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イタンジは「不動産取引をなめらかにする」というミッションを掲げ、不動産業界向けのSaaSを開発・提供しています。今回、提供しているサービスのうちの一つ、「更新退去くん」の機能を拡充し、賃貸住宅の入居中業務管理システム「入居者管理くん」へ名称変更をしました。(関連プレスリリース:https://www.itandi.co.jp/news_posts/1248)
ユーザーファーストで、顧客満足度の高いプロダクトを多くの不動産会社に利用いただくには、プロダクトマネージャー(PdM)の存在が不可欠です。「入居者管理くん」PdMの勝又に、これまでのキャリアや、業務内容、サービス名称変更の経緯やプロジェクトの進め方などをインタビューしました!
ーこれまでの経歴を教えてください
大学卒業後は、20名規模のスタートアップ企業に入社しました。「人材紹介事業」と、いわゆるバーティカル(業界特化型)SaaSの人材業界向けの営業支援システムを開発する「システム開発事業」の2つの軸がありました。私は後者の「システム開発事業」に携わり、最初はカスタマーサクセスやヘルプセンターの立ち上げを担当し、QAエンジニアやWebディレクターなど、PdMに近い業務も行いました。
ー前職ではどんな働き方をしていましたか?
ひとことで言うと、やれることはなんでもやる下積み時代でした。様々な業務を経験する中で、「コツコツと実装するより、ヒントを少しずつ集めて設計することが好き」という自覚が生まれた時期でもありました。当時の直属の上司でもあった代表は、もちろんですがビジネス感覚が鋭く、元エンジニアでシステム設計にも詳しい方でした。思い返すと、経験が浅かった私のめちゃくちゃなロジックのシステム設計に何度もレビューをしてもらっていました。ロジカルのロの字もない私に根気よく向き合ってくれたおかげで、設計やディレクションの考え方が叩き込まれました。
ー転職のきっかけを教えてください
「自信を持ってスキルやキャリアを語れるようになりたい」「自分の市場価値を試してみたい」と思ったことが転職のきっかけです。
当時、イタンジのグループ会社であるGAテクノロジーズに所属している、高校時代の友人とご飯に行く機会がありました。その友人が仕事で成し遂げたことを本当に楽しそうに語っている姿を見て、「キャリアを着実に積んでいてすごい」と思ったと同時に、「私は自分自身が持つスキルを堂々と語れるだろうか」と焦りを感じていました。
私は代表が考えた事業計画をもとに、代表が細分化した業務を引き受けており、自分の力でプロジェクトを動かせていないことに不安がありました。良くも悪くも代表がすごすぎて隙がなく、キャリアの行き詰まりを感じるようになっていたんです。
ーなぜイタンジへ入社することになったのでしょうか?
転職活動では、SaaS業界以外にも広告系やtoCサービス系など、様々な業界を見ていました。軸としては、もともとバーティカルSaaSに携わっていたこともあり、せっかくなら業界の課題を解決できる社会的意義がある事業がいいなと思っていました。
イタンジについては、友人からの紹介もありカジュアル面談で話を聞く機会がありました。不動産業界には実はまったく興味はなかったのですが、イタンジの、不動産業界の課題解決を本質的に捉えたビジネスモデルや、プロダクトの展開にすごく魅力を感じました。最終的には、イタンジ、toCのIT企業、エンタメ企業の3社で迷ったのですが、自分が活躍できるイメージが明確にできたことと、バーティカルSaaSの解決できる課題の深さや面白さを知っていたので、その面白さをさらに探求したいと思ったことからイタンジへの入社を決めました。
ー入社後の具体的な業務内容を教えてください
イタンジに入社後、「入居者管理くん(旧:更新退去くん)」のPdMを担当することになりました。メインで行っていることは、エンジニアチーム(※)と、プロダクト開発における目的や仕様を話し合いクリアにしていくことです。やることは膨大にあるので、何をどの順番でいつやるべきか舵取りしていきます。ビジネス寄りの業務としては、競合の動きを見ながら、私たちPdMを取りまとめる部長と、イタンジとして、どのようにサービスを通して価値提供をするのがよいかディスカッションし、方向性を決めていきます。加えて、私自身PdMとして、誰もまだ手をつけられていない部分を拾いにいくことも大切だと考えているので、管理した方がよいKPIや作成した方がよい資料など、プロダクトが成長するために必要なことであればなんでも対応します。
先日、プロダクトの機能拡充と、それに伴うサービス名称変更のプロジェクトが完了しました。このプロジェクトでは、私は入居者様からの問い合わせに対して、ユーザーストーリーを考えて要件に落とし込み、画面の設計や仕様のドキュメントを作成し、拡充する機能をプランニングしました。そして、エンジニアと詳細を詰めて、実装が始まってからはその進捗管理を行いました。これにより、元々は賃貸の更新や退去に特化したシステムだったのが、入居中の管理業務まで機能の対応範囲が拡大できたため、より実態にあった名称にアップデートしました。
(※)「入居者管理くん」エンジニア兼田のインタビュー:https://www.youtube.com/watch?v=ZQgZMB3bCHU
ー機能拡充&名称変更のプロジェクトで意識したことはありますか?
プロジェクトを開始する前に、タスクの洗い出しと、どこまで機能を変更するかスコープを考えることに最も時間を使いました。サービス名の変更は、各所に大きな影響を与える可能性があります。社内のリソースを逼迫しすぎないよう一度に多くの変更をせず、名称変更をするのはなぜか、今回のプロジェクトで優先すべき事項は何か、本質を捉えた上での意思決定をしていました。
今回は、いつも以上に様々な部署との連携が必要だったので、抜け漏れがないか入念にチェックしました。タスクやスケジュールが決まってからは、想像していたよりもテキパキとチームごとに進んでいき、私自身、全体の進捗は管理しましたが、細かくマネジメントしすぎなかったのがよかったのだと思っています。細かい部分に関してはそれぞれの部署を信頼して任せていたので、各々がプロフェッショナルを発揮してくれて、大きなトラブルもなく進めることができました。
ー今後、PdMとしてどうなっていきたいでしょうか?
自分のキャリアよりもまずは「入居者管理くん」をもっと多くの不動産会社様に利用いただきたいという思いがあります。手前味噌ですが、いいプロダクトなので、もっと多くの管理会社様に導入され、満足いただけると自信を持っています。これからも管理会社様にとってより魅力的なプロダクトとなれるように「入居者管理くん」を育てていきたいです。スキルやキャリアはそのあとに着いてくるものだと思っています。
PdMの仕事は企業によって役割が異なりますし、どの企業もこれという形は決まっていないと思います。一方で、やるべきこと、やりたいことはたくさんあるので、その優先順位をつけることが重要です。現在はCSに導入企業のことをヒアリングをしたり、Slackでのちょっとした会話から機能改善のヒントを探したり、プロダクトに磨きをかけるために色々なことを考えています。プロダクト側とビジネス側、両面の視点を身につけることで、自らヒットする施策を生み出せるPdMになり、「入居者管理くん」のシェア拡大に繋げていきたいです。