1
/
5

日本一子どもの事を話す職員室のノート~奇跡を起こす学校~ 2/3

子どもたちの素敵なところをみつけるプロ

花メンタリーの先生たちの子どもを褒める言葉を聞かない日はない。先生たちはみな「褒め力」が非常に高く、常に子どもたちの魅力を引き出し、伸ばそうとしている。

特に先生たちからの褒め言葉や応援が多く飛び交うのがP.E.(体育)の授業の時である。
いいプレーをした子に「今の超すごかった!」「ナイスプレー!」と声をかけるのはもちろんのこと、失敗してもチャレンジした子に「ナイスチャレンジ!」「よく今いったね!」と励ましの言葉をかける。運動が得意ではない子やあまり前向きに取り組んでいない子がボールを持ってパスをしたり、ナイスセーブをしたりした時には「今のすごかったよ!」「○○がいなければ点が入っていたよ。ナイスディフェンス!」と褒め言葉が止まらない。
褒められることで子どもたちは自信をつけ、「もっと頑張りたい」「もう一度チャレンジしてみよう」とさらに挑戦をしてみようと思えるのだ。

花メンタリーの先生たちは人の素敵なところを見つけるプロたちで、それが輝いたのが去年の年度末に子どもたちに渡した通知表づくりのときである。
花メンタリーの通知表の意味は「子どもたちに自信をつけてあげること」と「自分では気付かない個性や特徴を伝えてあげること」だと考え、各教科を5段階で評価する通知表を渡すのではなく、先生たちから愛をこめた”Message”を送った。子どもの魅力や成長は、9教科の学力の数値では見えないところにもあり、そこにこそ人間の真価があると考えているため、子どもたちをサポートする言葉のプレゼントという通知表のかたちになったのだ。
一人一人の子どもに何を伝えたいかの話し合いでは、「その子がどんな子なのか」「どんなことが優れているのか」「どう成長してきたのか」のアイディアやエピソードが止まらない。「このときこういう行動ができて素敵だった」「本人は気付いていないけれどここがこの子のすごいところだよね」と次々に出てくる。1人の子どもについてそれぞれの先生が違う側面を見ることができることもチームで子どもを育てる花メンタリーの特徴だ。
通知表を受け取った子どもたちは、Messageを読み、嬉し恥ずかしな表情でとても喜んでいた。
大人でも子どもでも、正面から直球で褒められることは嬉しい。褒められた経験を積み重ね、自信をつけ、子どもたちにはいろいろなことにチャレンジしていってほしいと思っている。

創造力

花メンタリーの特徴的な授業の1つにPartyという参加型クイズ番組のような形式のグループワーク授業がある。現在ある11種類のPartyはすべて花メンタリーの先生の完全オリジナルで、それぞれに意図があり、子どもたちが楽しめる工夫が詰まっている。

例えば、「HYOUZAN NO IKKAKU」というPartyは、お題のランキングのトップ5をチームで話し合い予想するグループワーク型ゲームだ。世界の大きい魚ランキング、日本の湖の面積ランキング、スポーツの人気ランキング、日照時間が長い都道府県ランキングなどテーマはさまざま。これを機に、「じゃあ世界で6番目に大きい魚ってなんだろう?」「東京は何位なのかな?」といろいろなことに興味をもってほしい。また、ランキングのトップ5は氷山の一角に過ぎず、表に見えている、よく目にするものは物事のごく一部なので、それ以外の部分にも注目してさまざまなアンテナを張ってほしいという狙いもあり、タイトルにこのような意味が込められている。
チームで協力して、予想が当たった時は大喜びし、違った時には「へぇ~そうなんだ~!」と新しい知識に興味津々の子どもたち。一方的に教えられる詰め込み教育よりも興味を持ったものについての知識の方が不思議とすっと頭にはいるものなのだ。
他にも、「世界に出るのは誰だ!?」「Connecting Dots」「美しい国JAPAN」「That's 学」「ルールをぶっ壊せ!」「Digろう!Digろう!Digろうぜ!」「一か八か!丁か半か!Give it a try」「フォーメーションX」「痒い所に手が届くあ〜気持ちいい」「花ネット花メン」といった11種類のPartyがある。Partyは先生たちのアイディアで常にアップデートされ、種類もどんどん増えている。「どうしたら楽しく学べるか」「どうしたらワクワクするだろうか」ということを探求し続けているのだ。

先生たちの創造力はPartyについてだけでなく、他の授業の至る所で見られる。
国語や算数といった基礎学習を行う基礎の時間では、文章問題を普通に読むのではなく、全員で赤い蝶ネクタイをつけ、某アニメの名探偵になりきって問題を解くという工夫をすることで、子どもたちが前向きに取り組み、ワクワクしながら問題に向き合っている。また、九九マスター道場と称して、ハヤトカゲ校長九九名人を前に暗唱チャレンジをし、ただの暗唱テストとは一味違って楽しみながら九九を覚えている。

赤い蝶ネクタイを付けながら取り組むある日の基礎の時間

こういったアイディアや工夫はすべて子どもの「”楽しい”と”好き”の心に火をつける」「子どもたちに学ぶことの喜びや楽しさを知ってほしい」という想いから生まれている。もっと知りたいの気持ちに火がついた子どもたちは、学ぶこと・知ることを純粋に楽しみながらたくさんの知識をつけていく。
子どもたちの力は想像以上で、「世界のリンゴの消費量が多い国トップ5は?」というクイズをすると、翌日から「今度はサクランボかもしれない」と自ら考えて、いろんなジャンルのランキングを自らびっしりとノートに調べてきた子もいた。普段は詰め込み型の座学が苦手な子で、お母さんは「こんなふうに主体的に調べる姿を初めて見た」と驚いていた。
音楽、アート、歴史、伝統文化などさまざまなジャンルに触れる機会をつくることで、「好き」や「これってなんだろう」の気持ちに火をつけ、新たな学びのチャンスに繋げてほしいと思い、日々その種まきをしている。
(続く)

Partyの1つである「美しい国JAPAN」の様子

ぜひこちらもご覧ください!

If this story triggered your interest, why don't you come and visit us?
出る杭を育てる新しい学校。日本一子ども達のことを話し合う職員室!
花まるエレメンタリースクール's job postings
1 Likes
1 Likes

Weekly ranking

Show other rankings
Like Sota Matsumoto's Story
Let Sota Matsumoto's company know you're interested in their content