大規模言語モデル(LLM)から始まる、AI経営革命|布川友也 | ログラスCEO
良い景気を作ろう。でおなじみのログラス布川です。 ログラスは経営管理クラウドというサービスを展開しており、企業様の最重要な経営情報を取り扱うBtoB SaaSを提供・開発しています。 2023年3月に話題になっているChatGPTやBing AI等の裏側はLLMという技術によって支えられています。 ...
https://note.com/loglass_fukawa/n/n2b383758abc8
この記事は弊社CEO布川が投稿したものになります。
良い景気を作ろう。でおなじみのログラス布川です。
ログラスは経営管理クラウドというサービスを展開しており、企業様の最重要な経営情報を取り扱うBtoB SaaSを提供・開発しています。
2023年3月に話題になっているChatGPTやBing AI等の裏側はLLMという技術によって支えられています。
本稿では、「大規模言語モデル(LLM)から始まる、AI経営革命」と称して、ログラスがお客様とするCFO・経営企画の業務がどう変わるか?そして、ログラスがそこにどう立ち向かっていくか?を記述します。
結論、最高にワクワクするぞ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!という話です。
2023年3月14日、OpenAIが最新の大規模言語モデル(LLM)であるGPT-4を発表しました。GPT-4は、テキストだけでなく画像も入力として受け付けるマルチモーダルなモデルであり、人間レベルの性能をさまざまな専門分野や学術分野で示しました。例えば、司法試験やSATなどの人間向けの試験で高得点を取ったり、画像から文章を生成したりすることができます。
正直、めちゃくちゃ驚きました・・・ナニコレ、世界変わるじゃん・・・。
自分が経営をする中でずっと考えていた点という点がキレイにつながった感覚でした。
引用:アオアシ|小林有吾(https://alu.jp/series/アオアシ/crop/bsA1fI1f34y8QIpjyiM4)
GPT-4の登場によって、世界はどう変わるのでしょうか?私たちはどんな可能性や課題に直面するのでしょうか?BingAIやChatGPTは、今はまだ非営利の範疇で使われているに過ぎないと思っている人が大半でしょう。しかし、この革命がもたらす変化の大きさに気が付いている人達は今、昼夜を問わず熱狂的にこの革命に参加しています。日々新たな技術が生まれ、拡張され続けています。私もまさにその一人です。
まず、GPT-4は自然言語処理(NLP)やコンピュータビジョン(CV)といったAI分野において、新たな基準や水準を打ち立てました。これまでは別々に扱われてきたテキストや画像といったデータを統合的に処理することで、より豊富かつ正確な情報や知識を提供することが可能になります。また、人間が行ってきた複雑かつ高度なタスクもAIが代行することが可能になります。
今までのAIと言えば、AlphaGoのような「完全情報ゲーム」において無類の強さを発揮していた印象です。
参照:Artificial intelligence: Google's AlphaGo beats Go master Lee Se-dol|https://www.bbc.com/news/technology-35785875
トップ棋士がAlphaGoに3連敗した時、これがシンギュラリティか!?!?と思った人も多かったと思いますが、これはまだまだ完全情報ゲームという世界に閉じた話だったため、現実世界の高度な推論や複雑な命令に対して対応することはできない状況でした。人間>AIという状況は依然として変わらない状況だったと思います。
しかし、今回のGPT-4の登場はビジネスや教育といった社会領域においても大きなインパクトを与えることが予想されます。
例えば、MicrosoftはWordやExcelなどのOffice製品にGPT-4を搭載した「Microsoft 365 Copilot」を発表しました。
参照:Introducing Microsoft 365 Copilot | Your Copilot for Work | https://www.youtube.com/watch?v=S7xTBa93TX8&t
これは、文書作成や表計算などの作業をAIが支援する機能であり、もう意味が分からないぐらい凄い世界が目の前まで迫っています。
自然言語で複雑かつ大規模なモデルを全ての人が違和感なく操ることができ、単純作業だけでなく、複雑な命令も瞬時にAIが理解し、問題を解くことができるようになります。
繰り返しではありますが、
のです。これもう超ハイスペックな人間じゃね!?という感じですよね・・・
そしてこれは、複雑な情報の組み合わせで意思決定をしている経営やCFOや経営企画といった高度人材におけるイノベーションを生み出す技術に他ならないでしょう。
先日、ZDNET Japan様に「CPMこそDXプロジェクトが行き着く“ラストワンピース”である理由」という寄稿をさせていただきました。
GPT-4によって飛躍的な性能向上が実現し、Generative AIやLLMのような技術は今後ビジネス分野においても大きなインパクトを与えることが予想されますが、特にCFOや経営企画といった経営管理のポジションにはどのような影響があるでしょうか?
まず、今の業務構造を理解しましょう。今までは経営者やCFOといったエグゼクティブの自然言語による指示を受けとめた経営企画といった優秀人材が、様々なアウトプットを出すという構造になっていました。しかし、今後は経営の意思をプロンプトエンジニアがGenerative AIに反映し、欲しいアウトプットを生成するといった世界に変化します。GPT-4の登場により、この世界線への蓋然性が飛躍的に上がったと言えるでしょう。
断言しますが、CFO・経営企画の仕事は劇的に変わります。
まずは、以下のThe Future of Work With AI-Microsoft March 2023 Eventの動画を見てください。
経営企画を務めていた5年前から、大きな課題を感じ、あらゆる既存のサービスを研究し尽くし、ついには起業までして解決に取り組んできた私にとって、この動画は本当に衝撃的でした。
ExcelのCopilot機能を利用して、トレンド分析を高速で行い、Rowデータから人間が解釈できる範囲を超えたような示唆を出すことができます。
参照:The Future of Work With AI-Microsoft March 2023 Event | https://youtu.be/Bf-dbS9CcRU
さらに、Excel上に簡単なモデルの生成も行うことができます。現時点ではデータの探索、カテゴライズがメインですが、Excel上で計算式を自然言語で指示して構築しながら財務モデリングができるといった世界観も十分に実現可能でしょう。
参照:The Future of Work With AI-Microsoft March 2023 Event | https://youtu.be/Bf-dbS9CcRU
こうしたイノベーションにより、AIはCFOや経営企画の役割そのものを変化させます。
例えば、単なる数字管理者ではなく、「データドリブン」な意思決定者や「ストーリーテラー」なコミュニケーターへと変わる可能性があります。また、「ビジネスパートナー」として他部門と連携し、「イノベーションリーダー」として新規事業やデジタル変革を推進する役割としてさらに注目されていくことが想定されます。他職種と比較して、圧倒的に広く部門を横断し、大規模に投資判断ができるCFO・経営企画はDXの起点になっていきます。
AIはCFOや経営企画の仕事に影響を与えることはありますが、それは必ずしも否定的なものではありません。むしろ、AIと協働することで、CFOや経営企画は自分の能力や価値を高めることができます。
そして、今まで以上に国語力と検証改善能力が試される世の中になるでしょう。まさにプロンプトエンジニアリングの世界で求められているような、適切な問いをAIに投げかけることができ、その結果を正しく検証できることが最も重要なビジネススキルとなっていきます。
この流れに近い話として、2022年7月には私自身のnoteで、「CFO・経営企画がDXのリーダーとなる」という未来図を描き、以下のようなことを述べていました。
2050年には、「パソコンのOS」や「プログラミング言語のフレームワーク」のように様々な経営フレームワークを簡単に取り入れた組織運営や経営推進が可能となり、Kaggleのように、予測モデリングをそれぞれの企業でインストール出来る世界が到来している。
まさに、経営フレームワークや予測モデルそのものが、オープンソース化し、全てのビジネスマンが経営フレームワークやアルゴリズムをアップグレードするための情報源となる時代が到来した。車輪の再発明は限りなく軽減され、経営とは即ちバリュープロポジション(提供価値)を考えること、という本質的なことに時間がより投下される世界にアップデートされた。
参照:https://note.com/loglass_fukawa/n/n48064a78f3de
まさに「全てのビジネスマンが経営フレームワークやアルゴリズムをアップグレードするための情報源となる時代」にLLMの技術は非常にマッチした概念であり、車輪の再発明をすることなくあらゆる経営の意思決定を学習するプラットフォームが生まれる未来はどんどん近づいてきています。
2023年のAIの圧倒的な進化と民主化の加速を鑑みるに、この世界は5年で実現する。いや、ログラスが実現するべきだと強く考えるようになりました。
私たちログラスは「経営管理クラウド」を提供しています。これは、社内に散らばる予算、見込み、実績、KPIなどのデータを一元化し、全ての経営管理プロセスを効率化し、意思決定を支援するサービスです。
私たちはこのサービスにGPT-4を中心としたLLM等のAI技術を組み合わせることで、「経営革命」を起こすことができると考えています。
具体的には以下のような流れに進化していきます。
①ExcelやGoogle SpreadSheetに実装されていくCopilotを活用して、各部署がより簡単に表計算システム上で予算策定を行い、その結果をDBに集約・整形/ログ管理するプロセスをLoglassで支援
②ERP、SFAといった基幹システムからのデータを分析に最適なデータセットに変換して取込みを行い、表計算ソフトで表現したデータも全社で統合していく
③統合されたデータアセットに対する情報付加や分析を自然言語で指示する
ーー例えば「石油価格の高騰を売上に織り込んでシミュレーションして」といった指示をLoglassに対して出せば、従来のKPIシミュレーションの処理を一切していなくてもデータを変更することができる
④取り込まれた予算や見込、実績に対して外部データの影響度を反映し、より精緻な着地予測を算出し、競合他社の上場企業の有価証券報告書や10-Kの内容を網羅的に分析して経営判断材料を用意していく
⑤用意された材料をベースに毎月Loglassと経営陣が自然言語で対話することによって、予算モデルの実現可能性を検証し続け、投資判断タイミングを前倒し、最適化していく
⑥企業経営における売上成長能力と利益創出能力を圧倒的に引き上げ、良い景気を作ることにプロダクトそのものが貢献していく未来を創出する
AI×Loglassの未来イメージ
私たちログラスは、AIとプロダクトの組み合わせによる「経営革命」の実現に向けて、全身全霊で取り組んでいきます。2023年は、ログラスが時価総額10兆円を超えるポテンシャルに飛躍するチャンスの年であると強く確信しています。T2D3といった、単なる成長ゲームを超えた、非連続な未来に向かって走り始めます。
ログラスはAI活用に圧倒的な投資を行っていきます。LLM等のモデル開発側に回る可能性は現時点では低いですが、APIを活用した上でのモデルのファインチューニングとユーザーエクスペリエンスの研究に大規模に投資していきます。
具体的には既に決定したレベルだけでも、以下のような投資を行っていきます。
そして、本意思決定を反映した5年単位のプロダクトビジョンを、CTOの坂本より近日発表予定です。
単にキャッシュ面、人材面の投資を行うだけでなく、ビジョンレベルでログラスはAIの活用を想定したチャレンジを大規模に行っていきます。
前述の通り2024年にかけて、エンジニア組織に大きな裁量を渡し、エンジニアリソースの最大5割をAI関連開発へ投資する意思決定をします。
AIやLLMを実務に活用していくにあたって、Loglassは企業の経営の過去・未来のデータが体系立って集まっている点でユニークです。
今まで学んだ機械学習の知見を、世の中の経営を変えるというチャレンジに是非活かしてください!!
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良い景気を作ろう!!!!