こんにちは!ケップルのPR担当の冨田です。
ケップルは『Create New Industries 世界に新たな産業を』というミッションを掲げ、スタートアップエコシステムの発展を目指し、投資家・起業家を支援するさまざまなサービスを展開しています。
特に注力しているプロダクトの一つとして進化を続けているのが、スタートアップ投資に取り組む事業会社や投資家向けのスタートアップデータベースサービス「KEPPLE DB」です。
資本業務提携先の日本経済新聞社と共同で運営する「ケップル スタートアップ企業情報」では、以前からスタートアップ企業の事業概要・株主情報・過去の資金調達情報などを蓄積するデータベースを運営してきました。
2022年4月にリリースしたKEPPLE DBは、それらの情報に加え、新商品・サービス、業務提携などのニュースや独自の分析レポートをまとめてご覧いただけるスタートアップデータベースとして、事業会社や投資家の皆様にご利用いただいています。サービスリリースから一年半、さまざまな新機能が備わり、日々進化してまいりました。
今回は、KEPPLE DBの開発を推進する、Database Divisionのマネージャーの谷口さんと、プロダクトマネージャーの枝さんに、開発にまつわるさまざまな話を聞きました!ぜひご覧ください。
谷口 毅 プロフィール
Database Division / Division Manager
新卒で資産運用会社のFirst Sentier Investorsに入社し、アナリストとしてアジア・日本の株式の分析を行う。その後、リクルートでプロダクトマネージャーを経験。2022年にケップル入社。現在はデータベース部門を管掌、および新規事業部門を兼務。スタートアップデータ拡充のためのプロダクト企画、分析、新規事業開発などを担う。
枝 悟史 プロフィール
KEPPLE CREATORS LAB / Product Manager
大学卒業後、広告代理店や Web 受託制作会社などでの経験を経て、正社員第1号として2018年にケップルに入社。ファーストプロダクトである「KEPPLE CRM」に加えて、「株主総会クラウド」などの立ち上げや社内のDX促進業務に携わる。現在は開発組織「KEPPLE CREATORS LAB」のメンバーとして、「KEPPLE DB」のプロダクトマネージャーを務める。
Q. KEPPLE DBはどのようなプロダクトですか?
谷口:スタートアップ企業への出資やオープンイノベーションに取り組む事業会社および投資家の方々に提供しているスタートアップデータベースです。
現在、1万3,000社を超えるスタートアップ企業情報が収載されていますが、企業数を増やすだけでなく、私たちデータベースのチームにて常にデータの精査も行っており、精度の高い情報を提供しています。また、私を含めたアナリストが業界レポートやカオスマップなど独自コンテンツなども発信していて、投資や業務提携の戦略策定、ソーシングの効率化などにご活用いただいています。
枝:KEPPLE DBは、昨年の4月にリリースして以来、ユーザーの方々のより効率的な情報収集にお役立ていただける新機能の拡充を続けてきました。今日はそれら新機能についても開発の背景などご紹介していければと思います。
そして、ケップルでは、単なるデータベースの提供のみに留まらず、投資活動やオープンイノベーションを活性化する未上場株式管理ツール「KEPPLE CRM」や、「株価算定・投資検討DD」などさまざまなサービスを展開しており、それらを連携させて包括的に投資家の皆様を支援しているのも特徴です。
Q. KEPPLE DB のプロダクト開発において、どのような役割を担っていますか?
枝:私はプロダクトマネージャー(以下、PdM)として、KEPPLE DBの開発を進行していく役割を担っています。まず、ビジネス背景や実現したいことを要求定義としてまとめて、開発組織と相談しながら要件定義のかたちに整えていきます。私自身、KEPPLEの開発組織「KEPPLE CREATORS LAB」のメンバーなので、チーム一丸となって取り組んでいます。
谷口:私は枝さんがまとめる要求定義の前段階、「実現したいこと」を考えるタスクを担っています。KEPPLE DBに備えるべき機能を代表の神先さんや社内関係者と検討し、提案しています。また、データベースはリリースした新機能を含め、常に更新し続けていく必要があるため、データベース部門の責任者として、更新業務を行うチームのマネジメントも行っています。
プロダクト開発においてどのようなビジョンを描くかという検討を私がリードし、それをどのように実現するかというのを枝さんがまとめてくれているかたちですね。ここ一年でだいぶ機能拡充が進んでいますので、現在はデータ更新のほうが比重は大きくなっています。
▲Database Division / Division Manager 谷口
Q. プロダクト開発を進めるうえで、こだわっていることや注力しているポイントは?
谷口:私自身、以前からアナリストとして投資家向けにリサーチや分析を行ってきたので、投資家の方々から見てどのような情報が必要なのか、情報の優先順位などを常に考えてプロダクトに反映するようにしています。
また、ユーザーが求めているものとして、公開情報などのファクトをただ届けるというだけでなく、そこに分析を加えたり、私たちの考えをレポートにまとめて発信するということも積極的に行っています。
枝:「こういう機能を追加したい」というアイデアが出たときに、ビジネス背景やプロダクトの課題、課題に対する仮説などを開発に関わるメンバーにしっかりと理解してもらえるよう、わかりやすく言語化するよう努めています。
また、PdMとして、裏側の情報の集め方、集めた情報をどのようにDBに格納するかといったオペレーションの設計も行っていますので、DB構造を加味したうえで、データの持ち方、やメンテナンスのしやすさ、参照しやすさを実現し、適切なかたちで情報提供できるよう、開発設計にこだわっています。
そして、実際に開発を進めてもらうエンジニアの方々が押さえておきたいポイントや、各メンバーの業務内容を理解したうえで、プロジェクトを進行するようにしています。
▲KEPPLE CREATORS LAB / Product Manager 枝
Q. KEPPLE DBによってスタートアップエコシステムにどのような影響をもたらしたいですか?
枝:スタートアップ企業の情報をきちんと開示して情報を透明化することで、投資家、事業会社とスタートアップ企業をつなぎ、新たなビジネスの創出を後押しすること。また、スタートアップエコシステムへの人材の流入を促すきっかけにもしていきたいと考えています。
谷口:昨年度の東証プライム市場の国内現物株の年間売買代金は600兆円を超えていますが、スタートアップの資金調達額は1兆円を下回っています。それというのもスタートアップに関してはまだ開示されていない情報が多いため、投資のための判断材料が少ないのも要因のひとつだろうと想像しています。
スタートアップエコシステムは、情報を可視化することで、「ヒト、モノ、カネ」がもっと動くようになる大きなポテンシャルを秘めていると思いますので、KEPPLE DBやケップルの各種事業がその一助となることを目指しています。
Q. KEPPLE DBの機能の拡充が続いていますが、特に注目してほしい機能は?
谷口:まずは「類似企業情報」です。関心のある企業について国内・海外の類似企業を簡単に調べることができるようになりました。投資先候補の検索などリサーチにかかっていた時間を短縮し、より多くのスタートアップ企業との情報収集や接触機会の創出にお役立ていただけます。
特に海外企業と日本企業をどちらもラインナップするということにこだわって機能開発しています。
類似企業の選定に関しても、私を含めたアナリストメンバーでしっかりとチェックしています。まだ生成AIによるセレクトには不安がある中で、たしかな情報を提供するためには、人の手による作業が必要となる部分だと考えています。
時価総額の大きい企業を対象に類似企業情報を開示していますので、時価総額の増加とともに開示企業は増えています。
▲類似企業情報 表示イメージ
枝:投資家・投資先情報の検索機能も大幅に強化しました。投資先検討時に、他社の事例も参考にしたいというニーズにお応えする機能として拡充しています。
谷口:その他にも強みとして、アナリストによる独自コンテンツ配信を強化しています。最近では、生成AIや建設、脱炭素など注目領域のカオスマップレポートをDB上で公開し、ご好評をいただいています。海外スタートアップ情報も盛り込むことで、効率的な情報収集やソーシングに役立てていただけると考えています。
▲アナリストによる業界レポートなどコンテンツが充実
Q. KEPLE DBをさらに進化させていくために、プロダクト開発において取り組んでいることは?
枝:PdMはあらゆる情報を集約してプロダクト開発をベストな方向に導いていく役割を担っていますので、ステークホルダーと適切なコミュニケーションを取ることを常に意識しています。そして、「Focus on Purpose (誰のため、何のため)」という視点を大事にしながら、開発を進めています。PdMとしての責務を全うするためにも、引き続き心がけていきたいポイントです。
谷口:KEPPLE DBのさらなる進化のために、注目領域の情報を今後も積極的に収集していきます。新たなデータの取り方や切り口も常に模索し続け、価値ある情報を提供していきたいと思います。
Q. 最後に一言メッセージをお願いします!
谷口:よりよいオープンイノベーションのためのプラットフォームとなっていくために、これまでのデータベースの概念にとらわれることなく、新たな挑戦を続けていきます。ユーザーの皆様と密にコミュニケーションを取りながら、ニーズを汲み取らせていただくことが非常に重要だと考えていますので、今後もどんどんご意見をいただければ幸いです。
枝:ケップルは、スタートアップエコシステムにおけるミッシングピースを補うべく、事業を多角化させてきました。データベースだけでなく、ファンド運営サポートやセカンダリーファンド、スタートアップメディアなど、エコシステムにとって何が必要かを考え、価値を提供しています。今後もそのような姿勢は変わらず進化を続けていきますので、これからもご注目いただけたら嬉しいです。