「地域社会×学生×ビジネス=地域活性化」をテーマとした宿泊型ビジネスコンテスト「BIZ CAMP」を2016年8月21日(日)~8月25日(木)の4泊5日で、青森県深浦町において開催しました。地元の弘前大学などからは11名参加し、北海道から九州まで、全国から選ばれた23名の学生が6チームに分かれて、深浦町を拠点とした新たなビジネスプランを提案しました。
今回のBIZCAMPでは、クルーズ株式会社の他に、株式会社ドリコムさんと株式会社オズビジョンさんが協賛し、最終日には深浦町副町長や青森銀行の支店長などに審査員として参加していただきました。参加学生は「ユーザーニーズが検証されているか」「実現可能性があるか」「浦町の地域活性化になるか」「持続可能性のある収支計画になっているか」の4つの観点から、「(1)深浦町の課題を提示し、 (2)その課題を解決すべき分野を 1つまたは複数決定し、(3)深浦町が目指す将来像を実現するために必要と考えられるビジネスプランを考案せよ。ただし考案されるビジネスプランは、 1年以内に、単月黒字化(一ヶ月あたりで黒字) 3年以内に、累積黒字化(36 ヶ月の利益を全部足して黒字)とすることとする」といった課題に挑戦しました。
1日目は青森県弘前市の旅行会社「たびすけ合同会社西谷」代表西谷雷佐さんや、深浦町役場の方による講座、町長や役場職員の方との懇親会など、青森県や深浦町の現状について学ぶ機会が多くありました。
2日目からはオズビジョンさんやドリコムさんか顧客ニーズ調査の仕方やPLの立て方を教わるほか、地元漁港や商店街へのフィールドワーク、そして深浦町が誇る白神山地・十二湖のトレッキングに参加するなどビジネスと深浦町についての理解を深めていきました。 3日目からは昼間は役場の会議室で、夜は宿泊先のコテージにて、どの班も寝る間を惜しんでグループワークに励みました。考案したビジネスプランは、メンター陣による中間フィードバックによって何度も何度も改良が重ねられていきました。
最終日、参加学生からは白神山地でARを駆使して楽しむ観光ツアープランや、深浦町の名産品であるマグロを使用した「だし粉」の開発プランなどが提案されました。結果的に、その場で投資を受け、事業化に進むグループはありませんでした。しかし行政の方々から「ぜひ実現してほしい」といった声があがるビジネスプランもあり、「今後も事業化に向けて努力したい」と意気込むグループも見受けられました。
BIZCAMPは、地域が抱える課題に対して、そこの地域住民や行政の方々、ベンチャー企業そしてこれからの日本を担う学生たちが協力することによって、何か新しい価値を創造することを目的として企画され、今後は9月27日~30日に宮崎県日南市において、そして 10月6日~10日に香川県東かがわ市において開催が決まっています BIZ CAMPは従来型のインターンやビジコンとは異なり、単なるアイデア出しで終わるのではなく、参加学生が国や社会のために、ビジネスという手段を通して解決策を提案し、それを彼らの手で実現するまでのサポートが担保されていることが特徴であり、「実際にビジネスをつくる」という意欲に溢れた参加学生は活気に満ちていました。
■参加学生の声
吉崎 幸海さん(弘前大学人文学部3年) BIZCAMPは、自分に新しい世界をみせてくれたキャンプであり、これから一緒に歩んでいく仲間に出会えたキャンプでした。知識や、経験では、地方と東京の学生に差があると感じたが、行動に起こすことに関しては大学や環境は関係ないと感じることができました。それは、今後活動していく上での自信に繋がる経験になりました。
■おわりに
「地域活性化」には、様々な定義があり、そしてそれを実現していくにも様々な手段があります。しかし、これから地方にとってビジネスが重要になってくることは間違いありません。今回のBIZCAMPは、学生がビジネスという手法を用いて、いかに深浦町を活性化するか、ということを考え続けた5日間でした。今回すぐに事業化が決まったプランはありませんでしたが、地元学生の地域に対する熱い想いと、外からの新しい視点が組み合わさり考案されたプランはどれも、これからブラッシュアップを重ねていく価値のあるものばかりでした。 そしてこの4泊5日で、BIZ CAMPに参加した学生23人が深浦町で寝泊まりをして、本気でこの町の現状に向き合い、将来を模索し続けたこと自体もまた、「地域活性化」であるといえるのではないでしょうか。