「タテだ。タテに独占しろ」 Paypal創業者ピーター・ティールが語る、10年後も勝てるビジネスのつくりかた
ピーター・ティール氏 市場独占の特徴をおさらいしましょう。特権技術、ネットワーク効果、規模の経済性、これらについて市場を独占している、上手く波に乗っているその時に考えることはもちろん良いですが、「今ある良い状況は継続していくだろうか?」と考えることも必要です。 ...
https://logmi.jp/28352
こんにちは、次世代事業準備室の安元一耀です。
突然ですが、最近、「参入障壁って何なのか?」ということを考えておりました。
参入障壁と言えば、「自動車を作るぞ!」みたいに、一般人ではなかなかできなかったり、莫大な資金がないと開始できないビジネスとかがパッと思い浮かぶかもしれません。
余談ですが、それ以外の「参入障壁」に関する僕の勝手なイメージですが、意識高そうな(?)会社が「模倣されにくいビジネスモデルを!」とか「競争優位なビジネスモデルを!」みたいなことを言ってそうなイメージです。
確かに「自動車を作るのは参入障壁が高い」とかの話は理解できるのですが、僕的には「模倣されにくいビジネスモデルって何?それはどんなビジネスモデル?」と感じていました。
そこで今回は、参入障壁について色々リサーチしたり、自分なりに考えてみたことをこのブログで言語化しておきます。
参入障壁についてリサーチするとき、以下の記事が参考になりました。Paypal創業者のピーター・ティールの記事です。
最近読んだ本「逆説のスタートアップ思考」でも、このピーター・ティールの市場独占の考えについて触れていました。
ピーター・ティールは、マーケットの独占状態を作る(参入障壁を高める)には、以下の4つのいずれかが必要であると述べています。
①:proprietary technology(専門的技術)
→ 技術力の有無がそのまま参入障壁となる。最近で言うと「機械学習」や「ブロックチェーン」なんかがわかりやすいかと思います。その技術に関して会社が知見を持っているか?です。
②:network effects(ネットワーク効果)
→ プラットフォームビジネスでよくあるネットワーク効果です。メルカリとかが代表例です。この分野は「winner-takes-all」になりやすいです。
③:scale of merits(規模の経済・スケールメリット)
→ 生産量の増加に伴って、製造コストが減少していくモデルです。個人的な意見ですが、これはハードウェアや製造業に多く当てはまるかな?と感じてます。
④:brands(ブランド力)
→ これはそのままなので特に説明しません。
そこで、ネットサービスだと②と④の戦略はどういう事例があるのかな?という疑問が湧いたので、色々調べて考えたことを以下でそれぞれまとめてみます。
このブログシリーズは、一応ビジネスモデル図解のブログでもあるので、メルカリのビジネスモデルについて図解しておきます汗
図解するのが難しかったですが、以下のように描いてみました。
※間違っていたらすいません!ご指摘はFacebookメッセンジャーまで。
ここからは、メルカリが初期に実施していた施策について軽く見てみます。
ネットワーク効果が参入障壁になり得るならば、以下の2つのことが初期の戦略において重要になるのでは?と思います。
→ これは当たり前の話ですが、初期ユーザーの数が肝になります。メルカリがサービス初期からテレビCMを放映していたのは有名です。
(参照:https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%A1%E3%83%AB%E3%82%AB%E3%83%AA)
2013年7月にスマホアプリをリリースしてから1年以内でもうテレビCMでのマーケティングを行っています。
→ ネットワーク効果を内包しているサービスにおいては、初期ユーザーに「〇〇を使えば××できる!」という体験をいかにいち早く提供させるか?も重要なように思えます。
初期のメルカリでは、公園とかで開催されているフリーマーケットで出品している人たちに、「メルカリというサービスを使えば売れますよ!」と声をかける → メルカリで出品してもらったら、自分たち(メルカリの人たち)が自前購入する
ということをやっていたという話もあります。
Yコンビネーター創業者グレアムの「スケールしないことをやれ」ってまさにこんなことなのでしょうね・・・
【P.S.】
今では有名な「楽天市場」でも、初期の売上の半分くらいは社長である三木谷さんによる自腹購入であったという話もあります。
最後はブランド力についてです。わかりやすい事例として今回は「トラベルコ」と「食べログ」を取り上げます。
まずはトラベルコです。ビジネスモデルは以下のように描きました。
トラベルコがブランド力向上を狙っているのには理由があるので、以下で軽く述べておきます。
トラベルコは複数の旅行予約サイトの比較ができるサービスです。最安値の宿泊施設を見つけたりすることができます。(メタサーチ、横断検索と呼ばれています。)
(大変申し訳ありませんが)少し乱暴な言い方をすると、サービス内容としては横断検索をしているだけなので、サービス自体が他社にパクられやすいというリスクもあります。
※トラベルコをdisっているわけではありません(本当に)。わかりやすいようにあえてこのような説明としているだけです。ご容赦ください。
そのための戦略として、サービス自体のブランド力(認知度)を上げる必要が出てくるのです。
トラベルコを運営している株式会社オープンドアの決算説明会資料(2018年3月期)を見ると、「テレビCMによる認知度UP」をちゃっかり押し出してます。
(参照:http://v4.eir-parts.net/v4Contents/View.aspx?template=ir_material_for_fiscal_ym&sid=49022&code=3926)
【P.S.】
トラベルコについては以前にもサービスリサーチをしたことがあるので、以下の記事も良ければご覧下さい ↓↓↓
最後は食べログです。ビジネスモデルは以下のように描きました。
食べログのブランド力向上戦略は、CMではなく、SEOがメインとなります。
食べログの運営会社はカカクコムですので、価格ドットコムで培ったSEOに関する知見が食べログでも活かされています。
ユーザーにとっては、例えば「渋谷 ラーメン」とかで検索すると、「毎回この『食べログ』とかいうサービスに行き着くな〜」となります。
ユーザーはグルメ検索のたびに「食べログ」を目にすることになるので、知らず知らずのうちに「グルメ検索といえば食べログ!」みたいなのが刷り込まれます。これがブランド力(認知度)向上に繋がるというわけです。
今回は自分でも気になっていた参入障壁について書いてみました。ご覧いただいた皆様、ありがとうございます!
というわけで今回はこれで終了です。ありがとうございました!!