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「誰にでもある才能に気づく存在に」元小学校教諭が目指すユースワーカーの姿とは

学校でも家庭でもない、中高生(ユース)のための第3の居場所である “ユースセンター” 。カタリバでは文京区の中高生が放課後や休日を自由に過ごすことができる「秘密基地」として、ユースセンターb-lab(文京区青少年プラザ)を運営している。

そんなユースセンターで働くスタッフ(ユースワーカー)へ、カタリバ広報・新メンバーのもりはるがインタビュー!第1弾のゲストは、小学校教員の時代を経て、b-labのユースワーカーとして働いている中島 直哉(なかじー)さんです。

ユースセンターでの仕事や中高生と接するときに意識していること、また、どんなユースワーカーになりたいかなど気になる話題に迫りました。

教員時代のある経験から「探究」に心惹かれる


ーまずは簡単に自己紹介をお願いします。

1993年東京生まれで、6歳から大学卒業まで神奈川県で育ちました。大学卒業後は福岡県で小学校の先生として3年間働き、一昨年の7月よりb-labにきました。

ー教員からユースワーカーへ。どのような経緯がありましたか?

教員時代に、社会へ出ていく子どもたちに教える自分がもっと社会を知るべきではと思い、転職活動を開始しました。最初は教育業界以外を見ていましたが、ピンとくるところがなくて……いろいろと調べている際にカタリバを知りました。その中でもカタリバが着目している「探究」に惹かれ興味をもちました。

ー「探究」に惹かれたのは具体的にどのようなところですか?

教員時代に、子どもたちが自発的に先生方へインタビューをして新聞を作ったことがあって。好きなことをやっている子どもたちの姿が、ものすごく輝いて見えました。その経験から、先生たちから教わるだけでなく自発的に学ぶ「探究学習」に魅力を感じました。

カタリバへぜひ行きたいと思い面接を受けると、b-labを紹介していただいて。当初はユースセンターのことも知りませんでしたが、自分自身が魅力に感じている「探究」に近しいことができるのではないかと思い、b-labへ行く決心をしました。

偽言はすぐにバレる。本音だからこそ伝わる想い


ーb-labでのお仕事内容を教えてください。

現在は「中高生コミュニティ担当」として、どうやって中高生の興味関心を引き出すかについて他のユースワーカーと日々話し合っています。中高生スタッフ(※1)・b-labサークル(※2)・all b-lab作戦カイギ(※3)への参加を促し、中高生に様々な機会とコミュニティを提供すること、そしてその提供者・伴走者であるスタッフのサポートやとりまとめを行っています。b-labのコンセプトが「中高生の秘密基地」ということもあり、中高生にどんどんb-labを作っていってほしいという想いが強いですね。

※1 スタッフとしてb-labの運営に携わる中高生のこと。

※2 中高生の『好き』をベースに活動するコミュニティ。

※3 月1回、b-labにいる中高生全員を巻き込んで行うイベント。毎回b-labに関する議題をひとつ設定し、いくつかの班に分かれて議論する。

ー中高生の興味関心を引き出すために大切にされていることはありますか?

チャレンジしたいことや趣味はないけど、「何かやってみたい」という子は意外といるので、感情の種を芽吹かせるために「こういうことやってみない?」とこちらから呼びかけることが大切だと思います。

「何がしたいの?」と聞くと答えられない子でも、選択肢を用意すると「これだったらやってみたい」となることもあるんです。実際に、去年までは中高生スタッフはやらないと言っていたけれど、こちらから何度か呼びかけをしたことで今年から中高生スタッフになった子がいます。

ー中高生スタッフだけでなく、放課後に遊びに来る子たちとも接する機会が多いと伺いました。中高生と関わる中で意識していることがあれば聞かせてください。

こちらで描いている絵があっても押しつけず、相手が何を欲しているのかを常に考えるようにしています。行動や言葉の裏には意図があるので、相手の発言をそのまま真に受けるのはちょっと危険だと思っています。例えば「理科が嫌い」と言っている生徒がいても、実は授業が面白くないだけで理科自体にはとても興味があり可能性をもっているかもしれません。

あと、本当に心から思っていることを伝えるように心がけています。教員時代に、生徒から「なんでシャーペンは持ってきちゃダメなの?」と聞かれたときに、理由がわからないのに「間違った持ち方になっちゃうから」と答えると、上手く伝わらずポカンとした様子でした。僕が本気で言っていないことがバレているんだなと思いました。

あと、自分が本当に心から思っていることを伝えるように心がけています。教員時代に、生徒から「なんでシャーペンは持ってきちゃダメなの?」と聞かれたときに、「間違った持ち方になっちゃうから」と答えると、上手く伝わらず生徒はポカンとした様子でした。自分自身が答えの意味を理解できておらず、表面上のことを生徒に伝えているのがバレているんだなと思いました。

逆に、「大縄跳び絶対楽しいから、みんなでやってみようよ!!」と素直な気持ちを伝えると、なぜやるのかという理由を聞くことなく提案に乗ってくれたりします。大人でも子どもでもやりたいものはやりたいし、嫌なものは嫌だと思うので、想いを率直に伝えることが大切だと思っています。

主役は中高生。 “真の意味での” 秘密基地とは


ー今後どのようなユースワーカーになることが目標ですか?

基本的にみんな才能を持っていると思っているので、もし自分の才能に気づいていない中高生がいれば、可能性に気づいてあげたり、引き伸ばしてあげることが大切です。そして純粋に「すごいね」と言ってあげる存在になりたいです。そのためには、自分がどれだけ生徒の可能性やその良さを捉えることができるかが大事なので、もっと自分の人間の幅を広げたいと考えています。

例えば、TikTokをずっと見ている中高生を見て「時間がもったいない」と思うのではなく、「もしかしたらそこから何か生まれるかもしれない」と一度ポジティブに捉えてみる。そして、より好奇心を持って自分の意見を言えるユースワーカーになりたいです。

ー最後に、b-labでの今後の展望を教えてください。

b-labを真の意味での秘密基地にすることが目標です。 “真の意味で” というのは、誰からも指示されず中高生が自主的に作っていくものを、大人が慌てて支える構図を作るということ。思っている以上に中高生はすごいので、中高生の手を借りてb-labを作っていきたいですし、結果としていろんなところでユースセンターが認知されて広まっていけば良いなと思っています。

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