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目指すは次のステージ ~コネクティッドサービス開発の裏側~

東京の中目黒。昨今メディアでも取り上げられる機会が増えている自動車業界の変革であるが、その変革を表すキーワード「CASE[1]」の一角であるConnected領域の開発において、少なからぬ存在感を放つチームがある。規模は小さいながらも少数精鋭部隊として活動するこのチームでは、国内外を問わずコネクティッドカー[2]にまつわるあらゆるサービスの システム開発を一手に担っている。今回はそんなコネクティッドサービス開発において、バックエンドやWebフロントエンドを中心に開発を担当しているチームから話を聞いた。

[1] Connected(コネクティッド)、Autonomous(自動運転)、Shared(シェアリング)、Electric(電動化)の4領域の総称

[2] インターネットに常時接続することにより、従来とは異なる運転体験の提供が可能となる自動車

[3] https://www3.nissan.co.jp/connect.html

※新型コロナウィルス感染拡大防止対策に十分配慮して撮影を行っております。

幅広い開発分野

―何を開発しているのかを教えてください

大きく分けて3つあります。まず1つ目としては、「NissanConnect[3]」の開発になります。「NissanConnect」は、日産の自動車に搭載されるネットワーク接続機能を使って、様々なサービスをお客様に提供しているプロダクトです。例えば、家にいながらスマホでルート設定→移動中はカーナビ→降車後はスマホで誘導を実現する「ドアtoドア ナビ」や、スマホアプリで事前にエアコンをONにし、快適な状態でのドライブ開始を実現する「乗る前エアコン」などがあります。さらに、AmazonのAlexaやGoogleアシスタントといった、いわゆるボイスアシスタントからのアクセスも可能にしており、これらのサービスを実現するためのクラウド上にあるサーバーサイドシステムの開発を行っています。

2つ目として、「NissanConnect」のデモシステムの開発を行っています。これは、日産の自動車を販売してくださっているディーラーさんにおける販売促進のための仕組みとして、「NissanConnect」のサービスやその魅力を、販売員の方が直接お客様との商談の場で伝えることを目的としています。

最後に3つ目として、モビリティサービス領域のPoCにも取り組んでいます。こちらについては、ソフトウェア×自動車という観点から、新たな価値やサービスの創造に挑戦しています。この新たな挑戦の中で、Webやネイティブアプリケーションの開発だけではなく、いわゆる”車がどういう仕組みで動いているのか” ということを理解した上で、我々の活動の範囲を広げながら貢献していくことになります。技術検証の観点で自動車 のシステムの中にまで踏み込める可能性がある環境になっているというのも、面白いところかなと思います。


アジャイルとウォーターフォールの融合

―どのように開発を進めているのかを教えてください

それぞれのプロジェクト毎に特徴があるので一概には言えませんが、まずチーム内におけるメンバーの仕事のやり方としては、アジャイル開発をベースにしています。多くのプロジェクトではスクラムをベースにしつつ、スクラムでやるべきこととして定義されているものの中から我々にとって有用なプラクティスのみを選びつつ取り組むというスタイルで進めています。だいたい1-2週間を1スプリントという開発期間として定義し、その期間においてどんなタスクにどんな優先順位で取り組むかということをスプリントの最初に決定し、デイリーで状況を共有しつつ、スプリントの終盤ではそのスプリント内での成果や改善点を確認し、次のスプリントに移行するといったやり方で進めています。ただ、自動車と関連する「NissanConnect」の開発においては、自動車そのものの開発プロジェクトに大きなマイルストーンがあり、そちらはウォーターフォール型で進んでいますので、その中でのテストスケジュール等とは足並みを揃える必要があります。つまり、このような自動車開発の大きな流れとチーム内での開発の流れとで異なる考えがありつつも、それらを上手く融合させながら開発を進めているイメージでしょうか。


既存分野の開発と新たな分野への挑戦

―具体的にはどのようなプロジェクトがあるのでしょうか

日産は現在、ルノーとアライアンスを組んでおり、両社にて積極的に共通化を行っています。クラウド環境においてもその考えをベースにコネクティッドのシステム基盤を作り上げていますが、こちらについてはセキュリティなどを含めたレベルを一定に保つ長所があり、また効率的です。ただ、各社提供したいサービス、国ごとの法規対応やUXなどは、多少の違いがあるのが必然です。そのため、その違いを吸収しユーザーへサービス提供を進める部隊の最前線にいるチームの1つが我々のチームです。コネクティッドサービスは既にサービス提供が始まっているため、我々は新規サービス開発やサービス改善作業といった活動を中心に行っていますが、基本的に国内向けのサービスなので国内部署とのやり取りが中心になります。その一方で商用環境の運用にも並行して取り組んでいるのですが、こちらに関してはRNTBCI(Renault Nissan Technology & Business Centre India )チームに協力していただきながら24時間365日体制でサービスの監視や障害対応を行っているため、インド側のチームとのやり取りも行っています。

またPoCに関しては、日産生え抜きのエンジニアがもたらす自動車の電子電装ネットワークに関する知識と、Web//IT 業界からの参画者がもたらすクラウドやWeb に関する知識や開発能力を相互に活かしながら、車両の IoT としての Capability を最大限に活かした新しいサービスを実現することを念頭に置いた PoC を実施し、ビジネスチームへの提案活動を通して、コネクティッド系以外の領域にも活躍の場を広げていけないか模索しています。

―なぜPoCの開発を担当しているのでしょうか

我々の組織がPoCを担当しているのは、我々の中にWeb/IT企業などでアプリ/ソフトウェア開発・運営を経験した中途採用のメンバーが多く、ユーザー視点の仮説検証を行いサービスを構築する能力を有しているからです。またエンジニアとしても社員自らがコードを書きデプロイまで担当し、プロダクトの素早い価値検証を行うことができるのは社内でも非常に珍しく、我々の価値を発揮できる部分だと考えていますし、社内においてもそういったニーズの高まりを感じます。社会的にも徐々にCASEという言葉が浸透してきており、自動車メーカーとしても自動車そのもののスペック競争だけではなく、サービスを含めたユーザー体験の重要性が増してきています。そのような中で、我々はこれまでアプリケーションレイヤーを中心に担当しており、サービスのインフラストラクチャーのレイヤーまでは担当していませんでした。そのため、PoC関連の新しい価値・サービス創造の活動の中で、もっと早く社内のニーズに応える必要性があり、インフラのレイヤーに当たるパブリッククラウドが提供するサービスの選定を自分たちで行えることも重要であると感じています。そして、PoCといってもビジネス価値が認められれば本番へ昇格するため、しっかりとしたインフラやセキュリティの知識も必要となります。そのため、我々はそういった知識や経験を持つ方にも我々のチームへ興味を持ってもらいたいと思っています。


次なるステージを目指して

―最後に、挑戦を続けるチームにおける課題感について教えてください

これまでお話ししてきたように、我々は既にコネクティッドサービスの提供を行っており、日々そのサービスの改善に力を注いでいます。なぜなら、サービスを含めた日産の自動車に乗るという体験の価値が向上すれば、確実に日産のファンを増やしていけるからです。そのため、この現行サービスのさらなる価値向上に対しても引き続き注力し、様々なことに挑戦したいと考えています。そして、その延長線上としてまだ存在しないサービスの発見も同じく重要であり、エンジニアの我々が活躍できるチャンスが大いに広がっています。サービスの発見に関しては、まだ我々が想像もできないもので、技術的な守備範囲も分かりません。そのため、様々な経験や知識を持ち、自ら考え、周囲を巻き込みながらプロジェクトを推進することができるメンバーが不可欠になります。

我々はこれまで社内外で多くの実績を積み上げてきましたが、まだまだ発展途上であり、実現したいことに対しても道半ばの状況です。挑戦したいことは山程あるものの、現状の規模では手が回らないというのが、まさに我々が抱えている課題感です。今後、自動車はただの移動手段にとどまらず、ソフトウェアの力によりサービス領域を格段に広げていくことになります。技術の日産として自動車作りに確かな基盤がある環境で、次のステージに向けて我々が担う役割は非常に大きいと感じています。我々とともに次のステージを目指していただける方には、ぜひ飛び込んできて欲しいと思います。

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