ある金曜の夕方…たしか、17時を過ぎた頃だったような気がします。一本の内線がかかってきました。会ったこともない、顔も思い浮かばない、支社長のYさんからでした。
「週明けから○○支社へ異動になりました。初日までに全員の顔と名前を覚えて、支社のみんなを驚かせたいから、顔写真の一覧をもらえませんか?」という内容。
このタイミングで!?と思いつつも、その優しげな口調と、異動先のメンバーへ温かなサプライズを準備する様子に、「この人はきっとすごい人だ」と電話越しに感じました。そして、会ったこともない、顔も思い浮かばない相手にも関わらず、その瞬間の感動がずっと忘れられずにいました。
それから4〜5年経ったころ、Yさんと対面する機会を得た私は、このお話を思い切って打ち明けました。すると、「覚えているよ。あの時の電話の子なんだね。そんなこと覚えていてくれて嬉しい。」と言ってくれました。
電話の声や写真で見る顔の印象よりも、さらに、素敵な温かな人でした。
送った顔写真の一覧の活用度はというと・・・古い写真も多く、「実物と違っていて、わからない人が多かった」とのことです(笑)。
サプライズが成功することも大切だったかもしれませんが、こんな支社長にマネジメントしてもらえるメンバーは幸せだろうと思います。
その後さらに別の支社へ異動したYさんですが、その支社に所属するライフプランナーに支社の様子を尋ねたことがあります。
「ずば抜けた業績のライフプランナーがいるわけではないけれど、みんなで業績を底上げしている。昔に比べて雰囲気も良くなった。何がすごいって・・・Yさんがすごい。何かわからないけど、とにかくすごい。」
その存在感は、簡単に言葉で表せるものではないのです。