一時はトップの業績を挙げていた営業パーソン。自信満々で転職しましたが、新天地では当初、思った通りにはいきませんでした。
アポイントのキャンセル、電話をかけても出てくれない、着信拒否……そんなことが続いて打ちのめされ、車の中で1時間も泣き続けたことがあったそうです。しかし、先輩や同僚に『自分も同じ経験をしたよ』『お前が嫌われているわけじゃない』と言われて気を取り直し、『確かにそうだ。営業を受けるのが嫌だと思っているだけで、お客さまは自分を嫌っているのではない』と思い、泣いたり、『嫌われているかもしれない』と勝手に自分で考えることはないと思うようになりました。
そして、落ち込むのは自分らしくない、過去の自分はどうやって壁を乗り越えてきたのだろう・・・と思い起こしてみると、結局自分はずっと前に進みながら解決してきたのだ、と思い当たったのです。「諦めたら結果は出ない。ネガティブなことを考える前にまず動こう。前職のときを思い出して、とにかく仕事をしまくろう!と覚悟ができました」と、当時のことを思い返します。
そして幾多のスランプを乗り越えた今、自分なりに得た結論は、「つらい経験を乗り越えるために必要なのは、足を止めることなく動き続けること、お客さまに会い続けること」だと言います。
「車は、一度止めて、またエンジンをかけるとガソリンを食います。低速でも、ずっと走り続けるほうが燃費はいいですよね。人間も同じこと。一度立ち止まってしまうと、再び動き出すにはエネルギーが必要で、心身ともに消耗します。それよりは、たとえすぐに結果につながらなくても、人に会い続けること。動き続けることで、つらいと思うヒマもなくなる、多くの可能性に出会える。私も数多くの人に会い続けるうちに、いいことがたくさんありましたし、断られても『別に大したことじゃない』と思えるようになりました。まずは余計なことを考えずに、とりあえず行動することです。どうしても考えなければならないときは、行動しながら考えればいいんです」