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Hacobu、1年に渡るリブランディングの舞台裏〜「私たちは何者で、いつ、どこへ向かうのか?」高揚、挫折、葛藤、希望の記録【Hacobu Blog】


皆さん、こんにちは!
Hacobu(ハコブ)リブランディングプロジェクトチームです。

この度、Hacobuは2015年の創業来初めて、自社ブランド及びサービスブランドの刷新を行いました!ビジョンやバリュー、ロゴ、ホームページ、名刺などなど・・・コーポレート・アイデンティティ含む全てを、フルリニューアルです。
(自分たちで言うのも何ですが^^;、クリエイティブ含め思い切ったリニューアルをしました!)

今回の記事では、プロジェクトに伴走および相談にのってくださったブランドパートナー会社、外部パートナーの皆さん、お客様、社内のメンバーに、心から敬意と感謝をこめつつ、リブランディングの背景やプロセス、気づきなど、プロジェクトの舞台裏をお伝えします。


※こんな方には、ご参考にしていただけるか記事かと思います!
・リブランディングを検討している企業の方
・ブランディング戦略やマーケティングを担当されている方
・Hacobuのブランド戦略やカルチャー、マーケティング活動について知りたい方


リブランディングの背景

Hacobuは2015年に創業の物流スタートアップです。「運ぶを最適化する」をミッションに、物流現場の課題を解決するアプリケーション「MOVO」と物流DXコンサルティング事業「Hacobu Strategy」を展開しています。MOVO浸透の先に描く未来は、ビッグデータを活用した「物流情報プラットフォーム」の構築であり、この戦略を掲げているのはHacobu独自のポジションと言えます。

おかげさまで、現在MOVOは物流DXツールでNo.1のシェア(*)に成長し、日本のトラックドライバーの2人に1人の数に相当する48万人(*)のドライバーさんに登録いただくサービスまで成長しました。

(*)出典:デロイト トーマツ ミック経済研究所,『スマートロジスティクス・ソリューション市場の実態と展望【2022年度版】』(https://mic-r.co.jp/mr/02560/)
(*)累計登録ドライバー数とは、利用者が「MOVO Berth」を利用する際に登録するドライバー電話番号のID数

事業拡大期に、なぜ、リブランディングを推進したのか。

一番の理由は、Hacobuのビジョンが、ブランドコミュニケーション全体に反映されていないことにありました。

「企業間物流の社会課題を、もっと世に知ってもらって共に解決していく社会を創りたい」
「アナログな日本の物流を、データドリブンで最先端な物流へ、変革していきたい」
「物流のイメージ自体も、かっこいい・憧れる職業として認知されるよう啓蒙したい。」

・・・Hacobuは創業以来、こんなビジョンや想いを抱き事業を推進していましたが、リブランディング前は、言語やデザインに十分に落とし込まれていませんでした。


また当社のマーケティング的にも以下のような課題がありました。

例:リブランディング前の課題
・WEBサイトはプロダクト起点の情報発進
・検索しても、「MOVO」しか表示されず「Hacobu」がヒットしない(検索も下位表示に)
・結果、お客様に「Hacobu」の会社名を認知していただけない


リブランディング前・ホームページのトップページ:プロダクト起点のみの情報発信だった。


また、Hacobuは組織も拡大期に入っており、新しい仲間が多く増えているフェーズにあります。仲間が増えれば増えるほど、「Hacobuの強みとは?」「MOVOってどんなブランドなの?」という答えには、どうしても差異が生まれてしまいます。

また業界的には、物流の「2024年問題」が1年に迫っており、物流の課題解決は待ったなしの状況です。
Hacobuは創業以来、業界のイノベーションを起こそうと思って取り組んできたものの、それに沿ったブランディングをできていませんでした。このタイミングで、コーポレート・アイデンティティを刷新し、組織としてより一体感をもち、対外的にも一貫性のあるブランドコミュニケーションを構築する必要性があると強く感じていました。


1年に渡る、リブランディングのプロセス
〜高揚、挫折、葛藤、希望の1年間〜

Hacobuのリブランディングは、キックオフからローンチまで約1年に渡るプロジェクトでした。

社内のプロジェクトメンバーは4名(CEO太郎、COOまさる、CFOゆい、コーポレートコミュニケーション担当兼PMもりこ)が主として戦略の議論を重ね、マーケティングチーム、コーポレートチーム、テックチームなど部署横断型で連携・個別のチームを組み推進していきました。

初めは6カ月程度を予定していたプロジェクトですが、進行途中で、Hacobuという会社の今後の事業方針なども改めて検討することとなり、最終的には1年に渡る(!)プロジェクトに発展しました。

進行途中で、「もう、リブランディングはしないほうが良いのかも・・・」と思うほど、時間が凍結した瞬間もありました。そんな1年の議論の軌跡と、プロジェクトから得た気づきを残していきたいと思います。

■プロセス1:ブランドの目指す方向性を議論(経営ワークショップ)

まずは新ブランドの目的地、目指すべき方向性である「ブランドビジョン」を策定するべく、3C分析などを通じて、現状のブランドの立ち位置とあるべきブランドの方向性をワークショップで議論しました。

・物流の世界にイノベーションをもたらし、新しいムーブメントを巻き起こしたい。
・そのために、各界のロジスティクスリーダーのお客様と一緒に、物流を変えていきたい。
・モノとデータが自由に行き交う、新しい世界を築いていきたい。
・クリエイティブも従来の物流のイメージを覆すような、かっこいい物流を表現したい。

などなど、熱を帯びた議論が白熱し、改めてHacobuの目指す姿や強み、目指すクリエイティブの世界観を再確認できた1日でした。

3C分析から議論した強み



■プロセス2:ミッション・ビジョン・バリューの見直し。ブランドビジョンとしての「信念」の策定(全社ワークショップ)

続いて、ミッション、ビジョン、バリューの見直し・再定義を議論しました。こちらの議論は、Hacobuの組織文化にフォーカスしました。300名規模の組織を目指すにあたり、継承していきたい/脱皮したい/新しく獲得したいカルチャーは何か、社員全員でワークショップを通じて、言語化しました。

ワークショップの詳細は、ぜひこちらの記事(主語は ”I" じゃなくて ”WE” であって欲しい。全社員一丸となって再定義した新Valueの中身とその軌跡。)をご覧いただきたいのですが、ワークショップ中に社員みんなが、ミッションである「運ぶを最適化する」と言う言葉を軸に議論している姿が印象的でした。

主語は "I" じゃなくて "WE" であって欲しい。全社員一丸となって再定義した新Valueの中身とその軌跡。【Hacobu culture】 | Hacobu Culture
こんにちは!Hacobuにて人事を担当しています、そらです!あぁ、これが師走・・・と呟かざるを得ないぐらい、毎年瞬きするようなスピードで過ぎていく12月。みなさまいかがお過ごしですか?Hacob...
https://sg.wantedly.com/companies/hacobu/post_articles/463901


また、メンバーの一人は、こう言いました。

「毎日、目の前の仕事に翻弄されがちだけど、この仕事の延長線上にある“社会課題を解決する”という大切な目的は、忘れちゃいけないよね」


ハッとしました。
「運ぶ」を最適化した先に描く、未来の社会への希望。
これから組織が拡大していく際に、当社が決して忘れてはいけない価値であると再認識しましました。

このプロセス1・2の議論を通じて、新ブランドが掲げる目的地として、「ビリーフ(信念)」を策定しました。



荷主企業、物流事業者、ドライバーの皆さんに、「Data-Driven Logistics®が社会課題を解決する」=「Hacobu」というブランドイメージを想起いただきたい、加えて、この概念を社会全体の新しいあたり前として啓蒙していきたい、と強く認識しました。


この頃は議論も白熱&絶好調!
新しいブランドへの高揚と期待が高鳴り、リブランディングのMTGはとても活気に溢れていました。

まさに、こんな感じです。

検討中の新ロゴでZOOM背景を作り、ノリノリの太郎さん(CEO)。
(権利の関係上、ボカシで失礼します!)。


そして、挫折。

複数の議論を通じて、ブランドの目指す方向性を言語化。
秋ごろ、ロゴのデザインと世界観が完成しました。

スケジュールも順調。
さぁ、ついに社員全員にお披露目です!

「皆さん見てください!これが当社の新しいロゴです!」

・・・社内からの反応は、ポジティブな声ばかりとは言えませんでした。


・「お客様から遠くなってしまうイメージ。明確に反対」(某経営メンバーの声)
・「どう考えても、イマのデザインの方が好き」(メンバーの声)


上記のような社内の声やフィードバックを通じて、HacobuのValueでもある正・反・合(*)の姿勢で議論しました。

(*)“正・反・合” で、対話しよう:私たちは、自分の考えも相手の考えも同じように尊重し対話を重ね、賛成(正)・反対(反)の意見をより高い次元で最善解(合)に導くことが重要だと知っています。勘や経験よりもファクトを重視する姿勢のもとに、多様な価値観、考えをもつ一人ひとりが、貢献しあう場を育みます。


詳細は伏せますが、当時は会社名Hacobuとサービス名MOVOを統一する方向で検討を進めており、デザインやコンセプトも「データ」や「イノベーター」の要素が強く、カラーも青が基調になっていました。


「これって本当にHacobu、MOVOらしいんだっけ?」
「お客様との約束を、ちゃんと果たせるブランドになっているんだっけ?」
「マーケティングで最適な効果を得ることができるだろうか?」

この後から、時間が止まります。
議論を重ねても、どんなデザインを見ても、なかなか「これだ!」という自信と覚悟が、メンバーの中で生まれません。


「こんなに悩んだのは、創業以来初めてかも。」と太郎さん(CEO)。



(ついにはAIにも頼っちゃいましたね😅)
何十ものデザインを検証しました。



業務の合間を縫って時間を作り、議論に当たってきましたが、時間を十分に確保して、徹底的に議論を深める場が必要だね、ということで1日時間をとって合宿を開催しました。

デザイン起点の情報整理ではなく、Hacobuという会社が、2035年にどのような会社になっていたいかーー事業起点で、改めてブランドを考える場にしました。


真冬の青空が澄み渡る、日曜日の外苑前。
1日ブランド戦略合宿スタートです。

未来の事業起点で、ブランドを考える

■プロセス4 未来のワークショップ

これまでの議論の総括及び論点整理からスタートしました。
そして、太郎さんが未来のHacobuの経営のあるべき姿を語り、そこからバックキャストで、未来の事業戦略を議論し、ブランドのあるべき方向性を考えていきました。


・自分たちは何者で、いつ、どこへ向かうのか。
・Hacobuは、社会のために、何をしていくべきなのか、何ができるのか。
・これらを2025年、2030年、2035年、2100年のスパンで考えた時、どういう状態になっていたいのか、何を達成すべきなのか。


「運ぶを最適化する」というミッションは根幹に置きつつも、SaaSの開発・提供や、物流DXコンサルティング事業にとどまらず、新しい事業にも挑戦したいという決意が固まりました。その時にお客様にとってのHacobu・MOVOというブランドはどうあるべきなのか、という発想で、ブランド戦略を固めていきました。

1日合宿の様子(左からCEO太郎、COOまさる、コーポレートコミュニケーション担当兼PMもりこ、CFOゆい。)


この合宿を通じて、「ブランドは経営であり、未来起点でブランドコミュニケーションを考える」ということは、改めて感じる大切な学びでした。そしてこれらの議論を通じて、Hacobuという会社の存在意義について、再認識できたことも大きかったと思います。

ブランディングのメインターゲットは、誰か?

荷主企業、物流事業者、ドライバー・・・物流には、多様なステーホルダーが関わります。
私たちのお客様も多彩な業種職種の方が多く、また課題やニーズも多岐にわたります。

リブランディングの議論を始めた当初は、マーケティング観点のメリットから、企業名とサービス名を統一し、One Brandで、Hacobuの目指す世界を描こうとしていました。しかし、これが議論を停滞させていた原因でした。
未来起点で会社のあるべき姿や事業を検討した際に、今後の事業の広がりを踏まえ、お客様の課題感に応じて伝えたいメッセージを分けて考えることが重要と気づきました。




・社会全体や企業経営には、物流の社会課題を啓蒙し、物流を経営アジェンダ化していく必要があることから、データで解決する物流DXパートナー「Hacobu」のブランド
・物流現場には、物流の現場課題解決に向けた伴走者となり、現場の救世主を目指す物流DXツール「MOVO」のブランド

「Hacobu」と「MOVO」、この二つのブランドを軸に、戦略と世界観をデザインに落とし込みました。この二つのブランドを軸に、世界観をデザインに落とし込みました。


データドリブンで最先端な物流へ

完成したロゴデザイン、世界観がこちらです!手前味噌ではありますが、未来に向けた物流のワクワク感や希望、革新的な物流が表現できている自信作です!



ドラッカーが“最後の暗黒大陸”と称した「物流」。Data-Driven Logistics®が世に浸透し、社会課題を解決した先に見る希望を、漆黒の夜が明けた、朝陽の光で表現しています。


従来の物流というイメージを変革していくため、少し未来感があり躍動感のあるビジュアルイメージを撮り下ろしています(撮影に協力いただいたお客様、本当にありがとうございます!)。


車両の動態情報を把握できるビジュアルについても、キーカラーの赤と近未来感を融合してデザインしてもらいました!


新旧ロゴの比較です。

Hacobuのロゴは、Pilat Boldをベースフォントとして使用。先進的でありながら有機的なラメ曲線と直線のコントラストが特徴的なフォントです。「運ぶ」を前進させる志を「矢印」に込め、Aで表現しました。


MOVOのロゴは、MOVOの強みである現場力とそれを支えるデータの強さを表す、2つの「矢印」から生まれました。物流を飛躍させる「翼」と、放射状の 3 本の隙間は物流の課題を解決する「夜明けの光」を表現しています。「力強く、社会の根幹を支える物流」もイメージしています。



物流改善、待ったなし!

2024年問題に向けて、物流改善は待ったなしの状況です。課題解決には、荷主や一般消費者も巻き込んだ連携、協同の継続的な取り組みが不可欠です。

リブランディングの目的は、自社のブランド力向上はもちろんですが、それだけではなく、冒頭申し上げた日本の産業振興に寄与できるような取り組みに繋げたいと思っています。


「企業間物流の社会課題を、もっと世に知ってもらって共に解決していく社会を創りたい」
「アナログな日本の物流を、データドリブンで最先端な物流へ、変革していきたい」
「物流のイメージ自体も、かっこいい・憧れる職業として認知されるよう啓蒙したい。」


故に、我々が提唱する「データドリブン・ロジスティクスが社会課題を解決する」の啓蒙と認知拡大に向けて、今後新サイトでは情報発信を増やし、広告宣伝も積極的に展開していく予定です。


Hacobuの純広告やWebサイト。物流の社会課題解決を啓蒙するコンテンツとしている


そして一番大切で重要なこと。
ブランドはデザインや言葉のみではなく、実際の事業やサービスを通してお客様と共創していくものだと考えています。未来の「運ぶ」を新しく創るべく、思い込みをとっぱらい、険しき道を共に進む――10年後も100年後も、ずっと、そんな組織でありたいと思っています。


データドリブン・ロジスティクスが社会課題を解決する。
私たちは、データの力でより良い社会を創るために、挑み続けます。


長文になってしまいました。
最後までお読みいただき、ありがとうございました!


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