる体制が整っていること。そういったプロダクト周りの組織体制がかなり充実しているので、圧倒的な速度でプロダクトのリリースや改善を進めることができています。

松原:それは間違いないですね。PPDには基本的に外注をしないという方針があるので、部署内にUI・UXのデザイナーもいれば、フロントエンドのエンジニアもいますし、広告運用を担当する人もいればSEOやコンテンツマーケティングをやっている社員もいる。職種ごとで見ると一長一短あり、当然できることできないことがあるのですが、いろんなバックグラウンドを持つ人が集まることによって、その足りない部分を補い合うことができています。
その多様性がPPDという組織の面白いところであり、そのおかげで非常に強いチームができていると思っています。

平田:そういったメンバーと働いていてやりがいに感じるのは、VISIONや高い目標に向き合う一体感ですね。「世界のトップ企業を創る。」というGAのVISIONを見るだけでこの会社がどれだけ壮大な目標を掲げているのかわかると思うんですが、会社のVISIONだけでなく各部署や各プロダクトが掲げている目標も相応に高いものばかりです。
ただ、その高い目標に対してできない理由を考えることはなく、どうしたらそれを実現することができるか考え抜くマインドを持っている人が多いんです。
そういう人たちと一緒になって、一見無理だと思ってしまうような壮大な目標に挑戦していくのは面白いですし、この企業風土はとても良いと思っています。これからも、先ほど野浪さんもおっしゃっていましたが、プロダクトを自分ごと化し、企画・実現していく集団でありたいですね。

― ありがとうございます。最後に、今後の目標や取り組んでいくことについて教えてください。

松原:各プロダクトごとにVISIONやロードマップを設定しているので、大前提それはしっかりと達成します。
その上で、僕が担当している不動産投資のプロダクトでは、うさんくさい・怪しいというマイナスなイメージを払拭したいですね。そういうイメージを覆すためには、どれだけお客様が納得できる情報を公開できるか。不動産投資全体の信頼回復というと大げさかもしれないですが、それがお客様からの信頼に繋がると思っています。
これまで公開されてこなかった情報をオープンにした結果、「不動産投資はやらない」という選択をするお客様が出てくるかもしれませんが、それはそれで良いと思っています。大切なのは、これまでお客様が知り得なかった情報を届けること。そこから、本当に良いと思ってもらえるかどうかはお客様の判断に委ねる。それがあるべき姿だと思っているので、そういった状態を作っていきたいですね。

野浪:OWNR by RENOSYでは、顧客体験と顧客満足度を高めることですね。
投資物件を購入してくださったお客様との一番密な接点がOWNR by RENOSYです。ありがたいことに毎日使ってくださっているお客様もいますが、まだまだお客様全員が毎日アプリを開き、「このアプリがあるから安心だ!」と思っていただけるというラインには届いていないと認識しています。
ですので、お客様の不安や悩みを解消できるような機能追加や、細部の改修を今後も引き続きやっていきたいと思っています。

平田:RENOSY Living事業は、圧倒的な業務効率化を進めていく必要があります。
創業事業であるRENOSY iBuyer事業は既にノウハウもかなり蓄積され、オンライン化が進んできています。しかし、RENOSY Living事業は、まだまだ社内でも整っておらずアナログな業務が多いので、そこの改善をしていく予定です。
あとはグループ会社であるモダンスタンダードをグロースさせていくことですね。これは今のメインミッションでもあります。すでにいくつかの施策を実施してはいますが、これからも引き続き改善施策の企画と実装を行い、最高の体験・プロダクトを作っていきたいと思っています。


※本記事は作成時点での情報を参考にしております。最新の情報と異なる場合がございますので、ご了承ください。

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