事業開発チームは「セクターを超えた共創を通じ、社会課題解決に向けた全体最適を実現する」というビジョンを掲げ、あってほしい社会の姿と常に向き合いながら仕事に取り組んでいます。
今回は、チームリーダーである井上朝雄さんに、事業開発チームが描くビジョンやそこに向かって取り組む仕事の魅力、仕事を通じて得られるスキルについて詳しく聞きました。
井上朝雄:大学卒業後、株式会社文藝春秋、企業経営を経て、リディラバに参画。事業開発チームリーダーとして、省庁・自治体案件、企業案件、自社案件を通じた社会課題の解決に取組む。福岡県出身。プライベートでは二児の子育ての傍ら、ビールとワインと日本酒を好む。東京大学法学部卒
社会課題起点での新規事業開発の支援や、中央省庁・自治体向けの政策立案、実行支援を担当する事業開発チームでは、現在社員採用を強化中。
こちらの「転職 to リディラバ」企画では、社員紹介やプロジェクト紹介など、リディラバ事業開発チームについて様々な角度からお伝えしていきます。
リディラバ事業開発チームの井上朝雄です。
大学卒業後のファーストキャリアは、文藝春秋という出版社でした。もともとは社会的なテーマからビジネス、文化まで幅広い分野を扱える文春新書にいきたかったのですが、配属は週刊文春に決まり、文藝春秋にいた4年間は、結局一度も異動することなくずっと週刊文春にいました。ほとんど週刊文春に入社したようなものです(笑)
その後、身内の不幸もあって文藝春秋を退職し、家業の建設業に携わりました。住宅やリフォームの営業をやったり、ヘルメットを被って現場監督をやったり、保険事業の立ち上げを行いました。家を建てて引き渡しをすると、井上さんに頼んでよかったです、とすごく喜んでもらえる。良い仕事をして誰かに価値を届け、喜んでもらえるような仕事がしたい、と思うきっかけになりました。
リディラバに入社したのは2018年の4月です。家業もある程度落ち着き、次は何の仕事をしようかと考えていました。誰かに少しでもポジティブな変化をもたらすことができる仕事がしたい、ということに加えて、正解がないものごとについて考え続けるのが好きで、複雑なテーマを縦横無尽に考え続けられるような仕事に就きたい、と思っていました。
代表の安部とはもともと大学時代の同級生で、リディラバの存在は元から知っていたんですが、リディラバが ”より良い未来を作っていく” ことに特化していて、かつ横串でさまざまな課題を扱っていることもあって、リディラバへの転職を決めました。
入社して最初の仕事は、社会人のリカレント教育を社会課題の現場で実践し、「会社」という枠に囚われずに「社会」起点で課題設定できる人を増やすことを目指す経産省の「未来の教室」実証事業でした。
2018年11月には、法人事業部を立ち上げました。初めはじぶんひとりの事業部だったのですが、その後は組織改編も経ながら、少しずつメンバーも増え、今は「事業開発」チームのリーダーとして、20名弱のメンバーと一緒に、省庁・企業・自治体等さまざまなステークホルダーと協働しながら社会課題の解決にコミットしています。
入社時に代表の安部と
事業開発チームは社会課題解決における全体最適の実現にチャレンジしている
事業開発チームは、社会課題解決における全体最適の実現に挑戦しています。
日本には、課題解決に対してそれぞれ異なる強み・武器を持つ大企業・省庁・自治体・ソーシャルセクター等のさまざまなステークホルダーがいて、各々の強みを活かし、掛け合わせながら社会課題の解決に取り組むことが求められています。
しかし、現状の多くの場面では、セクターの個別最適に陥ってしまっているのが実情で、セクターを超えて強みを掛け合わせていくような共創はなかなか生まれておらず、それが、もっといろんな人が伸びやかに充実感を持って暮らせる社会や、未来世代まで含めた持続可能な社会の実現を妨げてしまっていると感じています。
今まではソーシャルセクターとビジネスセクターが交わることも少なかったですし、ビジネスセクターとパブリックセクターもイノベーションを生むような共創はほとんどありませんでした。
そのような縦割りの限界に直面しているからこそ、官民連携やコレクティブインパクト等、多様なプレイヤー間の協働に対する期待が大きくなっています。しかしながら、イシューへの構造的理解と現場の当事者へのインサイトを踏まえた上で、セクターを超えた関係者をチームアップしながら協働を実現してきたプレイヤーはまだいないのではないかと思っていて、事業開発チームとして、その役割を担っていく必要性を強く感じています。
例えば認知症共生というテーマは、2040年には約1000万人の人が認知症になると言われる日本において非常に重要な問題です。認知症当事者の生きづらさをどのように解消し、どのように生活の質を高めていくのか。在宅で介護をしている家族の孤立を防ぎ、心身の健康を守りながら暮らしていけるようにするには、何が必要なのか。
国や自治体の制度だけで全てが解決できる課題でもないし、民間事業者の新規事業だけで全てが解決できる課題でもない。あるいは、地域のコミュニティやボランタリーな活動だけで全てが解決できるものでもありません。単独のセクターの取り組みだけでは限界がある中で、セクターを超えた協働を通じてソリューションのポートフォリオを構築していくことが求められています。
事業開発チームがやろうとしてるのは、まさにその全体設計です。例えば、チーム編成一つをとっても、今まで多くの場合は、私たちは民間企業とやります、とか、私たちは省庁・自治体担当のチームです、とか、カウンターパートによってチームやプロジェクトが定義されてきました。そうではなくて、イシューを起点としながら、社会のあるべき像・理想状態を描き、パートナーシップを結んだ特定地域でソリューションをアジャイルに立ち上げ、全国に広めていく、というのをやりたいと思っています。
ある時は中央省庁の人たちと調査・制度設計をしたりするし、ある時は認知症の当事者の人たちに必要なソリューションを大企業といっしょに開発したりもする。またある時は地域の中で認知症当事者やその家族を包摂していくために必要な地域づくりの方法を社会福祉協議会の方と話し合ったり。
イシューに紐づいて軽やかに越境しながら、共鳴しあえるパートナーと協働し、課題解決に向けた全体最適を実現する。そのコアとなる部分を担っていくことにチャレンジしています。
(事業実績 ※順不同)
省庁
・内閣府:RESAS(地域経済分析システム)関連事業
・経済産業省:就職氷河期世代(ロスジェネ問題)調査事業
・経済産業省:「認知症共生社会」サービス実証事業
・厚生労働省:「重層的支援体制整備事業」調査事業
・厚生労働省:「ひきこもり」普及啓発事業
・文部科学省:「教職員向けリカレント教育」広報事業
企業
・トヨタ自動車株式会社:新事業提案制度 事務局サポート
・三菱地所株式会社:新規事業開発
・NECソリューションイノベータ株式会社:認知症×新事業開発、実証
・NECソリューションイノベータ株式会社:新規事業開発
・株式会社NTTドコモ:新事業開発
・セイノーホールディングス株式会社:新事業開発 事業伴走
・関西電力株式会社:新事業提案制度 事務局サポート
・大手自動車メーカー:新事業開発 事業伴走
・大手教育関係企業:新学校設立プロジェクト etc...
https://ridilover.jp/BizDev/ (←企業サービスサイト)
自治体
・長野県信濃町 官民連携実証事業
・茨城県つくば市 つくばSDGs Try事業
・新潟県十日町市 観光ビジョン・大地の芸術祭関連事業
ワークショップの様子
社会的に価値のある取り組みに対して経済的インセンティブが働くようにしたい
さらにその先には、社会性の貨幣化を見据えていきたいと考えています。
例えば、今不登校になっている子供が過去最多と言われている中で、そのような子供たちに居場所と学習環境を提供しているフリースクールが全国にあります。
主観的な想いにはなるのですが、この取り組みって、明らかに社会的価値が高いと思うんですよね。子供への居場所の提供を通じて、自分って認めてもらえるんだ、という子供の自尊感情を守るし、さらに今後に繋がるような学習環境も提供している。
でも、フリースクールを運営している事業者の多くは経営が厳しく、手弁当で赤字を埋めながらやっているところもある。サービスを提供している人に、社会的価値に対応する経済的インセンティブが実現できていないのが現状です。
フリースクールに限らず、多くの社会的領域で同じような課題があり、リディラバは、将来的にはそういった取り組みがしっかりと評価され、取り組みの主体者に対し、持続可能に事業をやっていけるような経済的インセンティブが提供される状態を作りたいと考えています。
「社会課題解決に取り組む」ということが清貧の思想からもっと自由になって、経済的インセンティブも提供されることで、様々なプレーヤーが参入し、創意工夫やイノベーション、新たなアイデアがどんどん社会実装されていく。ある種のマーケットの革新みたいなことをやっていきたいと思ってます。
「社会性の貨幣化」は僕らだけで実現できるものでは決してなく、政治、行政、民間事業者など、様々なプレーヤーとの対話、協働が不可欠です。
道のりは相当に長く、ものすごく大変だなと思うことばかりですが(笑)、実現したいビジョンを持って日々仕事に取り組めるからこそ、仕事、すなわちそこに向かっていくプロセスに価値を感じられる、納得感を持ってチャレンジができる環境になっていると感じます。
社会課題カンファレンス「リディフェス」のセッションでモデレーターを務めた
(左から)セイノーホールディングス株式会社オープンイノベーション推進室室長加藤徳人さん、一般財団法人KIBOW インパクト・インベストメント・チーム ディレクター山中礼二さん、井上
様々な変化が起きている今の時代に必要な「新しい価値を創造する力」がつく
リディラバで働くことの最大の魅力は、これまでに話してきたような “価値を感じられるチャレンジができる” ことだと感じていますが、例えば「リディラバで働いてきた4年間でどんなスキルが得られましたか」と自分自身が聞かれたとするなら、「社会の変化を見据えながら新しい価値を創造していく力」と答えるかな、と思います。
様々な社会的、事業的変化が起きる中で、シチュエーションに応じて最適なプロジェクトを起こし、新たな価値を創造する力が求められていると感じます。
営業部の部署改革も、新規事業部の新規事業創造も、経営企画部のDX推進も、抽象度をあげれば「価値創造」のプロセスはほとんど同じだと思っています。
取り組む領域を決め、ステークホルダーの関係性や歴史的経緯を踏まえてその領域を構造化し、ボトルネックを仮説する。その上で、領域に関係している人や周りの人がどんな課題を感じているのか、その状況を改善するためにネックになっていることは何か、ということを定性的・定量的に掴んだ上で、解決の先の理想状態を定義し、やるべきことを考え、それをソリューション化していく。
リディラバの仕事では、この一連の「価値創造」のプロセスをセクターを超えてさまざまなテーマで行うことで、身を持って学ぶことができています。
社会を構成する多様なセクターの人たちに対する理解が鮮明になったことも、価値創造のプロセスを実行する上での大きな助けになっています。
リディラバでは、自分たちのアセットに限らず、さまざまなプレイヤーと協働し、彼らが持っているアセットを借りながら借り物競走のようにしてゴールを目指していきます。その時に、中央省庁・自治体・大企業・ソーシャルセクター、さまざまなプレイヤーのことを深く理解しないと、当然ながら、彼らはアセットを貸してくれません。
その理解が鮮明になったことで、さまざまな人を巻き込んで事業を生み出したいときに、道筋がかなりクリアに見えるようになりました。
もう一つ嬉しいなと思うのは、セクターを超えたさまざまな人たちとフラットに付き合うことができていることです。
一つの会社で働いていると、だんだん交友関係が社内だけに閉じていく印象を持たれがちですが、リディラバでは働けば働くほど、むしろ交友関係がどんどん広がっていく。それがプロジェクトの生み出しやすさにも繋がっています。
前編では、チャレンジの場としてのリディラバの魅力や、リディラバで働くことによって得られるスキルについて聞いてきましたが、転職を考えるに当たっては、次のキャリアに限らず、さらにその先のキャリア、延いては自分の人生の時間の使い方を考えたい、という方も多いのではないでしょうか。
後編では、「自分にとっての”ライフワーク”やミッションに対する解像度を上げる場」としてのリディラバについて聞いていきます。
▼社会課題解決に、一緒にチャレンジしませんか?
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井上さん初め、さまざまなバックグラウンドを持つメンバーが日々、課題解決に取り組んでいます。皆さまからのご応募、心よりお待ちしています!
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