なんのために人は生きているのだろうか?
なんてことを、社会人3年目の時に自分に問いかけて5年くらい経過しましたが、「人が地球上に生きていることに、大した意味なんてない」と以前から勝手に答えています。(もちろん正解があるわけではない)
そんなこと誰かに言うと、絶望している人なのかな?と思われそうなので、間髪を入れずに、「人が地球上で生きている理由はどこまで考えてもわからないけど、だからこそシンプルに幸せになればいいんじゃないかな」と付け加えるようにしています。
そんな僕の幸福度を感じる瞬間は、「自分事化しているものに対して考えたり、何かに没頭している時」です。
そんな瞬間を起こしやすい生き方で、かつ20代後半からでも実現可能性の高い生き方が、経営者であり続けることだと確信を持ってから、今もなおその気持ちは変わっていません。また、起業したかったというより、経営者であり続けたいという表現がより正しいとも思っています。
人生を長期的に捉え、幸福度のピークを晩年に持っていきたい
逃げ水のような、届きそうで届かないものを追いかけている、追いかけているうちに目標が自然と上がっていたり変わっていたりする、そんな生き方をしたい。
なんて思いながら、生きています。
高校時代の経験が大きく影響していていると思うのですが、一般的に最も青春だと思われている高校時代を、大切な時間に変えられなかった後悔からその価値観が形成されていると思っています。
ピークは更新していきたいし、ピークなんて一生来てない(まだまだ先にある)と思いながら生きれることが、多様な生き方が問われる現代において、幸せなのかもしれないと思っています。
じゃあ、自分はどんな方法(事業)で人々の人生のピークをアップデートできるだろうか?
5年くらい断続的に考えていましたが、ビジネスとして成立しそうなアイディアを思いつくことはなかったです。
日本の国益となる事業をやりたい
一見すごく今までの話からは飛躍しているし、スケールが大きくなったな〜って思うのですが、将来的に日本の国益につながる事業に取り組みたいと、真剣に考えています。
それはなんと去年の秋頃からなんとなく読んだ、マンガの島耕作シリーズがきっかけでした。「課長島耕作」は1985年からスタートして、37年間立った今も島耕作シリーズは連載中です。松下電器産業(現Panasonic)をモデルに、40年弱の日本経済の栄枯盛衰をグローバルな視点を交えて描いており、なるべくして日本が国際競争力を落としていることを学べるマンガです。
詳しい話は割愛しますが、これまでの日本は実態以上に豊かな生活を送れており、今後のその生活は保証されていないと感じ取りました。また、そのことを自分事として危機感を持っている若者がどれくらいいるのだろうか?と気になりました。(もちろん、自分もそのようなことは全く考えたことのない一人でした)
そんなことを考えていると、
「日本で儲かるビジネスを作っても、日本の国益にはほとんどつながない。むしろ途上国・後進国が国際競争力をつければつけるほど、日本の豊かさはどんどん失われていく。そんな日本では、自分の努力だけで人生のピークを更新できる人ってどんどん減っていくんじゃないか。我々世代が日本の国益を考えないと、もっと下の世代は厳しい生き方を強いられてしまう」
なんて突然考えるようになりました。
「あ、自分はこの経営者人生をかけて、何かの領域の代表として日本の国益につながる事業に取り組みたい。今は無理だけど、その方角に向かって走っていたい。」と年末年始に決意しました。
どんなステップを踏んで行くのか
unname社は、エクイティファイナンスを行っていない(今後も当分行う予定はない)ので、株主に忖度なく意思決定を行ったり、事業のピボットが可能な会社です。
だからといって、思いつきで脈絡のないことを急にやり出したり、無謀で後戻り困難な意思決定を行うつもりはありません。
日本の国益とは?という定義を細かく考えても、思考や行動が制限されそうなので、大きく下記の三つの方角で考えています。
①日本の人口を増やす②日本の技術を輸出して外貨を稼ぐ③日本の大企業の生産性が上がり、世界と戦えるようになる
「①日本の人口を増やす」に関しては、移民を受け入れない限りは基本的には人口は増えないので、まずスコープから外します。(日本が豊かになった結果として人口が増えることはあると思います)
「②日本の技術を輸出して外貨を稼ぐ」に関しては是非やりたい。
ところが、今自分達の身の回りで、日本の製品はどれだけあるだろうか?
MacBookで仕事をしているし、Googleで検索するし、SNSはFacebook、Instagram、Twitter、TikTok、YouTubeを活用するし、SlackやZoomで仕事のコミュニケーションをとるし、notionとかGoogleドライブで情報格納するしね。めちゃくちゃ海外にお金落ちてるやんってなりますよね。
ソフトウェアは完全にカルフォルニア帝国に覇権を取られていて、もう日本が頑張れる余地ってそんなに残っていないと思います。
それでもまだ日本が世界に誇れる技術や文化はまだまだある。でもそれはソフトウェアではない。もう日本のマーケットだけをみて、ちょっとした便利ツールやサービスを作っても仕方がない。(日本自体が衰退するのだから)
日本が日本にしかない技術や文化を世界に輸出して、日本の国益のために外貨を稼ぎたいし、そのために海外で挑戦してみたい思いがあります。
自分はこれまで、海外で働くこととか全く興味がなく、むしろ日本住みやすいし、一生日本で住んでいたいと思っていました。今も日本に住んでいたい気持ちは変わっていないのですが、日本のためになる事業を興したいし、日本人が豊かに生活できるために海外で勝負してみたいとふと思うようになりました。
残念ながら、今の自分にもunname社にも、そんな技術もアセットも知見もないので、チャレンジ自体は将来の自分に託そうと思います。
最後の、「③日本の大企業の生産性が上がり、世界で戦えるようになる」なのですが、これが一番身近で扱いやすいテーマだと思っています。
僕たちが直接日本の国益となるようなビジネスをできればもちろんベストなのですが、それよりも先に、すでにある日本を支える大企業の生産性向上に貢献することがその近道なんじゃないかと思っています。大企業には膨大なアセットも存在しているので、それをフル活用し、新しいビジネスの可能性を探っていきたいと考えています。
新型コロナウイルス感染症(COVID-19)拡大に伴い、働き方が見直されつつある中で、元々ITの領域で様々なツールの活用やオペレーション構築を行なってきた自分達に得意な領域で大企業の支援をしたいと思っています。(大企業じゃないとダメなわけではなく、より影響力があるという意味で書いています)
我々の持つマーケティングの知見とノウハウを生かし、まだまだDX推進が進んでいない企業を優先的に支援していきたいと思っています。足元は支援という形を取りつつも、再現性のある勝ちパターンが確立されてきたタイミングでは、よりその知見が流通されるように、知見のインストールしていきたいです。その文脈で、リスキリングなどのテーマにも取り組んでいきたいと思っています。
まずは、日本に眠っているアセットを活かす事業作りを行なっていく。最初に人材というアセットに着目し、人材を活かすためのリスキリングに向き合う。ただし、リスキリングはまだマーケットとして出来上がっていないので、早過ぎず遅過ぎずのタイミングをしっかり見極めていきたいと思います。
自由も理想も諦めたくない、だからこそしっかり会社の経営基盤を作る
会社のイグジット経験があるシリアルアントレプレナーでない限り、会社の創業時にキャッシュリッチに事業展開を行うことはなかなか困難だと思っています。
だからこそ、エクイティファイナンスという手段を活用して資金調達を行うと思うのですが、それはスタートアップという形式で時限爆弾のスイッチを入れながら走り出すことになると思います。
僕自身もスタートアップ企業で働いた経験もあり、それ自体はものすごい尊い時間ではあったのですが、5年前10年前とは違い、アイディアと勢い(若さ)だけで勝てるような領域が日本においてはほとんど残っていないと思っています。
バイアウトを前提としてやっていくのであれば、いくらでもゴールはありそうですが、自分の場合は、あくまで経営者であり続けることが自分の人生を充実させる手段であるので、その走り方は考えていません。また、一度作った船を何度もコロコロ変えようとも思っていません。自分の人生において関わってくれた仲間とは、少しでも長く時間を共にしたいと考えているからです。
現段階では特に理由もないので上場を目指しているわけではないのですが、少数精鋭でずっとやっていきたいわけでもありません。拡大自体は目的ではないので、「年商100億のビジネスを作りたい」とか、「時価総額1兆円の企業を作りたい」とか、そんな思いは微塵もありません。
ただ、自分達のできることを増やすために、その手段として会社の規模は拡大していきたいと思います。「将来の自分は今よりアップデートされて、視座や想像力が何倍にも成長しているはずなので、その時にやれる環境を作っておきたい」そんなイメージです。そのために、今は自分のやりたいことは封印し、やれることを増やすためにやるべきことを優先しています。会社の代表として、ヒトモノカネの経営基盤を作り、ステークホルダーがunnameという会社に関わりたいと思ってもらえるような状態を目指す。
やりたい方角には向かっているから、やりたいことを我慢できる。だからやりたいことよりも今は成長を優先する。