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スタッフインタビューvol. 75「ありのままで場に立つ」

元気でエネルギッシュな場をつくる、非常勤ファシリテーターのココア(佐藤綾子)。ココアが大切にしている人、場のあり方とは。

プロジェクトアドベンチャーとの出会い

8年ほど前に受けた研修プログラムの一部に、ロープスコースのハイエレメントがありました。高いところに登るときに、体にクッとスイッチが入る感覚を実感できました。

実際に恐れを乗り越えながら、「パンパーポール(高さ8mの丸太の上に立つアクティビティ)」に登っていって、ポールの上に立ったとき、すごく眺めが良くて、「私最高〜」と炸裂した感じでした(笑)。いままでに知らなかった自分が開花されるという体感覚がすごかったです。自分は思っているよりも大きな存在なんだということが根付いたような感じがしました。

「ジャイアントラダー(高さ8mの巨大なハシゴを登っていくアクティビティ)」では男性とペアで挑戦しました。私が先に登って、彼を持ち上げるという作戦だったのですが、「オレもう登れない」と言われたときに、「何いってんだこのやろー!」と言って、すごい力で引き上げたんです(笑)。それは自分のために頑張るというよりも、相手を呼び覚ます、諦めそうになっている誰かのために自分でも驚くくらいのちからが湧き出すという体験でした。

そういう体験を通して、その後、研修講師として場に立つときも、自分が揺らがない感覚や、参加者に全力で関わる、全身全霊で自分のちからを使うというのはこういうことかということが頭ではなく体に落ちました。こういうプログラムを提供する側に立ちたいと思ってPAの講習会を受けました。

人材教育の道

もともとはマスコミ業界で働いており、人材育成の領域に興味があったわけではないのですが、紹介で入社したベンチャーの人材コンサルで、モチベーションアップやコーチングを専門としている講師のアシスタントになりました。そこから私もキャリアカウンセリングやコーチングを学ぶようになりました。

アシスタントとして研修運営のサポートをしているときに、参加者が気づきを得て変わっていく姿を見てきました。元気がなかった人がモチベーションを取り戻したり、前向きな未来へ一歩踏み出していく様子を見ながら、人間観が変わっていきました。

人は気づきのきっかけがあると、こんな風に変わっていって、自分の可能性を信じて前に向かって、未来に向かって歩みだすことができるんだということを、間近で見るうちに、人材育成の仕事のおもしろさに引き込まれていきました。

そのままの自分でいる

等身大の自分でいるということを、場づくりでも大事にしています。参加者の皆さんにも素のままでいて欲しいです。

その場にいるみんなが、そのままの自分でいられるために大事にしていることは、一人ひとりを尊重することです。「私はあなたがいてくれてありがたいと思っている」「誰一人、不必要な人はいない」「みんながいてくれてこの場がある」ということを伝えています。

私がグループをどうこうしようとするのではなく、私は触媒であり、きっかけを与える存在で、器でいるように心がけています。みんなには自由に関わってもらったり、繋がり合ってもらうことを大事にしています。

一人ひとりがユニーク

コーチングのトレーニングの一貫で、インプロビゼーション(即興演劇)に出会いました。即興演劇では台本がないため、相手とともにその場からシーンを作り出す力が求められます。その力を鍛えるために様々なインプロゲームがあるのですが、とても奥が深くておもしろいんです。ファシリテーションやコーチングに活かせる力を磨けるものだと感じたので、数年間インプロゲームの勉強会を主催していました。

即興的に、他者と協働しながら取り組んでいくようなゲームなのですが、自分の行動や思考のクセがすごく出るんです。「こういうときには他者に譲ってしまうんだな」「自分の思い通りにいかないときにイラついてしまうんだ」「面白くないと放棄してしまうのか」というような自分の傾向が瞬時に、如実にあらわれて、ごまかせません。

ゲームをしていると、自分自身についてたくさんの気づきが生まれます。そして、自分とは全く違う考え方や動きをする他者の存在からもたくさんの影響を受けます。

インプロや即興演劇というと、「一発芸や面白いことをやること」「恥ずかしいことをやること」というイメージを持たれることも多いのですが、実は本来はそういうわけではないんです。インプロビゼーションの根底にある考え方に、「Good Nature」というものがあります。そのままの、ありのままの自分でいるだけで十分ユニークである、という考え方です。奇をてらったり何かを無理やり演じるのではなく、本当の自分の本質を出すことが大事、という考え方なので、PAと共通する部分があると思います。

人とのコラボレーションの中で思いもしなかったものが生まれていくので、予期できない面白さがあります。人生も予期できないことばかりですよね。それをいかに面白がれるかが大切ですね。

素のままで

PAだろうが、他の研修であろうが、素のままでいることを大事にしています。ファシリテーターのあり方は、場に大きな影響を及ぼすことを自覚したうえで、今は地に足をつけて場に立っていられている気がします。もちろん、経験も大きいかもしれません。

「場」は参加者にとっても、ファシリテーターにとっても一回きりなので、その場に全身全霊で向き合う覚悟が決まってきたと思います。うまくやれるかどうかではなく、この「場」で本気でやれるかどうか、できる精一杯をやる!いまここにいる!という潔さみたいなところが出てきました。

メガネを外して見る

よく「ココアさんはポジティブですね!」と言われるのですが、私自身はネガティブだった時代もあります(笑)。でも、いろいろな経験や学びを通して「物事の捉え方は自分次第なのだ」と気づきました。物事の一つひとつにいい悪いはなくて、その物事にどう意味づけるかによって捉え方は全然違ってきます。

何かが起きたときに「これは私が勝手にネガティブと捉えているだけだ」と気づいて、捉え方のメガネを取り替えたら成長のチャンスになります。

人生は一度きりなので、物事を悲観的にみていたらもったいないので、せっかくなら私にとって役に立つ、力になる物事の見方をしようと思っています。

何かが起きたときに「これは私が勝手にネガティブと捉えているだけだ」と気づいて、捉え方のメガネを取り替えたら成長のチャンスになります。

メガネについていた赤いセロファンを剥がしてみたら、全然違う世界に出会えるということに気づけるようになりました。物事を悲観的にみていたらもったいないですよね。

人の成長や変化を支援する仕事に携わらせていただいていますが、研修の場で参加者の皆さんに投げかけるコメントは、全て自分にもブーメランのようにかえってきます。「私はどうなんだ?」と問われます。

そうやって内省しながら、私自身も成長や進化の途中です。それは成長や進化というより、本来の自分に戻ってきているような感じのほうが近いかもしれません。

昔はかなり鼻息が荒かったのですが、年齢を重ねるにつれ、だいぶ肩の力が抜けてきて、余計なものが剥がれていく感じがしています。

(20190705)

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