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フルリモート/フルフレックスのエンジニア集団、K.S.ロジャースの強みは、世界中どこにいても働けること。実際、海外在住メンバーも多く参画しています。
そんな中、「海外で活躍するためのヒントが知りたい!」というPMやエンジニアのメンバーに向けたスゴイ勉強会が開催されるということで、採用広報担当として潜入してきました。
目的とスピーカーの紹介
勉強会のテーマは、海外と日本のPM事情〜「日本と海外の違い」から、「潰しがきくPMになるために大事なこと」まで〜。
勉強会の目的は以下の3つです。
・職種やプロジェクトを超えてノウハウや知見を共有していく
・KSRに在籍する多様な背景/考えのメンバーと交流する場を作る
・フルリモートでの働き方を学び合う
文字にすると固く感じますが、自己紹介を兼ねたチェックインが和気あいあいと進みます。
スピーカーは、フィンランド在住の岩崎優介さん。
「K.S.ロジャースでは、採用系やプロジェクトマネジメントを担当しています。フィンランドのスタートアップにも在席していますが、そちらでもプロジェクトマネジメントや組織開発にかかわっています」
「仕事以外は、子どもと遊んでいますね」
夏休みの宿題はやらないタイプの子どもだったいう岩崎さん。あまり学校という場所にコミットしていなかったようですが、そんな少年が今、フィンランドでどう活躍されているのかは、とても興味深いですね!今日は面白いお話が聞けそうです。
100枚越えのスライドと、異色の経歴
用意されたスライドは何と100枚超え!
今日の話は経験談ベースで、理論的ではない部分もある。だからクリティカルに聞いて、自分の役に立ててください、という前置きがあり、本題が始まります。
「海外の話を中心に進めましょう」
「ゆるく、双方向で」
岩崎さん主導で柔らかいコミュニケーションで進みます。
勉強会の冒頭で、岩崎さんの経歴が明らかになってきました。
プロゲーマーを目指し、世界大会ベスト4まで進出。一般的なレールには乗らないかと思いきや、スタートアップに入社したことをきっかけにマネジメントを学び、PMの資格も取得。さまざまな経歴を歩み、結婚してフィンランドに引っ越しされたそうです。
「在籍中のフィンランドのスタートアップは、代表が3つの国籍を持っているため、人数は13人でも国籍は14という多国籍な会社です」
「多様性」についての貴重な体験談
前半の話題は多様性の需要についてです。
「さまざまな会社、プロジェクト、文化、人があります。どうしても、フィンランドどう?日本どう?という切り口になりますが、PMとして語るのならば、どの国でも重要視すべきは法令と文化です」
フィンランドとフィリピンの例で、国によってどれほど文化が違うのかが解説されます。
-フィンランド
「社会インフラは盤石」「直接表現がすごい」「残業はマネージャーと合意のうえで」
-フィリピン
「社会インフラに苦労」「パーティ―大好き」「会社のメンバーと一緒に遊びに行く」
文化の違いに加えて、会社風土の違いも加わります。
「だから、究極はケースバイケースとしかいえません」
「〇〇国だからこうだ、という色眼鏡はよくないです。どの国でもトラブルは置きますし、対応方法が国で変わるわけではなく、ある程度共通化されています」
「PMとして、どう事前にリスク管理を行うかが重要です」
PMとしての心の準備
では、文化の違いを超えたリスク管理のために何をしておけばよいのでしょうか。
-想像力をつける
「疑似体験が必要です。本を読む、勉強会に出る、プロボノで経験を積むなどです」
-法令と文化を調べる
「商習慣や雇用習慣、労務については必須です。概要であれば英語のYouTubeがおすすめです」
-認識の齟齬は起きるものとして、心の準備をしておく
「まず当事者間の話し合いですが、ダメだったらどうするかを想定しておきます。それでもダメなら…と、最悪のケースも考慮したフレームワークを持っておきます」
-鈍感になる、再起力をつける
「トラブルを受け止めて、挫折しても次のアクションへ向かう強さも必要です」
まさかPMにバックオフィスの知識が必要とは思ってもいませんでした。知識だけではなく、強いメンタルも求められそうです。多様性のある社会でPM業務を行うためには、多角的なスキルが必要ですね…。
「でも結局…みんなちがって、みんないいんです!」
そして岩崎さんは、こうつなげます。
「多様性の受け入れは、本当に大事です。しっかりした準備の必要性は、日本でも海外でも変わらないと思います」
価値観を押し付けないことの大切さ
「もちろんPMとして成果を求めざるを得ない場面もありますが、こちらの求める答えと違う結果があがってきても、べき論を押し付けるわけにはいきません。とにかく調整です!」
「譲れないものは、人によって違いますし、それこそ多様です。特に宗教に関する文化背景や家族の重要度は、ひとつの価値観にあてはめることはできません」
貴重な体験談がどんどん出てきます。
フィンランドで直面した「ストレート表現」についての話題もあがりました。
日本では成果物がイマイチでも「なるほど、ありがとうございます。ただしここはちょっとこうした方が良いかと思うのですが、いかがでしょうか?」のようなイエスバット話法が使われることが多くありますが、フィンランドでは「これダメじゃね」と返ってくることもあるそうです。
とにかくストレートな意見が出て、そこから対話が始まるので、戸惑ったこともあったとか。婉曲表現に向いていない英語ならではのエピソードでした。
ここまでの多様性についての話題に対して、参加者からは
「PM歴が長くなればなるほど多様性の重要性が分かってくるので、海外も一緒だときいてちょっとホッとしました」という声があがりました。
後半は英語の話
ゲームで徹夜してからのTOEICが930(最高得点)の岩崎さん。
海外で活躍するには…というテーマで、英語の話は避けて通れません。
「経験上、PMのようにコミュニケーションが必須の立場では、英語ができないと厳しいと思います」
さっそく、海外移住のハードルが上がるお話になります。
PMではない、技術職はどうでしょうか。
「デザイナーは要件を聞いたり、ニュアンスを理解する必要があるので英語は必須ですね。ただしエンジニアは、レベル感にもよりますが…口頭ではなく文字ベースでやり取りが可能なら、他の職種より英語の必要性は相対的に低いといえます」
「英語の情報量は、日本語の10倍。これは信じて下さい」
「英語を使わないと詰む環境に身を置いてください」
実践的な英語習得方法や、英語の情報収集についての話に花が咲きました。
PMに必要なエッセンス
最後は、いよいよPMに必要なエッセンスについてです。
PMに関する知識は英語版のPMBOKで得ることが多いという岩崎さん。
やはり英語が分かると、インプットの質も向上しそうです。
-PMの定義(PMBOKより)
プロジェクト(独自の何かを作るため実施される、期限付きの業務群)の目標を達成することに責任を持つチームをリードする
「PMとして任務を遂行するためのスキルセットはとても多いです。でも覚悟するしかないですね」
「PMは専門職ですから、汎用的で体系的なスキルが必要です。経験値も、業界知識もです」
IRとも、調査会社とも、かかわる方々とも仲良く!という岩崎さん。
単にプロジェクトを管理するだけではなく、本当に広い領域をカバーし、事業全体に目を配る立場であることがうかがえました。
PMのマインドセット
そして話題は、PMとしての職業倫理にも及びます。
- 当事者意識を持つ
- 誠実である
- 公正である
- 尊重する
失敗を恐れないことと興味を持ってのめりこむ姿勢も大切で、パフォーマンスが発揮できないなら、かかわらない方が幸せなケースもあるとか。
カバーすべき範囲で、分からないことが出たら?
「学ぶか、助けを借りるかの判断を」
岩崎さん、貴重なお話をありがとうございました!
参加者の感想は?
参加者の感想を2つ、抜粋してみます。
「法令や文化は日本では勉強しない範囲。でも、英語力は日本でも必要だと実感しました。ニッチなエラーは日本語では見つからないので…」
「体系に沿った学びの必要性を改めて実感しました。多様性でいえば、会社の違いも大きいので、PMとして目線が合う組織で働けるといいですね」
締めくくりは岩崎さんです。
「僕も特にすごい人ではなく、現場にいる一介のPMです。僕の経験を踏み台にして、今後に活かしていただけるのであればとてもありがたいです」
最後は恒例の集合写真です。
ご参加の皆さま、お疲れさまでした!
日本でも海外でも活躍できるスキルは、K.S.ロジャースで
フルリモート/フルフレックスのエンジニアが世界中から集まるK.S.ロジャース。
自由に働きながらも、濃い議論やノウハウ共有ができる体制が整っています。勉強会は今後もどんどん実施予定ですので、お楽しみに!
あなたも、K.S.ロジャースで活躍してみませんか?
気になる方はぜひ一度ご面談に参加してみてくださいね。