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ベンチャーキャピタルのパートナーとして、スタートアップエコシステムの構築を成功に導く/Customer Success Interview

前回インタビューをさせていただいた際にはまだお一人で担当されていましたが、メンバーも増えてチームになったカスタマーサクセス部の現状について改めて教えてください。

鈴木:私たちのチームではスタートアップ投資の業務改善に向け開発されたSaaS『FUNDBOARD』のカスタマーサクセスを担当しています。業務を大きく2つに分けると「導入支援」と「活用支援」となります。事業部の発足後しばらくはサービスの導入支援に力を割いていましたが、今は発足から1年半が経ち、お陰様で契約を更新してくださるお客様も多く出ている段階です。既に『FUNDBOARD』をしっかり運用していただけているお客様に向けて、よりよく活用していただくための支援を強化できるフェーズに入っています。『FUNDBOARD』を導入してくださる企業の数もどんどん増加し、様々な顧客とやりとりを重ねていくにつれて投資業務に関する理解も深まっていきました。今はお客様が本当にやりたいことを汲み取ったうえで、『FUNDBOARD』の効果的な使い方や業務フローの改善案などを提案できる体制が作られています。

導入企業数も増える中で、お客様からの期待値は高まっているのではないかと思います。そのような状況下において、カスタマーサクセス部として大切にしていることはありますか?

鈴木:「エコシステム拡大のためのハブとして、信頼のおけるパートナーであれ」ということをチームのミッションとして掲げ、お客様である投資家の皆さんにとって何が大事なのかを考え続けています。カスタマーサクセスは、その名の通りお客様の成功が無ければビジネスが成り立ちません。「お客様のために」という考え方は綺麗言ではなく、そうして取り組まなければ仕事にならないんです。専門的な話になりますが、お客様がファンドならファイナンシャルリターン、事業会社なら事業シナジーが生まれるような戦略的な投資に寄与して、その道のプロに信頼してもらうことが、投資家向けSaaSである『FUNDBOARD』を成長させるためには必要だと思っています。

顧客の成功という原理原則にシッカリと則って、チームの運営をされていらっしゃるんですね。カスタマーサクセスの仕事のやりがいは何でしょうか?

鈴木:お客様のことを考え、行動に移せただけ、結果が返ってくることですね。お客様のやりたいことを実現して喜ばれることは、気持ちの面でも嬉しいです。また、お客様からフィードバックをいただければ、それをプロダクトチームと共有してサービスを改善していくことができます。プロダクト自体が良くなれば、カスタマーサクセスとしてもさらに価値のあるサービスを提供できる。この好循環を生み出せることもやりがいの一つです。


鈴木さんがスタートアップに携わる理由は?

鈴木:やりたいことがある人がそれを実現できる世界を実現する、スタートアップエコシステムというものに魅力を感じているからです。以前にインドで新規事業を立ち上げに関わったことがあるのですが、その時に助けてくれたのが現地のスタートアップエコシステムに関わる皆さんでした。例えば、アメリカで事業を立ち上げた後にインドに帰ってきてスタートアップを立ち上げた方とか。そんな人がオフィスを貸してくれたり知識のある人を紹介してくれたり、ポジティブな関係の連鎖を作ってくれました。このようにリスクがあってもやりたいことがある人を支援する仕組みを作れたら素敵だなと思っています。
カスタマーサクセスチームの同僚である木村さんは、子育てをされる中で「子供が成長したときの未来をより良いものにしたい」という思いから、より良い社会を作るためのスタートアップエコシステムに興味を持たれたそうです。スタートアップエコシステムは、視線を未来に向けていて夢があるものだと思います。そういうことに興味がある方は、ケップルでの仕事も楽しんでもらえるんじゃないでしょうか。

カスタマーサクセス部のチームの雰囲気はどうですか?

鈴木:言えるのは『優しい』ということでしょうか。『優しい』と言っても相手をやみくもに甘やかすような態度ではなく、相手がどうすれば成功、成長できるのかを考え、思いやりや配慮の中で相手に適切な提案、関係構築ができるということを意味しています。同時に、成果を出すことにこだわって発言できる人が集まっています。相手を気遣いながらも、目的を達成するために忌憚なく意見を言い合える雰囲気があると感じています。

そういった雰囲気をチーム内に産み出すために実践していることはありますか?

鈴木:「同じ質問を何度してもいい」ということを言っています。その方が安心できると思いますし、そもそも同じ質問が生まれるということは、仕組みとして改善の余地があるということだと考えています。

また日本では、SaaSやカスタマーサクセスいうものは他の業種に比べて知見が出回っていないので、私たちも何が正解かがわからない中で日々取り組んでいるようなものです。仮説検証の繰り返しや議論が自然にできる環境づくりはとても大事です。それを妨げるような雰囲気にはしたくないですね。

コロナウイルスによる影響もある中、現在の働き方はどのようになっていますか?何か工夫されている点はありますか?

鈴木:現在はリモートでの業務が中心となっています。緊急事態宣言が解除されてからは、週一回の出社日を定めていますが、ご家庭の事情などを踏まえてほぼフルリモートに近いかたちで働いているメンバーもいますね。お客様とのアポイントは一日に2~3件あり、それらもすべてオンラインで行っています。
新たな方が入られる場合、入社後のオンボーディングや教育などは対面の方がお互いにやりやすいので、最初のうちはオフィス出社の割合がやや高くなるかもしれません。業務に慣れてくれば、出社/リモートの比率については希望によって合わせられると思います。

リモートだとオフィスで働くのに比べ、気軽に声をかけられる環境ではありません。コミュニケーションの回数を増やすために1時間の会議を30分で2回に分けたりしています。『余白 』のコミュニケーションが無くなりやすいことがリモートワークの課題ですね。

カスタマーサクセスとしてどのような方と働きたいですか?

鈴木:鈴木:お客様のためになることを楽しく考えられる方がいいですね。そういう気持ちがあれば、会社として掲げる数値目標にもこだわれることにもつながります。お客様のために動くことがビジネスとして直結するのがカスタマーサクセスという仕事の面白さです。

カスタマーサクセス部が発足したのは一年半前ですが、まだまだチームを作り上げていく過程にあります。自らの手で環境を作っていくことにやりがいを感じられる方だと嬉しいです。リリースより3年経ち顧客基盤のある『FUNDBOARD』、リリース1年未満の『株主総会クラウド』、他にも新たなプロダクトをリリースするかもしれません。これら複数のプロダクトを横断してカスタマーサクセスに携わるチャンスもあります。積極的にトライしたい方にはワクワクするような環境です。逆に、完成した環境に身を置いて学びたいという考えだと、私たちのチームだと段階として早すぎるかもしれません。ゼロベースで話し合って何かを作っていける方なら楽しめると思います!

カスタマーサクセスとして働くうえで求められることは?

鈴木:カスタマーサクセスのミッションは、サービスを通じてLTV(ライフタイムバリュー)を最大化することです。お客様の課題が解決できている状態を作り、サービスの価値を感じ続けてもらうために、お客様のためになることを考え続ける姿勢が求められます。ただ優しいだけではなく、積極的に関係性を作っていくことが大切です。

また私たちの会社で提供している『FUNDBOARD』は未上場株式の管理ツールという側面が強くあります。そのためにカスタマーサクセスのメンバー一人ひとりが投資家の実務について深く理解する必要があります。もちろん入社いただく時点で知っておく必要はありませんが、書籍や文献などを通じて新しいこと吸収して仕事にアウトプットすることが好きな人や、エコシステムにおける投資家の役割を知って「私たちには何ができるのか」を深く考えたい人には向いている仕事だと思います。

最後にカスタマーサクセス部の責任者として伝えたいことはありますか?

鈴木:カスタマーサクセスという職種は日本ではまだ馴染みが薄いかもしれませんが、アメリカをはじめとするIT先進国ではプロダクトマネジャーに次ぐ将来性のある職種として挙げられることが多くなってきています。バーティカルSaaS(特定の業界向け)のカスタマーサクセスとして深い顧客理解に基づいた経験が積めるというは、今後のキャリアにとっても得難い経験になるかと思います。ぜひそういった分野でキャリアを築いていきたいという方と働けることを楽しみにしています!


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