あるトップ営業パーソンは新人時代、いくら頑張っても1年間結果ゼロ。先輩のやり方を学び、営業のノウハウ本を読んだりしても、何が悪いのかわかりませんでした。どうしてなんだろう?自分は一生懸命やっているのだから、商品が悪い、担当地域に恵まれていないはず・・・と思い込んでいたある日、売れない同僚が同じように文句を言っているのを聞いて、ハッと気づいたそうです。「売れない理由を自分以外に探しては、いつまでたってもこの泥沼から抜け出せない」と。
「言い訳は売れない営業パーソンの特徴で、言い訳をしていることが、とてもかっこ悪いことだと気がついたんです」
不景気だから、商品が弱すぎる、会社や上司がわかってない……。こんな経験、誰にでもあるのではないでしょうか。これらは、確かに自分の力だけでは変えられないものです。でも、彼は言います。「世界一の商品を、最も安い価格で提供するなら、営業など必要ない。大体、最良の環境や文句のつけようがない条件のもとで仕事をできることなど、ほとんどありません。その度に文句を言っていても、何も事態は変わらないですよね」
「現実を変えたいのであれば、自分の手でコントロールできること、つまり『自律要因』は何かと考える必要がある」と言います。強制されるのでもなく、だれかが決めたルールに従うのでもなく、自分自身で思考と行動を決めて、自分なりのやり方を模索して、実行する。どんな環境にあってもできることは必ずあり、それを繰り返すことで、どんな環境でも対応できる人材になれるのではないでしょうか。