ーー 20歳でトップセラー。勢いに乗って21歳に独立。サービス開発もしたのですが…
僕が最初に起業に踏み切ったのは、21歳の時です。
大学へ進学せずに、特に何も目的もない中で生活をしていました。ただ、あるキッカケで、「どうせならもっとお金を稼ぎたい!」と20歳のときに通信系の営業会社に入社しました。もともと負けず嫌いでしたので、実績をあげることだけを考えて仕事をした結果、入社1ヶ月目からトップセールスになりました。それ以降、退職するまでの1年間は絶えずトップセールスでした。
「実績を出せたのだから個人事業主としても実績を出せるはず」と思い1年で退職。退職後は営業代行の仕事をしていました。そこそこうまくいっていたのですが、東日本大震災の影響で経営が難しくなり、その時に自分でWebサービスを立ち上げようと考えたのです。
それまで営業経験しか無いにも関わらず、「女子高校生向けのライブ配信サービス」を開発することにしたのです。
今で言うSHOWROOMや17Mediaと近しいサービスモデルを2010年頃にリリースしていました。今では当たり前の「投げ銭」機能もあり、当時は時代の最先端のサービスだったかと思います。当時はニコニコ生放送やツイキャスライブなどは存在していたのですが、投げ銭などがあるライブ配信サービスは少なかったです。今振り返ると、僕は先見の目があるなと思っています(笑)。ただ時代のニーズとはややアンマッチでした。
開発費用は先輩から借りていました。当時僕は知識がなくベンチャーキャピタルから資金調達をする、という発想もありませんでした。
サービス開発は苦労しました。開発は外注していたのですが、僕も知識がないので契約面で揉めることもありました。そんな中、時間はかかりましたが何とかサービスローンチができました。サービスリリースをすると、初月で100万円程度の売上があがり、粗利も40%ほど。オープンして4ヶ月くらいは好調でした。
この時は、事業の滑り出しも良く。良く働き良く遊んでいました。そんな時の一枚。
ただ、ここで事件が発生します。
類似サービスがネット規約違反をしてしまい、警察から摘発をされてしまいました。その影響で僕のサービスにも目をつけられてしまい、法律違反はしていないものの、サービス運営がしにくい環境になってしまいました。結果的にサービスをクローズせざるを得なくなったのです。
1回目の起業では、サービスを作る大変さを知り、サラリーマン時代に好成績を残していた自分が井の中の蛙だった事を痛感しました。
ーー 800万円の借金をどう返済しようか。逃げようか…いや頑張ろうと決心をした時期
ライブ配信サービスの開発費用は約800万円。このお金は先輩から借りていました。
サービスをクローズした時、僕は24歳だったのですが、若気の至りでしょうか。もう逃げようと思ったこともありました。「絶対成功する」と豪語していた僕は、先輩とは顔を会わしづらくなり、逃げるように生活をしていました。自分が悪いのですが、誰も信用できなくなり、当時同居していた友人をも避けるようにしていました。同居人が仕事をしている間に家に戻って体を休める。こんな生活を2,3ヶ月ほどしておりました。
ただ、もちろんこんな状態ではダメだ!と思い借金を返済する生活を始めたのです。
とにかく返済をするためにお金を稼ぐことであれば何でもやりました。朝から晩まで荷物を運び続ける体がボロボロになるような仕事もしましたし、テレアポ、営業、人材紹介など仕事は選びませんでした。実は、1ヶ月くらいホームレスのような生活をしたこともあり、精神的にも肉体的に苦しい時期でした。ただ、約3年間で借金を全額返済をすることができました。
ーー 借金は返済し終えた。月に100万円のキャッシュも作れるようになった。ただ、何も満たされない日々が続く…
返済を終えたタイミングでは月100万円程度は稼げるようになっていました。収入も良いし、時間もあるし、生活にゆとりもありました。側から見たら順調でした。ただ、僕の人生の中で最も「つまらない」時期だったのです。
飲みに行ったり、知人と話をしたり、自分が好きなことをしていても、特に満たされることはなく、モヤモヤした感情をずっと抱えていました。このモヤモヤは何なんだろうか、お金では満たされない何かがずっと引っかかっていたのです。
ーー 「どうせ一回の人生なんだから大きいことをやろう」そう感じ、2017年に2回目の起業。それがLisa Technologies
自分がワクワクする、社会的にインパクトのある事をやろう!という想いのもと、会社を立ち上げました。
設立直後は、資金も技術力もない。やりたいことすら明確になかったのですが、資金があれば色々なことができると踏んでいました。最初は「資金」を作るために当時縁のあった「Googleストリートビューの販売を行い、会社を3ヶ月で30名まで成長させ、設立1期目で年商1億円近くまでになりました。2期目も1.2億円ほどの売り上げを作り、順調な滑り出しだったかと思います。
※仲間も集まり、会社としてとても勢い付いていた時の一枚。
この利益を新規事業に投下するタイミングで、プラットフォーム事業をやりたいと考えていました。それでできたのが、2018年に立ち上げた新規サービス「TOGO」です。
TOGOは、テイクアウトコーヒーのモバイルオーダー&ペイアプリです。
アプリにユーザーとクレジットカードの情報を登録しておけば、店舗・メニュー・受け取り時間を選ぶだけでオーダーが完了します。あとは店舗に取りに行くだけというサービスです。
現地での金銭のやり取りがないので、通勤時や退社前に最寄りのカフェでオーダーしておき、会社に着く前や電車に乗る前にコーヒーをピックアップできます。
アメリカではスターバックスが、中国ではラッキンコーヒーがアプリ上から事前オーダーができるようになっています。
何より僕自身が、コーヒーをテイクアウトすることが多く、スターバックスでの行列などを解決出来ると感じ、誕生したアプリでした。日本でもトレンドになるはずと思い立ち上げたアプリでしたが、ユーザーの継続率が芳しくなかったのです。理由はお店側のオペレーションに問題があったことでした。
ユーザー側は便利であるが故、そして興味本位で最初は利用してくれますが、お店側がTOGOのためだけにオペレーションを変えることはせず、うまくいかなかったのです。
ーー TOGO運営に苦戦した上で経験をした、Lisa Technologiesの崩壊。
TOGOのビジネスモデルはアメリカや中国でうまくいっていたのです。アメリカや中国は「自店舗」での試みでした。TOGOは自店舗ではなく顧客に導入していること。故にコミット力も弱く、うまくいきませんでした。
そして、アプリを閉じることになったのです。
そのタイミングで、名古屋の本社でも業績は悪くなっていました。僕は東京にいることが多く、社員の秩序も保たれなくなっていたのです。幹部/主要メンバーがクーデターを起こし数名が突然いなくなったりもしました。そして売上が落ちていったのです。
そして、30名ほどいた組織は解散することになりました。
精神的にもつらい状況でただ時間だけが経過していきました。
そんな中で今までを振り返りました。
様々な事を経験して気が付けば自分自身が大きく成長できていることを実感しました。この経験も必ず線でつながる。あきらめずに成功するまでやり続ける!と強く決心しました。
ーー 2回のサービス閉鎖で学んだことを活かして、ストアーズスコアをローンチ!
そして、今回2度の経験を糧に開発をしたものが、ストアーズスコアというSaaSです。
TOGOがクローズしてから半年経過後、新たなサービスを考えていました。これまで2度の失敗を反省し、糧にしてサービス設計したいと思っていました。
TOGOを運営していた頃に日々感じていたのは、「飲食店は強烈にIT導入が遅れている」ということ。飲食業界はここ最近トレタさんなどSaaSの導入が徐々に進んできましたが、「業務効率化」の側面が大きいサービスがほとんどです。
ストアーズスコアは飲食店に常連客を増やすデータ分析サービスです。
ECやアプリではデータを分析してUI,UXを日常的に改善をしていくのは当たり前です。飲食店経営においてもお客さんが何に感動しているのか、何をきっかけでリピーターになるのか、データを駆使する事でより感動をつくる事が出来ると思っています。
新規集客を目的とした広告に依存しがちな飲食経営にLTV(ライフタイムバリュー)の概念で経営をサポートしようと考えています。
飲食店経営における本質はお客様との「コミュニケーション」だと思っています。
飲食業界にも徐々には遅ればせながらITが広がってきており、セルフオーダー、自動支払いなども徐々に広がりつつあります。ただ、僕は削減された時間を顧客との「接客」に使ってほしいと考えています。
僕自身は飲食店が大好きで、仕事仲間や友達と笑顔でお酒を飲む時間が大好きです。飲食店は笑顔がたくさん生まれる場所です。
日本の飲食店がより素敵な場所になり、より笑顔を増やす場所になっていくために我々がデータ革命を起こさなければなりません。
ーー Lisa Technologiesを拡大していただける仲間を募集しております!
今は10名程度のチームになりますが、一緒にLisa Technologies、そしてストアーズスコアを共に大きくしていっていただける仲間を募集しております!
是非一度カジュアルにお話ができればと思っておりますので、よろしくお願い致します。