こんにちは!株式会社ギャプライズ HR推進室の長谷川です!
2回に分けてお届けしている、代表取締役CEO 甲斐亮之(かい りょうじ)のインタビュー。第2回では、現在展開している事業や今後の展望について、話を聞きました。また、候補者の方に向けたメッセージもお伝えします!
第1回インタビューはこちらからご覧いただけます!
■日本一のLP制作会社として、ツール開発に着手するも……
――現在の事業を展開するまでの経緯を教えてください
ギャプライズは、ECサイトのコンサルタントや運営事業からスタートしました。広告を出稿する際、費用対効果は何よりも大事ですよね。広告枠が何回表示されるのか、僕たちはコントロールできない。ただし、広告画像のクリック率は広告のクリエイティブで伸ばすことは可能。さらに、広告からの着地ページは、広告出稿側でいくらでも訴求のしようがあるんです。
誤解を恐れず言うと、広告枠に「100人来訪する」ことはコントロールが不可能だけれども、「100人のうち何人が購入するか」ということに関してはコントロールが可能ということです。2005年当時は、LP(ランディングページ)という言葉がありませんでしたが、私たちはお客様のコンバージョン率を上げるために、商品ページの作り込みに注力していました。
そして、2006年の秋頃にLPという言葉と出会い、「自分たちがやっていることはこれだ!」と思いました。それからは、「日本一のLP制作会社です」と豪語していましたね(笑)。しっかり考え抜いて制作したLPで大きくコンバージョン率が上がり、多くのお客様にも喜んでいただいていました。
ただ、最後の最後、なぜコンバージョン率が上がっているのか、定量的には分からなかったのです。当然、経験に基づいた数多くの仮説の上で制作していました。仮説がすべて当たっているとは考えづらいのですが、そのことを第三者的に、かつ定量的にデータで伝えることができなくて。そこで、ユーザー動向を可視化できるシステムを作って、既存のお客様に導入してもらえれば、Win-Winの関係が築けると考えました。
――そこで、新しいシステム開発を始めたのですか?
はい。人も資金も少ない中で、パートナー企業と一緒に頑張って作ったのですが……。結局、正式リリース直前にお蔵入りしてしまいました。なぜかと言うと、海外で開発されたもっとすごいツールの存在を知ってしまったから。それが、クリックテール社(注)のアクセス解析ツール「クリックテール」です。(注:現在はコンテントスクエア社)
自分たちが頑張って作ったにせよ、それ以上に素晴らしいものを知ってしまったので、「これは売っちゃダメだよね」と、すぐにお蔵入りの判断をしました。良いモノを扱わないと、お客様にも市場にとっても良くありませんから。ただ、「もう2度と開発はしないぞ」って思いましたね(笑)。
■想像の3歩先が実装されていた「クリックテール」
――それが「クリックテール」との出会いだったのですね
そうです。「クリックテール」は、僕らの想像の3歩先がすでに実装されていて、「これはすごい!」と思いました。当時のクリックテール社は、イスラエルのスタートアップ企業のなかでもトップランカーで、事業は伸び続けています。
僕らは、LPを制作していたので、「クリックテール」の必要性が分かっていました。かつ、自分たちで開発もしていたので、レベルが高いツールだということも分かりました。だから、クリックテ―ル社との提携は大きなチャンスだと思いましたね。
そして、いざ提携したところ、過去にLPを制作したお客様が多くいらっしゃったことも手伝い、初動から上手くいきました。その影響で2014年からは、「クリックテール」以外にも、海外発の最先端ツールの事業が伸びています。ECサイトとLPから撤退した今は、これらのツールを活用したビジネスをより大きく展開していきたいと考えています。
――イスラエル企業と提携するにあたり、苦労はありましたか?
コミュニケーションは英語ですし、時差も6~7時間あります。宗教も歴史も全く違いますし、パーソナリティ的には日本人と真逆です。衝突を好む好まないとか、感情を出す出さないとか、日本人と真逆のイスラエル人と付き合うのは、本当に面白いですね。真逆の人たちと働くと、好奇心に強い刺激を与えてもらえるんです。その強い刺激の中で一緒に成長できることは、私にとって得難い体験です。
私は世界が広がった瞬間、パーッと開けたような感じがするんです。これは、ライフステージが変化するたびに感じていますね。環境がガラリと変わったり、未知のものに出会ったりすると、非常にワクワクします。とにかく、刺激を求め続けたいという気持ちがとても強いんですかね。刺激や好奇心を失った瞬間、老いが始まってしまうと思っています。だから、イスラエル企業との提携で、苦労したなと感じたことはあまりありませんね。あ、まったく苦労していないわけではありません(笑)。
■海外のパートナー企業と共に、日本市場を盛り上げたい
――10月から16期がスタートしましたが、今後の展望を教えてください
正直な話、現在のビジネスモデルは、「めちゃくちゃ良いモデルだな」と、我ながら自負しています。ただ、まだ僕らがタッチしていないデジタル領域もいくつか存在します。提携先となる海外のパートナーを増やして、彼らと一緒に日本市場を盛り上げたいと、非常に強く思っています。
また、転職しやすく、独立しやすい時代や環境だと思ってはいますが、できるだけ長い時間、一緒に働いて人生を共有していきたいという気持ちもあります。そのためには、メンバーが刺激を与え合い続け、成長し続けられる環境を作り続けなければならない。それが、CEOとしての仕事だと感じています。まだまだ100人前後の組織なので、事業を分散するよりも「この領域で日本のトッププレイヤーに入るんだ!」という思いで、ひとつに集中して突き進んでいきたいと思っています。
――今後、上場する可能性はあるのでしょうか?
はい。より大きく難しい仕事を国内外で展開していきたいので、上場を視野に入れて動いています。やはり信用力が違いますしね。新規取引のときは与信をチェックすると思うのですが、上場企業かどうかで審査プロセスが異なるように思います。より刺激的で好奇心を満たすような仕事をするためには、上場企業という切符を持っていた方がいいと考えています。
そして、もうひとつの大きな理由として、ギャプライズのお客様はほとんどが上場企業なんです。お客様のことをより深く知るためには、上場しなきゃ分からないことが多いと思います。上場準備を進める中で分かったことがたくさんあるので、実際に上場すると分かることがもっとたくさんあるんじゃないかと感じています。
■「いつも心にエンタテインメント」をメンバー全員が意識
――コーポレート・スローガン「いつも心にエンタテインメント」には、どのような意味があるのでしょうか?
僕たちは「エンタテインメント」という言葉には、“楽しんでもらう”だけでなく“もてなす”という意味を持たせています。
おもてなしのスタート地点は、興味を持つこと。興味を持ち、知り、好きになる延長線上に、おもてなしが存在すると思っています。なので、まずは様々な人や出来事に興味を持つところがすべての起点だと思っています。
そして、メンバー全員がそれをできるような状態になるということが「いつも心にエンタテインメント」に繋がってきます。
お客様に喜んでもらって僕たちも嬉しいのに、対価としてお金をもらい、リピートしてくれたり新しいお客様を紹介してくれたり、多くの経験の末に成長できたりと、ビジネスって一石十鳥くらいあるんじゃないかと思います(笑)。
また、「この人といると面白い」、「この人がいると空気が明るくなる」という空気感ってありますよね。人もそうですが、法人も人が作っているので、「ギャプライズと仕事をしてると面白いことが起きる」、「ギャプライズはいつも新しいことをやっている」というような空気感を出していきたいんです。海外に対しても、「ギャプライズと提携すれば、日本の市場できちんとプレゼンスが出せる」といった空気感を出していきたいですね。
――最後に、候補者の方へメッセージをお願いします
ギャプライズは、可能性を広げたいという思いがすごく強い会社です。私自身もそうですが、まだまだこれから事を成したいというメンバーがとても多い。そして、本当にさまざまな経歴、学歴のメンバーが集まっていて、キラキラしたキャリアではない人がほとんどです。これは褒め言葉ですが、雑草みたいな人が多いんですよ(笑)。
でも、やっている事は、海外の最先端技術を導入して、日本の大手企業と対等な目線で仕事をしています。こんなに面白いことはありませんよね。これまでの背景は変えられませんが、今と未来は変えられる。だから、これからの自分の可能性を信じられる人と仕事をしたいですね。そして、その可能性を最大限に活かし続けられる場所でありたいなと思っています。
このほかには、「スピード感がある」「物事を自分事にできる」「仲間と一緒に動くことが好き」という人が、ギャプライズには合うと思いますが、一番の前提は、「自分を諦めていない人」。私もそうですし、諦めていないメンバーばかりなんです。自分を信じていたり、可能性を信じていたり、チームを信じていたり、そういう面を持っていることも大事かなと思います。