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代表インタビュー前編:ジャパン・トゥエンティワンの実現したい世界

ジャパン・トゥエンティワン(以下「J21」)は、2021年7月にオフィスを渋谷に移転し、新たなステージを迎えました。
今回は、J21の実現したい世界について、代表の岸本にインタビューを行いましたので、前編と後編の2回に分けてご紹介いたします。


ジャパン・トゥエンティワン代表取締役社長 / CEO
岸本 賢和(Toshikazu Kishimoto)

【プロフィール】
医学系の大学院で生命科学を専攻(修士)課程修了後、平成17年グラクソ・スミスクライン株式会社に入社し、営業本部、開発本部に所属。平成27年にGlobis経営大学院にてMBAを取得。
平成30年4月に当社に入社、9月に取締役/COOに就任、令和2年9月に代表取締役社長/CEOに就任


社会、会社、社員すべてが豊かになる世界を実現したい

── J21(以下、「J21」)の実現したい世界について教えてもらえますか?

J21のVisionである、社会、会社、社員すべてを豊かにする世界を実現したいです。ステークホルダー同士が価値提供の連鎖で繋がれるように、そのハブとなる会社でありたいと考えています。

世間を見渡した際に、個別の価値提供要素を満たしている企業は存在します。
・社会貢献をテーマに掲げ、エンドユーザーへの提供価値が高い企業
・世の中への提供価値は(失礼ながら)さほどではなくても、会社、業界としては潤っている
・社員を大切にするという考えのもと、福利厚生・給与待遇等が手厚い企業

ただ、3つのステークホルダー全ての望みを高い次元で実現している会社は、それほど多くないと感じています。

上記に少し情報を補足しますと、よく見かけるのは
・顧客への提供価値は高いけど、社員が疲弊している
・ブランド力、儲かる仕組みはあるが、社員がそこにあぐらをかいていて、個人の能力はさほど、、、
・福利厚生や給与面で厚遇しているが、働き甲斐や、成長できる環境を個人に提供できていない

また、特定の社員が、会社や関わる業務への(時に異常な)使命感を持っているが、実は個人の成長に繋がる業務は少なくて、事業が持続する可能性も低いケース。

── 3つのうち、何かしらの要素が欠けている会社が多いということですよね。

はい、そう感じています。

だからこそ、自分がリーダーシップを取るJ21は、Visionに掲げている社会、会社、社員が豊かになる状態を実現し、それぞれが最大限付加価値を提供し合いながら、成長し続けたいと考えています。

このVisionを実現し、実績を残していくことができれば、我々の理念やカルチャーが、世の中をより良くする一つの選択肢になると考えています。

両利きの経営、実行、アフターデジタル2の3つがキーワード

── J21を経営するうえで、岸本さんの考え方の軸になっていることを教えてください。

両利きの経営、経営は実行、アフターデジタル2の3つを、中長期の経営のキーワードとして社内でもよく使っています。それぞれ、そのままのタイトルで参考としている書籍があります。私自身の理解と、試行錯誤を伴った実験を通して、本の考え方を経営に継続的に取り入れています。

①両利きの経営

日本では2019年に発売されましたが、世界的にはその数年前から話題になっていた書籍です。この本に記載されている要素は、実はJ21が創業以来20年大切にしてきたことそのものでもあります。軸となる利き手のメイン事業に加え、新規ビジネスに関するチャレンジを続け、企業を永続させる可能性を高めていく。といったことが主題の本です。

J21はイスラエル専業の商社です。現在の主力は、Mobileyeというインテル社に2017年に1.7兆円で買収されたことで話題となった画像解析に強みを持つ企業の製品です。彼らのADAS装置(車用の後付け安全装置)を、交通事故防止、社会に安全を守ることをテーマに販売しています。その一方で、並行してイスラエルスタートアップ製品の探索や、新製品の事業開発を常に行っています。

冒頭で記載した三方良しのVisionを実現するには、魅力的な製品を継続的に取り扱うことも重要です。魅力の少ない、競争の激しい領域の製品を販売すると、現場の営業もそうですし、資金的にも大企業に勝てる可能性は少なくなります。その点、第2のシリコンバレーとも言われるイスラエルは、次々と魅力的な製品を生み出し続けてくれる土壌があります。J21は20年にわたりイスラエルとのビジネスを継続しているので、数多くの繋がりと、ビジネスを始めるにあたっての信頼をイスラエル企業に提供することもできます。利き手以外の魅力的なビジネスを始めやすい、という強みを持っていると言えます。

一方で、過去数年を振り返った際に、反省すべき点もあります。製品力が高すぎて、努力をしなくても売れた時期も少なからずありました。努力や価値提供の少ない形で得た売上や利益は、中長期的に必ず会社を弱くすると私は考えています。成功体験に酔っていると、付加価値を提供する力も発想も衰え、あっという間に売り上げや利益は落ち込んでいきます。

魅力的なイスラエル商材に、付加価値を上乗せして、日本の社会、ユーザーの皆様にお届けするが弊社の存在意義です。新たに策定した中期経営計画の中では、「コンサルティング商社」というキーワードを使用しています。深くお客様に入り込み、一緒に課題を解決しながら、イスラエル製品の価値や売上、利益を最大化していく。これがJ21が目指している、両利きの経営に紐づいたミッションです。

②実行

両利きの経営は、J21が20年に渡って積み重ねてきた強みを再認識し、更に強化していくための戦略です。経営者として自分の軸としているのは、「経営は実行である」という書籍です。

リーダーがとるべき7つの行動と、実行の3つのコア・プロセスが体系的かつ実践に即した形で紹介されています。J21に入社し、創業者から経営を引き継ぐことになり、最も重要であると感じたのが、この実行でした。

現在、J21は30人規模の会社です。経営者の立場であっても、現場に入り込んで現状を把握しようと思えば、いつでも実行することができます。ちなみに、リーダーが取るべき7つの行動の1つ目は、自社の人材や事業を知るというものです。

主力ビジネスに関わり始めた当初は、正直、車載関連の知識なんて全く持っていませんでしたが、現場に入り込みながらお客様のニーズも、課題も、自社とメイン商材が提供できる価値も少しづつ学んでいきました。

この現場に入り込むプロセスを自身が体感しているからこそ、現実を直視するよう社員に求めることができますし、目標設定や優先順位付けも明確にできます。社員から伝聞情報を100回受け取るよりも、勝負所、山場、課題の存在が疑われた際には、必ず現場に入るよう意識しています。

③アフターデジタル2

「アフターデジタル2」。こちらも読まれた方が多いのではないでしょうか。日本でも身近なものとなるであろう、アフターデジタル2の世界。その環境下でも、成長/成功し続ける企業になるために、将来取り扱う候補製品や、実行面まで考慮して戦略を考え続けています。

この本で触れられている世界観は、既に中国では現実どころか日常です。DX、デジタル化などのキーワードは日本でも見かけない日はないですが、まだまだ形式的な言葉や行動になっていることが多いように感じます。会社に実装していくには、課題も対応策も沢山あると思います。ただ、私の考えははっきりしていて、経営者自身が、DXの世界観やツールを実際に扱うことができ、場合によってはオペレーションに落とし込むことができる状況であれば、加速度的に企業を成長させることができると考えています。

この点に関しても、上記②の経営は実行の側面に近いのかもしれません。

プログラミングのコードを書ける、Pythonやクラウド、サーバーに関する知識、その他トレンドとなるデジタルツールは使い倒しているor熟知している、そんな経営者と、そうでない経営者で、将来的なビジネスの成功確率に各段の差が生じると言えますし、既に生じているのだと思います。

大企業の社長さんなんかは、当然、そういった部署を作って人に任せてしまう方ばかりだと思いますので、私自身がそういった知識やツールを使いこなす能力を身に付けることができれば、それ自体が、J21という会社の武器になるとも考えています。

これら3つの書籍の要素を、中長期の会社を成長させる軸として取り入れ、J21の経営に活用しています。


── 後編では、これまでのJ21の課題といま取り組んでいることを近日中にご紹介します。

以上、J21が目指していること(代表インタビュー前編)でした。


(J21のMVVはこちらから)

MVV策定(前編):ビジョンに想いを込める。Japan21が実現したいこと | Japan21
Japan21は、新たにMVV(ミッション・ビジョン・バリュー)を策定しました。今回は、この話を前編と後編の2回に分けてご紹介しようと思います。 まずは前編のミッション、ビジョンについてご覧ください。 Japan21は、代表・岸本の下、第二創業期を迎えています。2020年に先代社長から岸本へ経営がバトンタッチされたことにより、再度、会社の理念や方向性を整理しました。 ...
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(メンバー紹介はこちらから)

営業チームを次のステージに進化させるために、キーマンが見据えているものとは。 | ジャパン・トゥエンティワン
こんにちは。ジャパン・トゥエンティワン(以下、「J21」)人事の星野です。 今回は、メンバー紹介記事の第2回となります。J21において主力製品であるモービルアイや車載機まわりを担当する営業部門の近藤勇真さんに話を聞きました。 ...
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こんにちは。ジャパン・トゥエンティワン(以下「J21」)人事の星野です。 メンバー紹介記事の第3回となります。今回は、元自衛官→営業という経歴を持ち、J21では営業のポジションから"交通事故ゼロ社会"の実現を目指す志々田史基さんに話を聞きました。 ...
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