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猫でもわかるWebマーケ~市場価値の方程式編~

こんにちは。西尾です。


先日こんな記事を書いたところ


猫でもわかるWebマーケ~グロースハッカー編~ | CLUTCH'S Toy Box
こんにちは。西尾です。最近週3回はセブンイレブンの麻婆丼を食べています。そろそろマイ花椒が欲しいです。さて、前回の猫でもわかるWebマーケ(略称:猫マーケ)。https://www.wanted...
https://www.wantedly.com/companies/clutch/post_articles/102279

「グロースハッカーの凄さは分かったけど、なんかそれ以前のところが分からん」

というご意見を多数いただきました。反省しております。



なので、今回はWebマーケに限らず、少し広い範囲の話をしようかと思います。

前回、グロースハッカーの市場価値がめちゃ高いということを書いていきましたが、市場価値ってそもそも何なのだろうか、と。

面談をしていたり、キャリアアップを考えている人と話すとよく

「市場価値を上げてきたい!」

といったことを聞くことが多いのですが、これ、実際のところ抽象的過ぎてよく分からないですよね。

マジ卍における卍くらい抽象的過ぎる。


◆今回、長めになってます

そもそもこの市場価値という定義について調べてみると「生産条件の異なる企業によって生産される同種商品全体の平均価値。市場での競争によって決定され、市場価格が成立する基礎となる。(デジタル大辞林)」とあり、元々は不動産を中心とした資産を判断するための基準として設けられていたようです。

では、この市場価値がいつから人について使われるようになったのか。どうやら野球選手やサッカー選手などのプロスポーツ選手の移籍などに際して使われるようになり、それが企業の各職種でも当てはめられて使われるようになった。というのが経緯のようです。

調べてみてもやはり少し抽象的ですね。

こんなにも抽象的なのに、企業側も人事側も、メディアも簡単に「市場価値」という言葉を用いて、社会における共通善のようにしているのが不思議。

しかも、共通善かのようにしてしまっているからなのか、市場価値を追い求める人ほど「コモディティ化(=一般化)」してしまっており、結局他人との違いって何なの?って状態になりがちのように見えます。


今回は個人的な解釈で「市場価値」を分解していこうと思います。

着地点として市場価値を高める作業というものは「市場(=多くの企業)から求められる」という所に置いているので、それを前提に考えていくと

(希少性)×(ノウハウの転用能力)×(組織適応能力)×(時価)=市場価値

という式によって導き出せるものだと仮説を立てました。

価値とは「値」、すなわち数値で測ることが出来るものなので、ならば数値を出すための式が存在するはずで、その中身がそれぞれ変数であることが考えられます。

一つ一つ見ていきましょう。


・希少性

これはどんなものにおいても言えますが、珍しいものであればあるほど価値は高くなります。

プロ野球の大谷翔平君なんかは「165㌔の球を投げれる(NPB最速)」という価値と「年間20本のホームランを打てる」という価値を一人で保有するということでメジャーリーグでも非常に高い評価を得ています。

営業でも「毎月会社の売上目標を達成している」というレベルだと、売り上げ目標の基準が曖昧なことや、例えば会社の7割が達成者だとしたら市場価値が高いとは言えないでしょう。

では「3部署を経験して、全ての部署で1位の売上を記録しました」とするとなかなかお会いできないレベルになってきます。

これを別の言い方では「スキル」や「成果」として、分かりやすい指標に置かれています。

ここで気をつけたいのは、希少性は成果を分解していった先にあるものであるということ。

どういうことかと言うと、「3部署を経験して、全ての部署で1位の売上を記録しました」という成果を持っている人はおそらく誰の目から見ても「営業力」が武器になることでしょう。ただ、その「営業力」が何によって支えられているか?が重要なのです。「量を誰よりもやり続けられた」のか「誰よりも人から好かれた」のか「驚異的な交渉術を持っている」のか、同じ成果でも持っているスキルはバラバラです。


・ノウハウの転用能力

これも非常に重要な能力です。

いくら強い武将でも一人で1000人も2000人も倒すことは出来ません(戦国〇双なら出来ます)

自分の成功要因を言葉にして他の人でも出来るようにすることは、「自分がさらに新しいことに挑戦できる」「成果の総数を上げることが出来る」ため、個人の力での成果よりも会社としての成果をグッと上げることが期待できるのです。

また、これが出来る人は役職が上がりやすいことも特徴です。

「自分はめちゃくちゃ上手いけど教えるのは壊滅的なコーチ」と「技術は平均より上くらいだけど誰にでも基礎を教えこめるコーチ」なら、後者の方がコーチとしては迎えられやすいでしょう。

この能力についても訓練で、就職活動の時でも「自分のやってきたこと」「自分の出来たこと」を話せる人の方が優位性があることことにも通じます。「自分の能力を客観的に認識できていて、再現すること、言語で説明できること」がこの能力の第一歩と言えるでしょう。


・組織適応能力

これについては賛否両論あるかと思います。

なぜなら、市場価値に「組織」の話をすると「どこかの組織に入る前提」になってしますからです。フリーランサーやノマドワーカーだとこの必要性は低くなり、個人だけで動く場合においてはこの数値は常に「×1」になることもあります。

ただ、結果としては、「組織には所属できないけど、個人だと爆発的に力を発揮できる人」と「個人でも出来るけど、組織の中でも求められたこと以上の動きが出来る人」を比べた時に後者の方が求められやすいことは明らかでしょう。

また、この能力については指標を作ることが難しいため、評価する組織側が求めるメンバーの像によって大きく変化します。「サッカーがめちゃくちゃ上手い人はサッカー部と野球部どちらの方により求められるでしょうか?」という質問があったら多くの人は迷わずに「サッカー部」ということと同じです。

カタチに縛られる必要はありませんが、自分の特性がどんな組織に向いているのかを考えて会社を選ぶことが一番パフォーマンスを発揮できることに繋がるのではないでしょうか。


・時価

最後は身も蓋もない話ですが、時代の中で価値は変わっていくということです。

昔は、編集者で様々な雑誌を歴任していれば結構な市場価値になっていました。

ですが、現在は紙の編集よりもWebのディレクション経験の方が優遇されるケースが多くなっています。この20年で多くの仕事が入れ替わりました。無くなっていった仕事も決して少なくはありません。

もっとわかりやすい例で言えば、江戸時代剣の師範たちは各藩で非常に重宝されていましたが、西欧諸国から銃が輸入され、刀や槍の時代から銃や大砲の時代へと変化したことで、剣豪たちは途端に生き場所を失いました。

残酷な話ですが、今食べていけるスキルのままで10年後食べていけるかは分からないのです。もし、戦略的に市場価値を高めていきたいと思うのであれば、様々な社会変化を想定したうえでスキルをつけていくことがこの「時価」という魔物に対応できる方法でしょう。



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ここまで書いて、皆さんにお伝えしたいのは

市場価値はそれぞれがどうなりたいか、どこでやりたいかからじゃないと決まらない。何となくでも良いから方向性を考えよう!!!

という事です。

将来に向けてそろそろ本格的にキャリア考え直そうという人は是非頭の片隅にでも..。

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